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12/25 そもそも総研「そもそも2015年は沖縄から日本が動くかもしれない」

2015.01.07 23:39|そもそも総研たまぺディア
今年も少しずつ書いていくつもりですのでよろしく!!

昨年最後の「そもそも総研」は沖縄の民意について。これからの問題なので概略を載せておきます。 
選挙による民意というのは、一体何なのか。 年の初めから翁長知事は政府から露骨に敵意を示されているようです。 自分の意に沿わない者の声は切り捨てるのが安倍政権のやり方なのか? 今年沖縄はその試金石になりそうです。

12/25 そもそも総研たまペディア「そもそも2015年は沖縄から日本が動くかもしれない」

<衆院選  でも沖縄では・・・>
(玉川) 2014年最後の「そもそも総研」は、沖縄の話がしたいなと思い取材に行ってきた。衆院選挙は与党が圧勝したが、沖縄だけは全然違った様相を呈していた。

4つの小選挙区でいわゆるオール沖縄と言って辺野古移設反対を掲げた人が当選した。
一方、比例復活で自民党の候補者が全員と維新の一人が復活して当選し、何と沖縄では立候補した人が全員当選するという非常に珍しいことが起きた。一体どっちが民意なんだという話になる。

P1050585-s.jpg

一応辺野古NO!が民意なんだと言っている人々は、今年は4つのNO!だったと。
名護(辺野古のある市)市長選 NO  名護市議選 NO  
県知事選 NO   衆院選小選挙区 NO
P1050587-s.jpg
4つのNOだから、民意はそういうことだと言う人が沢山いる中で、県知事選で辺野古移設反対を掲げて知事になった翁長雄志さんと、衆院選で容認を掲げて落選し、比例復活した自民党の西銘恒三郎さんの二人に話を聞いた。

<翁長県知事 & 比例復活した自民党議員に聞く>
(玉川) 先日の衆院選で、自民党は小選挙区全敗という結果を知事としてどう受け止めているか?

(翁長) 衆院選の前も県知事選では「オール沖縄」「イデオロギーよりアイデンティティー」ということで、新しい辺野古の基地は造らせないということで当選した。県知事選で“県内移設はさせない”という思いが県民に強くあって、1区から4区まで知事選と連動して移設反対が勝利したのではないかと思っている。
沖縄県民の民意はぶれていなかったことが衆院選でも示された。

戦後69年、沖縄が自ら提供した基地は一つもない。
沖縄の米軍基地は、銃剣とブルドーザーで米軍により強制接収されて造られたものであり、辺野古基地建設を認めれば、“沖縄の県民が初めて認めた外国軍基地“になってしまう。

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(玉川) “基地移設を認めない”という公約をどう実現していくのか

(翁長) 去年の11月頃までは県の環境部は「基地移設は大変厳しい」という話をしていたのに、仲井真前知事が東京で全部ひっくるめて承認してしまったので、その辺のところをこれから検証する。

公約の一つとして、沖縄の実情がアメリカ政府にもちゃんと伝わっていないので、ワシントンに“沖縄の情報を発信する”“向こう側の情報を収集する”そういった役割を持つ人を駐在員として置く。

P1050594-s.jpg

また、4月以降訪米してペンタゴン・ホワイトハウス・連邦議会などに、今の沖縄の民意を含め、沖縄の実情を訴えていく予定。

(玉川) 一方移設容認の立場で選挙に臨んだ自民党の国会議員は、今回の選挙結果をどのように受け止めているのか。

(比例で復活当選した自民党・西銘恒三郎氏)県外移設が出来るなら、県外に持っていきたいという思いはある。ただ危険な普天間基地撤去のために、やむを得ず辺野古移設容認へと方向転換した。

自民党沖縄県連が県外移設から辺野古移設容認へと方針転換した際に、公約に「辺野古を含むあらゆる可能性を排除しない」という一文を付けた。
この“あらゆる可能性を排除しない“ということは、歴史は何が起こるか分からないから、一応辺野古容認をしながらもあらやる可能性を排除しない。これからの動きで知事が動いて県外に基地を持っていって、日米両政府の考えを県外移設に持っていけるのであれば、それは知事のすごい手柄でもある。

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私一人の力で出来るのであればすぐ県外にやってしまう。ただ相手もある、アメリカの政府もあるし、苦しみながら政治生命がなくなるくらいの戦いをみんなやった。
ただ沖縄を含めて我が国全体の安全保障という視点も、国会議員ですから持っておかないと。

(説明)
一方で安倍政権は、辺野古埋め立て工事を進めていく方針は変えていない。
では来年もし政府が強硬手段をとった場合に、翁長知事はどう対処していくのでしょうか。

(玉川) 仮定の話で申し訳ないですが、来年日本政府が辺野古の実際の埋め立て工事を始めるという場合には、どうするのか?

(翁長) 行政を預かる者からすれば、当然のことながらまた抗議も要請もするでしょうが、沖縄の今日までの流れからいうと、基地移設強行はなかなか厳しいものがあると思う。

私はまだ日本という国を信じている。
“名護市長選挙”“名護市議会議員選挙”“沖縄県知事選挙”“衆院選(小選挙区)4区”全部で“NO”という意思表示をしたわけだから、他の都道府県でこれだけの民意が表れて、日本国がそれを押しつぶしてくことが本当にありうるのかどうか。 沖縄県民が思っているのはいつもそれなんです。
政府の強攻策は日本の民主主義を問う結果につながる。

国際世論を含め、いろいろな形でこういった状況を見つめる方々が沢山いるのd、日本という国が民主主義国家としてアジア・世界に冠たる国としてリードしていくのなら、私はそういう形で物事を治めるのは、日本にとっても厳しいものではないのか。
国際世論を含め県民も「あ こういうことで」と可視化できますので、日本国として、民主主義国家としてはよろしくないのではないか。

(スタジオ)
(玉川) 確かに地元の自治体の市長、その市議会、県のトップ、今回の衆院選とこれだけ続いて、辺野古が争点で全部“NO”と言ったのに、イヤ日本全体としては知りませんよと言って、工事をすることが本当に出来るのかどうかという沖縄からの問いかけなんです。

もし沖縄ブロックが比例代表選挙にあったら何人が復活できたのか?ということを慶應大学・小林良彰教授の監修の元に調べてみた。

沖縄は九州ブロックに入っている。もしかして、沖縄以外の九州の票で比例復活しているのではないかと沖縄ブロックを作って単独で計算してみると、比例復活で2議席になる。

その分配は内自民1、公明1となり、惜敗率から言うとインタビューをした西銘氏一人が復活し、他の三人は復活できなかったことになる。そうすると沖縄の意思ということで考えた場合は、さあどうですか?ということがこの試算から見えてくる。

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(翁長知事は、安倍総理や政府要人に対しては12/25夜上京し、面会の調整が出来次第、基地建設反対の意思を直接伝える考えでしたが、結局山口沖縄担当大臣にしか面会出来ませんでした。また、本日1/7サトウキビ交付金関係の政府交渉、全国知事会出席のため再上京している翁長知事は、面談の調整が出来ずに冷遇されているという報道です。)

(玉川) (翁長氏が年末に面会の調整もせずに東京に出てきたことについて)私もびっくりしたが、普通は事務方がちゃんと調整してアポが取れてから当然東京に出てくるわけですが、ところが取りあえず出て来たと。で会えるようになったら会うと。これが何か象徴しているところがあるんじゃないかと思える。
自分から行かないと会ってくれない状況なのかもしれない。

<来年の沖縄から日本が見える? 前泊教授に聞く>
次に、来年を考えた時に、沖縄で起こり得ること。沖縄以外の私達は沖縄で起こることをどういう風に見なくてはいけないのかという話を沖縄国際大学教授・前泊さんに聞いた。

(玉川) 2015年に沖縄では一体何が起こるのだろう。沖縄で起こることを私達はどう見ればいいのか。

(前泊) 衆議院選挙の結果、この辺野古の新基地に反対する人達が推す候補4区全部で勝った。ところが、安倍政権は全国では大勝し、過半数を占めたということで、新基地建設については“我々政府は粛々と建設を進めます”というスタンスをとった。そうすると反対している民意を表明したにもかかわらず、安倍政権は強行するというわけで、その状況の中では衝突が起こることになる。

色々な識者の中には「このままいくと血が流れる可能性がある」ことを懸念している人達がいる。こういうことがまもなく起こる可能性がある。

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今、年末で工事が止まっているが、再開の段階で流血の惨事が起こるのではないかという話が出ている。
選挙の直後に強行しようとする動きがあって、それに対して反対する人達の中にけが人が出るような事態はすでに起こっている。沖縄県民のマグマはすでに蓄えられている。

(前泊) 外国の軍隊の基地を造るために日本人同士が血を流しあうってこれはどういうことだろうという疑問に何故誰も気が付かないんだろう。

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国民同士がぶつかり合って、或いは住民と機動隊または警察、もっと上の防衛省や海上保安庁という形で、国家権力は住民を抑え込んで一生懸命基地を造ろうとしている。
その基地はどこの国の基地なのかということを国民全体がすでに忘れている。

日本の基地を造るかのような錯覚を持っているが、これはアメリカの基地だ。
外国の軍隊の基地を造るために日本人同士が血を流し合う。これはどういうことだろうという疑問に何故誰も気が付かないんだろう。

(説明)
埋め立てが強行されれば、沖縄だけの問題に留まらないと前泊教授は言います。

(前泊) 少数あるいは地方を犠牲にして全体が利益を得るという形。それでいいのかという話だ。沖縄でそういうことをされると、次は原発問題で、次は集団的自衛権の問題で、あるいは最後は憲法の問題で、反対の声は全部封じられて、“我々政府はすべて信任を得たのだ”ということをもしかしたら今回の政権は強行してくるかもしれない。

極端に言えば、憲法改正ということになれば或いは集団的自衛権ということになればその中で“徴兵制”ということが出てきても、“我々は信認を得たのだ”と言ったら、誰が反対出来るのか。そういう全体の問題になった時に初めて気が付くのだ。

(玉川) 沖縄の問題だと思っていたんだけど、いや自分達の問題だったということを・・・。

(前泊) 沖縄の基地移設問題は、日本の民主主義を質を問うための試金石になると思う。 そしてそれは“民主主義のカナリア”だと思います。ここが息が詰まれば日本全体の息が詰まってくる気がします。

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(スタジオ)
(玉川) 多くの沖縄以外の本土の日本人は、沖縄の事じゃないかと思っているんじゃないのか。 “沖縄のことですか、本当に”という問いかけだ。少数の人達の本気の反対を、いや全体は君たちの犠牲の上にちゃんと動かなくてはいけないという論理が常に通っていくならば、それは沖縄だけの問題じゃない。必ず私達に帰ってくるんじゃないかということで、今日のむすびは「因果応報」
私はそういうものではないかと思う。ひとごとだと思っている限りは。

(宮田) 選挙は政権を立ち止まらせる唯一の表現方法だと思う。今回確かにアベノミクスを争点にされて信認されたと思っていると思うが、沖縄や、集団的自衛権とかすべてに暴走されたとしたら、やはりそれは違うのではないか。そして選挙でいくら民意を表しても沖縄のようにそれが通じないとしたらかなり心配な思いがする。

(玉川) 2015年沖縄の問題がどう動いていくかは、正に自分達の問題なんだという目で見ていきたいそもそも総研でした。

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政府の圧力が如実に見えた 11/27 そもそも総研「そもそもアベノミクスは上手くいっているの? いっていないの?」 

2014.11.29 12:49|そもそも総研たまぺディア
各テレビ局に自民党・萩生田副幹事長、福井報道局長名で、「選挙時期における報道の公平・中立・公正の確保のため、▽出演者の発言回数や時間▽ゲスト出演者の選定▽テーマ選び▽街頭インタビューや資料映像の使い方」を要望する文書を送っていたことがネットから広がり、一部新聞で報道されています。

11/27のそもそも総研ですが、テーマはとてもよかったのですが、残念ながら扱い方がこの要望に沿うようになっていました。

すなわち、アベノミクス反対派の三人にインタビューし、賛成派の一人に深堀りインタビューをして、公平中立以上に明らかに賛成派に肩入れした構成になっており、途中で玉川氏が何回もこれから賛成派が登場するので安心せよというシグナルを出すのです。 玉川氏の賛成派へのよいしょが見苦しい限り。

ところが細切れになったしまった反対派の三人より長時間を割り振られた賛成派の本田内閣官房参与の話しが、極めて内容がなく具体性を欠くものであったので、却ってアベノミクス賛成派への不信感が増してしまいました。

そして松尾貴史氏の本田氏に対するの以下の発言がすべてを語りました。 (番組として松尾氏に代弁してもらったのかな)

松尾: ふ~~ん。円安もインフレもコントロール出来ると自信満々で言っていたが、理由がプロだからというのは僕はまだ理解できていない。

松尾: 景気の気は気持ちの気で、それは大事なことだと思うが、ただ皆のマインドで輸出が増えるかと言えばそうではないわけで。



同じくテレビ朝日の「朝まで生テレビ」に出演予定であった人が突然出演を断られたということも起っています。
メディアのあるべき姿勢は一体何なのでしょう。


11/27 そもそも総研たまペディア「そもそもアベノミクスは上手くいっているの? いっていないの?」

玉川: 衆院選まであと17日ということで、安倍総理もアベノミクス解散だと名付けている。アベノミクスはこのまま続けていいかどうか問いたいということで、アベノミクスは最大の争点と言っていいと思う。

でも、アベノミクスは一体上手くいっているのか、いっていないのか。

私達もよく分からないようなところがある。これは専門家に聞いた方がいいのではないかと、今回上手くいっていない派と、上手くいっている派のそれぞれ両方の話を聞いて考えてみようということなんです。

<アベノミクスの実情は?>

総理は上手くいっているんだと・・・。

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でも一方GDPが2期連続でマイナスになった。

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これは景気が本当によくなっているのかと疑問に思われる方も多いと思う。
表に出ているところからはよく分からないということで、これから考えてみたいと思う。

まずは上手くいっていない派の三人。早稲田大学・ファイナンス総合研究所顧問・野口悠紀雄氏、元日銀・早稲田大学教授・岩村充氏、同志社大学大学院教授・浜矩子氏に現状上手くいっているか?これから続けていいかを聞いている。

上手くいっている派は、安倍総理の懐刀・知恵袋といっていい安倍総理の経済ブレーン・内閣官房参与・本田悦郎氏。9月に1年半延期した方がいいと言ったのを取材したが、その通りになったということで、知恵袋といっていいと思うが、これまで上手くいっているか?これから続けていいかを聞いている。

<アベノミクス 現状上手くいっていない派 >

(VTR)
玉川: アベノミクスは上手くいっているのでしょうか? “成功”“失敗”でいうとどちらになりますか?
野口: 失敗ですね。
家計の所得(収入)が物価を調整した実質ベースで見ると減っている。
去年の10月ごろから前の年に比べて成長率がマイナスになっている。これは消費税の増税よりも前のことだから、それは円安によって物価が上がったことの影響。そしてその収入が減った結果支出も減っている。それが去年の10月頃から今に至るまでずっと続いている。

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それによって経済成長率自体も押し下げられてしまっているということ。

(説明)安倍総理はGDPの四半期2期連続マイナスという結果は、消費税を8%に上げたことが理由としている。
野口: もちろん、増税もあるが、それ以外に円安で物価が上がっているとうことの影響があるということだ。つまりアベノミクスの基本というのは、物価が上がれば経済が好転するという考えだったのだが、全く逆のことが起こってしまっているということだ。

(説明)ではアベノミクスの成果といわれる株価の大きな上昇についてはどうなのか?日銀に勤務した経験のある早稲田大学の岩村教授はこんな見方をしている。

岩村: アベノミクスは上手くいっているとまでは言い切れない。日経平均でみた日本の株価は、10200円くらいから17000円を超えるところまで上がっている。70%近く上がっている。だけど同じ時期に日本の円相場は85円から117円まで下落している。
海外の投資から見れば、つまりドルベースで見た日本の企業業績に対する期待は、20%そこそこした改善していないと。

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(説明)岩村教授は、為替を加味して株価を見ることが重要だと指摘する。
ドル建てで換算した株価を見ると、株価はマイナスになっていることが分かる。

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玉川: でも日本人は円で見るわけですよね。これは評価という時には円で見る方がいいのか、ドルで見る方がいいのか。
岩村: 例えば日本をとり戻すと、世界の中で日本を再び尊敬される国にするんだという観点からいうと、日経平均1万円か1万7000円という成果は、ドレッシングし過ぎだと、過大評価だと思う。

(説明)一方で、最近の世論調査では安倍内閣の支持率は45%で、支持しないを上回っている。これはアベノミクスに期待した声だと捉えていいのか。浜氏は・・・

玉川: 多くの人は、アベノミクスは上手くいっていると思っているのではないかと、私は思っているが。

: 私は「実はそうではないんじゃないかな」と思う。雇用が増えていると言うが、非正規雇用がどんどん増えていくという形になっているし、支持率の中で非常に多くの部分を占めているのは、私は絶望に根ざす期待というような要素ではないかと思う。
もうこれが上手くいってもらわないと、本当に明日はないというような厳しい状況に追い込まれている人達が、藁にもすがろうと必死の期待ですね。

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(スタジオ)
玉川: ここまでは上手くいっていない派。 ちゃんと後で上手くいっている派もでてきます。
羽鳥: 上手くいってもらいたいとは皆思っているということですよね。
玉川: それが支持率ではないかと浜先生は見ている。

ではこの先続けるかどうか、これについてはどうか?続けることに関してリスクはないのかを聞いている。

(VTR)
玉川: そうするとこのままアベノミクスを続けた方がいいのかどうかということに関してはどう思うか?

岩村: やめることを考えたほうがよいと思う。手仕舞いを考えた方がいいと思うが、ただ手仕舞うシナリオを全く考えないでスタートしてしまったというのが、アベノミクスなり超金融緩和の特色で、出口なんか考えると効果がなくなると言い放っているわけ。

昔の旧日本軍とか旧海軍とかそういういくつかの作戦を想像させるわけだ。撤退なんか考えるから、考えたらちゃんと戦わないではないかと言って、インパール作戦なんていうものを始めるわけだが、結果として裏目に出たときの悲惨さは、どんでもないものになったと。

(説明) 出口戦略がないと岩村氏は指摘。更に浜氏は・・「出口自体作れないかもしれない」と指摘する。

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: “異次元緩和です“と異次元に出て行っちゃったわけだが、異次元に出て行くと異次元から帰ってくるのは物凄く難しい。異次元から帰ってくるということは、この大規模な量的緩和をやめるということ。そうなれば要は国債を今のようには買い支えられないから、国債相場暴落で金利暴騰と。だからそう簡単に止めることができる話ではない。


仮に2%の物価目標が達成されてした場合、目標が達成されているのに別の理由でやめられないとなれば、“国債買い支えの方が本当の理由だったんだな”と、“インフレ目標は単なる隠れ蓑だったんだな”ということが、その時点でわかってしまうわけですね。

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(説明)それでは大規模な金融緩和の先にはどんなリスクがあり得るのか・・・

野口: 円安が進むということはどういうことかというと、日本人が資産を円で持っていては危ないということ。これが進んでいくと結局「日本売り」と言われているが、資産が日本から逃避して外国に行ってしまうという問題が起きる。その結果国内でインフレが起こるということになる。インフレが起これば、金利も上昇する。金利が上昇するということは、国債の金利の利払いが増えるということで、従って財政面で見ても非常に危険な状況に入っていくということになる。

(スタジオ)
玉川: とうことで、ここまでは上手くいっていない派の方々の話。いや実感として上手くいっているという方もいっぱいいらっしゃると思うので、今度は上手くいっているから続けるべきだという本田さん。
正にこの9月に私がインタビューした時に、1年半増税は先送りすべきだと言っていたのがその通りになったということで、正に安倍総理の知恵袋と言って言い方。アベノミクスに関してはこの方に聞くのが一番ということで、一人でこの部分を伺っている。
まずは今まではどうなのかと聞いている。

<アベノミクス 上手くいっている派>

玉川: アベノミクスだが、これは果たしてうまくいっているのか?
本田: はい、上手くいっている。その証拠に増税の後、いわゆる実質所得がマイナスになっていて、そのマイナス幅が深くなったのは確かだ。3%増税すると2%分インフレ率が上がるので、その2%分は実質賃金の押し下げ効果を持つというのはその通りだが、それがだんだんまた復活してきている。

もし4月の増税がなかったならば、今や実質所得もプラス領域に入ってきている。ということは、やはり根強くアベノミクスは効果を出し続けていると私は思っている。

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玉川: 確かに株価は上がった。しかし非正規雇用者が増えてしまった。結局アベノミクスは格差を拡大させただけじゃないかという話だが、これはどうか。

本田: 株価がそれなりに上がってきている、順調に。
株価が上がるということは、株を持っている方以外にも皆さんメリットがある。確かに直接株を持っている方が最初にメリットを受けるというのは事実。ですけれども、豊かな人がより豊かになるということは、中低所得者が貧しくなるということではない。中低所得者の方は時間はかかるが必ずその恩典が及ぶ。でも確かに時間差がある。豊かな人がまずより豊かになって中低所得者は少し遅れてくる。だけれども決して貧しくなっているわけではない。

玉川: 世論調査ではアベノミクスの恩恵を感じられないという人がかなりの数に上るわけ。(恩恵を感じない人 83% 感じる9% ANN)政権発足してから2年経つ。いつになったら実感できるのか。

本田: まず実感して頂くためには、最低限実質賃金がプラスになってこないとダメ。
だけれどもアベノミクスはジワジワ効いている。だからそう遠からず、増税分を考慮した上でもなおかつプラス領域に入ってくる。来年の春あたりにはプラス領域に入ってくると思う。

玉川: 約半年後には実感できるようになってくると。
本田: 実質賃金がプラスになってくると・・・
玉川: 安倍政権の経済運営で最初に想定したシナリオは、金融緩和をして円安にすると輸出が伸びると。輸出企業が儲かってその利益が滴が垂れるように全体に行き渡るという話だった。
実際は輸出の量は伸びていない。これは想定外だったのか?

玉川: 確かに予想したほど伸びていない。という意味では計算間違いをしたのかもしれない。だけれども輸出企業は円建て収益でみると歴然と収益力が増している。

それから日本は世界最大の対外純債権国、300兆を超える対外純資産を持っている。(対外資産が対外債務を上回っている国で、日本は世界最大の純債権国)それの利子配当資産が毎年毎年所得収支ということで日本に入ってきている。ですから、円安によって日本は対外資産が増えているし、その対外資産から生ずる利子配当所得も増えているということで、日本全体として見るとプラスになっている。

玉川: いま“円建て”の話が出たが、“円建て”で考えるということと“ドル建て”で考える。例えば、日本株もドル建てで見ると2年間で20%ぐらいしか上がっていない。海外から見ると、どういうふうに見えるかというと、ドル建てで見なくてはいけないのではないか。

本田: 基本的な疑問として何で“ドル建て”で見るのか?日本は円で生活している。日本国内でドルで生活している人がいたら私に教えてください。
皆円で生活している。関係ないじゃないですか。日本の株式市場はすべて“円建て”で取引されているので、それをあえて為替ルートで換算して“ドル建て”では低いんだということの意味が全くわからない。

今上手くいっていないように見えるのは、あくまでも増税のせいだ。だからアベノミクスは上手くいっている。「増税の哲学とアベノミクスの哲学は違います」と言っている。

アベノミクスというのは、あくまでも経済を拡大することによってマインドも変わり、消費も増やす、投資も増やす、実質GDPも増やす。だから、まず経済成長による税収効果を最大限生かそうというのがアベノミクスの哲学。

(スタジオ)
玉川: 本田さんの言うことも確かにそうで、例えば増税分がなければ賃金も実質所得もやはりプラスになっている。だからもしかすると3%でなくて、1%の増税だったらもうすでに実質所得がプラスになっていた可能性があると私も思う。

だから真反対のことをやっていると本田さんも言っている。消費税増税は景気を冷やす。アベノミクスは経済を拡大すると。だから、アクセル踏みながらブレーキを踏んでいるようなところがあって、ちゃんとアクセルも効いている。今回はブレーキを踏むのを1回少し弱めましょうという話は9月にもされていたし、今回もされていた。そういう論理だということ。

宮田: アベノミクスと増税が、お風呂で例えるとガンガン沸かしながら一方で水を入れるみたいな感覚で、これって両立するのかなという感覚だった。アベノミクスの変化が出始めた時に、一般レベルまで浸透するのには時間がかかるから辛抱だと言われ続けてきたし、この番組でも随分言ってきたけれど、それが本当に来るって分かっていれば耐えられるが、やはりそこが信じられない。自分の生活の中に株価とか出てこないから。株価で説明されてもエネルギーが沸かない。

玉川: 実は本田さんはずっと前から1%ずつの消費税増税にした方がいいのではという話をしていた。1年とか1年半ごとに1%ずつ。仮に5%上げるとしても。そういう意味で言うと、そういうことをやっていれば既にプラスに行っていた可能性はあったと思うので、やはり増税というものの影響という見方が分かれ目だったのではという気がする。
羽鳥: 来年の4月には実感出来るというふうに。
玉川: 本田さんは半年後には実感出来るはずだと・・・。下がっていた部分が上向きになってきたという話はしていた。

この先はどうするのですか? やはり続けた方がいいということだと思うが、続けた場合のリスクについてはいかがですかという話。

(VTR)
玉川: アベノミクスをこのまま続けていくと円安が更に進んでしまうかもしれない。
更に進む円安が“日本売り”につながる可能性があると。“日本売り”になればインフレも進むだろうし、もうひとつ財政の方で、国債の金利が上がってしまうかもしれない。そうなると財政がもっと回らなくなって大変なことになる可能性がある。このリスクについてはどうか?

本田: 全く心配していない。
玉川: 日本人もどんどん円が下がっていくんだったら「ドルに替えていた方がいいよね」という人がどんどん増えていくと、今までは大丈夫だったが、コントロール出来ない円安だとか、コントロール出来ないインフレになってしまう可能性の指摘がある。

本田: 私はその論理が分からない。なぜコントロールできないのか?

(説明)本田氏は円安のインフレはコントロール出来ると指摘する。その理由とは。

コントロール出来ます。それが日銀の仕事だし、我々が政府としても最大限サポートしているし、コントロール出来ないというのは、日銀の中にそういうことを言う人がいれば辞めて頂きたいですね。日銀全員、スタッフ入れ替え。絶対出来るはず。日銀の職員はみんな出来ると思っている。プロだから。プロがそう言うんだから出来ないはずがない。だから何でそういう不安をあおるのか私には全く理解できない。

私は今、足元に日本経済そんなに悲観していない。なぜならばアベノミクスは効果を持ち続けているから。ですからいつかそう遠からず4月の増税効果をアベノミクス効果が打ち消して上昇気流にもう一回のっていくというふうになると思う。

(スタジオ)
玉川: 本田さんは増税をしないということではないと言っている。いずれやると。
だけど今決めるわけではないという話。先送りしたらそれまでには必ずその増税が出来る経済状況になっていると言っている。

赤江: アベノミクスは円安で輸出が伸びるというのがそもそも前提にあると思うが。昔の日本と違って海外に工場を作って製品も作っているので、輸入も多くなっている。そうすると、そんなに恩恵が思っているほどこないのではないかという・・・

玉川: そこは本田さんは、確かに思ったよりは増えていないが、増えてはいると。減っているわけではなく輸出量も増えていると。これからは中東で活発な動きがあって輸出量も増えていくと、だからこれから増えると言っている。

松尾: ふ~~ん。円安もインフレもコントロール出来ると自信満々で言っていたが、理由がプロだからというのは僕はまだ理解できていない。

玉川: あ~~。まあ本田さんが一番言っていたのが、マインドなんですって。つまり今回両論やったが、両論やらなきゃいけないのでやったが、ネガティブなことがあるとマインドが冷える。アベノミクスの一番大事なところは、これからデフレではなくなるんだと、インフレになるんだと、経済はよくなっていくんだというふうに皆が思うことが何より大事なんだと。

松尾: 景気の気は気持ちの気で、それは大事なことだと思うが、ただ皆のマインドで輸出が増えるかと言えばそうではないわけで。

玉川: まあ輸出はちょっと別問題でしょうね。

宮田: あと、今の生活が消費増税で苦しいということに加えて、そのマインドだが、では先々子どもを生んで育てようとか、事業を展開して大きくしようとかいう気になれない。それが今蔓延しているのが凄く心配な気がする。いつまでこれが続くのかなと。

玉川: 本当はそういうところも問われなければいけないところでしょう。子育てとか安心して暮らせていける、年金も含めて。そうところも争点になると思うが。

今日のむすび: 「上手くいっている」とお考えの人も、「上手くいっていない」とお考えの人も、とにかく選挙には行きましょう。

どう思っているかは別にして、思っているだけではいけないと思う。選挙は私達の大事な権利行使だから、ここは皆さん行っていただきたいなと思う今日のそもそも総研でした。
(以上)

11/20 そもそも総研「そもそも沖縄県知事選で日米関係は大きく変わるのでは?」

2014.11.21 11:28|そもそも総研たまぺディア
昨日のそもそも総研は、地上波のTVとしては珍しく沖縄に居座る海兵隊についての説明が少しありました。
沖縄を語るに海兵隊が何なのかがわからなければ語れないはずなのに、情報が極端に乏しい。
私達には、残念ながら、物事の本質を見極めたり、複雑な事象を考えるのを避けてきてしまう癖が見についてしまっているようです。
情報の断片のみで、何も本質を語っていない政治家のことばも、今度の選挙演説で見破っていかなければ・・・。

11/20 そもそも総研たまペディア「そもそも沖縄県知事選で日米関係は大きく変わるのでは?」

<沖縄県知事選 “反対派”が圧勝>
11/16 沖縄県知事選で辺野古への基地移設“反対”を訴えた翁長雄志氏(64)が初当選した。
当確が2つ以上出てから万歳をしようとしていたが、午後8時の時点で一斉に当確が打たれたので、事務所では万歳三唱が行われた。その時に翁長雄志事務所にいた玉川氏は、翁長氏に笑顔がなかったのが少し気になっていた。

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保守分裂の争いと言われたが、翁長氏は現職・仲井真知事に大差で圧勝した。
しかし、これから困難が山積みなわけ。

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玉川: この10万票という差は圧勝と言っていいそうだ。
翁長氏は、辺野古移設をあらゆる手段で阻止すると訴えた。
仲井真氏は作年12月27日辺野古埋め立てを承認した。これに対して沖縄の反発があって、この結果になっている。
結局、オール沖縄で辺野古移設反対ということになる。何故なら立地自治体の首長もダメだと。それから今回県のトップもダメだということになったので、政治的に言って沖縄は全体でダメだということ。正に沖縄はノーだと掲げたと言っていいと思う。

翁長氏は、選挙中も当選後も取材陣に「承認取り消し・撤回に向け断固とした気持ちでやっていく」と語っているが、沖縄としては既に埋め立ての承認はしてしまっている。
それでは取り消し・撤回とは一体何なのか?

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取り消しとは、承認をする過程に問題があった場合には、取り消しが出来る。
いわゆる法的な瑕疵(かし)という。
仮に瑕疵がなくても、承認をした時と明らかに状況が変わった時には、それに基づいて撤回が出来る。

取り消し・撤回はどういうことになるかを、翁長雄志・新沖縄県知事に聞いている。

<辺野古移設 どう止める?>
玉川: 具体的に言うと、どの辺が法的に瑕疵としてあり得ると、今の段階でお思いですか?

翁長: 県の環境部・土建部などが、色々国の申請内容と調査して、判断の基準がありますよね。私は去年の10月くらいには、環境部とか土建部の「厳しい」という意見も聞いているし、内容が環境問題を素通りさせるのが。仲井真知事も厳しいという話はされていたんです。
知事になると当然内部のものは全部見ることができるわけだから、それを検証させて頂いて、専門家も一緒になって見てもらうことになるのか、この辺も含めて今検討しているところです。

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玉川: 承認するにあたって、環境問題的に厳しいという声があったということなんですね。

翁長: これは新聞でも報道されていますから。 知事とのものは全くの個人ですから、私が個人で聞いたということになりますけれども、大体厳しいというのが県庁内の意見だったと。

翁長氏の指摘する環境問題について、行政法に詳しい沖縄大学・仲地博学長に聞きました。

玉川: 環境の問題とは具体的にどういう問題があり得るのですか?
仲地: ジュゴンに対する配慮が十分になされていない。あるいは、オスプレイの配備が環境アセスメントで考慮されていない。

(説明) 基地移設に関する環境アセスメント〔環境影響評価〕で国は沖縄県に対し4回書類提出を行った。しかし、オスプレイ配備を記載したのは、住民が意見を述べることが出来ない3回目以降からだった。仲地学長は、住民が意見を述べることが出来ない“今の環境アセスメントには法的な瑕疵があるのでは”と指摘する。

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一方、撤回に必要な条件の変化はあるのか?

翁長: 「私が辺野古に基地を作らせない」ということで当選をしたということが、新たな条件なので、県知事に承認の許認可を与えたのは、法定受託事務で形式的なものだという人もいるが、しかし県知事に与えたということは、沖縄県の県益の立場に立ってこれを判断して、県知事なりの認識を示すことが重要だと思います。

(説明) では翁長氏が承認の「取り消し」「撤回」を行った場合、政府はどんな手段に出ることが考えられるのか?仲地学長に聞きました。

仲地: 一番国にとって強力な手段は、国が代執行する。埋め立てを承認する権限は知事にありますけれども、その権限を知事から取り上げて大臣自らが承認をする。すなわち、国が申請して国が承認すると。

玉川: 最終的に、やはり県というのは国にかなわないものになるんですか?

仲地: 法的仕組みとしてはそうですけれども、政治的問題としてはまた別でしょう。
国がそういう強力な法的手段を取ってくるということが、沖縄の怒りに火をつける可能性があります。

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沖縄の県民性、おとなしい県民性ですけれども、復帰直前にはコザ騒動があった。ああいう形で爆発する可能性を否定できないだろう。
(コザ騒動(1970年) 米兵の交通事故多発をきっかけに起きた暴動。米軍関係車両に放火などし、多くの犠牲者が出た)

一方国が代執行という強硬手段を取った場合について―

翁長: いま安倍さんが民主主義・自由主義という価値観を持って、環太平洋の国を回りながら「お互い結束をしましょう」と言っているんですが、本家本元の自分の国の中で、そういった地元の名護市長が反対し、さらに沖縄県が反対しているものに対して、海上保安庁の船を20隻も浮かべてブイを置き、そして強制的に埋め立てをしていく・代執行するということは、これからのアジアのリーダーとして、世界の国々をまとめようとする日本が失う代償は計り知れないと思うんですね。

国がやろうとすることを止める術は基本的にはないわけですよね。だけれども、それをやるということは、世界に発信されますよと。沖縄からも声を上げて、アメリカ政府にも国連にも話をしていくことになるので、代執行の代わりに払う代償は大きなものになると。

(スタジオ)
玉川: まず取り消しは出来る可能性がある。それが出来なくても撤回、もう既に沖縄の民意が、仲井真さんが承認した時と違うということが選挙で示されたので、もう状況が違うので出来るでしょうという考え方。

沖縄知事として、撤回すると、取り消しをすると決めれば、どうも出来るのではないかという気がする。更に言えば、アメリカ、国連にも訴えていくと。もう日本政府が聞く耳を持たないのであれば、アメリカに直接訴えますよという話をされている。だからこれは動いていくのでないかと私は思う。

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松尾: もともとアメリカが強く沖縄にいたいかというのは別だろうし、日本が勝手に忖度というかサービスとして見せている気が凄くするから、アメリカと直接話しをする方が
話しが早いのかもしれない。

玉川: 更に言えば、東京で訴えるよりもワシントンで訴えると、ワシントンの日本のメディアが日本に向けて話す覚醒(拡声?)効果の方が大きいと思う。 だから、アメリカで訴えるということは、ひとつ効果として大きいと思う。

今回の知事選の結果をうけて政府・各党の反応だが、

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(自民、民主、次世代は移設賛成。公明党は沖縄では翁長氏を事実上推したので曖昧 by schnauzer)


<翁長新知事より本土の皆様へ知ってほしいこと 基地は経済発展の阻害要因>
玉川: 日本政府が沖縄に米軍基地を置くということの背景には、沖縄以外の日本人が、ある種の“無関心”ともう1つは“自分のことじゃない”と。「沖縄に米軍基地を押し付けとけばいいじゃないか」とか、はたまた「抑止力に必要なんだ」と、日本人の意識の問題がありますね。

翁長: 去年東京要請行動をしても、政府も一顧だにしませんし、国民世論も動かない。また本土のメディアもそう大きくは取り扱ってくれない


(説明)去年1月東京で、沖縄県の全市長村長が参加し、辺野古への基地移設反対などを訴えるデモが行われた。その時、日の丸を掲げたグループがデモ参加者に罵声を浴びせるという場面があった。このことから、翁長氏は、“本土では沖縄の基地問題を他人事のように考えているのでは”と感じたという。そんな翁長氏が本土に最も訴えたいことは。

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翁長: 一番間違った発信をされているのが、「沖縄は基地で食べているんだ」という、本土の方々の免罪符になっているんです。「基地があるから食べているらしいよ」「経済も発展しているらしいよ」と。振興策もらって「じゃあ仕方ないじゃない」「本土も助かるし」と、誤った発信がされている。

沖縄県民の今の総所得は4兆円。基地関連所得は2000億円、観光収入だけで4500億円。その差は2.3倍。基地があるから経済が潤っていることは、基本的には相当小さくなっている。

(説明) 翁長氏はその実例として、25年前に米軍から返還された新都心地区を上げる。

翁長: そこの軍用地料は52億円が沖縄に落ちておった。その経済的規模が今は600億円。雇用は180名が雇用されていたが、今は2万8000名。税収は当時6億円でしたが、今97億円になっている。だから本土の方々が、沖縄が基地で食べているというのは、沖縄県民はそうでないという認識が浸透しつつあるので、その意味では基地は経済発展の阻害要因。

(スタジオ)
玉川: 沖縄に基地があってしょうがないではないかという本土の考えの1つには、基地で沖縄は食べているんでしょと。だったら基地があってもしょうがないのではという考えは、もう違いますよと。そういうことではもうないことを分かってほしいと。

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それ以外に、沖縄に海兵隊の基地があることが、抑止力になっている。もう1つは、いくら日本が沖縄から基地をなくしてほしいと言ってもアメリカが許さないからしょうがないではないかと。この二つに関しては、今回アメリカのシンクタンク新外交イニシアティブ理事・ジョージ・ワシントン大学・マイク・モチヅキ教授に聞いている。

<それでもアメリカは辺野古に固執?>
玉川: アメリカのアジア戦略の中で、海兵隊を沖縄に置いておく合理性はそれほどあるのでしょうか?
モチヅキ: 海兵隊の大部分はアメリカ本国に戻していいと思う。

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玉川 多くの日本人が、辺野古への移設がしょうがないと思っている理由の1つが、アメリカ側がどうしても望んでいるからだと。オールアメリカで辺野古に海兵隊を移さなきゃいけないって思っているんですが、

モチヅキ: アメリカにも様々な意見があります。しかし間違いなくアメリカの海兵隊は今の状態を沖縄で維持したいと考えています。
だからといって、アメリカのすべての人々がその考えだということではありません。
アメリカの政治のリーダーたちにも別のアイデアを検討すべきだと考えている人々がいます。


(説明)
実際知日派のリチャード・アーミテージ元米国務副長官も以前こんな発言をしています。
2010年日米安全保障セミナーでの発言
「長く持っても辺野古に関して、肯定的な結果が出るとは思えない」アメリカは「プランB(代替案)を持つべきだ」
玉川: 実際海兵隊は、沖縄にいて抑止力になっているんですか?

モチヅキ: 抑止力という観点から重要なのは、“空軍”であり“海軍”です。海兵隊のプレゼンス(存在感)にこだわり、辺野古への米軍基地建設にこだわるのであれば、日米間の政治的な問題となるでしょう。

玉川: アメリカの戦略の中で、海兵隊を沖縄に置いておく合理性はそれほど強くあるんでしょうか。

モチヅキ: 海兵隊の大部分はアメリカ本国に戻していいと思います。定期的なローテーションの中で、この地域に海兵隊は飛行してきて、船の上に降り立ちそこで訓練を行う。この方法で海兵隊のアジア太平洋地域におけるプレゼンス(存在感)は維持できます。

危機の際には、事前に設置した施設に、海兵隊の戦闘部隊が瞬時に本国から来て、軍事オペレーションを行うことができるのです。私は、沖縄に集中する要塞のような基地がなければならないという考え方から卒業すべき時代だと思います。
オバマ政権の政策も、この方向に向かい始めています。


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(スタジオ)
玉川: 海兵隊ということを、日本ではあまりよく分かっていない人がいて、要するに、空軍とか海軍が出て行って、制空権や制海権を抑えた後に海兵隊は出て行く。海兵隊とは地上部隊なので、その間の時間を考えると本国からでも充分間に合うという。近くにいる必要がだんだんなくなっているという。逆に、沖縄に集中していることで、仮想を中国とすると、ミサイル攻撃されたら一発で終わってしまう。だから今ローテーションしましょうという話になっている。オーストラリアも含めて。
だから、軍事的な意味で沖縄にというのはあまり意味がないというのは、アメリカの中でコンセンサスになりつつある

宮田: 必要性から考えても、絶対に沖縄にいなくてはいけないと考えていないということと、それプラス民意に反することをしたくないといことと、この2つを天秤に並べる気がアメリカにあるということですよね。

玉川: 逆に言うと、この選挙の結果でオール沖縄で反対だということになって、それでも強行してそれが政治問題になり、結果として日米同盟や日米安保に傷がつく方が、アメリカにとっては困ることになりつつあるかもしれない。

今日のむすび: 新知事の行動と、ワシントンや米世論に直接訴えることで事態が変わっていくかも。

正に、今回の知事選が1つのターニングポイントになり得るという目で、視聴者の皆さんにもこれからを見ていっていただきたいと思う。

宮田: 翁長さんはアメリカに行かれる予定はあるんですか?
玉川: 選挙になったので、少し先延ばししなくてはいけないとは仰っていましたが。
アメリカと国連でも訴えるというお話でしたので、要注目ですので、見ていきましょうという今日のそもそも総研でした。

(以上)


11/13 そもそも総研「そもそも“靖国”“尖閣”問題はどうなったのか?」

2014.11.13 21:10|そもそも総研たまぺディア
取りあえず日中首脳が一応握手をして、会談に臨んだことは評価していいですよね。
そもそも元東京都知事が、米国の軍産複合体にそそのかされて火種をつけなければ、更に野田政権が国営化という決定的な一手を打たなければ、加えて安倍総理が靖国神社に参拝しなければ、こんなに両国の国益を損なうような事態にはならなかったはずなのに。

田中宇氏の国際ニュース解説を呼んでいますが、それによると、この合意文書は中国語が原本で、そこから中国政府は翻訳の英語版を作り、日本政府は翻訳の日本語版と英語版を作ったそうで、英語版が2つあり、それぞれが微妙に違うとウォールストリートジャーナルが指摘しているそうです。
Who Gave Ground? China, Japan Tweak Translations to Claim Victory

安倍さんは”尖閣””靖国”についての考え方を変えてはいないと思います。 
それでは何が両国に握手をさせることなったのか、注視する必要ありです。
恐らくアメリカの圧力があったのではないでしょうか。

本日のそもそも総研の指摘のように、外交戦術上の”曖昧さ”であるなら結構なことなのですが、翻訳上の若干の言葉のまやかしや誤魔化しによる”曖昧さ”では後で必ず混乱が起こります。誰か2つの英文の訳を比べてくれないでしょうか。 外務省の外交力が問われていますよ。

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11/13 そもそも総研たまペディア「そもそも“靖国”“尖閣”問題はどうなったのか?」

<日中首脳会談 開催したが・・・>
玉川: “尖閣国有か”以来3年振り。やっと行われた日中首脳会談(11/10)だが、そもそも“靖国”“尖閣”問題はどうなったんだろう? 
首脳会談について中国側はずっと条件をつけていた。この“靖国”“尖閣”問題で、日本側が条件をクリアしてくれるなら、首脳会談に応じますよみたいなことを言っていた。

しかし、今回首脳会談が実際に行われたわけで、この問題は一体どうなったのかが非常に気になっていた。

この二人のツーショット(会談前の日中首脳の握手〕を多くの人が見たと思うけれど、硬い表情というよりは首脳会談でこんな表情するんだなと僕は思った。

何だあの表情は!と国内でもいろいろ話題になったが、どうですか?

(米国、韓国、ロシア首脳と周近平主席との握手の写真と比べる)
中国国内に対する、こういう表情でやらなくてはいけないというある種のパフォーマンスではないのかという話もあるが、その辺も含めて一体どうなっているのかをいろいろな人に聞いている。

外交のプロ、外交官3人と前駐中国大使・丹羽氏の4人に、今回をどういうように見ればいいのか?分析すればいいのか?を聞いた。
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<首脳会談前の日中合意文書とは>
まず、首脳会談の前(7日前)に両国の事務方がすり合わせて環境整備をした。その時に両国がこういうふうに合意したという4項目があった。
その中の2項目に“靖国”と“尖閣”問題が入っていた。

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この中の『両国関係に影響する政治的困難』に歴史問題を含めた靖国問題が含まれるということだ。
『若干の認識の一致を見た』この若干とは何だ。

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『尖閣諸島』という言葉が入った。 
『・・・異なる見解を有していると認識し・・・』これは何なのか?

<前駐中国大使は・・・>
このへんを前駐中国大使・尖閣国有化時の大使・丹羽宇一郎氏に話を聞いた。
玉川: 今回日中首脳会談が行われたが、どのように思うか?
丹羽: まあ、一歩前進と言うか、これだけの隣国で互いに会っていないというのは、世界の歴史上の珍事。その間、何も両国にとってプラスになることはなかった。やはりこれはまずいのではないかと、そろそろ嫌気がさしてけんか疲れが出てきた。

折角、周近平国家主席が“おいでください”と招待状を出したわけだよね。招待状を出しておいて話し合いをしないということは失礼だ。中国の文化からいっても、招待状を出したら、机の下で足を蹴っても、心で笑って顔で笑って、「よくいらっしゃいました」というのが礼儀というもの。だから今回会ったからといって、何か解決するということは、多分両方とも期待してない。礼儀上の会談に近い。

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3年振りの首脳会談は25分間。双方から「靖国神社」「尖閣諸島」の固有名詞は出ずに終わる

玉川: 首脳会談をするためには、“尖閣”の問題“靖国”の問題に、中国側は条件をつけていた。この2つの問題は一体どうなったんだろう。中国側はどういうふうに考えたんだろう。ここはどうか?

丹羽: 話し合いをしようということを、日本側も強く要請していたわけだから、新しいことを安倍総理がおっしゃるのではないか?という変化を中国側が期待していたんじゃないかと思う。

玉川: 安倍総理、周近平国家主席、2人とも表情が非常に硬かったわけだ。
会談の後だったら、「何の成果もなかったじゃないか」と硬いのは分かるが、会談の前に硬い表情というのは何でなんですかね?

丹羽: 首脳会談というのは、事前に部下が打ち合わせをして、“こういうことで発言してください”と両方とも分かっているわけだ。従って、最初に挨拶するときにこれから行われる会談の中身は分かっているから、だから、「何だ」というような顔をして嫌々の顔をしていたんじゃないのか。

玉川: 周近平さんは国内向けにポーズとして苦い顔をしていたということではなくて、会談の中身自体に対して渋い顔をしていた・・・

丹羽: 中身は分かっていた。だから当然嬉しそうな顔はしないし、にこりともしないし、何となく嫌々会っているような気がする。たぶんそうじゃないのか。

(スタジオ)
玉川: 基本的に、首脳会談の中で話し合われることは、事前に事務方がすり合わせをして、それから握手して、実際の首脳会談。勿論事務方の打ち合わせを超えて首脳同士が話しをすることはあり得るらしいが、今回そういうことはなかったという感じなのか。

こういう表情は、正に中身を事前に表していたということだということ。

松尾: それが本当だとすれば、周近平さんは、ある意味物凄く正直な人なのかなと感じるが。

玉川: それは丹羽さんもおっしゃっていたが、周近平さんは正直な人らしい。顔で笑って、机の下で蹴るみたいなタイプではなく、面白くないと顔も面白くない人らしい。

松尾: でもそれでは13億人のトップとしてはどうかなという気もするが。
玉川: そうも思うが、ただ、同じ首脳会談の中で13億人の感情の問題があるという話をしているので、そこともリンクしているのかもしれない。

次に、元外交官・京都産業大学教授・世界問題研究所長・東郷和彦氏と元外務省日米安全保障条約課長・宮家邦彦氏に、先ほどの事前のすり合わせ文書について話をきいたところ、二人とも非常に近いニュアンスの評価をしている。

<さらに外交のプロは・・・>
東郷: 私が外務省でいろいろ見てきた外交文書の中で、最もよくできている文書の一つで、久しぶりに興奮を覚える非常によくできた文書。何故かというと、今の2つの問題について、当然日中の立場が違うというのは解消されていない中で、ぎりぎり一致できるのは何かというのを書いたのがこの文書だ。

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まず靖国だが、安倍総理は今回会談するにあたって、自分はこれから靖国に行きませんとは絶対に言わない。中国は靖国にもしまた行ったならば、今の日中関係の困難というのは、すべてもう一回出てきますよということを伝えたい。
そこから出てきたのが、この文書だと思う。「・・若干の認識の一致をみた」と。この“若干の”という、いわく言い難い、英語にすると外国人がみんなこれどう訳すのかと、あの文書が出た場は持ちきりだった。

玉川: 日本側からすると、“もう一度総理が靖国を訪問したら大変なことになる”と中国が言っていることは“わかっていますよ”ということなのか?

東郷: まあ若干の理解が進んだということだが、非常にデリケートなことだし・・・
詰めない。詰めない。この問題に関しては詰めない。これが外交というもんだと思う。
この文書が素晴らしいのは、これ以上詰めないという言葉を1つ見つけ出したということ。
靖国の問題は、もともと詰めていけば決裂する。だけど、その靖国の問題をこれ以上大きくしないために、“若干”の理解が進んだということで、とりあえずおさめたわけだ。

玉川:そうするとある意味“棚上げ”ということでいいのか?
東郷: そのことを“棚上げ”とか或いは“これが共通の理解です”ということを詰め出すと、この芸術的な文書が壊れてくるので、とにかく靖国の問題はこの文書によって、とりあえずはおさまったわけだ。

(説明)
東郷氏の祖父は開戦・終戦時の外務大臣・東郷茂徳氏。戦後永久戦犯として靖国神社に合祀されている。

東郷氏は、尖閣問題での日中の歩み寄りを評価している。

東郷: 一番肝心なのは、日本が一歩歩み寄った。中国も歩み寄った。その歩みよりの程度が全く同じ。だから勝ち負けなしということでおさめたのがこの表現。
日本の歩み寄りは何かといえと、日本の“領土問題は存在しないと”という立場は全く変わっていない。だけども両方に違った見解があるということをちょろっと認めた。

中国の歩みよりは何かというと、中国は日本に“領土問題の存在を認めろ”と言っていたが日本は認めていないが、自分の方にも意見があるということをちょろっと認めてくれた。だから対話を始めるだけの議論の場を、日本が認めてくれたことをもってよしとしたわけ。

玉川: お互いに尖閣に関しては、聞く耳を持たないという感じからは脱したということ?
東郷: 私はそう思う。

(説明)
では中国公使として、日中外交の機微にふれてきた宮家氏は、今回の外交をどう捉えているのか?

玉川: 首脳会談の前に文書が出たが、その中で靖国問題はここの含まれると思うが、『若干の認識の一致をみた。』これはどういうふうに文書解釈すればいいのか?

宮家: それは文字通り、“若干の認識があった”ということでしょう。中国語では“若干”という言葉を“一些 ”イーシエという言葉を使っている。英語では“some”という言葉を使っている。いい意味での曖昧な言葉でもある。そこに戦略的な曖昧さというのが込められているわけだから、そういう微妙に違うことをぎりぎりやっても意味がない。

だって日中なこれだけ厳しい関係からようやく反転してきたわけだ。つまりコップで言えば、水がちょっと入ってこれをハーフフル(半分水がある)と言うか、ハーフエンプティー(半分しか水が入っていない、半分カラだ)と言うか、どっちがいいですかということ。

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玉川: 要するに同じものだが、解釈によって違う解釈が生まれると・・・
宮家: 私はハーフフルだと思っているから、時に戦略的な曖昧さが必要な場合がある。
特に日中関係のような重要な関係で曖昧な部分が残っていても、不思議ではないと思う。
そのような曖昧さが、却って合意なるも、もしくは了解なるものに命を吹き込んで、そこの長寿を与える生命を与えるわけだ。そういう効用もあるわけ。必ずしも何でもかんでも白と黒をつけるのは、必ずしもいい方法ではない時がある。

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(スタジオ)
玉川: この曖昧さということなんですが、どうですか?
宮田: 文書の曖昧さについては、二人とも絶賛しているが、その曖昧な文書が出て、会談でその曖昧さを具体的に詰めるのかと注目されてきたと思うが、それはしなかった。会談の中でも曖昧なまま、解釈を具体的には表現しなかったという、その会談の曖昧さもよかったということか。

<海外の情報分析プロは・・・>
玉川: 外交問題の分析のプロはどう見たか。元外務省国債情報局長・孫崎享氏に話しを聞いている。

孫崎: 我々がどう受け止めているかということだけでなく、外交のプロはどのように見ているかということも、非常に客観的な問題として重要だ。
(アメリカ外交評議会)リチャード・ハース会長は、4つの合意があった時、これは外交的に大成功だと、大変な前進をしたと諸手を挙げてツィッターで称賛した。

11/8 ツィッター 尖閣の領土問題を管理し、そして信頼醸成措置を進めるとしたのは、真の外交的前進の意義を有する。



孫崎: 首脳会談が終わってからのツィッターを見ると、冷たい関係だと。米国の見方というのは冷たさを強調している。

11/10 のツィッター  見解の相違は解決されず、両国が尖閣を単に管理したのみ、首脳会談は暖かさに欠けるものの、建設的な歩みだった。



孫崎氏によれば、“建設的な歩み”とは外交上の単なる社交辞令に過ぎないという。
孫崎: 尖閣問題で、今までの状況とは変わったような雰囲気は作れなかったということだと思う。今後の安倍首相の尖閣に対する反応はますます強い態度を取っていく。
従来のラインとあまり変わっていないと思う。

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(スタジオ)
玉川: 日中の軍事衝突は、アメリカは絶対に嫌だ、だから最初の4項目の合意文書が出たときに、素晴らしいと評価したが、実際にあの表情を見て、会談の中身が伝わると、何だ何も変わっていないではないかとがっかりした。

アメリカの外交評議会というのは、アメリカの外交に関するシンクタンクの中でも最も権威あるところらしい。そのトップがあのように言っているということは重いと、孫崎氏は言っている。

赤江: 外交の常識として、全くお互いに勝ち負けをつけないというのも一つの方法なんだなと。やはり周近平さんの表情があまりにも露骨過ぎて、もう少しにこやかに会ってくれればよかったのにと思う。

今日のことば:外交については“あいまいさ”に対する「理解」と「耐性」が私達にも必要なのかも

玉川: 白黒はっきりつけたがる、私もそうだが、このコーナーもそう。

外交というのは、正に最も高度な人間関係みたいなもの、国同士の。そうすると、実は曖昧さに対する耐性、“曖昧さ耐性“と言う言葉が心理学にあるらしいが、要するに曖昧だということに我慢できるか、所謂人間としての成熟とか大人の具合ということに関わってくる。

これが、曖昧耐性がないと、直ぐに怒ったり、誰かにレッテル貼って安心したり、そういう態度になってしまう

私達も国民として、こういう微妙な問題は微妙で曖昧にしておく。ある種日本人的な、そういう物の見方をするべきだと。何だ中国ああいうへんな表情をしやがって、ということでなく、この曖昧であるということ。少しでも進んだということは評価すべきだということが大事なのではないか。

日中共に、あれほど嫌な表情をしても合わざるを得なかった。中国も経済の先行きが危うくなっているし、日本アベノミクスも、円安にしたら輸出が伸びるとしていたが伸びていない。この大きな要因は、中国があまり伸びないことにある。お互いにギリギリだったのではないのか。

松尾: 曖昧にも出来なかった状態の昔のほうがましだった。ここにこういう問題の固有名詞を書いてしまうということ自体が、本当はこれすらなくて、本当に解決したいと一致している問題点だけ話合えば建設的だったのにと思うが、

玉川: まあ、これからなのではないか。まずは一歩ということで、評価できるのではないかというそもそも総研でした。

(以上)


10/30 そもそも総研「こんな状況でも、いまだに公開しないおカネがあってもいいんですか?」

2014.10.30 22:25|そもそも総研たまぺディア
玉川氏のおはこの文通費の問題が、俎上に上がる日も遠くなさそうな情勢です。

本当に早く民主的風になって下さいよ。これについては、この法案の提出に関してだけは、惟新の党でも何でも応援します。
惟新の会の議員は、法案云々とは別に、自主的に文通費を公開するとか言っていましたが、どうなっているのでしょうか?

いやはや、日本の政治家の仕事は、次の選挙で自分がこの職業に再び就職できるかという1点に集中している感じですね。

10/30 そもそも総研たまペディア「こんな状況でも、いまだに公開しないおカネがあってもいいんですか?」

<政治とカネも問題続出の中・・・文通費は?>

玉川: 政治とカネの問題が続々と発覚ということで、今日のテーマ「こんな状況でも、いまだに公開しないおカネがあってもいいんですか?」

野党にも波及し始めているが、これらの問題が明らかになったのも公開の義務があるから。

こういうのを見ると、政治家は公開しなくても適正に使っているって言えるのか?とどうしても思ってしまう。
そんな中で未だに公開されていないものが、文書通信交通滞在費。
これを10年やっている。

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年間1200万円 課税されないので国会議員にまるまる入ってくる。
渡しきりで、どう使っても公開する必要がない。余っても返さないし、領収書もいらない。
だから、第二の歳費と言われている。
国会議員によっては、歳費は税金がかかるので、手取りで比べるとこちらの方が多い場合もある。
だから第二どころか、第一の歳費ではないのかとさえ思えてくる。

こういう状況を鑑みてということではないが、今朝の朝刊によると、地方議員の政務活動費を小額でも開示しろと最高裁が決定した。
岡山県議会では、今までは政務活動費1万円以下は公開しなくてもよかった。
ところが、これに関して裁判が起こされ1円以上はすべて公開しなさいと最高裁が決定した。
それぐらい政治家と政治に使うおカネは透明性が必要だということを最高裁も出した。

政活費で最高裁判断、岡山県議会に「最後通告」

その中で、国会議員には公開していない1200万円がある。

今回いろいろ調べて見た中で、外国はどうなっているのか。調べるのに1ヶ月くらいかかった。

<日本は非公開だけど・・・海外は?>

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調べて見たら、文通費に相当する経費はG7の国にみんなあった。
アメリカは2617万円と高い。フランスは222万円と差がある。

公開されていない日本に対して、他は皆公開されていると思っていたが、実はそうでもなかった。
アメリカ、イギリス、カナダ、所謂アングロサクソンと呼ばれる三ヶ国は公開。
しかし、フランス、イタリアは公開しなくてよい。意外だったのはドイツも公開しなくていいと。
これはどういうことなのか?ということで取材した。

(VTR)
玉川: 日本では文通費は公開になっていないが、アメリカ、イギリス、カナダなどは全部公開だ。なぜここは公開になっているのか?

“政治とカネ”の問題に詳しい東京大学大学院・法学政治学研究科・谷口将紀教授: 特にアメリカの政治資金の考え方というのは、額の規制は文通費に限らず政治資金は青天井だ。特にテレビのCMで巨額のお金を使うので、大統領選挙なんかはとてつもないお金がかかる。ただその代わりにすべてオープンにする。

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〔説明〕
アメリカの場合、政治にかかるお金はすべて「経費」だと考えるのが一般的だと谷口教授は言う。
政治家に入ってくる金に上限は設けない代わりに、支出を公開し、誰でも確認出来るようになっている。

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では経費が非公開のドイツの場合はどうなっているのかを、ドイツの政治資金問題に詳しいベルリン自由大学のヴェレナ・ブレヒンガー教授に話しを聞いた。
(玉川氏によるブレヒンガー教授への電話取材は日本語でした。)

玉川: なぜドイツで経費の公開が義務付けられていないのか?
ブレヒンガー: 細かくどういういうふうに使ったとか(チェックするのは)
すごく業務の多い仕事になり複雑なので、各議員に同じ金額を経費として渡して、自分の責任で使ってくださいという制度だ。
玉川: 本当に適正に使っているかどうか、公開しなければ分からないではないですか。
ブレヒンガー: あの議員は金を無駄使いするとか市民団体から批判が出れば、議会の議長がチェックすることが出来る。
玉川: 市民団体から“あの議員の使い道に疑義がある”といった場合には、その中身を公開させることが出来るということか?
ブレヒンガー: そうです。だから議員は自分の事務所に過去5年間くらいの領収書を全部置いておき、チェックがくれば領収書を出してくださいという制度。

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(説明)
ドイツの場合は、議員に税金の掛からない経費約58万円が毎月支払われ、使い道を報告する義務はない。しかし、議員に対し疑惑が上がった場合には公開を求めることが出来、議会の議長がチェックするという仕組みになっている。

一方、不適切な経費の使い道は、日本だけでなく、イギリスでも問題になったことがある。

谷口: そのためのお金でドッグフードを買っていたりだとか、住宅ローンを払っていたりだとか、そういう不適切な使い方をしていたという事例はある。

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(説明)
イギリスでは、ブラウン政権時に、政治家の不明瞭な政治資金の使用が発覚し、大臣の辞任が相次ぎ、政権の支持率が急落した。

玉川: 政権がそれで倒れたのか?
谷口: そもそもブラウン政権は不人気であったわけだが、最終的にそればとどめになったとも言われている。

(スタジオ)
玉川: ドイツが公開でないという話を聞いて、ほらドイツだって公開ではないと喜んだ国会議員がいたと思うが、そんなことはない。
問題になった場合は、いつでも出せるようにスタンバイしていなければならない。
まあ、△でよかったかもしれない。

アメリカ、イギリス、カナダは、これは経費なのだと。
会社では、出張経費でも勿論余り使うなとは言われるが、経費だということになれば、必要経費ならいっぱい使うのは仕方ないと。その代わり会社に対して全部中身を示してということになっている。そういう考え方。

イタリア、ドイツ、フランスは滞在費も入っている。首都に国会があるので、そこに滞在するお金が必要だとして入っている。日本の場合は、もちろんその名目は文通費にあるが、議員宿舎があるのは日本だけ。他は議員宿舎がないので、こういうふうに出している。

前々回、日本は歳費が一番高いというのをやったが、トータルとしてやはり一番高くなっているのではないかという感じがある。

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経費であれば課税はされないが、その代わりに領収書はいる。手当だったら、領収書はいらない。

会社では、出張経費は出る。これは当然領収書はいる。出張手当も出るがこれは自分で使ってもよく領収書はいらない。しかしこれは金額は少ない。一回出張して何千円という単位。手当ならその代わり課税される。
外資系企業などで50万円など出ている住宅手当というのも、当然課税される。
ちなみに議員宿舎の場合は、別に理由をつけて課税されないようになっているのだが・・・。

文通費はいいとこ取りになっている。貰う側からすれば、課税もされない、領収書もいらない。いいよねという感じになっている。

こういう様々な問題点があるので、政治とカネの問題が発覚したので、改めてこれはいろいろ聞かなくてはいけないなと思っていたところで、維新の会が公開しましょうという法案を提出するということなので、聞きにいってきた。

<どうする文通費? 国会議員に聞きました>
維新の党・江田憲司共同代表: 端的に、歳費法に「公開義務付けをする」1条を入れただけ。
ああだこうだ議論していると時間がかかるので、とにかく早く公開しようと、全党で法案を通そうと、という趣旨で、それが国民の皆さんの要望でもあるだろうということで、とにかく簡潔明瞭に法案は書いた。

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公開が義務付けられている経費ですら、こんないい加減な使い方だ。ましてや公開義務のない不明瞭なお金・月々100万円、年間1200万円。これは税金だ。これが適正に使われているからいいだろうという理屈は、到底国民には通用しないと思うし、許されるはずもないと。こういう問題意識で維新の党としては全党に呼びかけている最中だ。

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民主党・川端達夫国対委員長: 文通費は“政治活動に関する費用の性格“なのか、皆さんも出張手当とか家族手当とかいわれる”手当の性格“なのかということも含めて、長い長い議論と経過があってのことであるから、党内でしっかりと検証して、議論をしないといけない問題だと認識をしている。 (10/24)

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江田: 国会法38条には「手当として文書通信交通滞在費は受ける」と書いてあるので、これは法律的には手当なのだろう。しかし一方で、手当なら課税をされなければいけないのに、課税を免れている。だからいいとこ取りだ。

“手当”であれば、その額がどのくらいが適切なのかとしっかり精査した上で課税する。
これが“経費”であるのであれば、民間は当たり前だが、しっかり領収書を添付して公開する。そういうことが必要でしょう。

では維新の党は、提出した(10/22)法案を成立させるために、どのようなことを考えているのか?

江田: 議員運営委員会というのがあって、ここで審議される必要がある。そこで可決された上で、本会議に上程して可決成立される。

現在の状況は、残念ながら自民党と公明党がいわゆる専門用語で言えば、“つるしにかけている”。要は、審議入りしないという状況にしているので、事あるごとに「早く審議入りしましょう」と問題提起をしている。

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自民党・谷垣幹事長:(問題発覚前 9/30 今後、党の議員の方に、領収書の公開などを義務にする考えは?という記者の問いに対して)ございません。適切に使っていると思っている。

しかし、閣僚による不適切な政治資金の使い方が、相次いで発覚すると、谷垣幹事長の発言に変化があった。

谷垣: この文通費の取り扱いは、結局全議員に関連していることなので、議会運営委員会でも議会制度協議会等々でも、そういうもので議論していくことになるんじゃないか。
是非こういうところで、適切な議論・判断をしてもらいたい。(10/24)

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公明党・山口那津男代表: 国民の皆様からの様々な関心もあるだろうし、維新の方々が問題提起している中で、こうしたルールの在り方について、しっかりしかるべき場で検討してもらいたいと思う。

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(スタジオ)
玉川: 江田氏によると、これは議運で審議すべきテーマだが、審議に入れていないということだ。実は審議に入らなければ、すべての法案が審議されるわけではないので、そのままスーッと流れていく可能性もある。

聞いてみたら、自民党も公明党も議論すべきだと言っているので、是非議運で審議してもらいたいと思う。
その中で手当だからこのままでいいのだ、いややはり公開したほうがいいとか、国民にわかるように議論してほしい。

赤江議論だけでなく結果を出してほしい。これ民間だったら当たり前の事で、いいとこ取りといのは、国民の側から言うと、言葉を変えると“ずるい”いうこと。

政治家のみなさんは、今まで当たり前にもらっていたものを、手放すということは損だと思うかもしれないが、これをやることで、政治不信になっている国民の信頼を勝ち得るという、お金では買えられないものを得る可能性はあるので、そこは真摯に考えてもらいたい

松尾: そうなってほしくない議員が多いから、なかなか審議されることもない状況ではないかと勘ぐられる状態だということ。

宮田: 維新も文通費を廃止しようと言っているわけではない。どうやって使ったかを公開しろと言っているだけなのに、反対する理由がわからない。
これだけでもさっさとテーブルに載せて、さっさと片付けてほしいと思う。

玉川: 民間より厳しいことをやって欲しいと言っているのではない。民間並みにしてくださいと言っている。

文通費の公開について 他党は? 
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みんなの党以外は公開に対しては前向きのスタンスというふうに見て取れる。
これは是非公開するかどうかを議論してほしい。

松尾: 過去に遡られると困る議員がいっぱいいるから、前向きになりにくい人も多いのかもしれない。本当に進めようと思ったら何年度以前は問いませんと言わないと。

宮田: みんな自分についてはどうなのかと思っているのかもしれない。大臣がどんどんつるし上げられているけれど、では野党の皆さんは本当に全員平気なのかというと、本当に大丈夫なのかどうか分からない。

羽鳥: 枝野さんの名前も出てきている。もう皆で打ち方やめ、静かにしましょうかという雰囲気になると新聞にも出ていたが・・・。

玉川: 皆で撃ちかた止めで、静かにしようではダメなんで、そうされては困る。

今日のむすび: もういい加減に公開しなくちゃいけないんじゃないですか?

身も蓋もない言い方をするが、10年近く私は言っている。公開して下さいよ。

羽鳥: 公開すればいいんじゃないか。公開して足りないから倍下さいよでいいのではないか。
玉川: 経費というなら公開。手当だというなら、課税だ。課税して100万円も払えない。

赤江: 政治活動している人は、正々堂々とやった方が、後ろめたい部分がない方がいいのでは。

玉川: 是非公開してほしいし、審議はしてください。そして赤江さんは結果も出してほしいというそもそも総研でした。

(以上)

10/23 そもそも総研「そもそも“再生可能エネルギーの買い取り保留” その裏にはいったい何があるのだろうか」

2014.10.26 19:26|そもそも総研たまぺディア
経産省は、制度設計のミスを認めずに、これを機会に再エネを進めていく方針だと強く語ったようです。

今回登場した課長さんは、主流なのでしょうか。そもそも2000年頃に経産省では、再エネ推進や発送電分離などの電力改革を進める改革派が強い時期があったようです。その時には、サハリンから天然ガスをパイプラインを敷設して直接運んでくる構想もあった。 (このパイプライン案には非常に期待しているので、そのうちご紹介したいです。)しかし、原発派に負けてしまい、その一派はパージされて主流から外されてしまった。
一部はNEDO(独法新エネルギー・産業技術総合開発機構)に流れ、そこで研究を続けているはずなのですが。それは生かされていなかったのでしょうか。

経産省も、未来のない原発にしがみつかないで、新しい未来のために頑張った方がモチベーションも上がるでしょう。本日登場した課長さんには、頑張ってもらいたいですね。 

しかし、太陽光発電ばかり野山に敷設し、投資に見合わなければ事業から撤退するといった私企業・個人にすべてを委ねるのは、それこそエネルギー安全保障上もよろしくないのでは。また、火力発電所ばかり新設するのもいかがなものか。
山の整備と一体となったバイオマス発電を奨励したり、国立公園内の地熱利用を促進出来るように法整備したりは誰がやっているのでしょうかね。

10/23 そもそも総研たまペディア「そもそも“再生可能エネルギーの買い取り保留” その裏にはいったい何があるのだろうか」

<太陽光発電 買い取ってくれないの!?>

10/1九電が開いた再生可能エネルギーの買い取り保留の説明会。
太陽光発電を始めようとする個人や企業は、突然の買い取り保留に怒りを顕にした。

そもそも再生可能エネルギーの買い取りとは、例えば太陽光で発電した電力を、高い価格で電力会社が買い取ることを義務づけ、買い取りにかかるコストを消費者が負担することで、再生可能エネルギーの普及を目指すもの。

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太陽光発電は *夜間や積雪時は発電が出来ない  *火力発電などバックアップが必要でその分が電気料金に上乗せされるというデメリットはあるが、政府は前向きに導入しようとしている。

安倍総理は「3年間に再生可能エネルギーをはじめ、さまざまな代替エネルギーに対して集中的に投資を行い、イノベーションを促していきます。」と述べている。(2012/12)

国を挙げて始まったこの制度を受け太陽光発電などの普及が加速した。
しかしこの9/24、10 kW以上の家庭用太陽光発電の買い取りが突如保留となった。

玉川: 国を挙げて再生可能エネルギーを増やしていこういう方針を政府は方針を打ち出している。その方針に則ってどんどん増やしていこうという話だったので、私も参加しますという人がいっぱい出てきていたが、いきなり電力会社からそれは受け入れませんと言われて、どうしてくれるんだという話が出ている。それで、九州に行って二人に話を聞いてきた。

熊本県熊本市 家を新築して屋根に太陽光パネルを付けたが、電力会社に接続できないと言われて困っている榎さん

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榎さんは、自宅の新築に伴い、一般家庭のおよそ7倍の電気が賄える20.4kWの太陽光パネルを750万円かけて設置。(一般家庭 約3kW) 発電した電気をすべて売電して月約7万円の売電収入を見込み、それを住宅ローンの返済に充てる予定だった。しかし突然、設置工事を行った業者経由で九電からの接続保留を告げられた。ローンの返済は始まっていて困っている。

「2月には太陽光パネルを載せますという国への申請も終わっていたので、あとは“接続していいですよ”という許可を九電から頂ける前の段階だったので、何でここまで来て接続出来ないのかという・・・」

熊本や宮崎などで、メガソーラーを施工・分譲販売する会社の中川代表取締役にも話を聞いた。
こちらの会社では、建設したソーラー施設を投資用として分譲販売するために、九州各地で計2万4000kW分のメガソーラーを造った。しかし、今回の接続保留で予約者はすべてキャンセル。このままでは投資した約20億円が回収出来なくなってしまう。

中川さんは「ショックだ。この怒りを誰にぶつけていいのか分からない状態だ。太陽光は1kWあたり36円で買わないといけないけど、原発だったら15円で買えますよという話をしている。“もう太陽光は必要ない”“原発動かすから”という報道にしか聞こえない。」

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九電管内では、経産省が7月末までに認定した太陽光発電だけで、1800万kWになる、これは管内のピーク電力を278万kW上回る。

この爆発的な原因のひとつが、太陽光発電事業の投資効率にある。今回取材した会社によると表面利回り約12%。榎さんの場合は、年利でおよそ14%前後になるという。

投資としてもいい事業なので、殺到すれば容量が超えてしまうことは、この制度が始まった段階で、国だって電力会社だって予想がついているはず。

「もっと早い段階で通知や通達を出してもらえれば、こういった売電収入がないような事態や、こういうインタビューを受けることもなかったと思う。前もって情報の公開をしてほしかった。」と榎さん。

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経産省は一定の条件が整えば認定をしなくてはいけないことになっている。
この後に、電力会社と接続の契約を結ばなければならない。そして初めて売電してお金が入ってくる。榎さんは、認定まではいっていたが、そこで止まってしまった。

九電管内で1800万kWとは、真夏に一番電力を使う時の電力の1522万kWを超える太陽光発電を認めてしまった。凄いポテンシャルだ。

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ただ、勿論太陽光だけではやれない。太陽光は昼しか発電しないし、天気によって発電量が落ちてしまうので、常に火力発電とかでバックアップしなくてはいけないし、両方お金が掛かるので、この部分は我々に賦課金として電気料金に乗っかってくる。

九電管内で認めた太陽光発電がどのように増えていったのかという図。
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電力系統に5%から10%の再生可能エネルギーが流れこむと不安定になると、電力会社は言っている。さっき1500万kWだったので、150万kWぐらいになると不安定になるという話になるが、150万kWというのは2012年の話。それから1年以上経ってもう超えていたのに、ずっとそのままになっていた。

何故この段階から、もう受け入れられないという話をしなかったのか。もししていたら申請はしたが投資はしないと言う人が沢山いたはず。

何でこうなってしまったのかという話を二人に聞いている。

<もっと早く手は打てなかったのか?>

技術的な問題を、電力系統に詳しい関西大学システム理工学部・安田准教授に聞いた。

投資効率のよい太陽光発電が爆発的に増える可能性は当然あり、分かっていたのに何でこうなるのか。

安田: FIT=固定価格買取制度(以下FIT〕が施工されてから何年後に太陽光や風力がどのくらい増えたかの図を見ると、ポルトガルやイタリアのように急上昇した国は実際にあった。

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そういう例を見ていれば、日本でも予想は出来たはず。ところが日本の政策目標は低い。これでは仮にポルトガルやイタリアほどの応募があったら設備がついていかないということになる。

ヨーロッパは10年先駆けて早めに導入して、試行錯誤をしながら時には失敗しながら進んできた。 日本はそれを当然見ているので、技術的には出来たはず。太陽光や風力の不安定な電源が入ると停電が起きる不安もあるが、ポルトガルなどではむしろ停電の時間はこの10年でどんどん低くなってきた。再生可能エネルギーを入れても停電が起きないシステムは技術的に可能だ。

再生可能エネルギーに対する認識の甘さが、今回の事態を起こしたのではないかと安田氏は指摘する。

では何故、初めから大きく普及することを見越して動いていかなかったのか。

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元経産省の古賀茂明氏は、裏側を指摘する。
古賀: 原発を絶対使います、減らしませんという政策がはっきりする前に、そういう議論はしたくない。FITがスタートしてもう1年経ったころには、爆発的にいくだろうなと思ったと思うが、その時期はまだ日本の原発をどうしようかという議論が、ほとんど手つかずの状態だった。

もしそこで例えば太陽光はもう少し抑えましょうという議論を出したら、将来的に再生可能エネルギーをどれくらいの割合にするんだと、原発はどうするんだと。“原発いらないじゃないか”という議論につながってしまう。原発をこれから絶対使いますよ、減らしませんよというような政策がはっきりする前に、そういう議論はしたくないという事情があったと思う。

経産省も電力会社も、川内原発などの再稼動ももっと早く実現する心づもりだったと思う。
ところが、滋賀県知事選や、福島県知事選や沖縄県知事選があるとか、その前に原発再稼動で国民を刺激したくないとかいう政治的な理由があって、どんどん再稼動の時期が延びてきている。

ところが、そうしているうちに太陽光発電が爆発的に伸びてしまって、今あるだけでもう原発の分が全部まかなえるどころか、ピーク電力も全部まかなえてしまうという段階にきてしまった。このまま放っておくと本当に後で損害賠償請求などがでてくるというのも心配なので、ここでギリギリ見直しをせざると得ないと・・・。

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<経産省に直撃!!>
そこで、経産省・新エネルギー対策課・松山課長に直接聞いてきた。

経産省は、とりあえず1800kW認定をしているが、これが全部発電できるとは限らない。経産省の認定は、事業者の事業許可のようなものではない。
認定の交付をする際には、その後に電力会社の接続というプロセスがあるということを従来から周知してある。しかし、こういう事態を受けて、更に丁寧な徹底を今やっている。

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経済産省はあくまで認定を出すだけで、発電できるかどうかは電力会社との契約次第だという。

玉川: 少なくともピーク電力を超えるくらいまで認定した後で、そんなことは1年も1年半も前に予想が付くようなことを、九電管内に関しては対策を打っていなかったと思えるが。
松山: まず分けて考える。 まず認定があり、その上で九電や各電力会社で、どれくらい申請されたものが受け入れられるかどうかを検討していかなくてはいけない。
だから、経産省小委員会の中い系統専門のワーキンググループを作り、受け入れ可能量を検討する作業をやっている。

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玉川: 要するに電力会社が受け入れ中断して急遽作ったわけですよね?
こういう事態になって作るのではなく、もっと前に出来ていないといけないものではないのか?だからすべて後手後手ではないかという話をしている。

松山: もともと安定供給するのは電力会社の責務だ。ただこういう事態になっていることから、ある意味特別な措置として、本当にこれが経産省の入る話なのかどうなのか。安全対策を取り過ぎていないだろうかについて深堀して、電力会社に対して厳しい姿勢で臨みたい。

経産省と電力会社は通常、緊密に連絡を取り合う関係なので、電力会社だけの一存でここまで事態は進むのか。そこには何らかの意図はなかったのか。例えば九電は川内原発の再稼動を進めていきたいし、原発を動かすというのであれば再生可能エネルギーは邪魔であるので、今回のようなことが起きているということはないかという疑問に対して、松山課長は即座に全くないと否定した。

ここからは再生可能エネルギーの導入を前提としたような仕組みに変わっていかなければいけない。経産省としては、これを契機としてどんどん前に進めていきたいと語る。

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松山課長は、一義的な責任は電力会社にあると言っていて、それはその通り。介入が少し遅かったという部分は若干認めている。彼が一番言いたかったことは、再生可能エネルギーはとにかく進めていくんだと。今こういう形になったので、更に制度も変えて進めていきたいと強く言っていた。

九州電力に質問した。

Q: 受け入れ再開の見通しは?
A: 先週回答 → 今後どれだけ受け入れられるのか検討している段階。保留しているお客様への回答は数ヶ月かかる見通し。しかし受け入れを再開するか分かりません。

ところが、10/21になって
A: 10kW以上50kW未満の申し込みに対し、買い取り手続きの保留を解除し接続に向けた検討を再開する 

 とした。

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つまり先ほどの榎さん(20kW)は再開するが、中川さんは未だに受け入れられるかどうか分からない状況。

このふたつの回答の間に何があったのか?
多分経産省が電力会社に対して、何か指導か何かしたのではないかと思う。

方針としては再生可能エネルギーを進めていくというのは、ゆるぎないような話だった。実は九電だけ増えたが、全体で見ると再生可能エネルギーは2%程度。これを20%まで伸ばしたいという思いがあるので、これを機会にもっと上手く制度も技術も導入して増やしていきたいと経産省の課長さんも言っていた。

今日のむすび:再生可能エネルギーは、完全な自給エネルギー。あらゆる政策を駆使してでも進めていかないといけないのでは。

再生可能エネルギーは日本にとって、自分達で作った自分達のエネルギー。これはエネルギー安全保障上も絶対に増やしていくんだと課長さんも言っていた。そのためにあらゆる政策を駆使して進めていってほしいと思う。

例えば、ある一定量になったら受け入れを少し止めますという制度とか、連携線で他の地域に流すとか、九電分を東京に流すとか、いろいろやることはあるし出来るそうだ。それを早く進めていってほしいと思うそもそも総研でした。

(以上) 


10/16 そもそも総研「そもそも政治の世界の保守って、何を保ち、何を守るんですか?」

2014.10.16 18:29|そもそも総研たまぺディア
そもそも総研ですが、最近コメンテーターの宮田さんがなかなか良い発言をするので注目しています。
木曜日に変わってから暫く経ちましたが、玉川氏の姿勢に刺激を受けたのでしょうか。

本日の”保守だ革新だと言う前に、どんな理念の上にその政策が成り立っているのかというところが見えてこない。政治家や政党が全体のビジョンの中で、理念の中で、政策を語るべき”との発言は秀逸でした。

そもそも、保守革新以上に、イスラムの世界観や新興国そして中国ロシアの世界観が林立している今、これからの世界のあり様が誰にも分からないことが大問題であり、人々を強く牽引できる世界観がないまま憲法改正反対とか、原発反対とか、TPP反対とか叫んでいても国民の心に響いてこないのは当たり前だと思います。

どういう世界にするのか?どういう社会にするのか?という未来図を出せれば、これがすべて繋がっているということが示せるはずだと思う。

民主党は一応そういう未来図を示したのですが、理念を共有していたかは甚だ疑問。絵空事でない本当の気力で国をひっぱる未来図を示さないと、うろうろしている間に安倍ちゃん一味に壊されてしまいそうな予感がして怖ろしい。

2014/10/16 そもそも総研たまペディア 
分かっているようで、分からないシリーズ①
「そもそも政治の世界の保守って、何を保ち、何を守るんですか?」


<保守という言葉は聞きますが・・・>
玉川: 保守政治家とか保守政治とよく聞くが、保守って何だか分かりますか?赤江さん。

赤江: よく聞くし、何となくイメージとしては、古いものを守ろうとしているちょっと頑固な感じ・・。
玉川: 古いものというのはいつの時点?
松尾: 50年前か200年前かが分からない。
羽鳥: 改革派は何を改革するのか。
宮田: 保守革新とよく言うが、何だろう。
玉川: 来月16日投開票の沖縄県知事選があるが、保守分裂選挙と言われている。これまでずっと保守対革新の選挙だったが、保守対保守への選挙になっているという言われ方をしている。ではこの時の保守とは何か?保守と保守で何を争っているのか? 何か分からなくなっている。

沖縄写真1
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自民党は保守政党だと言われている。社民党や共産党は革新勢力だと言われている。
この革新政党が憲法を守っているというわけ。それで、自民党は保守政党だが、憲法を変えると。戦後レジームからの脱却。体制を脱却するんだと革新ぽいことを言っている。何だかよく分からないので今回三人に話を聞いた。

まず、学者の方に話を聞きたいと思い、東京大学名誉教授・政治学者・御厨貴氏。
言論の世界で、私は保守だ。私以外の人に自称保守がいるとずっと主張してきた、漫画家・小林よしのり氏。
保守というものと右傾化に近いものがあるような気がしたので、新右翼団体・一水会・鈴木邦男最高顧問。この三人に保守とは何かを聞いた。

<そもそも保守ってナニ?>
玉川: “保守”ということは分からない。“保守”って字は“保ち守る”ということだが、いつの時点を“保ち守る”のか。日本で保守政党・保守政治家だという人がいっぱいいる。“保守”って何ですか?

御厨: “保守とは何々である”という定義は、少なくとも日本に関して言えば、明確な定義はない。日本以外の国では、例えばアメリカは、建国以来200年の歴史の中でよく言われるWASPホワイト・アングロサクソン・プロテスタントがアメリカ社会を支えている。基本的にはそれを守っていこうというのが保守。
例えば、アメリカの保守派が銃規制に反対するのは、建国当時市民が銃を持ち戦った精神に基づくもの。
イギリスでは、王様が勝手なことをやっているのに貴族階級が反乱を起こして、それで近代議会政治を行うようになったわけだから、この貴族階級の利益を一番反映するもの、“階級社会を守る”のが保守。

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玉川: 結局保守というのは、アメリカでもイギリスでもある時点の体制を守るということ。では日本で保守と言っている人は、いつの時点の体制を守旧するかということだが。

御厨: 占領という体制から受益社として登場してきた人達の利益。だから吉田茂元総理たち。

玉川: 要するに、アメリカとは仲良くして安全保障をアメリカに任せて、経済中心でやっていくという考え方の人達が、一回ガラガラポンになった戦後では日本の保守。

(説明)戦後長い間、日米安保体制を守ることが保守政治と言われてきた。そのため吉田茂や池田勇人を源流とする政治集団が保守本流と言われてきた。
しかし、時代が進むにつれ、保守である自民党の中にもその定義が曖昧になっていったと言う。

玉川: レジームを変える、体制を変えるということは保守ではないわけだ。だが、安倍総理は“戦後レジームからの脱却”と言っている。戦後体制の革新だ。だけど自民党は保守政党。分からない。

御厨: 自民党が2009年下野したときの谷垣総裁は、保守の意味を考えよう、定義しようと間違いなく努力しようとした。そうしないと、今までは利益で結んでいた政党だから、何かそういうもので定義し直さないと、あの党は生き残れないと思ったわけだ。

だが、結局すぐに参院選で勝ってしまい、後は野党の失態を待って足を引っ張ればいいという話になり、自分達の政党を定義するなんていうことはまたしなくなった。

自民党は、戦後あれに属する党は、自分達はこれこれです言ったことは、吉田茂の時の“保守本流”というのかあの時以来ない。

玉川: いわゆる戦後吉田茂的保守であれば、憲法は変えないわけだから。
御厨: そうそう。そうそうそう。
玉川: ところが今の保守政党である自民党が「憲法を変えるんだ」と言われると、あれ?では何を保ち守るのという話になるということ。
御厨: だけど今や“憲法改正をやろうと”いう政党だ。
玉川: いわゆる革新政党と言われている社民党とか共産党とかは、「憲法守れ」と言っている。だけど、保守政党は「憲法変えろ」と言っているわけで、革新じゃないですか。
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御厨: だから衆参のねじれどころではない、保守と革新のねじれみたいなものがある。

(スタジオ)
玉川: 日本の場合は、はっきりしたこの時点のこれを守るというものが、御厨さんに言わせるとどうもないということが明らかになった。

次に私は保守であるという言論人の小林よしのり氏に話を聞いた。

<保守って何を守るの?>
玉川: 小林さんは保守か? 保守とは何か?

小林: 保守だと自分では思っている。保守とは日本特有のもの。ある美風・美意識とか慣習というものは、日本人の中に見えないけど育っている。これを守らなければいけないと考えるのが保守。



“国”くにと“公”おおやけ というものがある。2000年の歴史の中でずっと醸成されてきた不文のルールが“公”。日本には日本の公というのがある、目には見えないけれど。でもこれが見えてくる時がある。東北で起こった大地震の時。あの時に世界は驚嘆した。何で日本人はこんなに秩序を守るのかと。そのくらい日本人の精神の中に、秩序感覚、公共心、パブリックマインドというものが育っちゃっている。

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近代化が進む世の中で、日本固有の公共心を守ること=保守だ。
しかし、守るべき“公と国は別物”だ。
国が暴走していく。そして公からずれていくということはいくらでもある。

戦前はまさにそうだった。軍が暴走していくわけだ。

個別の政策でもそうだと思う。
例えば沖縄に在日米軍基地の70%があるとか、或いは辺野古に米軍基地を移設していいかどうかという話だ。これは果たして“国”と“公”を考えた時に、どっちが正しいのだろうという話になってくるわけ。

ひょっとすると、あれだけもう沖縄に痛みを負わせておいて、それでこのまま沖縄の人達を侮辱したまま、米軍基地を辺野古にいけばいいと言える状態かとか、お金で釣っておけばいいという話か?とかを考えるのはパブリックな話だ。

でも国はあそこに作るというわけだ。そうなると“国”と“公”が対立することはいくらでもある。

例えば、ヘイトスピーチする。あれ公共心ありますか?

彼らは“愛国心”と言っている。で日の丸の旗いっぱいはためかせる。「朝鮮人出て行け」と罵倒しまくる。

あれは日本人の公共心に反している。それで“愛国心 愛国心”と言っている。愛国心があるなしなんか関係ない。保守とは態度だから。

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玉川: いわゆる保守政治家と言っている人達は、どの時点の何を守ろうとしていると見えるか?

小林: 彼らが守ろうとしているのは、高度経済成長の幻影なのだ。それを保ち守ろうとしている。けれどそれは絶対に無理だ。どんどん高齢化し小子化していく中でこ高度経済成長はもう出来ない。それでも経済成長と言い始めると、富裕層のためだけの経済成長になっていく。だから日本の国柄そのものは壊れていく。これを食い止めようという政治家がいない。だから日本には保守政治家がいない。
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(スタジオ)
玉川: 小林さんに言わせると、日本に保守政治家はいないと。
宮田: 人によって保守のとらえ方が違うような気がする。
玉川: 結構バラバラだと思う。そう考えると、定まったものがないという御厨氏の仰るのもそうかもしれないし、一体いつを守るのかというのも結構近い話なのではないのかと。
少なくとも江戸時代とか鎌倉時代まで遡ったものではない、もっと近いもの。人によって随分違うというところがひとつのポイントであるような気がしてくる。

次に話を聞いたのは、今何となく世の中が保守化している、一方で右傾化しているといわれている。保守化と右翼は親和性があるのかと思ったので、右翼の鈴木さんに聞いた。

<右翼と保守ってどういう関係?>

玉川: 鈴木さんは右翼ですね。
鈴木: はい、ずっとやってきました、運動を。
玉川: 保守ではあるのか?
鈴木: 違うと思う。
玉川: 違うのか。
鈴木: 右翼の運動をやってきて、右翼も左翼も学生にとって一番人気のない言葉が“保守”だった。左翼の全共闘は革命。それに対して右翼の学生は保守でなくあくまでも俺達は右の方から改革するんだと。

三島由紀夫も自分は愛国って言葉が嫌いだと言っている。たぶんこのままの日本を守るというのが、日本を愛するという感じが嫌だった。このままの日本ではダメだというので、憂国、憂国だと。憂国というのもある意味革命的な言葉だ。

だから今学生時代に右翼運動やっていた僕たちから見ると、今みんなが保守、保守と言っているのはちょっと不思議だ。あれだけ昔は嫌われた言葉なのに。
右翼と言われるのが嫌だから、それで何かいい言葉がないか?と言って保守になったんじゃないのか。
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今保守 保守と言っている人達は、日本を守るのだ、愛国者なんだと。たぶんそれと同じ意味で使っていると思う。でもそれで日の丸、君が代それから憲法改正と。そういうものはあせいぜい150年くらい前からできたもの。

日本っていうなら、その前ずっと2000年くらいの歴史があるわけだから、日本の良さというのは、外国文明も取り入れて人もいっぱい来て、それで日本的なものを作っていったと。非常に寛容的な優しさのものだと思う。そういうものをすべて否定して、せいぜい150年くらいの狭い日本だけを守るというのは、それは日本の“保守”ではないだろうと。

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(説明)
保守すべきは2000年にも及ぶ日本の寛容性だと語る。

玉川: 自民党は保守政党だと言うときの“保守”とは、何を保ち何を守る保守なのか。

鈴木: せいぜい戦前の日本、それでそれがアメリカに負けて、いろいろ破壊されたと、憲法を押し付けられたと、それを取り戻すんだと言っている、100年くらいの非常に狭いタームですね。

(スタジオ)
玉川: 二人の言っていることは近いものがあって、小林氏は2000年培われた公共心。鈴木さんは2000年で培われた寛容性。そういうものを守るのが保守だが、今の日本の政治はもっと短い高度経済成長以降とか明治以降とか、そういうものではないのかという話

赤江: 政治の世界の保守という言葉は、ほとんど意味がないような気がしてくる。

玉川: 取材していて思ったが、戦後すぐは社会主義に人気があった。もしかするとそういう国になるかもしれない。大きく変わっていくかもしれない。それは嫌だというのがきっと保守だった。大きく変わっていくときにはそのアンチテーゼとして保守は意味があった。

松尾: 小学校の時に、アメリカと仲良くしましょうねというのが保守ですよ。東側の国と仲良くするのが革新だと教えられた。

玉川: 正にそういうこと。ところがイデオロギーの対立がもうない。二大政党制といって自民党と民主党といっても両方とも保守政党だったわけだ。

たぶんいまだに保守対革新という、ある種政治部的な考えを政党がまだひきずっているけれども、私達が求めている対立軸は違うのかもしれない。イデオロギーではない。

だから沖縄でもイデオロギーか、アイデンティティーかという話が出ている。新しい対立軸を政治・政党は提示出来ていないというところに、問題があるのではないのか。

宮田: イデオロギーより政策と言われているが、政策を語られた時に、どんな理念の上にその政策が成り立っているのかというところが見えてこないと私達には説得力がないし、伝わってくるものがない。

政治家や政党が全体のビジョンの中で、理念の中で、この政策を語っているというふうにしないと、保守とか革新とか言う前に、理念の下に語ってほしいなと思う。

玉川: 決局、今の政党がイデオロギーの対立の時に出来たまま、今でその枠組みが続いている。ところが、私達が求めているものは、違うものなんではないか。

例えば、平和というものを大事にしてやっていく。それとも国際協力の下に、軍事もやっていくのかという対立だとか。

例えば、エネルギーで、原発を続けていくのか、それとも国土を破壊しないような、環境を守るようなエネルギーをやっていくのかという対立だとか、そういう対立に政党が適応できていないという感じを受ける

今日のむすび: 変えなければいけないものは何で、守るべきは何なのか。この際はっきりさせたほうがいいのでは。

つまり、イデオロギーで出来上がった政党を一回バラバラにして、新しい国民が求める対立軸で政党をもう一度作り直すべき時なのではないか。と保守の問題を考えて思った。

松尾: 選挙の時に選びやすくしてほしい。
宮田: 案件ごとに、どっちを向いているのか良く分からない。

玉川: はっきり次の選挙までには間に合わないかもしれないが、そういうところにいってほしいなと思う今日のそもそも総研でした。

〔以上〕

9/2 そもそも総研「そもそも日本が反「イスラム国」の戦闘に加わったらどうなるんだろう?」

2014.10.02 20:19|そもそも総研たまぺディア
アメリカは憲法で定めた国会決議を必要とする「宣戦布告」は、真珠湾をきっかけにした1941年の対独、対日の戦争が最後で、それ以降の多くの戦争(中南米・アフリカも含めて)は自衛戦争という名目でやっているという事を、IWJによるアーサー・ビナードさんの講演で学びました。

自国が戦場になることがないアメリカの自衛戦争に大義はあるのか?日米同盟にからめられている日本は、アメリカの自衛戦争に加担する集団的自衛権という訳の分らない名目で、アメリカの自衛戦争に巻き込まれる必要はあるのか?

今日も見逃しがたい内容のそもそも総研でしたので、話し言葉などを直して書き起こしました。


9/2 そもそも総研たまペディア「そもそも日本が反「イスラム国」の戦闘に加わったらどうなるんだろう?」

<集団的行使容認が法律になれば>
玉川: 一年前の今頃では絶対にあり得ない話だったが、今年の7月に集団的自衛権行使容認へ閣議決定された。今の段階では法律が出来ていないので、今はないが、方向としてはこういうこと。

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先月25日、安倍総理は国連総会で、「イスラム国」への空爆を“理解する”。
この“理解する”と“支持する”は微妙に違う。“支持する”ということになると話は変わってくるが、今のところは“理解する”ということで、人道支援だけ行いますということだが、閣議決定があるので、もしかすると今後分らない。

「イスラム国」との戦闘に加わることになるんだろうか?と心配だ。

その前に「イスラム国」とは何なんだ?
今回はそもそも総研の目線でいきたいと思う。

<イスラム国とは>

「イスラム国」の活動領域
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国境とはちょっと違うわけだ。国も関係なく、言い方としては良いのか悪いのか分からないが、ガン細胞が浸潤するように広がっていると。国境は直線だったりする。何でこれ直線なのだという話は後で関わってくるが、こういうふうな形で活動領域をどんどん広げている。国際社会からは完全に脅威だと見られている。

ニュースでも必ず“過激派組織”と言うが、「イスラム国」とは一体どういうふうなものなのかイスラム世界に詳しい放送大学・高橋和夫教授に聞いている。

(VTR)
玉川: 「イスラム国」なんですが、国とついているが、国なのか?
高橋: 国際的には誰も認めていないが、実態は領土も持っていて、人民も抑えていて、権力も持っているから、まあ国ですよね。

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玉川: 国家の3要素を持っているということだ、現時点で。
高橋: そうだ。

(説明)
国家の3要素とは、「領土」「国民」「主権」
更に、「イスラム国」は行政機関や裁判所まで備えている

玉川: では「イスラム国」の中にいる人は、基本的に「イスラム国」を続けてくのだという意思を持っている人だけの集まりなのか?それとも仕方なく従っている、正に虐げられているような人達もいるわけか?

高橋: 沢山の人が逃げ出している。だから明らかに「イスラム国」を支持していないわけで、残っている人は、支持している人もいるし、仕方ないからいるという人もいると思う。

(説明)
では、彼らの目指している国とはどんなものか。
高橋: 彼らの理解は、昔はイスラム教徒はみんな1つの国にすんでいたわけだ。大きな国に、例えばオスマン帝国という。だからもう1回みんなイスラム教徒は国境線何かやめて1つの大きな国になって、正しいイスラムのもとに住もうじゃないかと。

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玉川: でもそれは今すでに支配がある国の中では、受け入れられないわけですよね。
高橋: 当然そうだ。今の支配階級の人は、彼らの国が出来たら王様も大統領も皆失業するから、それは受け入れない。

彼らに言わせると、今イスラム諸国を治めている王様や大統領は、みんなイスラム何とかと言っているが、あいつらのイスラムはみんな偽物だと。あれはアメリカに支えられた偽イスラムなんで、真のイスラム国家を作りたいという彼らのメッセージで、それはそれでアピールはある。

(説明)
しかし、「イスラム国」は国家を目指すとはいえ、一般的な国家からすると、非常識で残虐な振る舞いが多いと指摘されている。

玉川: 例えば、首を切って殺害するなんてことを是としているわけだ、彼らは。何で首を切るのか?

高橋: それは、1つはアメリカ・イギリスに対する報復だ。それは物凄く残虐だが、でも彼らの議論から言うと、ガザの人口密集地帯にイスラエルが爆弾を落として沢山人を殺す方がよっぽど残虐じゃないかと。何で俺たちだけ責めるのだという感覚があると思う。

玉川: 例えば、オーストラリアだとかベルギー。自分たちに敵対する勢力の市民、これを殺害するということを言っているが。実際計画があり、逮捕されたりしている。彼らはそういうことは正義だと思って、世界中でこれからやっていこうということなのか?

高橋: 彼らの意図はそういうことを言うことによって、有志連合に入らないようにという警告だったと思う。

(説明)
では、アメリカを中心とした有志連合は「イスラム国」を」軍事力で破滅出来るのか?

玉川: 例えば空爆だけで壊滅できるのか?
高橋: かなり難しいと思う。では彼らを壊滅させるためには、陸上部隊を送り込んで、血なまぐさい戦闘をやらざると得ない。

(説明)
一方、先月「イスラム国」の現地取材をしていたジャーナリスト・常岡浩介氏

玉川: 空爆はあまり効果がないと。では地上軍投入しますと。これで例えば壊滅出来るのか?
常岡: たとえ出したとしても、アフガニスタンの二の舞になると思う。
玉川: ということは、軍事的にイスラム国を壊滅させることは無理だということか?
常岡完全に無理だと思う。

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(スタジオ)
玉川: ということで、私達は悪の集団のようなイメージを思っているが、私達の常識からすれば、彼らはそういうふうに見えるが、しかし、彼らは彼らの正義がある。その正義の中でこういうことをやっている。

私達には理解出来ないが、彼らとどう対峙するかということを考えると、彼らの考え方は何なんだということを理解しないと、ただ悪だから潰すということやっていると、もしかするとしっぺ返しがあるかもしれないと、私は心配だ。

更に言うと、軍事力。空爆を行っているが、空爆で壊滅出来ると思っている人も多いと思うが、地上軍を投入しても難しいと専門家は見ている

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例えば、アルカイダ。あれだけのことを、世界最強のアメリカの軍隊が潰そうとしているが、潰しきれない。こういうものがここでも見えてくる。これが今のところの「イスラム国」の現状。

宮田: 空爆や地上戦に突っ込んでも壊滅させることが出来ないということは、多分長引くだろう。そうなると、日本の状況もいろいろ変わってきて、法整備の問題に入っていって、さあ出なければという時にどうなるかという話ですよね。

玉川: 正にそういう話。今後日本は「イスラム国」の戦闘に軍事的に関わっていいのかという話。1年前なら絶対に加われない。だが、今はわからない。法律が出来ていないので、今は行けないが、集団的自衛権行使容認へということで閣議決定をしたので、今法律を整備して、長引いて地上軍を投入するということになれば、どういう要求が来るかわからない。

もし「イスラム国」の戦闘に日本が軍事的に加わることになったら、どういうことが起きるのか。更に、アメリカから要求された時に、日本は断れるのか。この点について二人に聞いている。

<もし「イスラム国」との戦闘に加わったら・・・>

(VTR)
玉川: アメリカが有志連合を作って、壊滅させようと言っているわけだが、仮に地上戦をやらざるを得ないとなった時に、自衛隊も協力してくれと言われた時には、集団的自衛権というのがパッと出てくるわけだ。日本も参加することになったら、大丈夫なのかと思うが。

常岡: もし参加したら大変なことになると思う。

(説明)
イスラム国の現地取材を行った常岡氏は指摘する。

常岡: 今まで「イスラム国」はアメリカとフランスとどこの国というように、名指しで攻撃を呼びかけているが、その中に日本は入っていない。「イスラム国」は、日本がアメリカの同盟国であることは皆知っているが、武力行使をしていないことが、たぶん理由だと思うが、日本に敵対する声明は出していない。

それからすると、恐らく軍事オプションを日本が使うようになったら、日本も攻撃対象になるだろうなと思う。

玉川: 日本も攻撃対象になった時に、「イスラム国」はどんな手をとり得るのか?

常岡: 例えば、フィリッピンでドイツ人の旅行者が拘束されて、首を斬られるぞという脅迫が今出されているところだが、これは「イスラム国」に共鳴した“アブサヤフ”というグループがやっている。全然「イスラム国」と領域的に関係ない所にも支持者はいるので、そういう人達が、そこにいる日本人を攻撃するということはあり得ると思う。

(説明)
しかし、常岡氏よると「イスラム国」取材時点では、日本は好意的に受け止めているように感じたと言う。

常岡: 今現在でいうと、日本政府は一切軍事オプションをやるとも言っていないし、むしろ人道支援をやるというのは、アメリカの同盟国だろうが何だろうがよく思われる。
今はっきり言って、相当過激な集団の中でも日本の評判はいい。
今は海外でも日本のリスクは低いと思う。

もし、集団的自衛権を盾に軍事オプションを検討することになる場合は、一気にリスクが高くなる可能性があると思う。

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(説明)
アメリカから軍事的要求があった場合、日本は断れるのか―
防衛官僚として、アメリカからの要求を見つめてきた第一次安倍政権時の内閣官房副長官補・柳澤協二氏

玉川: 今アメリカは空爆だけをやっている。今後例えば地上軍も派遣しますよと、かなり大規模な軍事行動をやるという時に、日本に何らかの協力を求めてくるということはあり得るのか?

柳澤: 日本の直接兵力を出せという要望なのか、後方支援なのか、資金協力なのか分からないが、それは当然要望は来ると思う。

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玉川: 今までは、憲法解釈上(集団的自衛権行使は)出来ないとい言っていたわけだ。

柳澤:: 今までは憲法上出来ないからということで断る理由にもなっていて、アメリカも仕方ないと思っていたが、今度は出来るようになったんだからやってくれという期待が当然出てくるから。

玉川: ずっと防衛官僚をしてきて、アメリカがある理由を持って日本に軍事行動を求めた時に、集団的自衛権行使がもう出来るとなった日本は断れるのか?

柳澤:: 今までアメリカの武力行使に反対したことはないわけだ。自分が一緒にやらないから気軽に支持していたのかもしれないが、今度はアメリカのやっている軍事行動が、一体将来どう展開していくのか、どう収束していくのかというところまで考えないと、実は支持すること自体もそう簡単においそれとは、支持しにくくなってきているということだ。

玉川: 要するに支持するということは、では何か行動してくれるのねということになってしまうということ。
やはり、7/1の閣議決定というのは本当の分水嶺だったということになるのか?

柳澤:: 結局、軍事的な対応をするということは、もういつでもそういう副作用があるわけ。

玉川: 参加しないとアメリカとの信頼関係が崩れるということと、参加すれば「イスラム国」から適視されてテロの可能性が高まるというのと、この天秤をやらなければいけなくなるということなのか?

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柳澤:: 物事の半面には、マイナスリスクが必ずあるわけだから。

(スタジオ)
玉川: ということだ。 今は幸いにも敵だと思われていない。ところが軍事行動に加担するということになれば、一気に敵として扱われる。そうなれば今までなかったリスクを日本は背負いこまなければならなくなる。

今日本は法整備だが、法整備が整った後に、アメリカが地上軍を派遣して日本も何かやってと言われた時に今までは断れた。憲法があるから仕方ないと。だが、出来るということになれば、何でやらないのと言われる。そうすると同盟か新たなリスクかという天秤を、日本政府は考えなければならなくなる。

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羽鳥: 関連法案の整備は、どれぐらいの期間で整備出来るのか?
玉川: 今準備していて、国会での審議は来年の通常国会の後半。統一地方選の後と今のところ見られている。逆に言うと、そこまでは国会ではやらないということ。
来年にはしたいということ。
これはもともと日米のガイドラインという、アメリカの軍事行動と日本の自衛隊の関係をどうするのかの改定のためにもやらなくてはならないと言われているが、来年の大きな問題になる。

赤江: 玉川さんが、「イスラム国」の向こう側の信念というか思惑は、元々のイスラム経と進もうということだったが、その目的に対してアメリカが介入して来ているが、アメリカの大儀は何か?

玉川: アメリカは、空爆は自衛のためにやっている。要するに世界中で戦争を起こせる理由として、侵略はダメなのだ。戦闘行為に至れる理由は自衛のため。それは個別的自衛権、集団的自衛権、自衛。

赤江: 国境を侵されている国々は、皆アメリカに来てほしいと・・・
玉川: イラク政府はアメリカに空爆してくれと言っているが、シリアの正統な政府はアメリカに対して言っていない。だから、フランスはイラクだけを空爆している。アメリカはシリアにもやっている。それは何でなのかというと、自衛のため。ここでまた自衛権と言う話が出てくる。

軍事的戦略というのは、我々が新たなリスクを抱えるということだ。

では軍事的戦略以外に、日本が出来ることはないのだろうかということで、一つの示唆を日本総合研究所・寺島実郎理事長に聞いたらこんな事があると―

<日本にはどんな選択肢が・・・>

(VTR)
玉川: 今「イスラム国」の存在が急激に大きくなっているが、この「イスラム国」に対して、日本はどう向き合っていったらいいのかということだが。

寺島: まず一番大事なのは、自分の国民を不必要な戦争に巻き込まないというのが、政治の大きな役割だ。

そのために必要でないリスクを自分で抱え込むような判断をしてはいけない。そういう文脈において日本が的確に距離が取れる問題だ、中東問題は特に。

我々こそ、中東にいかなる武器輸出もしてきたことがない国だということを前提に、中東問題の本質的な解決というのは、多分こういうことではなのかと、新しいアイデアを提示して参加していく可能性が大いにある。

イスラムに敵対するわけでもなければ、キリスト教徒に敵対するわけでもなく、なおかつユダヤ問題あるいはパレスチナ問題に極端にどちらかに加担しているわけでなく、技術を持った先進国が存在しているということの意味をハッと気が付きますよ。軍事的なことでなく。

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日本というのは、一次元高い賢い国だなと・・・。

(説明)
ではアメリカとはどう向き合えばいいのか?

寺島: フィンランド方式という言葉が、ウクライナ問題の落としどころと今盛んに語られている。

EUに加盟しても、NATOには加盟しない。つまり集団的自衛権の側に加盟せず、EU との経済関係を大事にし、自分の国の民主主義という手続きを大事にしている国だという構え方を、世界に向けて見せているわけだ。

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そのことがロシアでさえフィンランドに手を出せないという・・・・。

(説明)
フィンランドはEUに加盟し西側との強調関係を維持すると共に、NATOには加盟せずロシアと敵対するのを避けてきた。
そうすることで、大国の隣に位置する小国にも関わらず、ロシアからの干渉を受けることなく自国の独立を保っている。その姿は日米関係にも繋がる点があるのではと寺島氏は言う。

寺島: 集団的自衛権なんていう流れにズルズル引っ張られて、要するにアメリカについていくしかないだろうという程度の頭で、この問題を見ていたらダメだ。

自分の国の国際社会における価値って何だということを、自分達で問いかけて、しっかり発信できる側にいかないと、ロシア問題だとか中東問題が、来年に向けて日本の試金石になってくると思う、本当に。


(スタジオ)
玉川: 正に試金石。日本政府は今軍事的選択を絶対にとらないと、人道的支援しかしないと、正にその姿勢が大切なんだという話を寺島氏はしている。

折角日本は中東で嫌われていない。それは今まで図らずも日本が戦闘に加わっていないから。こういう立場をもっと大事にして、外交の力でいろいろな人道支援などをやっていこうと、今正に政府がやろうとしている人道支援でやっていく、この姿勢が何より大事だという話。

宮田: 寺島さんが仰るように、日本の強みが何だという話。宗教を発端に戦争に巻き込まれていないことも日本の強みだと思うし、経済援助とか人道支援とかが得意なところも日本の強みだと思う。わざわざ苦手な分野で勝負しなくても、国際的貢献が出来ると思う。武器は軍事的武器だけではない。

玉川今日のむすび: 集団的自衛権行使が、積極的平和主義に貢献できる道なのか。中東が日本の未来への試金石かも。

正にそういうことだ。集団的自衛権の行使で、法整備がこれから進むと。もしかすると何かの場合には出来るということになるかもしれないが、出来るということと、するということは、全然違う話。

折角日本の強み、中東に持っている日のアドバンスを大事にしていくことが大事なのはないのか。正に日本政府が人道支援でやって行くと言っていることが、大事な姿勢であると思う。

松尾: よく普通の国になろうと!と勇ましい方が言ったりするが、普通って何なのかというのもあるし、普通でなくていいのではないかいう気もする。普通でなくて、一段低い のでなく、腰抜けだという表現をする人もいる 

一段高いところにいるんだと。つまりリスペクトが集められる国なんだと。そういう理念というか、哲学を守って平和を維持している、そして人道支援やそういうことには力を貸しましょうと。そういうリスペクトを集められるような国でいたいと思う。
玉川: 一段高い、特別な日本を目指したいなと思うそもそも総研でした。

(以上〕

9/25 そもそも総研「そもそも国会議員の文書通信交通滞在費は今のままでいいの?」

2014.09.25 18:52|そもそも総研たまぺディア
兵庫県議会議員の政務調査費の使途疑惑が、国会議員の文書通信交通滞在費に及ぶのは当然のことです。
やましいことがないなら、公開すればよいのでは? 
使った分を領収書を添付して後で請求すればよいのでは?
簡単なことだと思いますが。出来ない理由があるとしか思えません。
惟新の党、共産党、社民党等の議員はどんどん公開しましょう。

8/25 そもそも総研たまペディア「そもそも国会議員の文書通信交通滞在費は今のままでいいの?」

<第2の給与と言われる“文通費”とは?>

玉川: かれこれこれを10年以上やっている。10年やっても変わっていない。
改めてやります。

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今年の顔と言っていいかもしれない、地方議員の政務活動費の不正使用が続出した。笑っちゃいけないけれど、ある意味貢献してくれている。
兵庫県議会で条例の見直しが始まっている。

今回問題になったのも、使途を公開しているからその使い道が問題になった
では国会議員の経費はどうなんだろう?

今回注目したのは、文書通信交通滞在費。国会議員でも正確に言えなかったりする。
“費”と書いてあるから、経費かと思うが、
* 全国会議員に月100万円渡し切り
* 領収書添付の必要なし
* 非公開  どう使ったかわからない
* 非課税  

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宮田: 余ったら返さなくてもいいんですよね。

玉川: 返さなくていい。 民間企業の費用であれば、出張に行くときに仮払いを請求し、まずお金をもらい、領収書すべてを添付して余りは会社に返す。 この領収書の中身も会社が全部チェックする。

松尾: 国会の会期中に、地方選出の議員が、東京にいなくてはいけないのに泊まる所がない、住む所がないというためのお金でもあるわけ?

玉川: 議員宿舎がある。
松尾: この滞在費はそのために生まれたものなんじゃないのか?
玉川: 元々は何であったのか、今は何のかは後で出てくる。

文通費に関しギモン

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<そもそも“文通費”がどんな経緯でできたのかというと>

(説明)
文書通信交通滞在費制度のはじまり
1946年8/31帝国議会衆議院本会議で、国会議員の手当を決める委員会の委員長であった坂東幸太郎議員

「現在、職員の宿舎の困難あるいは交通の困難等から、議員が職責を全する上において、
不可抗力的に支障が起こることがある故に、政府はすべからく宿舎の準備をし、あるいはまた交通についても相当な考慮と努力を払うべしということが、各委員によって議論せらされた。
また即ち政府としては、出来うる限り相当な宿舎の準備をするが、直ぐに間に合わないから、それまである方法をもって議員を遇する途を講じたい。

宿舎が出来るまで議会の成立から閉会までの間において、一人に1日40円を特別日当”の形において支給するということに話がまとまりました。」

当時終戦直後で住宅事情も悪かったため、議員宿舎が整備されるまでの“つなぎ”措置として国会会期中1日40円の「滞在費」支給が開始された。

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翌年1947年(S22)国会法が成立し、「滞在費」とは別に「通信費」として月125円の支給も開始された。

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その後、「通信費」と「滞在費」支給額は右肩上がりに増加していった。
1963年(S38): 「通信交通費」に名称変更され、月10万円支給に。
1966年(S41): 「滞在費」は一旦廃止に。議員宿舎の整備が進み当時の目的である“つなぎ”としての役割を失った。
1993年(H5): 27年後に「滞在費」が突如復活し、「文書通信交通滞在費」に。月額75万円から月額100万円に増額

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自民党・前田勲男議員
「国会議員に支給される「文書通信交通費」の名称を「文書通信交通滞在費」に改め、その額を月額75万円から100万円にするほか、所要の規定整備を行おうとするものであります」
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なぜ滞在費が復活? なぜ月100万円に増額? 
その理由は、議事録などを調べても一切見当たらない。

(スタジオ)
玉川: という歴史がある。確かに戦後の混乱期に、地方の議員が東京に来たときにアパートなどがなかったので、それを何とかしようと宿舎整備までのあくまで“つなぎ”で始まった。
その後通信費もかかるということで、翌年に根拠法である国会法が成立して、通信費も・・・
松尾: このときから、東京都選出の議員にも滞在費が支払われていたのか?
玉川: そうだ。 なんでかわからないが、逆差別になるからかな?

それがずっと増えていくが、1966年に滞在費がなくなる。この時点で議員宿舎が出来ていたから。
その後、通信費は伸びていき、1993年に何故かなくなった滞在費が復活して25万円増える。
議事録もすべて調べたが、何故復活して何故25万増えるかの理由は何もない。

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下に比較で国家公務員の初任給の動きを乗せたが、これをみると上がり方のカーブは激しいのではないのか? 減るということがない。

赤江: それにびっくりする。国の財政を一番分かっているはず議員さんが、一回も時代に合わせて減らしたりしてないことに。

玉川: 1960年代には、それまで国は借金をしてはいけない、建設国債などは除いて、赤字国債は発行してはいけないというところ、一年だけ赤字国債を発行させてくれと1960年に始まったのがずっと今まで毎年毎年続いている。

借金が増えているからということではないんだろうが、逆行する形にも見えるこの増え方。正に既得権。

松尾: 領収書もなく、人にも言わなくてもいいお金を年間1200万円、どこかの大富豪が小遣いだとポンとくれているならいいが。税金だ。

玉川: 国会議員によっては、月々129万円の歳費が出るがこれは当然税金がかかる。そうすると手取りの額でいえば、文通費の方が多い場合もある。
いろいろおかしい。

実は21日結党した「維新の党」の橋下徹共同代表が、「文通費使途を公開せよ」と打ち出したということなので、聞いてきた。

<惟新の党・橋下徹代表の主張>

先週金曜日、囲み会見
玉川: 政務活動費 地方議員のこれはだいぶ問題になった。これはきっかけとしてあるか?
橋下: 今政務調査活動費、兵庫県議がある意味いい形で全国民に問題提起というか、注意喚起してもらえたので、それをきっかけとして使わせてもらったのも確か。

以前から問題意識があったが、あるきっかけがないとなかなか動かせないので、僕が代表就任というタイミングで、維新の党のメンバーが、これに賛同してくれたというのは、非常に有難い話ではあるが、全国会議員でやるためには、これは徹底追求すべきだ。
それこそ玉川さんの使命だと思うが。

玉川: ずっとやっているのでやりますけど。

(説明)
橋下氏は、国会議員の“文通費公開”をどう取り組むのか―

玉川: 公開に絞ると、文通費の法律の立付けが、国会法が根拠法になっている。その38条に文書の発送とか、公の通信に関しては、手当を受けると書いてある。つまり“手当”だと。“手当”だから公開しなくていいんだという論理が出てくるかもしれないが。
法律の専門家としてこれはどうか?

橋下: これ法律の改正案を出す。 だから、これは今までの立場だったら、法律の解釈論でこれはおかしいとか、これは手当だったとても公開すべきだとか、解釈論になっていたと思うが、今は法律を作る立場だから、立法論で法律の改正案を出す。

まずは公開ということを“法律化”“立法化”して、これの賛否はどうなんだということを他党に突きつける。 それで公開がダメだと言うなら、とてもじゃないが、消費税増税なんて口が裂けても言えない。

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今の時代で100万円の現金を、領収書なしで、税金なしでもらえるのは国会議員だけだそこを改めずしてどうやって国民の皆さんに消費税のお願い、消費税に限らず、社会保障費の負担増とか、高齢者の皆さんにこれから負担増をお願いするわけだが、それくらいやらないと国民の皆さんついて来られないと思う。

しっかりと法律の改正案を出していく。

(説明)
国会法第38条
議員は公の書類を発送し、及び公の性質を有する通信をなす等のため、別に定めるところにより“手当”を受ける  

手当=給与の一部  課税対象だが、使い途を明らかにする必要はない。

しかし、国会議員の歳費、旅費及び手当党に関する法律 第9条の2には、
「・・・文通費は、・・・・租税その他の公課を課することができない」とあり、つまり非課税だとある。

文通費は“手当“なのか”経費“なのか、曖昧な存在になっている

(スタジオ)
玉川: 橋下さん、テレビの人だ。この時期に文通費をやるなんて、発想が一緒だ・・・。
手当と経費の違い
例えば出張に行く時に、手当は給与の一部となり、領収書はいらないしどう使ってもいいが課税される。

一方で経費は当然領収書がいる。チェックされるが、課税されない。
だから、貰う方からすると、領収書がなくて課税されないといいなと思う。
ところで、文通費はどうなっているのかというと、

2つの法律でこうなっていて、手当か経費かはっきりしていない、いいとこ取りになっている。

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宮田: 使わないで返さなくていいということは、手元に残る金額が、使わなければ使わないほど、働かなければ働かないほど多いということ。それはやる気を削ぐシステムだ。

玉川: 例えば、参議院で1期だけやると最初から決めていたら、次の選挙にお金使わなくていいから、結構好きに使えてしまうという話は聞いたことはある。

そういうものでいいのか?ということで、橋下さんは法律を出すと言っている。


<現職の国会議員たちに聞きました>

記者: 橋下代表が文書通信交通滞在費について10月1日から公開すると言っているが、民主党としての姿勢は公開するべきかどうか。

民主党・枝野幸男幹事長: 維新の党がする趣旨や具体的な中身をまだ承知していない。一般論として、政治とお金に関わる部分についての情報公開は徹底すべきだという方向性は、我が党として共有しているが、具体的なところは、維新の党の認識や行動を見たり、意見を聞いたりした上で、党内で議論をしていくということで、予断を持たずに、大きな方向性だけは共有していると思っている。

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(説明)
民主党→“お金に関わる情報公開は徹底すべき。今後党内で議論していく”

公明党は―
公明党・山口那津男代表: 本来文書通信交通滞在費というのは、国会議員が立法活動に専従するという立場でその立法活動全体を支える経費とうことで、渡しきりで決められているものである。

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それぞれ政党や議員によってその主義主張により、活動のスタイルは色々違いがあると思うが、そうしたこの費用の性質を踏まえた上で、今後あるべき議論が行われることが望ましいことだと思う。

(説明)
公明党→“議論はすべき”とはしたものの、公開すべきかの見解は出さなかった。

では自民党はどう考えるのか―
記者: 自民党として公開を求めたり、領収書の添付・公開といった立法化というような考えはあるのか?

自民党・谷垣禎一幹事長: 特段今公開を求めるようなことを考えているわけではない。

記者: (年額1200万円という)水準については?

谷垣: 適切な水準だと思う。

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(説明)
自民党→“公開を求めるつもりはない”
谷垣 皆適切に使っていると思っている。それに尽きる。
記者: もし余った場合は返還するような声や考え方もあると思うが?
谷垣: 甘っちゃって、困っちゃったという話は聞いたことがない。

(スタジオ〕
羽鳥: ちゃんとやっている人は余らないんですよね。かかるんですよね。
松尾: だったら、文書とか、通信とか・・・具体的な目的をお為ごかしに書かないでほしい。活動手当と言って、無条件でお使いくださいと言う名目ですればいい。何でこう具体的なことをいっぱい言い訳として並べて、でも手当だから公開しなくていいという言い草がおかしい。

玉川: 手当だから公開する必要がないと言っているのは、実は新党改革だけ。

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共産党、社民党→公開する
次世代、みんな、生活→前向きに議論する

玉川: 各党こういう状況だが?

宮田: 自民党が、適切に使っているんだから公開する必要はないと言っていたが、適切に使われているかどうかは、税金として出している私達に判断させてほしい。

玉川: 全くそうだ。地方議員だけの問題なのかということ。地方議員もかつては公開ではなかった。公開させてみたら、意外とぽろぽろ出てくる。これも公開したからこそだ。

赤江: 渡さないと言っているのでなく、シンプルに公正にしようと言っているだけだ。
羽鳥: 公開して足りないのならもっと出してもいいんじゃないか?
玉川: 日本より多いのはアメリカだけ。アメリカは2000万円くらいになる。その代わり公開で、仮払いでもない。全部使った分を、領収書を添付して請求する

宮田: その方がいい。
玉川: そう思うんだが。

今日のむすび: 文通費も経費では・・ 国会議員も民間と同じように公開すべき

やはり経費でしょう。手当っておかしい。だって、給料と同じかそれ以上になるような手当はない。だったら、それに課税してください。そしたら、3割くらい減ってしまう。

松尾: 国会議員が何百人もいる。中で自発的に私はこう使ったと公開している人はいるのか?

玉川: それは調べていない。
ずっと私は言っている。10年以上言っている。 だけど、直っていない、変わっていない状況に、もしかしたらここで風穴があくかも知れないと期待しているんだが・・・。

松尾 維新と共産と社民の皆さんは、法律で決まらなくても公開するという行動で示すことが望まれる。

玉川: 維新の党に関しては、法律なくても公開すると言っているので、そうしてもらって、やはり公開しようという話がもっと盛り上がったら、是非立法化してほしいと思う今日のそもそも総研でした。

 (以上)

9/11そもそも総研「そもそも原発は“安いから使う”ということではなかったのか?」

2014.09.11 23:51|そもそも総研たまぺディア
今日9/11そもそも総研は、凍土壁、汚染水、再稼動・・・に目を奪われている間に、経産省が原発の生き残りを図るために暗躍しているのでは?という重要な指摘です。

民主党政権時にはインターネットで公開していたいわゆる審議会が、自民党政権になって後退しており、且つメディアが報道しないので、国民の知らない間に御用学者や経済人などの委員が着々と議論を重ねています。
ほとんどの場合、省庁はやりたい方向へと結論を誘導し、その結論をもって議論は十分に行われたこととして、方針を決定します。

電力自由化が現実となると、原発のコストは高くて(膨大な災害対策費用や事故時の賠償なども含めば天文学的なハイコストになりそう)他のコストと差がつきそう。それでは原発はすたれてしまうので、基準価格を決めてその差額を電気料金で補填してあげようという英国の制度を検討している委員会があるというお話。

2014/9/11 そもそも総研たまペディア「そもそも原発は“安いから使う”ということではなかったのか?」

<いよいよ再稼動へ・・・>
玉川: 原発神話が崩壊する以前は、原発は安いから使うんだと。その後今でもそういう主張がある。

原発が止まっているから赤字が大きい、だから火力発電だけではだめなんだ。とかいう話は一般的に流れている。だから原発は安いんだろうと誰もが思っている。
ところが、本当にそうなんだろうかということが、ちらちら出てきている。


昨日(9/10)、原子力規制委員会が、九州の川内原発が「新基準に適合している」と。
これはどういうことかというと、政府が、規制委員会が基準に適合しているという判断をすれば、再稼動したいと言っている。

つまり責任は規制委員会にあるということなんだが、でも規制委員会は安全を保証するものではないと言っているので、このことはずっとやってきましたが。
少なくとも再稼動に向けて着々と進んでいることは間違いない。

一方で、着々と進んでいる話がもうひとつ実はある。

それは、総合資源エネルギー調査会・原子力小委員会で、原発の価格保証について議論されていると。
価格保証って何だ? 原発って安いんだよね。
価格を保証してあげる? どういうことなんだ?

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<原発は安くない!?>
総合資源エネルギー調査会・原子力小委員会委員・原子力資料情報室協同代表・伴 英幸氏に話を聞いた。そうしたら実は原発は安い発電ではないという前提になっているという話。どういうことなんでしょう。

(VTR)
玉川: 安く発電したら儲かる。高く発電したら儲からない。これが市場ですよね。電気料金もそうしましょうという話のはずなんですけど、ちょっと違う話になってきているということを聞いたんですが・・・。

: 電力自由化を進めていこうと。ところが原子力については自由化とは合わない“コストが高い”と。だから自由化の中で原子力を生き残らせていくためには、支援が必要だということで、今経産省の「原子力小委員会」というところで、支援策の議論が始まっているんです。

(説明)
今年6月、電力の小売りを全面的に自由化する「改正電気事業法」が成立。
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電気料金は今まで、発電にかかったコストに電力会社の利益を上乗せして、すべて電気料金として徴収していた。
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これからは、市場で電力の価格を決め、競争を促し、電気料金を安くしようという仕組みに変わる。
しかし、原発だけは特別扱いにしようという議論が進んでいるという。

玉川: 原発はやはり高いということになったんですか?
:  基本的には高いということが明らかになった。

玉川: 原発は今まで安いと言われていたが、仮に高い発電だということになれば、それは企業としては見合わないよねということで、淘汰されていく。これが市場ですよね。

:  ほおっておくと淘汰されるんです。原子力は高いから

玉川: 市場に出したら原発は安くないということを、経産省は認めたということですか?
要するに、守ってやらないと廃れてっちゃうから、守らないといけない存在になったということですか?
:  そうです。

(説明)
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伴氏は、原子力小委員会での議論は、“原発は安くない”が前提となっていると言う。
では、原発を廃れさせないための経産省の案とは―。

: “差額決済契約”と言っている。市場の価格と原子力のコストの差額が出た場合に、補填しましょうと。これは第三者機関をつくって、広く消費者から電気料金から資金を集めてそこから出しましょうと。
玉川: では結局消費者が負担するということですか?
:  差額を消費者が負担する。

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(説明)
差額決済契約とは、イギリスでも検討されている“価格保証制度”のこと。

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基準価格を設定し、市場価格を下回った場合、その差額を利用者に負担してもらうという仕組み。
これは原発が割高になった時に補填する仕組みだが、一方政府は既存の原発を運転するだけなら低廉だと主張している。では何故コストが安い原発を守らなければならないのか


玉川: 既存の原発であればコストは安いわけですよね。
:  既存の原発は安いです。
玉川: だったらそれを補填する必要はないじゃないですか。
:  新しく建てるために必要だということです。
玉川: では新しく建てるということがもう前提になっているんですか?
:  前提になっています。
玉川: 少なくとも政治側から政権側から、原発を新規立地しますよだとかそんな話は公に出ていませんよね。
:  公には出てないですね。
玉川: でも経産省と委員会の中でそういう話になっているんですか?
:  なっています。

(スタジオ)
羽鳥: これ凄い発言じゃないですか。
松尾: これ大問題じゃないですか。
玉川: 要するに、自由化することは決まってしまった。自由化すれば先に電気料金が決まるので、コストがどれくらいかかったかは関係なくなる。だから、売れた電気の範囲内でコストが出来ていないといけない、これからは。

でもそうすると、原発の場合はまずいという発想が多分あって、先に基準価格というのを決めてそれを下回った場合には、これは電気料金として負担してもらうしかないよねという話になっている。

この制度は火力発電とかには適応しない。イギリスがこれから導入しようとしている。そのイギリスの制度を日本の原子力小委員会で検討することになっている。

宮田: 何でそこまでして原発を守ろうとしているのか。再稼動の説明についても、私達に納得のいく答えが来ていない。安い原発の前提も崩れた。更に新しい原発を作るなんてとんでもない。何でそこまでして守るんですか。
玉川: これまだ伴さんの話で。 後で私経産省に聞きますけど。
松尾: これ本当だとしたら、電力の自由化って意味がないですね。
玉川: 何のために自由化するのか。自由化してコストが見合わなければ、その発電方式はなくっていくわけですよ。
宮田: 淘汰するためですよね。
玉川: 淘汰するためというか、基本的には競争するためになんですが。
松尾: 本当にゼロに向かって目指していくという話はどこに行ったのか。

玉川: それよりも、自由化すると原発はなくなっていくだろうなという見込みだった。
例えば、アメリカも自由化されたあとなかなか原発作れなかった。何故かというと、経済的に合わないから。イギリスも北海油田から安いガスが出たものだから、原発はリスクの割には合わなくなって、20年新規立地出来なかったけれど、でも政府が作ると。しかし作るにあたっては高いから、これ(価格保証)導入しないといけないというのがイギリスの話。
でも日本も・・・という話になりつつあるところ・・・。


<それでも原発を守る背景は>
では、いつの間に高いという話になったのかを元経産官僚・古賀茂明氏に解説してもらいましょう。

(VTR)
玉川: 今までは原子力というのは安いんだ、だから市場に任せたら原子力が勝つでしょという話だと思っていたが。
古賀: 今まではあたかも原発が、少なくとも再生可能エネルギーや火力よりも安いですよみたいな宣伝がされていたが、実は高いんです。

高いというのは電力会社も経産省も知っているんです。知っているが、高いと言っちゃうと“じゃあやめたら”と言われちゃうので、今までは“安い”と言ってきたんです。
安いんだから大事ですよね”と。

今度は、一旦大事だというふうになったら、何故大事かという理由は置いておいて、とにかく大事だという結論だけとって、“大事なんだからこれはずっと維持しなければいけませんね”と。
玉川: だってもともとは安いから大事だってことなんじゃないですか?

古賀: だったんですけど、その“安いから”というのは、ちょっと切り離されて、“大事なんだから維持でしょ“と

玉川: “原発は安い”から“原発は高い。でも高くても守るんだよ”に、いつの間にか変わっていたということなんですね。
古賀: 変わっているんです。

(説明)
小渕経産大臣が福一原発を視察する動画(9/7)

政府が掲げてきた原発が必要だという理由は安さだけではありません。
そのひとつが、エネルギー安全保障。
原発があることで、化石燃料を買う際に価格交渉力が発揮できるというのがその理屈。

玉川: 原発続けなくてはという人は、いわゆる“エネルギー安全保障”という意味で、火力ばかりに頼ると足元を見られるというところもあるし、選択肢を多く持っていた方がいいから、原発だってなくせないんだということ言うんだと思うんですが。

古賀: 火力とかに頼っていると、(電気料金が)高くなっちゃうでしょと、乱高下もしますし、だけど原発というのは、そっち(化石燃料を使った発電)よりも安いんだから安いのがあるんだよという武器を持ってなくてはいけないと。

ところが、もし原発が高いということになれば、武器として使えないんですよね。
原発の方が高いですよねと言った途端に、じゃあ火力はもっと高く買ってくださいって石油をね。もっと高く買ったって原発より安いじゃないですかと言われちゃうだけですよ。

玉川: 原発が安いという前提があるんだから、“安いのも持っているんだぞ”と“だから火力も安く売れ”と言えるという話ですもんね。
ということは、原発が安いという前提が崩れた時点で、他のメリットが崩れちゃうということですか。

古賀: 崩れちゃう。だからずっと原発は安いと言い続けなくてはいけなかったんです。

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(スタジオ)
玉川: また目から鱗で、原発が安いというメリットと、原発があることによって化石燃料の価格競争力がつくことが別だと思っていたが、これが一体だった。だから安いと言い続けなければいけないという理由がある、というのが古賀さんの話。

ここまでくると、本当にそうなのか。経産省は本当に思っているのかと私も聞きたくなって行ってきました。


<経産省に聞きました!!>
(VTR)
玉川: 少なくてもイギリスでは、原発は高いという認識に基づいて、差額決済契約を導入するということは間違いないわけですね。

経済産業省・畠山陽二郎原子力政策課長: イギリスで設定されている価格は、今の市場価格より高いということは事実ですけれども。

玉川: 差額決済制度をテーブルの場に出したのは経産省というのは、間違いないですね。

畠山: 紹介はいたしました。
玉川: これはイギリスで今導入に向けて進んでいて、まだ決まったわけではないと主運ですけど、これの背景は原発というのは、市場価格で電気料金が決まった場合に、非常に投資が大きいので、電力価格が安くなった場合には、差額が出てしまってやっていけないと。なので“原発だけは守る”という意味づけだと。やはりそういうものなんですか?

畠山: 彼らの出すガス電力の価格が非常に安いということもあって、今比べると(原発の電気価格が)高いところがあると。中期的に見たときに、十分競争力を持つものになるだろうというのが、彼らの発想でありまして、従って主眼は高いから補助しようということよりも、むしろこの価格が上下するという市場の中で、“いかに安定的に事業をやっていくのかという意味で収益を安定化させる”そこが主眼だという説明を受けています。

玉川: 少なくともイギリスでは、原発は高いという認識に基づいて、差額決済契約を導入するということは間違いないわけですね。

畠山: ガス火力に比べると、少なくとも新設のものについては高いという認識はあるようでございます。

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(説明〕
“イギリスでは、原発はコスト高”ということを経産省は認めた。
しかし、日本でも同じことが言えるわけではないと主張する。


畠山; 差額決済制度についても、基準価格の設定次第だと思います。
設定次第で、その値段をいくらに設定するかによって、高い・安いは変わってくるので・・

玉川: 論理的には低いところに設定することは出来るけれど、高いところに現在設定しようとしているわけだから、結局はやはり価格保証じゃないですか?

畠山: イギリスで設定されている価格は、今の市場価格より高いということは事実ですけども、(2倍ですね by 玉川)ただそれが制度の趣旨として、高いから補助しているというんだったら・・

玉川: それは表向きの趣旨と、実際の本音が違うという話じゃないんですか?

畠山: いや必ずしもそうではないと思います。

玉川 表向きの趣旨だけを持ち込んできて本音の部分を明かにしないというのは、僕は正直な行政とは言えないと思いますよ。

畠山: 従って、私どもも別に具体的な制度について提案しているわけではなくて・・

玉川: でもそれを検討してくださいということは、つまりそれをやってほしという意図が全くなければテーブルに上げないわけですよね

畠山: いや議論の参考にはなると思います。

玉川: もちろんそうですけど、議論の参考にはなるけど。それを全く導入して欲しくないという意思が政府もしくは経産省にあるんだったら、テーブルには載せませんよ。

畠山: 原子力小委員会でご議論いただくというために、テーブルに載せましたけれど、今特に何かこれを入れて欲しいという意図で申し上げていることではありません

玉川: そうすると、委員の方が新増設を含めて“原発というのは高い電源になってしまったので、守るために差額決済制度を導入しようとしている、というのが経産省の意図だ“というふう受け取っているのは曲解だということになるわけですか?

畠山: 曲解というか別にして、理解が正しくないと思いますので、そこは正確に説明していきたいと思います。

玉川: これも委員の方がおっしゃっているんですけど、既存の原発を運転するだけだったら安いわけですよね。そういう風に書いてもありますし、じゃなんでこれを導入するのか。それは新設が前提となっていると受け取っているということだが。

畠山: 必ずしもそうではありません。
玉川: ということは新設はしないんですか?
畠山: ご承知のように、今の政府のスタンスは、今まさに再稼動に向けて規制基準への適合性を13原発20基について審査をしているという最中でございまして、まずはそこに集中しようじゃないかということで、現段階では新増設ということについては想定していないというのが基本ポジションでありまして、そういう意味で、新増設を見越した制度であるということではありません。


玉川: 経産省としては、原発を新設するという選択肢は一切ないということですか?今後。
畠山: 今言っているのは、今申し上げているのは、
玉川: わからないという話ですか?
畠山: わかりません。
玉川: これから先新設するかもしれないということですな。
畠山 政府として統一的にスタンスを申し上げますけれども、現段階で新増設については想定していないという以上でも以下でもありません。

(スタジオ)
玉川: これ、え~。絶対言質をとらせない。
松尾: 現段階では想定していない。ことですということは、何が起きたって私はウソはついていませんよ。ということですね。
玉川: 作るとも作らないとも言っていないです。原発は高いとも言っていない。

では委員の伴さんが、ウソをついているのかというと、取材してみると見えてきたのは、経産省は言質は絶対とらせない。だけど例えば原発メーカーは5年に1つ新増設しないとメーカーとしてやっていけないみたいな話もその場で言うんですって。そうすると、説明をいろいろ聞いていると、結局原発というのは、高いというのが前提になっているんだなとか、新しく作るということを前提にしなければこんな制度を入れる必要ないよねとしか受け取れない。だけど直接は絶対に言わない。

羽鳥: 相反しているように聞こえるが、余地が沢山残っているという発言だということですか。
玉川: 暗黙の了解というような部分があるのかもしれない。非常に大人の議論ですね。委員会の中で行われている感じが私にはしますね。

赤江: 当たり前の商売の理論を取っ払っても、原発をどうしてもやりますという強い意志を感じるんですけれども、そうなると何のためにやるんですかという理由については、何かいろいろはぐらかしながら、結局真の理由については語られないんですか

玉川: そういうことになります。だから安いということを否定しないですよ、経産省は。いろいろなことを考えてみると、やはり原発は高いじゃないかということは言える。

高いとなると、さっきもうひとつのメリットも消えてしまうことになって、じゃあ導入しなくてはいけない理由は、何なんだというと、政治的部分が残るぐらいなんですよ。
だけど、そういうのは言わないと。

きょうのむすび:  もし原発を新設したいなら、ちゃんとごまかさないで説明して下さい。
何で新設しなきゃいけないのか、その前に新設するともしないとも言わないでなくて、ちゃんとするつもりならすると言ってくれと。そうでないと判断できません。
この問題を先送りでなくて、きっちり言って下さいよ。新設なきゃいけないと思っているなら、自信もって言って下さい。

宮田: イギリスは温暖化対策のために原発の使用を進めていこうという目標を掲げている国じゃないですか、その国の制度の都合のよいところをさらっているということは、やはいりそういう方を向いていると思いますよね。

玉川: まあイギリスの場合も独特の事情があって、CO2削減はあるが、一方ドイツを見れば原発をやめて、自然エネルギーでCO2削減しようとなっているわけ。それぞれの国のよいところを持ってきてという感じがあるのかもしれない。

羽鳥: はっきりとは結局はっきりしないことがはっきりした。
玉川: はっきりして下さいのが、今日のそもそも総研のまとめです。

***************
これは長すぎで読み切れませんね(苦笑)

古賀氏の原発のコストを安くしておかないと、他の化石燃料の調達に足元を見られるという話ですが、そもそもそのために原発のコストを決めると言うのはおかしいと思うのですが? それから、化石燃料を調達する国を分散化しておくことが大切ですね。 ロシアから直接パイプラインでLNGガスをもってくればとても安価だと思います。
これも進めてほしいです。

化石燃料調達のために原発は必要ありませんので。

また経産省の課長さんは、おつむはいいのかもしれませんが、何とも煮え切らずイライラしました。
何だか哀れに思えたのはschnauzerだけかな?



9/4 そもそも総研「そもそも異常気象って”異常“なのか?」  後半

2014.09.04 21:29|そもそも総研たまぺディア
9/4 そもそも総研たまペディア「そもそも異常気象って”異常“なのか?」  後半

<日本の気象は“異常”なの>
(VTR)
玉川: 最近“異常気象”だ。それから“観測史上初めて”だとか、いっぱいそういうふうなのが報道されて、何か異常なことが今起きているのかというようなイメージを、多くの方が持っていらっしゃると思うんですけれども、これについてはどうなんですかね。

向川: まず“異常気象”の定義についてご説明したいと思うんですけれども、大体30年に1回くらいの頻度でおこるような現象を“異常気象”と。
大体30年に1回程度は起こるべくして起こっているという現象。だから(異常気象が)起こるからと言って異常ではないわけですね。

玉川: そうすると、頻度の問題だというだけの話。
向川: そういうこと。
玉川: “その地域にとっては30年に1回のことが起きましたよ”というだけのことなんですか?
向川: そういうことです。起こって正常だと。
玉川: 異常気象は起こって正常。
向川: 起こって正常です。

(説明)
では“異常気象”の“異常”はどんな意味で使われているんでしょうか?

玉川: “異常“という言葉は私達にとっては異常・正常の”異常“で使うわけですよね。
正常というのは“良い”ことで、異常ということは“悪い”ことだというふうなイメージとして受け取ってしまうんですけども、そういうことではないということですか?

向川: “異常”というと日本語のイメージからすると“abnormalアブノーマル(異常な・病的な)”とかそういう英語を想像されますが、我々が使うのは“unusual アンユージュアル(常には起こらない)”という英語を使います。“頻繁に起こらないけれどもたまには起こる”そういうイメージで捉えてもらうのが正しいと思います。

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(説明)
一方、100年単位で見た気候の変動は?
玉川: 気候というのは、変動はしていないですか?
向川: しております。ご存知のように地球温暖化というのが進んでいまして、異常高温が増えているとか、異常低温が減っているとか、頻度が変わっているというのが一つ。
それから、平均からのズレというのが大きくなるという傾向にある。ただ起こっていること事態は何も異常ではございません。

“(異常気象)が起こらないことの方が異常“と思ってもらった方が正しい認識だと思います。

(スタジオ)
玉川: ということを分かって頂けましたでしょうか。
本当に異常な現象が起きている、例えば、夏なのに雪が降ったとか。そういうのは完全に異常なんです。だけど起こりうることが起きていますよ。というふうなことであるんです。

では何で私達は、あぁ何か大変なことが起きているかもしれないなと思うのかな。ここはどうですか?

松尾: 情報の伝わり方が、ちょっと傾向があると加速度付けて拡散してしまうということが大きいのではないかと思います。

玉川: 例えば、インターネットメディアやTVを含めたメディアが、増幅させるという部分があるんですかね・
松尾: 温暖化しているという部分を見ても、長い目でみたら例えば100年単位で見たら温暖化しているかもしれないけれど、もっと長い目で見ると、寒冷化しているかもしれないんですよね。
玉川: それ、私も気になったんですよね。だから、今まで観測が行われてから140年なんですよ。それより前ってどうだったのかが気になったで、これも取材してきました。

<100年・10000年単位で見ると。 今は氷河時代>

玉川: この140年くらいというのは、気象データがあると、だけどそれ以前というのはないわけですよね。つまり江戸時代から前ぐらいはないと、この間というのは日本の気象というのはどうだったんですか?

帝京大学・三上岳彦教授: これは過去1000年の日本の気温を、木の年輪だとかいろんな古文書の記録とかそういうものから推定して、かなり大胆に推定したものなんですけど、暖かい時期と寒い時期と、そして現在また暖かくなっているというように大きな波がある。

(説明)
三上教授によると、日本の気温を1000年単位でみると、およそ400年前の江戸時代は平均気温がおよそ1度から1.5度低かったといいます。

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三上: 例えば、江戸時代はご存知のように天明とか天保とか大きな飢饉がありましたよね。結構夏が寒かったという。今でいう異常気象が起こって飢饉が頻発していたのがこういう時代ですよね。これ日本だけじゃなくて、世界的に寒かったんですよ。

17世紀初めごろ、イギリスのテムズ川とかですね、今はほとんど凍ることはないんですけれども、時々凍って川の上で市場を開いていたという絵が残っています。ちょっと信じられないでしょ。今ではそんなことはありえない。

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玉川: もっと万単位のスパンだとどうなんですか?
三上: 例えばジュラ紀とか恐竜が栄えた時代。1億年とか2億年前とかそういう昔に比べれば、過去40万年というのは非常に寒い氷河時代。
玉川: え、今氷河時代なんですか?

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三上: 今 氷河時代ですよ。 何でかというと、今は南極大陸とかグリーンランドにも氷河があるでしょ。本当に暖かい時代は地球上に氷河はなかった。
だから今は地球の歴史の中でいえば“寒い時代”なんですよ。

玉川: 寒い時代の中の、比較的暖かい時代が今ということですか。
寒い時代の中に、暖かい間氷期と寒い氷河期が繰り返し起こっていて、今は寒い時代の中では暖かい・・・

(説明)
三上教授によると、地球上に氷河が存在すれば氷河時代だといい、現在はおよそ1万1千年前から間氷期で、気候は安定。その結果生まれたものがあるという。

三上: 暖かくなって1万1千年くらいたって、この間の気候の変化は非常に小さい。
そのために、人類の文明が発祥して、これだけ文明が栄えたっていうふうにも言えると思うんですよね。

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玉川: 暖かくなったから、文明が出来たといこと。
三上: 暖かくなってしかも気候が安定したから、だって気温はほとんど変化してない1度、2度でしょ。だから気候が安定すれば文明はやっぱり発展しますよ。

玉川: 農業ができるようになったからということですか?
三上: そうそうそう。農業とかそういうものやるのに、毎年毎年気温が10度とか変動したらダメでしょ。そういう意味で気候が非常に安定したってことが、人類をここまで繁栄させたと言っていいと思うんですね。

(スタジオ)
玉川: 気候の安定がいかに大事かということなんですけど。

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今から1万年前くらいは、我々が一般的にいう氷河期で、マンモスとかいたわけです。それが急に暖かくなって、暖かくなった後も平均気温1度くらいの変化でずっと1万年続いた。だから農業が出来るようになって、文明が生まれた。

他の時期を見てみると、一回暖かくなってすぐ下がっちゃうんです。もしかここですぐ下がっていたら、文明などなくて未だに石器時代が続いていた。
だからいかに安定が大事かということなんです。

では氷河期ってどういうふうな感じだったのか?1万年前は。

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緑のが今の日本地図ですが、わずか1万年前は陸の線がこんな感じだったんです。大陸と繋がっていた。私これ知っていましたけれど、隆起したんだと思っていた。違っていて、寒いから海の水が氷になって陸の上に乗っていたと。だから水位が100メートル低かったんですって。だからこういうふうな地形(陸と繋がっていた〕だった。
これぐらい大きな変化をするんですって。

今日のむすび: 異常気象は変なことが起きているのではなく、起こりうる。けれども頻度が高く、偏差があるので、注意しよう。

逆に言うと、これから偏差は大きくなるかもしれないので、大雨が多くなる可能性はある。それはもしかしたら、自然の大きな揺らぎの話なので、やはり頻度の問題として気をつけなくてはいけないかなと。

でも大変なことが起きているとか、地球が壊れるとかそういう話ではないよというのが今日の結論

松尾: 地球が生まれて46億年前でしたっけ、できてから今までを24時間に換算すると、人間が生まれてから今まで6秒なんですね。たったそれだけで、地球がどうなっているなんてちょっと傲慢な気もするぐらいの壮大なお話だと思います。

玉川: だから過度な不安は持たないで行きましょうよ!といいたい今日のそもそも総研でした。

(以上)

9/4 そもそも総研「そもそも異常気象って”異常“なのか?」  前半

2014.09.04 18:55|そもそも総研たまぺディア
本日の「そもそも総研」は気象現象を扱って、大変に好企画でした。

最近の気象現象に伴う災害が、いかにも地球規模の気象変化が起こっているとして、不安を煽るような論調があります。(爆弾台風とかゲリラ豪雨という呼び名もありました)

それでは、例えば広島の土砂災害については、戦後の植林政策とその後の無策により、山国日本の森林が荒れ放題になっている。そんな山裾に、都市計画もなく宅地造成が行われ人が住むようになれば、雨を貯められない山は崩壊するのではないでしょうか。

現実的な原因の追及をしないで、災害を単に雨が異常に降ったせいにしておいては、いつまでもこういう災害は続くのではないのかと危惧しています。毎年こういう災害はありますし、昨年も和歌山県で土砂ダムというのがあり、驚かされたことを思い出して下さい。

また、台風については、戦後直後S20.9/17に襲った非常に強い枕崎台風により、長崎、広島の放射性物質が流されたため、その後人が住めるようになったともいわれていますが、情報が大変に少ないそう。
他にも占領時における情報も台風の公式統計に入っておらず、台風の統計はせいぜい53年間の歴史しかないのです。

このように、気象観測を始めてからの歴史は浅く、昔の情報は精度が低く(温度、湿度を計る百葉箱も昔は一定でなかった)、かなり正確とは言えない気象情報に一喜一憂しないで、自分の住んでいる場所の情報を把握したり、避難場所を確認したり、防災用具を整えたりして対処しないとなりませんね。

また、浅い温暖化論争にも組みしないので、本日は勉強になりました。

今日は、とても長いので、2つに分けました。
前半は、異常気象多発というが、台風、竜巻、大雨、気温は増えているのかを具体的に説明しています。

後半では、異常気象の異常の意味は私達が考えているものとは違う。そして、温暖化については玉川さんが目を剥く事実が・・・。

9/4 そもそも総研たまペディア「そもそも異常気象って”異常“なのか?」  前半

<異常気象多発というが・・・観測140年間を見ると>

玉川: 今年もいろいろな異常気象があったがあったんですけど、

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何となく私が思っている異常とは、正常・異常の異常なんです。言葉のイメージもあるんだけども、やはり正常というのはいいこと。異常というのは悪いことみたいなニュアンスが言葉の中にありますよね。

どうも異常気象が続いているとなると、地球にとんでもないことが起きているんじゃないかとか、ああ~どうなっちゃうんだろうとか不安があると思うんですよ。TV見ている方も、私もあったんです。でもそれって本当のところどうなんだろうと調べてみたのが今日。

ということで、140年間のデータを今回調べてみました。
何故140年間というと、日本で気象観測が始まってだいたい140年になるんですね。だからデータがあるのが140年になんです。
そこを調べてみて、どういうふうなことが見えてくるかということなんです。

まず、台風と竜巻なんですが、増えている・減っている・変わらない。どういうイメージですか?

スタジオの面々: 増えたり、減ったりだと思います。特に増えている感じはない。竜巻は最近映像をよく見る。映像が簡単に手軽にとれるようになったから増えているように見えるということもある。

玉川: まあそういう話をされるとちょっと困る部分もあるんですが。VTRいきましょう。

<台風は増えているのか>
(VTR)
(説明)
今年7月(10日鹿児島に上陸・中心気圧930hPaの台風8号)、台風には初となる特別警報が出された台風8号は各地で大きな被害を出しました。

では“強く大きい台風”は増えているの?

異常気象分析検討会委員・気象庁気象研究所環境応用気象研究部 藤部文昭部長:台風についての公式の統計は1951年からなんですけれども、それに関しては今のところ、増えているとも減っているともはっきりした結果は認められないと。

(説明)
1951年以降日本に接近した台風を調べると、年間19本が最多です。1960年代にも同じ数の台風が2回きており、増えているとは言えません。

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では”強さ“はどうなんでしょう?

藤部: 20世紀の中頃、枕崎台風、それから伊勢湾台風といった非常に強い台風が日本にやって来て大きな被害を出したわけなんですけど、実は最近50年間、それだけの規模の台風は来ていないと。一番その中でも強い(中心気圧が低い)ものが、室戸台風ということになるわけですが・・・
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(説明)
台風は中心気圧が低いほど強くなる傾向にあります。もっとも中心気圧が低いのが室戸台風です。中心気圧は911.6hPaで、その記録は未だに更新されていません。

更に台風の強さは風速によっても決まります。過去日本に最も強い風をもたらしたのは、1965年の台風23号。最大風速は69.8m/sです。

過去の記録を見ると、上位5個の中に最近の台風は入っていません。

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最近の風が強かった台風は、2003年の台風10号ですが、最大風速は49.8m/sで50mにも達していないのです。

ちなみに、最も人的被害が大きかったのが、1959年の伊勢湾台風です。死者・行方不明者お
よそ5000人(5098人)。明治以降の自然災害による犠牲者では、東日本大震災や阪神淡路大震災に次ぐ数に上ります。

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<竜巻は増えているのか>
一方、2012年5月、茨城・栃木両県で2000棟を越える建物が被害を受ける竜巻が発生しました。
今月に入って栃木県で竜巻が発生しています。

最近増えているように感じる竜巻は、実際にはどうなのでしょうか?

玉川: では竜巻はどうなんですか?
藤部: 竜巻ははっきりしないですね。気象庁が過去50年ほど統計をとっておりますけれども、途中で統計の取り方が変わったということもあって、ちょっと増加しているか減っているか、そこからはわからないといったところですね。

(説明)
1961年からの竜巻発生確認件数のグラフを見てみると、一見増えているように見えるのですが、気象庁では2007年から目撃情報など広く情報収集を開始したため、単純に比較することは出来ないのです。

藤部氏は、竜巻が増えてという印象について、次のように分析します。

藤部: 以前にも竜巻による被害は当然あったわけで、明治時代ですと小学校がそれで倒れてしまうときもあったんですが、被害の実態がメディア・ネットを通して目に触れるようになったということで、注目度が高まったということもあるのかなと。

玉川: 竜巻はかつてもあったし、被害もあったんだけど、特にインターネットメディアが発達してない時なんかは、それほど人の目に留まらないから、少なくとも全国の人の目に留まらないから、イメージとしては最近急にという感じになるということなんですか?

藤部: そうですね。

(スタジオ)
玉川: ということで、台風は数も強さも被害も、昭和の方がずっと大きかった・多かったということになる。台風は増えていないというのが結論。

竜巻は、はっきり言うと、わからないというのが正しいかもしれないですね。
つまり、山の中で起きていても誰も見ていなければわからないわけで、結局私達が確認できるものでしか数は数えきれない。そういう意味でいうと、私達がカメラ一台の時代ですよね。これが増えている印象を与えているのではないか。

台風・竜巻ともに増えているとは言えないというのが、この140年間。

次に、大雨と日本は暑くなっているのではないかというイメージはどうかとうことを聞いています。

<大雨は増えているのか>
(VTR)
玉川: 大雨は実際に増えているんですか?
藤部: そうですね。 上は100mm以上の雨が降った日数。下は一日の降水量の内一番大きかった日降水量の最大値。年によって変動も大きいですが、全体としては右上がりになっていて、増加していると。
(説明)
過去100年間のデータを見てみると、日降水量100mm以上の日数は1年間で、1901年に比べるとおよそ25%増加し、
一日の降水量年最大値はおよそ8%増加
しています。


しかし、大雨や集中豪雨を個別に調べてみると、その傾向は違ってきます。
先月発生した広島県の豪雨は、1時間の降水量が130mmでしたが、過去最大の降水量を記録したのは、1982年の長崎豪雨で、1時間で187mmの降水量を記録しました。
さらに、今から110年前(1896年)滋賀県を中心とした豪雨により琵琶湖の水位がおよそ3.76m上昇し、周囲の村は水没。水が引くまでに8ヶ月近くかかったと言われています。

<では平均気温はどうでしょうか>

玉川: 日本の平均気温が上がっているというグラフですよね。どれぐらい上がっているんですか?

藤部: 1901年以降の変化で、100年で1.14度C(以下度)
玉川: 1.14度というと、感覚としてはそれっぽっちですかという感じがするんですけど。

藤部: 昨日と今日で1度気温が違うというのと、長い期間で平均値が1度違うというのでは、全く意味が違うわけですね。例えば去年の夏非常に暑い夏であったわけですが、平年に比べてプラス1.2度ということで、1.2度の違いであれだけ暑いということがありますので、平均気温としての1度というのは大変大きな意味があるということですね。

(スタジオ)
玉川: ということで、暑くなっているのは確かで、雨も増えていることなんですが、
一方こういうデータもある。
一年間に降った量を比べてみると、実は減ってきている。

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全体に降った量でみるとあまり変わっていないか、若干減っている。
だけど大雨は増えている。ということは偏りが生まれているということなんですよね。

これをもってすると、どうなのか。やはり異常なのかな?平均気温は上がっているし、豪雨も増えているし、異常なのかなということで。
では異常なのかをストレートに聞きたいと思って、京都大学に行って来ました。

この異常気象分析検討会委員・京都大学防災研究所・向川均先生は、異常気象の検討会というのがあって、そのメンバーに入っているということで、今の異常気象は異常なんですかストレートに聞きに行きました。

(後半に続く)




8/7そもそも総研「そもそも韓国人は日本のことがどう嫌い?」韓国に行ってきました!

2014.08.07 22:47|そもそも総研たまぺディア
本日のそもそも総研は、近くて遠い隣の国、韓国の学生の生の考えを聞けて貴重でした。 

韓国では、高校で近現代史を学ぶといいます。もしそれが偏ったものであっても、やはり学ぶ機会は必要ですね。
そこから批判も生まれると思う。日本でもやったほうがいいと思うけれど、結局ウソで塗り固められてしまっていて、教育出来ないのではないのかというのが、勝手な推測。

この取材を通して、戦後日本人も教育とマスコミにまんまと乗せられて、アメリカの本当の目的を見誤ってきてしまったのではないか? 同じように、現在の韓国を見る目(中国も)をも曇らせているのではないかと思いました。
特に日本人は批判精神がなく、長いものにまかれる方が楽な人々なので、簡単であるだけ非常に危険。

8/7 そもそも総研たまペディア「そもそも韓国人は日本のことがどう嫌い?」韓国に行ってきました!

<日韓お互いの印象は>

玉川:なぜこういうテーマかというと、7月に発表になった日韓の間の意識についてある調査結果があって、
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日韓世論調査 ~相手国に対する印象は?~
相手国に対してどういうイメージを持っているか。
日本人は韓国に対して昨年から比べると悪い印象がものすごく増えた。半分以上になった。
一方、韓国は日本に対して悪い印象が減ってはいるけれども、7割を超えている。こんなに嫌いかと思った。

これまでも韓国に行って取材してきたが、日本人のこと嫌いじゃないですよという話もよく聞くので、本当のところどうなんだ。いろいろな人に話を聞きたいと、まず日本語を学ぶ大学生に集まってもらってどういう風にどれぐらい日本が嫌いか、話を聞いた。

(VTR)
玉川: 韓国のソウルに来ている。韓国人の実に7割が日本に対して好ましくない印象を持っているという。それは果たして日本政府に対してなのか、それとも日本人に対してなのか、一体何に対してなのか、これから取材してみる。

日本語を学ぶ大学生達に話を聞いた。

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日本のことが好きな人に手を挙げてもらったところ、4人全員が手を挙げた。
日本のどういうところが好きか?という問いに、文化、具体的に歌、漫画やアニメ。
中学生の頃よしもとばななを読んで、日本の文化に興味をもった。

(説明)
日本の文化に対する親しみは一般的なようだ。韓国内のインターネット検索(Google Korea)で去年検索キーワード1位となったのは、日本漫画「進撃の巨人」だった。
村上春樹や東野圭吾の小説も翻訳版が去年ベストセラーになっている。

日韓の政治問題に詳しく、日本でも教鞭をとった経験のある国民大学校国際学部・李元徳教授: 反日だとか日本が嫌いというよりは、安倍政権の右傾化政策に対する反発があるというのが本質で、本当に日本が嫌いなのかといえばそうでもないと思う。

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例えば、日本の文化が好きな若者がいっぱいいるし、最近居酒屋がはやっていて、イタリアンレストランより日本の居酒屋のほうがグンと増えている。

玉川: 今たぶん日本の中で、韓国の人は日本が嫌いになんだと思っている人がほとんどだと思う。

: それはちょっと誤解だと思うが、例えば僕も日本に滞在している時に、普通の日本人から聞かれるが、「今ソウルに観光旅行したら危ないですか」とか「拒否感を感じることが起きるんじゃないですか」と質問されるが、全くそんなことはないと思う。

(説明)
一昨年(2012年)韓国を訪れた日本人旅行者は約352万人。そのうち犯罪遭遇件数32件。
他の国と比べても日本人にとって安全な国といえ、反日感情が日本人旅行者に危険を及ぼすほどではない。
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では韓国の人達は手放しで日本のことを好きだと言うのか?

学生: 歴史の問題はいつも忘れられない感じがする、親の世代でなく、その上の世代なんですけど、まだまだ忘れることではないので、複雑だ。


<“文化は好き”でも“日本が好き“とは言い切れないその理由は?>

学生: 日本を勉強するほど、自分の個人的な日本に対する感情、韓国人が持っている民族意識、自分が知っている日本に関わる色々な知識が、区別されるようになる。

玉川: 個人的な感情と民族的な感情と言うのが別にあるわけ?韓国の人は。
学生: そうだと思う。
玉川: 個人的には好きだけど、民族感情としては好きではないという形が、韓国人の心の中では当たり前にあるわけ?
学生達:普通にある。
学生: 日本に関心があるほど、「日本が好きですか」という質問に答えづらい。答えるのに悩む。

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(スタジオ)
日本のことを勉強している学生で、日本が好きなんだが、しかし日本が好きだと言い切れない。この感情というのは一体どこから来るのかというのを知りたくなった。それを探ってみた。

(VTR)
ソウルの在韓国日本大使館の周りには警察車両のバスが6台。警察官も10人以上。バスの中にはそれ以上の警察官が待機している。物々しい雰囲気。そして正面には従軍慰安婦像が大使館を見つめるように設置されている。

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こういう風な状況を象徴するような、いわゆる反日感情。韓国人から拭い去れない感情は一体どのように生まれるのか。


<反日感情はどのように生み出されるのか?>

玉川: どこから出てくるその民族感情。 最初に民族感情を意識したのはいつどんなきっかけ?
学生: 歴史的な事実があるんじゃないでしょうか。
玉川: 歴史的事実を教わったところからということ?
学生: 高校で韓国は“近現代史”という科目があるが、それ勉強して、先生の話を聞いていると何となく悲しくなっちゃう。
玉川: やっぱりだ。教育が大きいんじゃないの?
学生: 教育の影響がないとは言い切れないかもしれないが・・・。

玉川: 日本では、皆さんが反日教育を受けていると思っている人がいっぱいいる。
学生: 反日教育というにはちょっと単語が強いのでは。“反日”とそこまでは言えないと思う。
学生: 私が受けた教育の中には、反日教育と呼ばれるものはなかったと思う。もし反日教育を受けていたら、こんなふうに日本を好きになる人達はもっと少ないと思う。

学生: 私達の教科書に“日本はこんな悪いことをしたんだから、日本を恨むべきだ”と書かれていたわけでは絶対ない。

玉川: 教科書には事実が書いてあるんだけど、先生は「日本のかつての歴史を皆さんは許してはいけませんよ」みたいなことを言われることはない?

学生達: 絶対していません。

学生: 先生によって違うと思うけれど、そんな教育、絶対にしてない。

: 私の経験的に言うと、50年代、60年代までは韓国の歴史教育の中で反日的な要素はあったと思う。しかし、80年代以降、そういった反日的な要素は非常に弱くなったと思う。

(説明)
“教科書には事実が書いてあるだけ”
 しかし“その事実をどう扱うかに意図がある”のだと指摘する韓国人もいる。



<反日感情を生むシステムとは>

作家の崔碩栄氏は、日本に10年間暮らしたことがある。日本に住んだからこそ見えてきた韓国の反日感情とは―その実態と分析を行ってきた。

: 日本に反日感情を持つように、韓国で生まれ育った人は、自然にそういうふうになるというのがある。私はそれを”反日システム“と言う。

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玉川: その反日システムというのは、具体的にどういうものか?
: 一番大きく挙げられるのは、教育とマスコミの報道
玉川: 教育は反日システムの中ではどういう風に作用しているのか?
: 私は1950年代から今までの教科書を調べてみたが、今の方が反日的な内容が多い。例えば、昔は慰安婦とか竹島問題とかは、それに対して好意的な感情を持っていたわけじゃないが、そういうのは教科書に書かれていなかった。
玉川: 昔は慰安婦問題とか竹島問題というのは教科書になかった。
: 教科書には書かれていなかった。

(説明)
どの歴史的事実を採用し、どの事実を強調するのか―そこには意図があり、その意図によってさじ加減を変えるのだと崔氏は言う。

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: 例えば1950年代でいうと、李承晩ラインといって日本との海の問題があったが、その時当然韓国の人のほとんどは竹島は韓国の領土だと思っていた。それを疑う人は一人もいなかった。でも教科書には書かれていなかった。

でも今はそれを長く書くんです。それは強調し始めたということ。“日本は竹島に対して変な主張をする”それを学校で習うわけだから、当然日本に関してはプラスのイメージは持たないと思う。

玉川: 従軍慰安婦問題というのも教科書に載っているのか?
:  載っている。 私は高校を1991年に卒業したが、その時まで一言も載っていなかった。

(説明)
更に”韓国メディアは日本に対してマイナスイメージを抱かせる報道を―“

玉川: 教育で殊更に強調されてメディアで増幅されるということか?
:  そうだ。メディアが伝える日本は、本当の日本とちょっと違うと思う。韓国では日本に対して悪い方だけ強調する。
玉川: そういう報道を見た人は、日本人には悪い人しかいないようなイメージになってしまうということか?
: そうなる。私は日本に10年間いたが、その時韓国のテレビや新聞が、私が見た日本の事件や発言を、韓国メディアはちょっと歪曲して伝えるのをいくつか見た。

(説明)
何故「反日システム」のようなものが存在するのか。
そこには「反日システム」で得をする人がいると崔氏は言う。

:  政治家だと竹島を守る運動をしたとか、慰安婦のためにこういう運動をしてきたとか、それは自分の履歴として入るので、反日運動といえばあの人という名前が国民の頭に入って、それが選挙などでもかなり有利になると思う。

玉川: この反日システムは誰かが作ったのか?
:  それは特定できないが、最初は政府主導でやったと思う。50年代、60年代に。その時は政府はまだコントロール出来た。でも今はそれが出来ない。
韓国政府がそれをやると“親日政府だ”と言われるので。だから政府もコントロール出来ない。
玉川: 誰もコントロール出来ない、怪物みたいなものになっているということか?
:  私はそう思う。



(スタジオ)
玉川: 大学生や大学教授は、反日教育はないと言っている。作家の崔さんは、いやそれは分析するとあるんだと。これは同じ面をどう捉えるかということだったり、それを意識するかしないかということだったりと私は思った。両方とも正しいんじゃないかと思った。

問題は、意識の中にそれがあるかないかということと、それを利用する人がいるという話が気になった。

松尾: 任期の終わりの頃の前の大統領が、竹島に上がりこんでパフォーマンスをやったが、きっと保身なんじゃないのかと見ていた。そういうことが功績の材料になるようなムードがあるのだろう。

玉川: 日本のことをよく言うことをやれば、いきなり親日というレッテルを貼られるというような社会的な風潮は、誰にも動かせない。それが韓国にとっていいことではないとしても、それが怪物のように自立的に動いてしまって、誰にも止められない状況になっていることがあるんじゃないかと感じた。

前大統領の話もあるが別にこれが反日システムだとやっているわけではないが、そういう側面はないのかと国会議員にインタビューしたいと思って、韓国の議員が半分以上が加盟している日韓議員連盟のナンバー2の韓国側会長代行セヌリ党・金泰煥議員に話を聞いた。


<韓国の国会議員は―>

(VTR)
玉川: (韓国の国会議事堂の前で)たとえ日本人が好きであっても、好きとはなかなか言えない。この拭い去れない感情を国民が持っている状況は、果たして韓国にとってプラスになるのか? これから与党の国会議員の重鎮を直撃する。

玉川: 日韓関係が悪化するきっかけだったのは、李明博大統領が竹島を訪問したことだと思うが、今の日韓関係が今のままでいと思うか?

:  勿論良くない。本当にこうした両国関係が続くことは、韓国だけでなく日本にとっても決して望ましいことではないと考えている。

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玉川: 日本人の一般的な感覚として、韓国の人達が怒るのは分からないではないと。だが、過剰に反応していると受け取っている日本人が多いと思う。

では何故過剰になるのかというと、教育やであれメディアであれ、煽るというのか、そういう部分が結局韓国にとってもマイナスになっているんじゃないかと。

: マスコミの話が出たが、韓国のマスコミの中でも反政府新聞はある。反政府的な新聞社では、韓国と日本の間の問題を多少オーバーに扱う場合もあるが、日本も同じではないか?

意図的に韓国の政治が言論を利用して反日感情を煽る、ということは絶対にしていない。

玉川: 日韓関係が悪化するきっかけだったのは、李明博前大統領が竹島を訪問したことだと思うが、これは明らかに政治側が行ったことですよね、メディアでなく。
これは今はどういうふうに評価しているのか?

:  両国の間の一つの紛争地域であるので、両国関係だけを考慮した時には、行かないほうが良かったかもしれない。

しかし、韓国の立場から見た場合には、独島(竹島)は韓国の領土であり、全国民が韓国の領土だと考えているし、現在韓国が実際の支配をしているので、前大統領が行ったことが、絶対に悪かったと韓国国民は考えてはいない。

ただ日本と紛争中なので外交的側面を考慮したら行かないほうがよかったと考えているのが、一般的な韓国国民の思いだろうと私は考えている。

玉川: 日本はアメリカと戦争して徹底的に負けた。その時に原爆も落とされて大きな都市は全部大空襲で焼かれた。そういう歴史を持っているが、今の日本人はアメリカのことが好きだ。一方で韓国と日本の関係を考えると、韓国の人が日本のことを好きだって言ってくれない。これは過剰な民族主義教育というのがあるせいじゃなかと私は思うが。

: そういう教育を我々はしたこともないし、しない。本当に違う。両国関係は昔に比べるとどれほど良くなったか。以前ほどではないというか、日本で韓流や韓国ドラマが流行り多くの文化交流がある。玉川さんも見たでしょう。どれほど韓国に日本の居酒屋があるか。J-POPもあるし、日本文化や映画など韓国国民は好きなのだから。



(スタジオ)
玉川: かなり長いインタビューを議員から聞いてきた。
こういう中で、どうしたらいいのかを聞いた。

そうしたら、まず両首脳が会ってお互いの考えをぶつけ合うべきだと金議員は話した。
トータルで見てどう思うか?

松尾、羽鳥: むずかし~い!!! 難しくて分からない~~
松尾: 大体その国を好きになるのは、その国との過去の歴史で好きになるのか、一人一人の顔を浮かべて好きになるのか、文化が好きなのか、その国の統治機構のやり方が好きなのかどうなのか、色々な要素がありすぎて、一つの国を好きなのかと聞ける状況ではないと思っている。

赤江: 直接触れ合っての感情を大切にしないと、伝聞によって作られた感情は実態がなく、どうにでも動く、そこの怖さを感じた。

玉川: お互いに日本人が韓国人と会ったことがなかったり、韓国人が日本人と会ったことがなかったりする中で作られていくものは、間接的な教育であったり、メディアで当然印象は作られるが、印象で政治はすべて動く。民主主義国家というのは。

その印象がどうなるのかは非常に大事なところだが、印象とか感情というものは、私達の中でどう作られるのかと、韓国の取材はしたが、日本の、私の意識に関して、実は今日のむすび:韓国は他山の石。私達の意識も何らかのシステムに源流があるのかもしれない?

例えば、インタビューの中でも、日本人はこれだけアメリカが好きだ。よく考えて見たら、戦争中に日本はアメリカに酷いことをされた。無差別に攻撃も受けたし。だけどかなり早い段階から、我々はアメリカのことを好きだと思っている。疑っていない。だけどそれってもしかすると誰かにとって得なことかもしれない。例えば日本側にも、アメリカ側にも。

韓国に比べて日本は民族意識が強くない。強くないということは誰かにとって得なんじゃないか。要するに韓国にとって逆なことが日本でもあるんじゃないかと。今回自分の意識を疑った。
もう一度、自分たちが当たり前と思っている感情を再点検したほうがいいと思った。

松尾: メディアから聞こえてくるニュースで、ネガティブな材料だけ見て嫌いだと思っている割合の方が多いと思う。

玉川: メディアの責任は非常に大きいと思う。日本についても、韓国についても言えると思う。もう一回自分の感情、意識を点検してみたいと思う今日のそもそも総研でした。

(以上)


7/31そもそも総研「そもそも ”一つの町のエネルギーを完全に自給する“とは どういうことなのだろうか?

2014.07.31 20:53|そもそも総研たまぺディア
本日7/31のそもそも総研は、国土の6割を占める山林から、地域のエネルギーを作りだすことを実践している中山間地域の実例を紹介してくれました。
藻谷浩介氏の「里山資本主義」の公的北海道版といったところ?(まだの方は是非お読みください)

国内に資源がないならともかく、厖大な面積を占める山林をエネルギーに変えない手はありません。
それが、結局のところ山の管理を促し、災害にも強い山を育てることになるし、グローバル資本による安くて見てくれの良い板や家具から、地域の山の材木から作られる本物の家や家具を市場に出すことになります。産業を育て、文化も生まれ、そしてその残り物から大切なエネルギーを生み出すっていいですよね。

でもこれはモデルケース。 長い時間をかけて町有林をふやし、循環型森林経営を既に実践しているから出来ることであり、利潤を求めて外から入りこんで間伐材を切ってそれをチップにして・・・・では採算が合わないと「里山資本主義」に書いてあります。

また電力自由化も文字通りというわけにはいかないのではないでしょうかね。(勉強不足ですが、そう簡単にはいくはずがない)

しかし、今日登場する下川町の役場の人々は、とても楽しそうに見えました。これが必要ですよね~。

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2014/7/31 そもそも総研たまペディア「そもそも ”一つの町のエネルギーを完全に自給する“とは どういうことなのだろうか?

玉川: 今日は、一つの町のエネルギー全部を自給してしまおうという町があるので紹介したい。

<電力自由化へ・・・生活にどう関係?>

先月閉会した通常国会で、こんな法案が可決・成立していた。
改正電気事業法  2016年に電力の小売りを完全自由化する。

今までは地域ごとに電力会社があって、一般家庭が電気を買おうと思ったら、地域の電力会社やもしくは地域のPPSからしか買えない。今までも今も。
それをこう変えましょうと。
電力小売自由化になると、電力会社に限らず、どっか発電している所から、私あそこの電気買いたいと買える。逆に売る方も、ここで作ったけれど、遠くの人にも売ろうということが出来るようになる。これが自由化。

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とはいえ、何かメリットがあるのかと思うと思うが、私達の生活が大きく変わるかも・・・分かりやすい例が北海道にありました。

<”町のエネルギーは町で自給“の仕組み>

玉川: 北海道の下川町、旭川の近くに実際に見に行ってきました。
町で使う熱と電力を完全に自給してしまおうという試みが始まっていて、可能か不可能かではなく、もうやる! 2年後には出来るという話になっているということなので、どういうことになっているのか。

北海道の下川町は人口3545人(2014年7月1日現在)
今見えているのは町営のジャンプ場。
下川町はオリンピックの葛西選手の生まれ育った町で有名だが、今日はジャンプの話でなく、山に広がる森、その森にある木、その木を使って町のエネルギーを全部自給してしまおうと。一体どうやって?

町を一望できる展望台で、
玉川: 森が広がっている 町が人工林を持っているということだが、どれくらいが町の人工林なのですか?
北海道下川町・森林総合産業推進課・三条幹男課長: まず手前に広がっている山は町有林ですし、こちらの方も町有林ですね。霞がかかっていますけれど、ずっと向こうに見える山も町有林です。面積でいうと4680ha。そのうち人工林が3000ha
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(説明)
下川町が所有する人工林3030haは、東京・板橋区とほぼ同じ広さ。
しかしこれだけの町有林を最初から所有していたわけではない。
町内にある豊富な森林資源を地域の産業にしていこうと、1953(昭和28年)から国有林を買い進めていった。

下川町では循環型の森林経営を行っている。
循環型とは、例えば4年で成長する木の場合、4区画にわけ、1区画ずつ伐採しても植林すれば4年後にまた伐採できるという、永続性のある方法。
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下川町では町有林のほとんどは、60年で成長するカラマツ・トドマツなどを植林しているので、60年周期で循環する。
更に、間伐材の一部や、かつては捨てていた、製材の過程で生まれる廃材を利用し、エネルギーを自給している。

玉川: 下川町は今エネルギーを自給しようとしているが、それは何故か?
下川町・環境未来都市推進本部・春日隆司本部長: 下川町の地域内のエネルギーを調べた時に、電気と化石燃料合わせて12億円。これが町外にいっている。それを地域で自給するとそれによって地域経済が回るということ。

(説明)
まず、町が考えたのが、熱エネルギーの自給。
今まで化石燃料に頼っていた町内の暖房と給湯の熱を、木くずを使い賄おうという考え。
そこで木くず燃料の加工場へ向かった。

玉川: 三条さん、この場所はどういう場所なのか?
三条: ここは今まで山に捨ててきた未利用な資源を集めてきて、ここで“木くず”にして、それを公共施設のボイラーに持っていく。
玉川: それではこれは間伐材とかが入っているということか。
三条: 間伐をして、木材として利用して、あと利用しなくなった、例えば根元だとか、木の穂先の部分だとか・・・

(説明)
ここで捨てられるはずだった木材が、細かく裁断され、木くず燃料となり、町内数カ所に設置されたボイラーへと運ばれる。
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下川町森林総合産業推進課・長岡哲郎課長: ここはこのエリア全体の熱給湯をする地域熱供給システム。
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玉川: 先ほど見たチップをここで燃やしているということか?
長岡: 木くずを原料としてそれを燃やしたエネルギーで、給湯と暖房をこのエリアに供給している。

(説明)
現在、町役場や福祉施設など約50%の公共施設の暖房・給湯を、木くず燃料の熱エネルギーで賄っている。

これにより、年間1400万円の燃料費削減に繋がったという。
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町では電力も自給しようと考えている。電力自由化を見据え、木くずを燃やし熱と電力を作り出すプラントの建設も予定されている。

玉川: 電気だが、導入された場合にどれくらいの発電をするのか。
春日: 下川町は今人口3500人で、大体2000世帯ある。今使っている電力は町全体で、大体2000kW。ですから、下川町全体で2000kW発電出来れば自給できるということ。
玉川: そうすると、2000kWの発電所を一つ作るということか?
春日: 効率を高めるために発電とそれから熱を一緒に出来るプラント・・・
玉川: コージェネレーション!!
春日: そうです。
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(説明)
コージェネレーションとは火力発電などで生じた熱を使うことで、80%のエネルギー効率を持つシステム。
コージェネレーションによる熱・電力の自給の理由を町長は・・・

下川町・安斎保町長: 北海道は非常に寒い所なので、灯油や重油、これらは命綱。
それがオイルショックみたいなことがあって莫大に価格が上がると、生活がたちまち困窮してしまう。
(説明)
冬には最低気温-32.4度(今年2月8日観測)を記録することもあり、日本有数の寒い場所。

玉川: 北海道で灯油が入ってこないということに対する不安というのは全然違うのか。
安斎: 灯油が入ってこないことと、停電も恐ろしい。今、冬に電気がなくて2日生活できるだろうか。電話はきかないし、ストーブはダメだし、お風呂も沸かすことはできない。

玉川: エネルギーを自給するということは、北海道にある下川町にとっては、本当にその安心に繋がるということなのか?
安斎: そうです。
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(説明)
町民の安心や安全に繋がる木くずでの熱電システム。
今後電力自由化への展望は?

玉川: いつ電気の供給を始める予定か?
春日: 基本的には2016年の電力自由化を目指しつつ、2017~18年度までには完全に自立する、自給したいと。
玉川: 電力の小売りの自由化に合わせてやるというのは、何か意味があるのか?
春日: 2016年 誰でも電気が購入できるので、広く下川町の質の高い電気をもちろん地元の人が使うのが最優先。そして余る電気については質の高い電気を都市の皆様に、全国に、自由化ですからどこでも買えると。

玉川: たとえば東京でも、下川の電気買えるようになるということか?
春日: 買えるようになると思う。
玉川: 買うということになると、電気の値段が気になるが、
春日: 基本的には、北海道電力の電気代とイコールかそれ以上安くなければ、下川町の電力を買うということにならないので、北海道電力よりも1割くらいは安い電気を供給できればなと。
玉川: 例えば東京にいて、1割安い電気が欲しいと思って、下川町の電気を買いたいという人が出てくるかもしれない。
春日: そうなっていただきたい。

玉川: 60年サイクルで50haずつ1年間使っていくという話だが、そこから出る“木くず”だけでエネルギーを賄えるのか?
春日: もちろん町有林だけでは十分ではないが、下川町には個人の山もあるし、国有林もあるので、基本的には下川町にある資源で、地元の2000kWのエネルギーの原料は供給できるという試算になっている。

山にある資源は住宅用の木材に使うとか、色々な価値のあるものに使いながら、最終的にそこから出てくる“木くず”は燃やすという考え方。

玉川: そうすると、とにかく木を全部使うということ。
春日: そうです。森の恵みを私達はいい形でしゃぶりつくすと。

(スタジオ)
玉川: しゃぶりつくすんだと・・・
松尾: しゃぶりつくしても、循環型でやっていけばなくなってしまうわけではない。持続可能ということだ。
玉川: 60年周期で、60年前に植えたやつは60年後に育つ。60年前に植えた分だけその年使うと。そういう形で循環する。
ということは、結局、1年間で増えた分を1年間で使うということと一緒になる。

自由化という話だが、今までも風力発電も含めて、町が使う分くらい発電している所は今でもある。
だけど自由化でないと、それを電力会社に売るしかない。
せっかく町で作ったのに、町の人に売れない。でも自由化になると下川で作った電気を下川の人に直接売ることができる。そこが違う。

下川町 木くず 熱・発電のメリット 
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安い
玉川: 安くするんだと。1割引きくらいでやる。

木が1年間に成長する分が1年分の熱・電力に →(つまり)持続可能
玉川: 60年周期でやっていくと、資源が減らない
もちろんカーボンフリーでもある。
木が吸収した二酸化炭素を燃やして出るだけだから、増えない。

③ 町外に出ていくおカネを町内に →(これで) 100人分の雇用が生まれる
玉川: 例えば電気の技術者などを外から連れてこないと。すると人口も増える。

国際情勢に左右されないエネルギー
玉川: これ今大きいと思う。ウクライナで何が起ころうが、中東で何が起ころうが、ずっと60年間の予定がたつ。これくらいの金額でやれるという形で。



宮田: 下川町は人口3500人くらいで小さい。小さい町だからこそ、凄く極端でシンプルな戦略が生きるという部分があると思う。(略)
玉川: 今まででっかく作ってでっかく送るだったのが、小さく作っていろいろな所で・・・その話が後に出てくるが・・・

羽鳥: こんな進んだ考えを随分昔からこの町はやっていた。
玉川: 昔は林業だけだったが、ここにきてエネルギーというのが出来ている・・

(皆で、口々にすごい~なぁ)

玉川: これが日本全国に広がっていくのではないかという話を、続きで・・・。


<これが将来の日本のモデル!?>

長岡: 今ボイラーの給湯と暖房はこちらの集住化住宅に供給がされる。
玉川: 集住化住宅?
長岡: 町営住宅22戸。そして共有スペースとして住民センター・郵便局も入っている。
玉川: 熱供給のボイラーがあり、町営住宅があり、郵便局があり、食堂があり、コテージがあり、これで町になっているということ。
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(説明)
下川町の一の橋地区は、かつて高齢化率50%を超える限界集落だった。
そこで町は、木くずでの熱供給システムを取り入れた町営住宅を作り、住民を一カ所に集中させ、町を再生させた。

長岡: (町営住宅「一の橋バイオビレッジ」にて)ここ雪が大変多い地域で2mくらい積もる。ですから冬の除雪がすごく大変なんです。それでこの内廊下でつなげてしまって、ここの駐車場から下りると一切除雪がいらないと。
玉川: 北海道の外の寒さから、雪から守られているわけですよね。通路自体も。
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町営住宅の中はどうなっているのか。
玉川: なるほど。やっぱり木の香りがする。
長岡: 下川町産の木材100%で。 ここは若向きでメゾネットタイプ。1LDK 約60平米。
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このパネルヒーターを通じて75度くらいのお湯が来るので、ここから暖房がとれるようになっている。

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玉川: 暖房器具ってこれだけですよね。これでいけるんですか?
長岡: 冬は大丈夫・

(説明)
気になる暖房・給湯費は?

玉川: ガス代とか灯油代とか普通はかかるわけだが、それに比べると料金はどれくらいか?
長岡: だいたい化石燃料を使用していた時に比較すると、70%くらいで収まるのではないかという試算のもとに設計・・
玉川: 3割引・・・

(説明)
“熱供給システム”で町のエネルギーコストは、昨年約1400万円削減できた。その削減分の一部は子育て支援金や中学生までの医療費の無料化など町の福祉に還元した。

この木くず燃料によるエネルギーの仕組みは、下川町だけに留まるものではないと春日氏は言う。
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春日: 日本国土の3分の2は森林。全国に1718自治体があるが、そのうちの43%は林野率が75%以上の振興山村に指定されている。だから、下川町の熱源システムのモデルは全国に波及するし展開できる。
玉川: ここで上手くいけば、同じことが日本全国の40%の自治体でやれるということか。
春日: やれると思う。
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(スタジオ)
玉川: ということで、ちょっと試算してみた。
日本に人工林はいっぱいあるが、これを1年間に成長する分を“木くず”発電で全部エネルギーに変えるとすると、電気だと四国電力の販売電力量になる。
それから熱は都市ガスの家庭用ガス販売量の6割ぐらいになる。もちろん四国電力も大口に売ってだから。
これを考えると、さっき春日さんがおっしゃった日本の中山間地域にこういうものを一個一個置いていったら、たぶん森林地帯の電気と熱はこの木材でいけるのではないか。

ただ、この木材は製材業がなくてはダメ。山から切ってきてすべて燃やせばいいということではないので、やはり木くずを燃やすというところが重要で、前にもやったが、日本の製材業は戦後、海の外から材を持ってくるというかたちに完全に作り変えられてしまった。それをもう一度元へ戻す。

林業を活発にして、製材業をやって、出た木くずで発電して、中山間地域は熱とネネルギーを持つと。そういうことが出来るのではないかと思う。

今日のむすび: 森林大国である日本は、実はエネルギー資源大国でもあるのでは

松尾: 国土のたぶん6割以上が森林のはず。例えば家の父方の田舎は島根県の匹見町は、林業しかなかった、限界に近いような所だが、こういう取り組みが出来るようになると、持続可能な自治体としてのスタイルが作れていくのではないかと思う。

玉川: 林業がちゃんと興れば、今まで限界集落だった所に林業が興る。で雇用が生まれ、更にエネルギーも自給できるということになれば、その人材も必要になるし、いわゆる山の限界集落がどんどん発展していくというか、持続可能になってくるんじゃないか。

羽鳥: 頭の中で考えた理想的なシステムが、実際に出来ているって凄いな。
松尾: 勿論、条件が揃っている所とそうでない所とあるだろうが、部分的には真似することがいくらでも出来るし、そういう動きが広がっていけばいい。
赤江: 仕事があるんだったら、そういう場所に住みたいという人もいますよね。
玉川: 下川町でインタビューした所なんて、広くていいんですよ。(中略)
夢は広がるので是非進めていっていただきたい今日のそもそも総研でした。

***************
この例のように、その地域に見合ったエネルギーを作ってその地域に配る。そして余剰が出たら売電する。エネルギーの地産地消がいいですね。

原発にかわるエネルギーは、天然ガスコンバインドサイクルでの発電がいいと考えていましたが、現在原発なくても電気は足りているという現実を見て、これ以上の天然ガス発電所はもういらないと思うようになりました。

後は古い火力発電所を効率のよいものへと建て替えていく。
エネルギー分散の観点から、天然ガスは、ロシアサハリンからパイプラインで直に持ってくることもする。
そして後は、海外になるべく頼らないこのような木くず発電、地熱発電そして自然エネルギーの比重を増やしていくのがいいと思います。
周りが海なんだから、英国で盛んな海流発電も歓迎します。

7/24そもそも総研「そもそも火山が噴火しても原発は問題ないのだろうか?」

2014.07.24 22:45|そもそも総研たまぺディア
連休が多忙で疲れ切り、あっという間の一週間。
今日のそもそも総研は、原子力規制委員会のパブコメを書くためのよい材料になると思いました。
しかし、今回もはっきり言うと、もっと前に話題にすべき内容なのでは?

本日の収穫は、姶良(あいら)カルデラの大きさを映像で見て改めて実感できたこと。これが1回の噴火で出来たとは恐ろしや。
また、阿蘇山の噴火周期が、2回目と3回目が約2万年、3回目と4回目が約3万年で、それから9万年経っているそうで、阿蘇山もいつ噴火してもおかしくないという、これまた恐ろしい事実が分かったこと。

それから、井村先生は、とうとう全国テレビに出演して、地震学者としての矜持を貫こうとしているのですね~。頑張れ!

そもそも桜島は、年に1000回も噴火を繰り返す活火山なので、大噴火もあり得るし、そこまでいかなくても火山灰で停電、機器の損傷が起こり得ることを喚起しています。

事故と噴火が重なって、救助ヘリコプターや上空から水を撒くヘリも飛べなくなることも想定しているのでしょうか。
地震と噴火は同時に起り得る自然現象。 それならば、一律でなく、それぞれの原発に即した安全基準が必要だと思いました。廃炉にするにせよ・・・。

当ブログ内に火山研究者のアンケートのこと、井村先生のことなど書いています。 →規制委員会、川内原発の火山の影響を想定し直すよう要求 参考にして下さい。

7/24 そもそも総研たまペディア「そもそも火山が噴火しても原発は問題ないのだろうか?」
羽鳥: 問題でしょうね。
玉川: すぐそう思いますか。
羽鳥: たぶん問題だろうと思いますね。

<川内原発 再稼動に向かっているが・・・>
玉川: でも先週水曜日、九州電力の川内原発は原子力規制委員会の規制基準に適合しました。ということで、今政権も再稼動を進めていきたい。

メディア各社も“秋以降にも再稼動へ向かうんだろうと・・・”という感じになっていて、
一番初めに動く原発になりそうだということだが、今羽鳥さんがおっしゃったように、私も火山は大丈夫なのか??と。

川内原発のそばにも多くの火山がある。ご存知ですよね。桜島、霧島山、阿蘇山。これは表面に見えている火山だが、問題はこれだけではない。 カルデラというのがある。
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キーワード① カルデラとは何か?
カルデラというのが問題だと、地震学者が言っている。

また、カルデラの何が問題かというと、
キーワード② 火砕流

覚えていますか? 雲仙普賢岳。火砕流がカルデラに関係しているということで、今回注目したのは、この姶良(あいら)カルデラ。
桜島のある錦江湾の一番奥にあるということだが、それはどういうことなのか?を伺ってきた。

<火山研究の専門家は- 立地不適格>
玉川: 鹿児島県鹿児島市に来ています。 この先に、桜島と錦江湾を一望できる場所があるということで、そこで鹿児島大学の火山学の先生・井村隆介准教授と待ち合わせています。

こちら桜島ですよね。カルデラという話が出てくるが、カルデラというのはそもそも何なんですか?
井村: 過去に大きな噴火が起って、そこでマグマが地表に沢山出てしまったために、地下に空洞ができて上の部分が陥没したと考えられるのが、カルデラ。

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(説明)
川内原発付近には、過去に大噴火を起こし、今後も噴火の可能性があるカルデラが5つも存在する。この場所からそのカルデラのひとつ、姶良カルデラを見ることが出来る。

井村: この湾すべてですね。
玉川: 向こう岸まで相当ありますけれど、この丸いところが、全部カルデラ?
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井村: そうですね。 大きな噴火によって周りよりも落ち込んでしまった部分が、幅20km、長さも20kmくらいある。
富士山というのは400km3くらいあって日本で一番大きな火山なんですけれども、それは何回も爆発して10万年くらいかかって出来たもの。それに対して姶良カルデラからの噴火は、たった1回の噴火で富士山1個分くらいの体積を地下から全部出してしまった。

そういうことが起こると、この直径20kmくらいの地域がドンと陥没することになる。

玉川: 一気に噴出したものは何か?
井村: 火砕流と呼ばれる現象だが・・・
玉川: あの雲仙普賢岳みたいなものか?
井村: 現象的には同じもの。ここで起こるようなカルデラ噴火というのは、地面の下から直接火砕流となって出てくるような、非常に激しい噴火になる。
流れるスピードは時速100kmくらい、マグマから直接来るので、出た瞬間には600度Cとか700度C。
玉川: それだけ大量の火砕流があふれ出て川内原発にも関係があったのか?
井村: 3万年前の姶良カルデラから出た火砕流は、半径80kmくらいの地域に広がっている。川内原発はここから50kmくらいしかないので、時速100kmなので、ここで噴火が起きてから30分後くらいには到達していることになる。
玉川: 30分で行っちゃうんですか。
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(説明)
姶良カルデラが噴火したのは、今からおよそ3万年前。富士山一つ分に相当する火砕流が半径80kmの地域をあっという間に覆いつくしたという。
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原子力規制委員会の新基準には、原発に影響を及ぼす火山の危険性について、“火山学的な調査を行い、火山の活動履歴や活動間隔などを総合的に検討する”ように、事業者に求めている。

それに対し、九州電力は“半径160kmの火山やカルデラ(5つを含む)を検証し、巨大噴火の平均発生間隔は9万年と算定。最も新しい大きな噴火は約3万年前のため、川内原発の運用期間中に”火山が原発の安全性に影響を及ぼす可能性は十分小さい“とした。(下記で井村氏が述べているように、姶良カルデラは3万年前1度の噴火、9万年前は阿蘇で基準が揃っておらずに粗い議論だと。 by schnauzer

原子力規制委員会もこれを“妥当”と判断している。

これに対して、
井村: 火山学者から見ると、非常に粗い議論だなと思う。
なぜかと言うと、姶良カルデラだったら、姶良カルデラ自身の噴火の履歴、何年前くらいにあったのかというのが歴史で残っていれば、およそ何年間隔って分かるが、その9万年というのは、霧島の北側にあるカルデラだとか4つくらいのカルデラを全部あわせたもの

姶良カルデラの噴火は3万年前の1回しか起こっていないから、次いつ起こるか実は全然分からない。間隔的には。

(説明)
同じ九州の阿蘇カルデラは27万年前から4回大きな噴火をしている。しかし噴火の間隔は1回目と2回目の間が約13万年。2回目と3回目が約2万年。3回目と4回目が約3万年と必ずしも一定ではない。

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(阿蘇は9万年前が大噴火で、その前の間隔は2~3万年。いつ大噴火してもおかしくない? by schnauzer

井村: 姶良カルデラも3万年前に噴火したわけだから、そろそろ次の噴火が起きてもおかしくないというような考え方も出来るわけだ。

玉川: 3万年前にあふれ出した火砕流というのは、川内原発の方まで行ったという証拠はあるのか?
井村: 川内原発のすぐそば、3km以内で見ることが出来る。

(説明)
原発からわずか2.8kmの場所に、3万年前に南九州一体を飲み込んだ巨大噴火で、姶良カルデラから出た火砕流の爪痕が残されていた。

井村: この崖が全部。ここだけでも高さが約5m。下が見えていないから。全部の厚さとしては、10m近くあると思う。これが700度Cとか800度Cの温度を持って姶良カルデラから30分くらいで。 このボロボロとしたのが火砕流。この厚さがドーッとやってきてここで止まった。

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玉川: これは川内原発の場所にも行っているのか?
井村: 行っていると思う。

(説明)
火山学者として井村氏は、原発の再稼動に向けての動きをどう感じているのか?
井村: 3万年前の火砕流が川内原発の敷地内に来ていることは、ほぼ間違いないし、次に同じような噴火が起こったら、間違いなく火砕流がやってくると思う。

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そうなった時には、原子炉というのは全く手当ても出来なくなってしまうので、過酷な事故になることはもう目に見えているわけ。そう考えると、やはりここにあることをもうやめたほうがいいんじゃないかな、要するに立地不適だ。

玉川: 規制委員会が“大丈夫だ”と言っているんだから、“大丈夫だよ”ということで政府は動かそうとしている。多くの人は、火山に関してはリスクはないんだろうと思っている

井村: 一方で火山学的には非常に粗い議論の中で組み立てられている。今の火山学からすると、そういう巨大噴火の前兆現象も捉えられないのではないかな、というようなこともあるので、決して科学的にリスクが全然ないというふうに評価されたわけではない、ということを理解しておいて頂きたい。

火砕流が起こったときの過酷さというか、本当にすべての動植物が焼き払われて死んでしまうというようなことを、火山学者は知っているので、そういう状態で原発施設が管理できないことは分かっている。

だから”リスクがあるとやはりダメなのではないか“というふうに、火山学者の立場から言うと、言わざるを得ないということになる。

(スタジオ)
玉川: 立地不適格だろうという意見。
宮田: 今回、規制委員会が初めて火山を規制対象にした。ということは、全然眼中にないというわけではない。今回入れたということは、それを考えているものの、リスクの読みが甘いということか?

玉川: 少なくとも火砕流に関しては。
原子炉の専門家・元GE技術者 ・佐藤暁氏に依ると、まず火砕流がやって来ると当たり前だが近寄れない。冷えるまで相当な時間が掛かるから、近くまで近寄れない。もちろん全部の電源が落ちるから、全電源喪失が起きる。そうすると皆さんもうお分かりですよね、メルトダウンになる。

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確かに3万年に1回のような大噴火が起きれば、南九州は壊滅する。そうすれば同じじゃないかという人がいるかもしれないが、火砕流だけであれば、冷えればまたそこで復興が出来る。しかし、ここで原子炉がメルトダウンを起こし、放射能が撒き散らされれば、どういうことになるのかは、皆さんご存知ですよね。


<原子炉の専門家は- 巨大噴火でなくても危険? 問題は火山灰>

実は佐藤さんが、いや大噴火でなくても、それ以前の小さい噴火でも十分危険だと言っている。どういうことか?

佐藤: 3万年前にあった大噴火は、もちろんインパクトは大きいわけだが、それよりはるかに規模の小さい噴煙、噴火、火山灰の影響が、原発に対しては無視できない影響がある。

火山灰は原発の所外電源、送電線への影響が確実に起こる。
送電線に火山灰が付着すると、火山灰は硫酸イオンなどを含むので、それが湿気で送電線に“地絡”(ちらく) を起こさせて、(地絡=送電線の電気が地面にアースしてしまう)それを保護するために停電になる。

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玉川: 火山灰が大量に降ると送電線が停電する・・・
佐藤: そうすると外部電源の喪失になるから、原発は所内の非常用電源で守らなければいけない。
玉川: 外部電源が断たれたと、電力会社は「準備してます」ときっと言うと思うが・・・。

佐藤: 実際にそのため容量の大きな非常用ディーゼル発電機があるが、ディーゼルエンジン自体の冷却のために、設置された部屋を大量の空気で冷やさないといけない。それにも火山灰が巻き込まれていくことが起こるわけだ。

ディーゼルエンジンを燃焼させるためのエンジンの中には、フィルターが付いているが、それが詰まってエンジンが止まるか、オーバーヒートするか。このディーゼル発電機は短時間で停止してしまうと思う。

(説明)
佐藤氏は、“100年単位で起こりうる噴火の規模でも火山灰の危険はある”
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今から100年前、1914年大正大噴火と呼ばれる桜島の噴火が起こった。

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気象庁のシュミレーションでは、100年前と同規模の噴火が起きた場合に、川内原発周辺にはおよそ3センチの灰が積もるとしている。仮に非常用ディーゼル発電機を火山灰から守る設備を整えるとしても危険はなくならないと佐藤氏は指摘。
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佐藤: ディーゼル発電機室の他にも、原始炉建屋の中にはいろいろな重要機器がある。それを守るとなれば最終的には建屋全体の空気を管理しないといけない。
理想的には、建屋自体をクリーンルームにしなくてはいけない。

玉川: 小さな灰が機械とかエンジンだとかを止めてしまう可能性があるとくことか。どれくらいのレベルなら心配だという感じか?

佐藤: アイスランドであったような噴火から
(説明)
2010年4月、アイスランド・エイヤフィヤトラヨークルト火山が噴火
約30カ国の空港が閉鎖、10万便以上の飛行機が欠航となった。これは火山灰の影響で飛行機のエンジンや計器に異常が出るため。それだけ機械類は火山灰に脆弱。
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佐藤: 川内原発みたいな発電所は世界に一つもない。周囲がカルデラだらけというような原発は実はないわけだ。きちんとそこを考え出すと、悩まなくてはいけないことは沢山ある。

玉川: 火山灰に対して本当に備えるなら、準備が無限大に必要だ。実際やっていないということか。
佐藤: それは今まで議論をしたことがないと思うし、規制委員会にとっても、電力会社にとっても、今急にふって湧いた議論だと思うし、今まで真面目にとり組んだことはないと思う。

(スタジオ)
玉川: 結局、火山灰は目に見えないくらい非常に細かい。PM2.5も家を全部閉めても中に入ってくるという話を前にした。
それくらい小さいものでも、機械にとっては脅威になるということ。
そこで、規制委員会と電力会社に聞いて見た。

<規制委員会- 九電-は>
まず規制基準だが、
火山灰についての規制基準
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火山灰についての対処法が出来ているのかについての九電の解答
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原子力規制委員会の回答
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これを佐藤さんに見てもらった。
原子力規制委員会の回答では、0.12mm以上の大きさでは90%除去できるとしたが、「10%でも中に入ってしまえば悪影響が出ると。
0.12mm以下は、影響はないと言っているが、ところが佐藤氏は、「0.12mm以下の灰でも機械を止めてしまう可能性は十分ある」

火山灰の約80%が、0.12mmよりも小さい0.06m以下の灰(Royal Society of Chemistry 2007/7)だということなので、フィルター粗いんじゃないのか?という話。 

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本当に大丈夫なのか?

<今日のむすび: 事故は必ず想定外の状況下で起きる!>

京都大学の小出先生にインタビューに行くと、必ず言うが、想定したものは大体起きない。だから多分、十分とは言えないが、津波の影響に関してはそれなりに考えたわけだ。しかし、ほとんど火山に関しては詰まった議論が出来ていないのではないか。結局事故ってそういうところではないのかと私は心配になる。

赤江: 聞けば聞くほど、なぜ川内原発から始めるのか?
玉川: そうなんです。 全く安心出来る状況にあるんですか?本当に。という疑問を呈する今日のそもそも総研でした。

(以上)

7/17 そもそも総研「そもそも中山間地域でも、農業の大規模経営は工夫次第でできるのではないか?」

2014.07.17 21:50|そもそも総研たまぺディア
本日のそもそも総研。 なかなかおもしろい取組みをしている、中山間地域の若い力を興味深くみました。
狭い土地で、後継ぎがなく補助金頼りで農業をしている農家があるのは現実だろうし、これは成功例なのでしょうけれど、一方で、利益を求めて参入してきて、上手くいかずに土地を捨て去る企業がでてくる可能性も非常に高いことも事実でしょう。
こういう取組みと、農協を通さずに少々高くてもよいとする消費者が直接繋がることが、大切だと思いました。

キャノン~~が、農業も工業のように~というのは、そもそも日本の工業がこの20年上手く回らなくなっている原因を解明してから提案してほしい。

いづれにしても、政府が関与して大きく動かすのは危険だと思います。 昨今スーパーの野菜売り場を彩る様々なトマトの山は、数年前の成長戦略のひとつである植物工場の産物だなと。しかし、こんなにトマトばかりで撤退する工場が既に出ているのではと心配になります。 私は、植物工場の野菜より、放射能検査をしてある野菜に付加価値を付けたいですね。

玉川氏は常に洋服のテーラーが残っていると言っていますが、日本のどれほどの人がテーラーやサロンでお仕立ての背広やスーツを着ているのでしょうかね。ユニクロ(はバングラデシュ製?)や中国製の服が圧倒的だと思うけれど?

そもそも玉川氏が、農業問題を取り上げるたびに、誰に何を言いたいのか、どこかの差し金かと勘繰りたくなります。

7/17 そもそも総研たまペディア「そもそも中山間地域でも、農業の大規模経営は工夫次第でできるのではないか?」

<こんな視聴者の声が・・・>

玉川:今年度に入ってから2回農業に関して放送してきた。
5/1 「そもそも日本のコメは強くなれないのか?」
7/3 「そもそも農業とは、生きるも死ぬもやり方次第なのでは?」
視聴者の方から
「中山間地域(山の中に小さい田んぼがあるような地域)では土地がいくつも分かれ、高低さもあるからまとまらない。こんなところでは大規模化はできません」(中山間地域のコメ農家)

「付加価値を付けることは、出来る分野と出来ない分野がある」(コメ農家)
という意見が来た。

本当に中山間地域では大規模化は出来ないのだろうか?

大規模化のいいところは、大きい所を少ない人数でやれば、一人当たりの面積が増える。
そうすれば一人当たりの取り分が増えて、豊かな農業としてやっていけますよということ。

<中山間地域でもできる!>

調べたらありました。
石川県・珠州(すず)市。 能登半島の先端で、正に中山間地域。
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ご覧の通りの中産間地ですが、ここでも大規模農業は出来るということで、実践している農業生産法人すえひろ 末政博司社長

玉川: こちら棚田になっているが、これは元々農業生産法人で持っていたものなんですか?
末政: みんな(よその)農家がもっていたものを作業請負でやっている格好です。
玉川: これだと1枚どのくらいの広さなんですか?
末政: だいたい8a (0.08ha) くらいです。
玉川: 法人としては、全体でどのくらいの広さをやっているのか?
末政: だいたい80ha(東京ドーム17個分)
玉川: こういう風なものでも、大規模化は出来るということですか?
末政: ですね。

(説明)農業生産法人すえひろの末政さんが借りているのは、中産間地域に点在する80haの田んぼ。それでも稲作の大規模化が出来るという。
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大規模化のメリットは、一人当たりの生産量を高められること。つまり一人当たりの稼ぎが大きくなるということ。日本では、コメの一世帯当たりの平均耕作面積は約1.05ha.
一方末政さんは、点在する田んぼでどう大規模経営を行っているのか?

中産間地域でも出来る!
その① 少ない人数で広い面積を


先ほどとは別の田んぼを見せてもらった。すると・・
玉川: 田んぼの向こうが海って(日本海)いうのは、初めて見ました。
小さい田んぼを家族でやるというのが、中産間地の稲作ってことですね。ここでも小さい田んぼですね。ここで作業するとなると物凄い多くの人で作業することになる。

末政: うちらは80haを10名でやっとるんですけど、
玉川: ということは、一人あたり8ha。これは広いですね。
末政: 昔はね、この辺は“五反歩百姓”と言ったんです。
玉川: 0.5ha。0.5ha一人当たりを、8haに、16倍にしたということですか?
末政: そうですね。
玉川: まずこれで、なるべく少ない人で、一人当たりの面積を広げたということですか?
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(説明)一人当たり約8haという耕作面積は、日本のコメ農家一世帯当たりの耕作面積の約8倍。
中産間地域でありながら、なぜこれだけのことが実現出来たのか?

その② 「田植え期間は2ヵ月半」
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80haの田んぼの中には、7月初旬だというのに、すでに稲穂が顔をだしているものもある。
一方別の場所の田んぼでは、まだこのような状態。収穫時期の遅いコメを作っている。(みつひかり)
末政:これが収穫時期が結構遅いんです。これが一番遅いので収穫はだいたい11月入ってからです。その間にコシヒカリとかいろんな品種があって、これは一番遅いので、作期幅もずらすのも取り入れた理由。
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(説明)
すえひろでは、うるち米だけでなくもち米から酒米まで、収穫時期にばらつきのある10種類の品種を栽培しているので、田植えの時期がズレ、少ない人数でも田植えをすることが出来、わずか8人で80haもの田んぼでコメを作ることが出来ている。

更に、田植えの時期をずらすための工夫とは、

末政: ここは直播(じかまき)なんですけど・・

(説明)
直播とは、苗を育ててから田んぼに植えるのではなく、水を張る前の田んぼに直接稲モミを蒔く乾田直播のこと。
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直播ではタネモミを早く蒔いても、芽が出てくる時期は決まっている。そうすることで、田植えは2ヵ月半にわたって続く。ある時期に集中して行わなくてはならない従来の田植えより作業は少ない人数ですむ。もちろん苗作りが必要ないので、コストも削減できる。
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その③「機械でもコスト削減」
玉川: これヘリコプターですよね。 初めて見たんですけど。
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末政: ラジヘリです。田んぼの防除をする。
玉川: 農薬を撒く。これで農薬を撒く経費は、人と比べると安くなる?
末政: だいたい10分の1くらいになる。
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(説明)
ヘリコプターを使うことで、人が歩きながら行う農薬散布と比べて、3分の1の時間で作業が終わり、空いた時間で他の作業を行い、労働コストを削減出来る。
更に小規模経営では一台ずつ必要な機械もこちらでは田植え機、稲刈り機ともにわずか2台ずつしかない。これは作業時期をずらすことで可能になった。

その④ 「ブランド米で勝負だ!」
玉川: この場所は、どういうものを栽培しているのか?
末政: うちらのブランド米で、一番おいしいコメが出来る場所を選んで作っている。
元はコシヒカリで、名前は“すえひろ舞”。
玉川: あぁ会社の名前を付けているんですね。こうやってブランドが出来ている理由は何か?
末政: 手間ひまが結構かかっている。有機肥料で堆肥を入れて作っている。減農薬。少なめに。

(説明)
すえひろ舞(5kg 3780円)は品質としてはコシヒカリだが、現在一般的に売られているコシヒカリの平均価格(5kg 2500円)と比べると、1.5倍の価格差だが、気になるその味は?
玉川: うん、旨い!

(説明)
実はこのすえひろ舞は、コメ生産者を対象にしたコメ番付コンテスト、お米番付2013で上位8種類に選出されている。
様々な工夫と努力の積み重ねで、コメ作りを行うすえひろ。経営のほうはどうなのか?

玉川: 売り上げはどのくらい?
末政: 1億くらい。
玉川: それで純利も出ている?
末政: ほとんど、ぎりぎり。
玉川: でも、逆に言うと経費も給料も全部払って、黒字になっているということですよね。
末政: そうです。 黒字。

今後は規模をもっと拡大するのか? それとも?
末政: 今後は6次産業でとれたものを加工して、例えばコメとかそれを餅にするとか、そんなことを考えとるんですけど。
玉川: どちらかというと、生産量を増やすよりも商品を作り、高く売る。
それは別に中山間地域でも出来るということ?
末政: と思う。

(スタジオ)
玉川: ということで、中産間地でもできるんだということを見ていただいた。
羽鳥: やり方によれば出来るということ。
宮田: 広大な土地を持っていることも一つの力になるけれど、例えば、標高差が違う、土地の質が違うことをデメリットにしないで、メリットにもっていくということ。
玉川: ずらせるということが非常に大事。
松尾: 農業は、文化と歴史をもっているので、どうしても前例主義に陥りがちで。近代に入ると、お上が決めたことを押し付けられたままきている。だから、こういうアイデアがあっても、なかなか行動に移せなくなっていた。でも今本当にこれやり時だと思う。

玉川: 中産間地域というのは、小さい田んぼを1軒でやっているところが多い。ところが跡継ぎがいなくて続けられないところが凄く多い。このように、大規模化といっても、広いところをやるのでなく、いろいろ点在しているところを、少ない人数でやるんだという形でやれば、農地は、水田は守れる。我々としては農家を守るのか。それとも農業生産、例えば田んぼを守る、作るコメの量を守る。これどっちが大事なのかと言えば、中山間地域といえどもこういう形で、少ない人数で、時期をずらしてでもやっていくのは日本のためになるのでないかと思う。

松尾: でも農家を守ることに繋がると思う。

更に専門家にも話を聞きたいと思った。やはり一般化をすると次もみえてくるのではないかと思って、キャノングローバル戦略研究所・山下一仁研究主幹に話を聞いた。

<成功のカギは>

山下: (農業の)優れた経営というのは、全部工業にできるだけ近づけようとしている経営、これが成功している。
玉川: 農業の中でも、工業に近づけると・・
山下: だから農業界というのは、“農業は工業とちがうんだ”という理屈ばかり一生懸命探してきた。何故ならそういうことをやることによって、財務省から予算をとることができる。
玉川: すぐに規模が大きいというと、大きな平野でやっている稲作みたいなことと思うが、中産間地でもいろいろ工夫をすれば、農業から工業に近いような経営にできるということですね。
山下: ポイントは農繁期と農閑期という、極端な波があるという今までの農業から、工場における生産に近づけてこの波をならす、常に農繁期だという経営が一番いい経営なのです。
玉川: そうすると働いてない時がない。逆に言えば少ない人数でずっと仕事をしているということになるわけか。
山下: 普通の工業で、1学期だけ働いて、夏休みはずっと休みますよと。そんな経営あるいは労働はないわけだ。農業も同じように1月から12月まで働けるのだと、このようなことをやれば、日本の農業もものすごく可能性がある。

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(スタジオ)
羽鳥: そこにいる農家の人数は減っちゃうということか?
玉川: いずれにしても、高齢化が一番の問題で、お年寄りになると続けられないところが続出している。まさにすえひろでも、家もやってほしいという話がどんどん来ている。
ポツンと点在しているところは、さすがに出来ないという。ある程度まとまらないと出来ないということで、対処に苦慮している。

宮田: 企業が農地を借りやすくする、いろいろ規制を緩和したりすることになると、企業が安易に農地に手を出して、上手くいかないからぽいっということで、農地が荒れる可能性はないですか?
玉川: 今回は、企業と言っても、別に外から入ってきた企業ではない。元々こちらにいた方が、ウチもやってという形でだんだん大きくすると。その土地の人が、やめる人の分を若い人に集約させて、若く少ない人数で、大きく経営するということで、別に外から企業が入ってきて、もうだめになったから撤退すると。そういう話とちょっと違うと思う。

今日のむすび: 家族経営から企業経営へ 他の産業がたどった道を農業も

玉川: 僕はいつも服に例える。昔は家業で、呉服など、服を作っていた。明治になって、今で言えばユニクロみたいなところも出て、ほとんど企業が作っている。一方で、テーラーは残っている。

だから、農業もウチは小さいところで手間ひまかけて美味しいコメを作るというところもあっていいし、一方、こういうように企業経営のような形にして、もちろん休みもとれるし、リスクも負えるし、そして日本の水田を守っていく、農業生産を守っていくということが重要なのではないかと思う。

若い人にとっては、休みがとれることも重要で、家業としてやっていたら、一年中仕事になってしまう。それを企業としてやることで、解決するという部分ももちろんあるということで、こういう回答だったのですが、いかがだったでしょう。

(以上)


7/10 そもそも総研「そもそも徴兵制なんてありえない!」と言い切れるのだろうか?

2014.07.10 19:37|そもそも総研たまぺディア
今日のそもそも総研の玉川徹氏の掘り下げ。もっと前にすべき話題ですが、TVでこれだけはっきりと意見の述べたことには拍手。
徴兵制の前に、軍事法廷と敵前逃亡などへの罰則(戦前は死刑)も必須だということですので、これらも取り上げてもらい、集団的自衛権をより具体的な形で庶民に提示して下さい。

7/10 そもそも総研たまペディア「そもそも徴兵制なんてありえない!」と言い切れるのだろうか?

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玉川: 私は1年くらい前まではあり得ないと言い切れていたが、今はちょっとどうかなというのを、今日やります。

<集団的自衛権のウラにあるもとは->

先週の火曜日 集団的自衛権行使容認の閣議決定があった。わずか1週間前。はるか昔のような気がする。
議論の過程で“徴兵制が危ない”という話があった。

自民党・村上誠一郎・元行政改革担当大臣
「国民や政治家は徴兵制を考えることまで覚悟しているのか」(7/1閣議決定を受けて発言)
野中広務・元自民党幹事長
「自衛隊の志願者がいなくなる。そうなったら徴兵制が出てくる」(5/25 TBS 「時事放談」にて)
民主党・枝野幸男・衆議院議員
「集団的自衛権を積極行使するようになれば、必然的に徴兵制にいかざるを得ないと思う」(5/18 さいたま市にて)

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玉川: 集団的自衛権行使容認と徴兵制って、何の関係があるの?と思うかもしれない。
羽鳥: 先週は徴兵制という言葉はそんなに表に出てこなかった。
玉川: 実は安倍総理に、徴兵制に関してこういう質問をしたことがある。

2013年5月 参院・予算委にて
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憲法18条って何だという話になる。

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日本国憲法18条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

自民党の憲法草案にも、同じ文言(「その意に反する苦役」に服させられない。)が入っている。

その意に反する苦役とは何か? 
つまり、自分に意思に反して、苦役を国は国民に与えてはいけない。その際にこの苦役に徴兵が当たるだろうというのが、今までの政府の解釈。


(スタジオ)
松尾: これ解釈をまた変更されちゃう・・・
宮田: 18条を初めて見たが、具体的に徴兵制が認められないと書いてあるわけではなかったんですね。
玉川: あくまで苦役を与えられないということ。
松尾: 憲法を作った時には、きっと苦役というものは、徴兵制も含めて他のいろいろな理不尽な拘束を受けて、役割を強いられることはないということを内包するためにこの言葉を選んでいるわけか?
玉川: いやそれはわからない。何故なら、憲法では戦力は持たないと言っているわけだから、軍隊はないし、兵隊もいない国には当然徴兵制はあり得ないので、想定していない可能性もある。


<元法案審査のプロ阪田氏は->

玉川: この18条がらみで、解釈が変わるとどうなるんだろうと思ったので、元内閣法制局長官・阪田雅裕氏に聞いた。
内閣法制局とは、政府として憲法解釈をして、その法案がちゃんと憲法に沿っているのかを最終的に内閣の中で判断する。そのトップがどう言うのか聞いてきた。

玉川: 今、集団的自衛権行使容認という解釈変更ができるのだったら、その先には徴兵制があるぞという話が今出てきているが。国の法律のトップを務められた立場からしてどう思うか?

阪田: 政府は我が国で徴兵制をとることは、憲法18条との関係で出来ないと理解して来た。18条では、国民は意に反する苦役に服させられないと書いてある。徴兵というのは、当然だが、皆喜んで行くばかりではない。嫌だと思っても義務として行かざるを得ない。それは意に反する苦役に相当するというのが政府の考え方。

玉川: 9条に関しての解釈が、ああやって集団的自衛権の行使容認ができるということになれば、同じことが徴兵にも言えるのでは?

阪田: そうです。もっと出来る。変えやすいと思う。憲法9条は、自衛隊発足してから60年間ずっと政府は同じことを、とにかく自衛隊は合憲だと。我が国が攻撃されたときに守るための専守防衛の組織なんだから。海外に出かけて行って武力行使することは出来ない。これは歴代総理が繰り返し言ってきたこと。

それでも一内閣の判断で憲法解釈を変えることが出来るということだから、この9条に比べると、憲法18条と徴兵制の関係なんてほとんど議論されていないので、積み重ねの厚みが違う。
集団的自衛権よりもっと簡単に、ある内閣が決断をすれば変えることが出来る。

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玉川: 今までいわゆる徴兵制と憲法の関係の話は、国会での話はないのか?

阪田: 少しはある、もちろん。自民党の幹事長の石破議員などは、徴兵とは”国を守る“”その国民としての責任“というか”職である“と。 それを苦役というのはおかしいというような議論を展開している。

(説明)
2002年5月 衆院・憲法調査会 基本的人権の保障に関する調査小委員会
石破:国を守ることが、意に反した奴隷的な苦役だというような国は、私は国家の名に値をしないのだろうと思っています。
徴兵制が憲法違反であるということには、私は意に反した奴隷的な苦役だとは思いませんので、そのような議論にはどうしても賛成しかねるというふうに思っております。

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阪田: 石破議員は、政策として徴兵がいいと言っているわけではなく、憲法の読み方としてはおかしいという主張をしている。

玉川: 例えば自衛隊のなり手がなくなって、それでもどうしても兵が必要だと。状況が変わったら、徴兵は苦役ではないという論理で解釈変更することはあり得るということか?

阪田: それはあり得ると思うし、18条との関係で問題ないという前提で、徴兵のための法律を作るということは、可能になると思う。


(スタジオ)
玉川: 石破幹事長は2002年にそう言っている。徴兵制が政策としていいと言っているわけではない。彼は軍事についても非常に詳しいので、今のこの日本で自衛隊員にプロフェッショナルが求められる。そうすると無理矢理嫌な人を連れてきて兵にさせても意味はないという考え方。だけど憲法との絡みで言えば、別に徴兵はいいんじゃないかという考え方であることも事実。

羽鳥: 可能性は出てきましたね、解釈変更が可能な訳なんだから。
松尾: これ苦役ではないと、名誉であり、国を思うのであれば当然のことであり、それを苦役と解釈しないというようなレトリックが成立することになれば、また憲法解釈ですと閣議決定されてしまう気がする。

玉川: もう一つのポイントは、9条に関しては、国会の中で繰り返し議論が行われた積み重ねの厚みがある。それだけ厚いものを、一内閣の判断ですっ飛ばすことが出来ると。そうするとそれまでほとんど議論のなかったものは、これが初めて解釈です。これまで否定したことありませんということで、18条なんて簡単に解釈変更出来るというのが、阪田さん、プロの目。

宮田: やっぱり来たと言う感じだ。風穴を開けてしまったというか、解釈改憲を一度やってしまったら、もっと広がってしまうのではないかという心配を持っていた、ついこの間まで。結局やってしまった解釈改憲で、ありなんだという既成事実を作ってしまって、こういう不安になってくる。

玉川: もう一つのポイントは、石破さんも今は徴兵制は必要ないと思っている。

今は必要ないが、これから必要になる事態が起こりうる可能性がある。
つまり、政治的な要請が変わるということが。今回の9条の改正もそうだ。国際情勢の変化があったら変えるという話。そうすると、徴兵が必要な変化とはどういうことがあり得るのかと思ったので、元防衛官僚・小池清彦・新潟県加茂市長に話を聞いた。

<元防衛官僚小池氏は->

玉川: 集団的自衛権行使を容認するということになるが、そうなると徴兵にやがて向かうのではないかと考えている。

小池: 集団的自衛権をひとたび容認すると、アメリカ並みの派兵をしてもらいたいとアメリカから要求が来たときに、これを簡単に断ることが出来なくなる。
そうすると、自衛隊におびただしい死者が出る。そうなると自衛隊に入ろうという人はいなくなる。いなくなっても防衛力は維持しなければならないから、徴兵制を敷く以外方法がなくなる。従って徴兵制になる。

玉川: 防衛官僚をなさっていたわけだが、例えば自衛隊員がこれからは戦闘で死ぬこともあり得るということになった場合に、やっぱりもうそれだったらやらないという人だとか、新たにやろうという人が減るのは、自明のことなのか?

小池: 自衛隊に入ってくる人達は、祖国防衛のためなら命がけでやってもいいよと思って入ってくるわけ。ところが、今度は祖国防衛のためではないわけだ。世界のいろんな所へ派遣されてそして戦争させられるわけだから、これはもう自衛隊に入る人はいなくなる。

(説明)
実際に自衛隊がイラクに派遣されていた間、防衛大学の退校者や任官後の早期退職者は増加している。 

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玉川: 防衛大臣経験者とかに話を聞くと、仮に海外で戦闘するようになっても、自衛隊員は士気が高いから辞めたり新しく入ってくる人がいなくなったりなんてことはないのだと言う人もいるが。

小池: そういう方は優れた指揮官にはなれませんわね。
昔から優れた指揮官というものは、部下を極力殺さないのが優れた指揮官だ。自分の部下じゃないか、自衛隊員は。かわいい部下を“部下は士気が高いから戦地へ行く”なんていうのは、言語道断な話。イラクへ行って帰ってきた人々の歓迎会に出たが、子どもがみな小さい。そんな小さい子どもを置いて、士気高く海外なんか内心行けるものかどうか。

私のこういうふうに申し上げる発想の原点は、防衛庁にいた時の年1回行われる殉職者の慰霊祭で、(殉職者の)奥さんが小さい子どもの手を引いて献花する。その日だけは特に涙が止まらなくて。

(説明)
任務中や訓練中の事故で殉職した自衛隊員は、2000年~2013年に153人。平均して年11人が殉職していることになる。

玉川: それが、これからは海外の戦闘によってそういうことが・・・

小池: 日常化するわけだ、これが。平和憲法があれば何でもないのに。

玉川: 先ほどアメリカからの要求が断れなくなるという話があった。防衛官僚をしていてアメリカから要求されたら断れないものなのか?

小池: はい、断れない。私の実感。本当に断れない。
アメリカは、軍事的なヘゲモニー、覇権を握っているだけでなく、経済的な覇権も握っているし、更にヨーロッパに同盟国も多いし、大変な力を持っているわけだ。そう簡単に断れない。

玉川: 今までは断れたわけですよね。

小池: 平和憲法があるから。

玉川: やはり憲法があるから。

小池: 全く平和憲法のおかげだ。これは湾岸戦争のときに実感した。

玉川: 集団的自衛権行使容認ということになると断れなくなるのか?

小池: そう思う。日本が攻撃されていなくてもアメリカ並みの派兵を要求してくるわけだから、全然もう平和憲法の歯止めはなくなってしまう

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(スタジオ)
玉川: 安倍総理は、紛争地には自衛隊は出さないと名言しているが、ただアメリカからそういうところに行ってくれということになったら、断れるのかと私は心配している。

小池さんは断われないだろうと。だから、まだ戦闘が終わっていないけれどペルシャ湾で掃海艇を出してくれと言われたら、掃海艇で機雷を除去することが戦闘行為と看做されて攻撃されることはあり得ると多くの人が言っている。そうなるとどうなるのか。

松尾: 断れないだけでなく、ちょっとお手伝いさせてもらえないかとこっちから申し出る可能性もあるわけだ。
玉川: う~~ん。まあ英国が行く、オーストラリアが行くみたいなことになってくると、周りから外堀を埋められるということがあるかもしれない。
羽鳥: 評論家が理論的に断れないと言うのでなく、現場の人が実感的に断れないと言っている。
玉川: そう。 防衛官僚だから。正にそういう場にいた人だから、重みがあると思う。

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そうなると自民党にも聞いて見たいなと思ったので、自民党憲法改正推進本部本部長・船田元・衆議院議員に話を聞いた。 船田氏は憲法を変えましょうと、今回もスタンスとしては、やはり憲法を変えたほうがいいと言っていた人。

<自民党船田氏は->

玉川: 集団的自衛権行使容認が、一内閣でそういう方針転換が出来るのであれば、いずれ徴兵制だってくるのではないかと、これに関しては自民党の憲法の責任者としてはどうか?
船田: これはまずあり得ないと思う。これまでの政府解釈でも、憲法18条で“意に反した苦役には服せられない”ということがはっきり書いてある。 私は徴兵というのは苦役だと思うので、その点で完全に憲法違反だから、その憲法のその部分18条を直すことも一切しないし、そのつもりもないので、この違憲状態・憲法違反というのはずっと続くと思う、徴兵制に限っては。

玉川: これまでの自民党の政府解釈を、今回集団的自衛権行使容認に関しては変えた。
船田:: ええまあ 新解釈と
玉川: まあ新しい解釈と。9条に関して出来るのであれば、18条だってもっと簡単に出来ると、内閣法制局長官だった阪田さんは言っている。
船田:: 理屈で言うとそれは可能性はあると思う。あるけれども、それはやるかやらないかの問題であって、徴兵制についてはこれはやる必要もないし、やってはいけないという考え方は、我が党としてコンセンサスは十二分にあると思っている。

玉川: 例えば石破幹事長が総理になったときに、石破幹事長はかつて“徴兵というのは苦役じゃない”と言っている。そういう考えの人が総理になれば、徴兵は苦役じゃないんだから、“徴兵は何ら現行憲法で問題ない”という解釈だと言って徴兵をやるということは、論理的にあり得るのでは。

船田:: そういう意志があってやろうと思ったら出来ないことはないと思う。
玉川: ということは、石破氏は幹事長だから総理になる可能性が当然あるわけだから、そういう人が「よし!私は総理になったんだ。徴兵は苦役ではない。今までの解釈を変更すると言って、徴兵制はあり得るのではないか自民党として。
船田:: 理屈としては考えられなくはないが。それをやろうとしたときにはこれは党内大反対が起こるし、私が自民党の憲法改正推進本部長である限りはそれは許さない。「もしやるというなら私のクビを切れ」と必ず言う。

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(スタジオ)
松尾: 党内で大反対が起きますよって言う話余り聞かないが、郵政の時ぐらいしか。
玉川: これ今の話ではない。内閣が3つか4つ変わった時に、それまでの間で自衛隊員が海外で戦死するようなことがあって、それで応募者が少なくなってやっていけないという状況が積み重なったときの政権党が、徴兵をやってもいいと思っていたら、あの時9条解釈変更が出来たのだからやれるよね。

宮田: 今じゃないから余計恐い。今は安倍さんも認められないと言っている。船田さんもクビをかけて反対すると言っている。でも何代も後の内閣に船田さんはいるのか、安倍さんは力を持っているのか、さっぱり分からないし、それが出来てしまう証明を今回してしまった。その内閣や政府がどういう意向を持っているのかに依るということを証明してしまった。全然信頼出来ない。

玉川: 逆に言えば、今安倍総理は解釈変更したが、今から10年、20年前の自民党だったら絶対になかったはず。例えば野中さん、後藤田さんが絶対に許さないと言っていた。今は出来る。

松尾: ちょっと前に、亡くなったコラムニストの天野祐吉氏が、反戦ポスターを作ってみましょうと。コピーは糸井重里さん、デザインは浅葉克己さん。二人の兵士が立っていて促すようなコピーが「まず総理から前線へ」というのがあった。
今なぜそういうポスターが作られなかったのか、惜しいなと思う。
玉川: そういう人は、すでにその時に、今の状況を感じていたのかもしれない。
宮田: 閣議決定された日に、高校三年生の家庭に自衛隊募集の採用案内が届いたという新聞記事があった。高校三年生がその案内を見たときに、どんな風に思ったかというと、妙にリアルな部分があった。もしかすると戦争に行く人を募集しているという感覚は今までと全然違うということは大事だ。

赤江: 日常生活の中では物騒なことはなるべく考えたくないというか、日本で徴兵制度はまさかと思っている人多いと思うが、今考えないと、ちょっとした舵を切った方向が後々もの凄い方向に行っているかもしれないという気がしてくる。

玉川: 今日のむすび:解釈改憲の重みを、国民の誰もが我が事として受け止めていただろうか

羽鳥: いや、そんなふうに受け止めていない人が多かった
玉川: 理屈上、理論上そういうこともありなんじゃないの。まさかそれが可能性として徴兵に繋がるとは~という人があったのではないか。

羽鳥: 極論だと思っている人もいると思うが、可能性はゼロではないわけだ。
玉川: と思う。2年~5年前までは、ないと言えたが、今はもうないとは言えなくなったなという今日のそもそも総研でした。

(以上)
松尾氏が言及していた「総理から前線へ」という反戦ポスターを探して見ました。
とにかく死ぬのヤだもんね [ことばの元気学]

7/3 そもそも総研 「そもそも農業とは、生きるも死ぬもやり方次第なのでは?」

2014.07.03 16:40|そもそも総研たまぺディア
今日のそもそも総研は、TPPによって農業が危ないと言われているが、いろいろな方法で強い農業を・・・という玉川氏の提案の第何弾目か。

TPPは農産物の関税の問題ではなく、非関税障壁と呼ばれる様々な分野での規制がなくなることで、国境を超えた超グローバル企業のみが利益を上げやすくなる体制を作ることだという重大な視点をぼやかすことにならないかという危惧を感じました。 

そしてTPP交渉は途中で止まっているはずなのに、結局並行協議で物事はどんどん強い国の言いなりに進んでいるらしいことも垣間見えました。

日本の農業については勉強不足ですが、自民党の政治家と繋がっていつまでも補助金頼りの農協や農業の体質は、TPPと関係なく変えていかなくてはいけないと思っているので、成功例ではありますが、興味深く見ました。

このラムは一般の食卓には絶対に乗らないわけで、あくまで格差の上に成り立っている商売だということを忘れないように。

7/3 そもそも総研たまペディア 「そもそも農業とは、生きるも死ぬもやり方次第なのでは?」

(玉川氏説明)
TPP日米交渉がまだ進んでいる。
注目は、食肉の高い関税を大幅に下げることは既成事実になりつつあるそうだ。
牛肉の関税 38.5%⇒9%台  豚肉(kgあたり)最大482円⇒50円 の方向で交渉中。
後は別の交渉になっているようだ。

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日本の畜産ネットワーク(畜産業界最大の任意団体)は「畜産業は壊滅的な打撃を被ることが強く懸念される」とコメントを出している。

畜産業をやっている人が、TPPは不安だというのはよく分かる。
実は今回調べてみると、すでに国際競争にさらされている畜産業があった。 
それは羊の肉。すでに関税はゼロ%。 
ニュージーランドから入っているスーパーの羊の肉と、国内の羊の肉は、既に競争にさらされている。

これまでの論理から言うと、国内の羊肉産業は全部潰れてしまうはずだが、北海道の士別市に海外と戦って余りのあるような農業生産法人があった。

キーワード: 農業は経営だ! by かわにしの丘しずお農場 今井裕さん

雄大な風景が広がる 北海道士別市 かわにしの丘 しずお農場に玉川氏が行って、会って、いろいろ見て、食べて来た。

“農業は斜陽産業じゃない。 経営が大事なんだ”と農業されている今井さんに会う玉川氏。

羊は、今日現在で628頭。 放牧地だけで80ha。全部で300ha。 東京ドーム67個分。
今井さんはここで羊を育て、肉を卸すという仕事を、農協を通さないで、生産から販売まで全部やっている。今年生まれた羊は、もう売り先がほとんどと言っていいくらい決まっている。

売り先は、ホテル、星付きのレストランで、オーストラリア・ニュージーランドとは違った飼育方法をしているので付加価値が出る。
外国産の安い羊肉に負けないために、付加価値をつけることが大切だと言う。

その付加価値を付けるとは、
*高く売れるおいしい肉にする
今年生まれた子羊を飼育している幼舎
売れ先が決まっている羊は360頭くらい。
この羊たちの評価が高いのは、エサなんかが違う。
エサの特徴は、ビート(砂糖大根)の砂糖をとった後のカスで、すごく甘いにおいがする。
玉川:おかしみたいな、チョコレートの匂いがする。

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今井さんは、農場でビートも栽培している。ビートをしぼった後のカスを加工し、羊に与えることで羊の肉がおいしくなる。こうすれば無駄もなくなる。

そんな今井さんの羊肉は外国産の5倍で取引されている。

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*自分の農場で肉を加工する
羊肉加工場
農家が加工場を持っているところはあまりないが、ここでレストランのニーズに合わせてスライスしたり、いろいろ加工して使いやすい形にしたりして付加価値を付けている。

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また、食材を冷凍しても品質がほぼ変わらないCAS冷凍の設備を約5000万円で導入し、1年を通じて加工を可能にして、肉の安定供給と雇用維持に道をつけた。
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この加工を経ると、価格は7倍になる。

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*自前のレストランで提供する
ラムTボーンステーキ3800円を食する玉川氏:うん、おいしいですよ。ラム好きなんですよ。ラムが好きでない人も、ラムが好きな人もおいしいと思う。 いわゆるちゃんと羊らしさもあった上で、臭みがない。
今井: Tボーンステーキなので、ひれ肉とロース肉と両方楽しめるんですね。

生産→加工→調理して提供 することで、最終的には外国産生肉にくらべておよそ13倍の価格になる。

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*羊以外の付加価値戦略は、トマト
フレッシュ(果実)でも高くて普通4kg箱600円のところ、1kg 1200円くらい。
すなわち600円と4800円、8倍する。
フレッシュで納めるほか、超おいしいトマトジュースになる。
小さい工場だが、自分のところで作る。これが付加価値。

トマトの加工場へ
一釜で100万円くらいになる。 

最終製品のトマトジュースは、一般に市販されているトマトの67倍になる。

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トマトジュース(600円)を飲む玉川氏: ああ~うまいね。ああ、これは旨い。やっぱりトマトスープに近い。だから旨みが強いんでしょうね。

今井: これからしずお農場の集大成のものを召し上がっていただきますから
らむちゃんラーメン(トマト)900円

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羊の骨を使ったスープ、高級トマトジュース、羊肉のしゃぶしゃぶ、ドライ乾燥させたトマト、今井農場の全部のせラーメン。

何でラーメンだったのかというと、羊は頭から尻尾まで全部使えるが、残るのは骨だけだったので、何とかならないかなと。



生産から加工、レストランや宿泊施設まで、徹底して自らの農場で行う今井さんだが、農業経営を始めたのはわずか8年前。農業に進出する前はIT企業を経営していた。
しかし、経営判断の誤りで、バブルの時に土地を買ってまわしたりして、前の会社は倒産。
生死の際まで追い込まれた経験を持っていた。

その後、建設業を営む奥さんの実家が農業に進出することになり、今井さんが陣頭指揮を執ることになった。
そこで感じたのは、保護を受ける農業と一般企業の差。

今井: ただ農業をやると、こんな補助金も出るのかというのが、正直な思いもあった。農家をやっている人達が、子ども達に継がせたくない、こんな大変な思いを息子や娘にさせたくないという思いが強い。 それは補助金もらっていて何でだろうと思う。 そしたら、やはりモチベーションというか、魅力ある農業経営をやりたいという仕組みになってない

玉川: 魅力ある農業にするためには、何が大事か?
今井: 結局、自分のところで付加価値をつけて販路をみつけることだ。それから自分のものを自分の商品としてしっかり売る仕組みを作るというか。

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玉川: 全部自分達がやるから、その価値を全部自分達が取れる・・・
今井: 還元できる・・・。


 (スタジオ)
玉川: 農業もそれ以外の産業も、何も変わらない。 例えば服を作るとして、生地があって、材料に労働力と手間とデザイン料などの付加価値を付けて売る。

元々羊を買ってきて育てて売ると、少しは付加価値が付くが、もっと積み重ねればいいのではないか。加工して・・・、トマトジュースが67倍になる。企業努力でそういう可能性がある。それは何かというと正に経営だ。
 
農業は保護されて当たり前だという感じになっているが、他の産業と本質的に変わらない。
それだけ伸び代がある産業ではないのかと思う。

松尾: 才覚を持っている人も、行動出来る環境になかったらということがあるとすると、合理化であったり、システマティックにするであったりとか。 大勢の人が集まって、それぞれの農家で重機や工具を持つより、無駄を省いて皆で回して、順番に畑を見ることで休みをとれたり・・・

玉川: 正にその話をこの後伺っている。TPPがくるともうダメだと我々も思っている。
確かに小規模経営のところはそうかもしれない。では、どうすればいいのかも含めて聞いている。



玉川: いま、TPPに日本が参加するかどうかという瀬戸際で、日本がTPPに加盟したら農業つぶれちゃうよと言っている人がいっぱいいる。農協もそう言っているわけだが、それに対してどう思うか?

今井: 羊の肉は関税ゼロだ。それでもなおかつ私どもは、安い羊の肉が入ってきているにもかかわらず、企業努力をして、おいしい肉という思いいれを強くして生産をやってきて、今年生まれた羊もレストランに頼まれている。

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商品力を高めることで、農業は強い産業になり得ると今井さんは確信している。
経営力を高められない農家はどうすればいいのか?

玉川: 今後ろに見えている畑は、全部今井さんの畑だということだが、元々は今井さんのものではなかったんですよね。

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今井: ゼロですよ。 耕作放棄地といわれて荒れている。 この中にいっぱいある。そういうのも全部買って、逆にしずおさんが買ってくれるんだったらぜひお願いしたいとか・・・。

生産手段を集めて事業規模を大きくし、家族経営から事業体になることで、様々なメリットが生まれると今井さんは考えている。

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家族経営では、ずっと羊の面倒を見なくてはいけないが、企業ならシフトを組めば頼める。それが企業のメリット。まして動物を飼っていたら、毎週土・日休みとはいかないが、ローテーションで休める。

(スタジオ)
玉川: 8年前まではなかった会社だが、今では社員46名とパートがいて、純利益も出している。 こういう企業体になることで、まず46名の雇用が増えている。 農業をやりたいが、一人ではリスクが高いとか、代々やってきたがこれからはやっていけないという時には、いろいろな手段を集めて企業の形にしたらいろいろなメリットがあるのではないか。と今井さんは言っている。

農協に卸すと、北海道産羊肉として他の肉と混ざって同じ価格になってしまう。だがしずお農場の肉だと売るためには、自分で販路を見つけなければならない。 販路を見つけたら、ミシュランのレストランが買ってくれることになったら、高く買ってもらえるわけだ。これが企業努力ということ。

羽鳥: 牛とか豚の農家で、今井さんのようにアイデアが出せる人や、営業が得意な人とか、余りしゃべれないが美味しい肉を作るのが得意な人とかがいっぱいいる。そういう人達が一個にくっ付けばいいということですよね。

玉川: 交代で休みも取れるし、アイデアが生かせたら収入も上がるし、よく考えたら江戸時代にはユニクロみたいなものはない。みんな服は小さい所で作っていた。今は企業としてやっている所と、今でもテーラーメイドでやる人もいるし、農業だってそうなのではないかと思う。

今日のむすび: 結局「農業は特別だ」と言って保護を受ける言い訳にしていないか。
我々は常識として、農業は守ってやらなくてはいけないのかなと思い込んでいるが、実はそうではないのではないか。

宮田: 食料自給率がこれだけ下がっていると、農業を守らなくては下がっているのをくい止められないのではないかと思いがちだが、今日のを見ていると、敢えて厳しい状況の中で、精鋭部隊が集まって知恵を出し合って育っていくことが、もしかするとそのことが農業を守るために大事なのかなという気もする。

玉川: 私達が守るべきは何なのか。それは個別々の農家なのか? それとも農業生産自体なのか?ということを、もう一回国民として問い直してみたい。

(以上 特に前半は要旨をまとめてあります。)

自助努力出来ない、才覚のない普通の人が農業をやっていけるような体制も必要ですね。 利益が上がらない、倒産してしまったからと違う業種に転業する人続出で、結局農業が潰れてしまわないように多少公助も取り入れた制度作りも、早急に考えないといけないと思いましたけれど、誰かやってくれるの??

6/26 そもそも総研「そもそも国会議員の歳費はいくらだったら国民は納得できるんだろうか?」

2014.06.26 21:45|そもそも総研たまぺディア
本日のそもそも総研は、議員歳費が諸外国と比べて高いのではないか? という問題意識を基に、そもそも総研独自の歳費の適正額を提示しました。 
また、歳費削減についての各党の煮え切らない態度も紹介。

一度政治家になると、勤務評定もないので、極論を言えば何もしないで党の言うままに動き、地元の冠婚葬祭をこなしていても歳費等が転がり込む体制はどうにかすべき。
一人一人を監視して評価する体制が必要だと思います。
野田聖子氏が語るに落ちたのは、ベテランになればこの体制で資産も増えるということ。
国民のために働くのならまだしも、今の国会を見ると何ともおいしい職業ですね。

6/26 そもそも総研たまペディア「そもそも国会議員の歳費はいくらだったら国民は納得できるんだろうか?」

玉川: 2ヶ月かかりました。 
羽鳥: なんで出来なかったんですか?
玉川: 後で出てきますが、こんなに時間がかかったのは初めてです。 絶対あきらめませんから、このコーナーは。 絶対やるっていったらやるんです。

先月から議員歳費が変わりました。 忘れている人も多いと思うが、4月までは1685万円でした。これは2割減っていた。これが5月からこうなりました。2106万円。約421万円増えました。これ日本人の平均的な給与一人分増えた。いや、増えたんじゃないよ、元に戻っただけだと言われると思うが、その中味はどうなのか。
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元々何で減らしていたかというと、震災の復興財源を確保するために12.88%。それから議員定数を削減するまでは7.12%下げましょうということで始まった。これだけ見ても疑問が湧きますよね。 あれ?これ削減したんでしたっけ?だけどこれは戻った。

何で戻ったかというと、時限立法だから。2年間やるという法律だから、自動的に元にもどしていいのかという話。 二ヶ月前くらいの話。
簡単に言うと、国会議員の歳費は一体いくらが適当なのかが判らないから、上げたり下げたりがよく分からないという話になると私は思った。
コーナーとして、歳費の適正額を試算してみた。

いわゆる先進国各国の議員歳費(年額)を円で換算して比べてみると
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松尾: でもいいお仕事を沢山して下さっているから・・・。
玉川: 確かにそういうことをいう議員の方はいらっしゃるが・・・。

高いことはこれで分かると思う。 根拠が必要だと今回着目したのは、一人当たりGDP。まず、GDPって何かというと、一年間にその国が稼いだお金のこと。 国民一人あたりが一年間にいくら稼いだのか。
一人あたりGDPを比べてみると、どういう順番になるか。
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日本は4番目になってしまう。実はあまり一人当たりは稼いでいない。

今度は、一人当たりGDPに対して国会歳費は何倍になっているか?
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日本は約5.6倍。 他の国はだいたい3倍前後。
つまり、日本は一人当たりGDPに対してもらいすぎているのではないか。

各国と比べて、日本は何倍になっているか?
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フランスに比べると日本は倍もらっている。

赤江:文書交通費とかいろいろあるが、それは入れずに歳費だけ?
玉川:歳費だけ。 では他の国並みに、他の国の平均ぐらい貰うとして、国会議員の給料はいくらかを番組で試算してみると、約1238万円。 これくらいが適正ではないか。
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これを分かっていただいた上で、各党にインタビューを申し込んだが、取材に消極的
自民党にインタビューを申し込んだところ、幹事長室、幹事長代行は、議運で話し合われる議題なので答えられないとのこと。議運理事(平沢)に聞くと、議運には決定権がないので答えられないということ。 2ヶ月かかっても答えてもらえなかった。
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公明党は、いったんはインタビューOKだったが、自民党が答えていないのであれば、我々としても答えられない(大口選対委員長代理)

民主党  2ヶ月間インタビューを申し込んだが日程の調整がつかないと。(松原、荒井)

結局ぶら下がり会見の時に、担当記者から聞いてもらう形をとらざるを得なかった。

実は真っ先に取材に応じてくれたのが、共産党だったが、しかし・・・

玉川: 国会議員の歳費の問題が、時間切れで2割削減が元に戻ったというのが実態だが、このままでいいのか。 共産党としてはどうか。

山下芳生書記局長:今すぐやるべきことが一つある。それは政党助成金の見直し。 
政党助成金は直ちに廃止、或いは削減するべきだが、そのことを提案すべき党が、消費税を国民に押し付けた党からも一切ないというのは、一体どういうことかを私達は強く言いたい。

玉川: 今回歳費の問題だが、歳費2割削減に関しては、共産党も賛成して法律ができたわけですよね。 今回はどうか?
共産党としては、適正な歳費の金額はいくらだということになるのか?
山下: 適正な金額というよりも、まず見直すべきものがいくつもあると提案している。
例えば、歳費とは別に報酬がいくつもある。
玉川: ごめんなさい。 今回歳費の問題なので、歳費に絞ってお話を伺いたいのですが。
山下: 歳費について言えば、繰り返しになりますが、国会議員として国民の代表者たるにふさわしい活動ができる額とは何かということを国民的に議論すべき。
玉川: 共産党としては「歳費の適当な額はこれ」と出すつもりはあるのか?
山下: まだ今検討しているところ。
玉川: いつまでに検討するのか?
山下: それは決まっていない。
玉川: 検討中であれば、10年100年検討しても検討中になるわけですよね。論理的には。いつまでにやると言わない限り、それはやるということにはならないのでは。
山下:それ以上に政党助成金の方が・・
玉川: だから別なんです。 今回は歳費の話を聞きに来ている。 ということは政党助成金の話が進んだり、例えばそれを削減するという話にならない限りは、歳費の話は共産党として進めないということになるのか?
山下: そんなこと言っていない。 2割削減だって賛成したわけだから。 それがテーマになった時には、きちんと議論をする準備はしている。
玉川 国家で議論するためには、提案しないと議論にならないではないか。
山下: 各党も3割削減の法案を出された党があるが、じゃあなんで3割かという説明がなかなかつかない。
玉川: だから説明がつく説明を共産党が出せばいいのではないか。
山下: だからそれは検討するということだ。
玉川: やる気があるのかな、本当に。

共産党 広報担当者より 失礼だよ! の声アリ。
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(スタジオ)
玉川: 横から失礼だよと言われた形で終わったが。
要するに、先にやるべきことがある、政党助成金をなくすべきだ、と共産党はずっと言っているが、その話は共産党しか言っていないので、政党助成金をなくす話はなかなか進みにくいと思うので、歳費の話を別に聞いているのに、いえ、政党助成金が先ですと、どうどう巡りだった。

真っ先に応じてくれたので、私としてもこういうふうに削減をと言ってもらえると思ったら、ちょっと違ったのはあれれ~という感じ。
羽鳥: 政党助成金を共産党はもらっていない?
玉川: もらっていないのは確かだが、聞きに行ったのは歳費の話なんでね。

私たちの試算については? に対しては「一つの参考にはさせてもらう値になるかもしれません」


(説明)
議員歳費2割削減は、2012年民主党政権時代に始まった。
2012年11月の党首討論では、
野田総理: 定数削減は来年(2013年)の通常国会で必ずやり遂げる。 それまでの間は議員歳費を削減する。
安倍総裁: 今この場でそのことをしっかりやっていくと約束しますよ。

自民党・民主党のトップが決めた歳費削減は、議員定数削減も実現しないまま終了。
このことについて6/5 民主党・大畠幹事長は定例会見で
記者: 国会議員の歳費がいったん戻るという形になったが、民主党としてどのように対応すべきかお聞かせください。
大畠: 国民に消費税の増税をお願いするのであれば、議員自ら身を切ることが必要ではないかと。7.1%を、議員定数を削減するまで継続すべきではないかという公明党の主張に理があると思う。 議員定数削減が実現するまでの間、公明党が言うような形で与党として話をまとめて出してくるべきだ。
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(説明)
与党が歳費削減案を出せば議論に応じるという大畠幹事長。
結局、民主党として削減案を出すかについての発言はなかった。

一方、公明党は、今年4月、7.12%の削減は続けるべきと井上幹事長が主張していたが、現在はどう考えているのか、山口代表に改めて聞いた。

山口: この点については、引き続き選挙制度や定数削減の話を今後検討していく中で、各党の意見を新たな合意を作るかどうかという観点で、議論があり得ることだと思う。

では与党自民党はどう考えているのか。
野田聖子幹事長に歳費削減について聞いてみた。

記者: この5月から歳費が従来通り支払われると思うが、自民党としてこれをどう今後考えてくのか?

野田: 誰が一番議員歳費を必要としているかというと、やはりフレッシュマン。
すべて運営費・人権費・または事務所経費とかに自分の歳費を使わなければならないという現状がある。
今の若い人達にもしっかり勉強して、2回目の当選をしてもらうためには、ある程度の歳費をいただいて、それでも足りないくらいでしょうが、頑張ってもらいたいと思っている。
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20代、30代で当選している人達には、当然資産もないでしょうし、皆さんとそんなに違わない暮らしをしている方が、突然それだけのものを背負うことになるとかなりの負担がある。そういうことも理解してもらった上で、必要な歳費をぜひ差し出していただければなと・・。

玉川: ということで、1年生議員がつらいから・・・
松尾: その人が当選するために使う金を、何で税金で出してやらなければいけないのか?
玉川: もっと端的な言い方をすると、まあ経費だ。
松尾: その人が当選するためのものは、議員の仕事としての経費ではなく、当選するための経費は、就職活動ではないのか。
玉川: 私達が忘れていけないのは、歳費というのは給料。生活費。生活費はいくらが適当かという話を今している。そこを忘れてはいけない。

議員歳費以外にも
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文書通信交通滞在費 議員個人に 1200万円/年 領収書はいらない
立法事務費 議員一人あたり780万円/年
政党助成金 各党に・・・・・

松尾: その前に選挙におカネがかかること自体がおかしいと思う。
玉川: それはそう。根本的を辿るとおかしいことがいっぱいある。
宮田: 若い人ほど苦しいというのは、何がベテランに比べて多く掛かるから苦しいといっているのか。
玉川: そういうこと聞きたくてインタビュー申し込んだが、インタビューは受けてくれない。
松尾: 若い人のほうが、他の人の面倒みなくていいから余るはずではないのか
玉川: そう思うでしょ。 そういうことも含めて後になるが、結い、みんな、維新の3党合同で「3割削減法案」を提出して、今回継続審議になっているが、こういう法案も出ている。 なぜ3割だったのかも含めて結いの党・柿沢未途政調会長に聞いた。

玉川: 自民党の野田聖子さんは、年次の若い1年生議員とかが、今の給料では安くて大変だというふうなことを公に話している。
柿沢: 年次の若い議員が、今の歳費で苦しいというのだったら、ベテラン議員はもっと苦しくないとおかしい。
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玉川: どうですよね。 だからよくわからない理屈だなという気もする。
柿沢: 年功序列で給料は上がる。 新入社員とキャリア30年のベテランだったらお給料倍くらい違うのは当然。 しかし国会議員としての給料でいえば、大臣経験者とか議員活動に余計出費がかかりそうな人も、新人議員も同じだけもらえるわけだから、足りないなんてことは言えるはずがないと思う。2割削減された歳費の範囲内でやっていけないかといえば、私ですらやっていけているわけだから、しかし、新人議員の皆さんが、月額100万円を超えるような2割削減された歳費では、やっていけなくて苦しいというのは全然理解できない。

(説明)
番組が試算した歳費の適正額を、柿沢議員はどう見るのか。

柿沢: 確かに国会議員は何のためにいるかといえば、国民生活を豊かにすると、一国の経済を発展させると、そのためにいるわけだ。

経済の発展、国民生活の豊かさ、その象徴がGDPでそのGDPが大きくなればなるほど国会議員は立派な仕事をしたということになるわけだ。それに見合った歳費という意味では、世界で平均すれば今の日本の国会議員の給料の半分くらいが妥当だということだとすれば、これは理にかなった指標かもしれない。

(スタジオ)
玉川: という話だったが、どうですか?
松尾: 理があると思う。全くそのとおりだと思う。
玉川: 番組の試算は1238万円。 現在は2106万円。
実はこの先第2弾を考えているが、私はかつてスウェーデンに行った。 スウェーデンの国会議員の歳費は800万円くらい。 一人当たりGDPは日本よりずっと高い。
ということで言うと、2倍くらいになっていると思う。
どうも、先進すればするほど、国民の稼ぎと国会議員の給料の差が縮まっている傾向があるんじゃないかと思っている。

松尾: それは日本が先進国ではないということか。

玉川: さっきの都議会のことも含めて、ダブルで考えると、そのように見えてきちゃう。
宮田: さっき説明があった、いろいろな経費があるにも拘らず、それが足りなくて歳費に手を出して苦しいのであるとしたら、何がいくら掛かっているのかを国民に明らかにするのが順番だ。 領収書もなく一律にボンと渡されるのでなくて、私達だって年末に経費計算する。それくらいのこときちんと出して歳費の議論に入らないと、議論に入ることも出来ない気がする。

松尾: やり繰りの工夫とか、バランスの取れない人が、みんなの税金の使い道を決めているということのブラックユーモアは納得できない。
赤江: おカネもあるが、何か確信に迫ると検討中とか失礼だとかあったが、これが玉川さんにとっての仕事じゃないですか。 何を仕事としているのかの観念がズレているのではなか。政治家の仕事は何なのか。 そこは大丈夫なのかな。
   
羽鳥: 他の国の経費は沢山出ているのか?
玉川: 額の大小は分からないが、公開原則というのは日本よりはずっと強い。
私がスウェーデンに行ったときも、タクシー代から全部公開して、誰でもが実物を見ることが出来、外国人の私ですら見ることができたくらいの公開具合。
松尾: アメリカなんかパーキングメーターに使ったお金まで報告している・・・
玉川: そうすれば我々がチェックすることも出来る、それが適正かどうかを。

今日のむすび: 国際比較で見て、突出して高い日本の国会議員歳費、やはり減らすべきでは・・・

3割どころではないかもしれない適正化価格。 もう一回適正な歳費の金額を他の国と比べて考えてみてください。
アメリカがどうだとか、他の国の軍事がどうのこうの言っているくらいなら、歳費もアメリカ並みにしなさいと私は言いたい。

羽鳥: もし必要なら、こういう理由で必要なんですと言ってくれれば、他の国に比べて高いけれどそうか必要なんだなと思うが、今は何で必要かわからないということ。
玉川: 是非考えてください。 よろしくお願いします。

6/19 そもそも総研「そもそもナゼ安倍総理は集団的自衛権の行使にここまでこだわるのか?」

2014.06.19 22:32|そもそも総研たまぺディア
22日が国会の会期末。 今日の「そもそも総研」は、大きな括りで言えば安倍ちゃんのお仲間の論客から、安倍ちゃんの突っ走りについての批判が出ました。 が少し遅い気がします。

この手の批判を早い段階から繰り返し行うことに、マスメディアのウオッチドッグとしての価値があると思うのですが、玉川氏にそれを期待するのは酷??

schnauzerは田中宇氏のメルマガを購読していますが、最近の分析によれば、アメリカ政治は方向転換してくる可能性があり、日本は”早く対米従属以外の策を考えた方が良い”と指摘しています。 日本は孤立しないために、多極的、複眼的な政策をとるべき時ではないでしょうか。

折しもイラクでイスラム・スンニ派が北部を制圧し、バクダッドに迫る勢いだそうで、アメリカ軍に空爆を要請したという報道。
こういう時に自衛隊が出動していくことになるやもしれないのですよね。 
そもそもこの過激派は本当に武装勢力なのか?国を2分するような大勢力ではないのか?という見方もあり、こういう情勢判断も出来ないで、アメリカは正義だとシッポを振って付いて行くのは止めてもらいたい。

6/19 そもそも総研たまペディア「そもそもナゼ安倍総理は集団的自衛権の行使にここまでこだわるのか?」

玉川: 集団的自衛権の行使容認の問題が大詰め。 たぶんこのままいっちゃうのかなと思っている方が随分多いと思うし、メディアもなんとなくそんな感じになっちゃってきている。
今国会中(22日まで)の閣議決定は厳しいが、近いうちにも・・行われるんじゃないか、という感じになってきちゃっている。
日本の戦後の方針の一大転換だが、今の状況的にはこんな感じになってきている。

ここで、改めて考えてみると、集団的自衛権の行使は何のためにやるのか。 
普通は政策的にこういうことをしなくてはいけない、でもそれをする為には集団的自衛権の行使をしないと出来ない。 つまり、目的が先にあって、集団的自衛権の行使は手段になっているはずだが、これが本当にそうなのかな? ひっくり返っていないかなと僕はずっと疑問に思っていて、それはこういうことからもちょっと伺える。

<集団的自衛権行使の想定される事例はこう変わった>

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第一次安倍政権(2007年5月18日) 4類型というものがあった。当時はあまり話題にならなかったし、多くの人が知っていたわけではないが、4類型というものがあった。

その後、第二次安倍政権になった時にどう変わったかというと、米国へ向かうミサイルの迎撃はそのまま残っている。 
米艦防護するという話は、邦人輸送だから、人道的な問題だからと詳しくなってそのままになっている。(邦人輸送中の米艦の防護)

その他(駆け付け警護と後方支援)は、集団的自衛権ではなく集団安全保障だったよね、となくなった

新たに付け加えられたものもあるというわけで、随分変わった。
変わった結果として、このまま閣議決定に持ち込まれるのかと思ったら、ここにきて、いや閣議決定にはこういう具体的な話は盛り込まれない方向になってきている。

ではこの類型とは何だったのかという話になるが、こういうことを見ていくと、どうも集団的自衛権の行使が手段でなく目的で、それを説得するためのこれが材料だったのかという見方も出てきてしまう。

<安倍総理はなぜそこまで急ぐ?>

だとすれば、目的が集団的自衛権の行使だとすれば、何でそこにこだわるのか?
手段を目的にするのは、何でなのかということがずっと疑問だったので、今回4人に話を聞いた。

まず、元内閣官房副長官補・柳澤さん。 何度も出ていただいているが、第一次安倍政権の時に防衛省から政権の中に入って、安倍総理にアドバイスもしていた人。
今すぐに集団的自衛権の行使が必要な防衛上の理由はあるのかというところから聞いている。

玉川: 改めてそもそもなんですが、“集団的自衛権を行使しないと日本は守れない”という話は、果たしてどうなんだというところを(安全保障の)プロからお話していただきたいんですが。

柳澤: 国民の生命を守るといいながら、要は日本がよその国の戦争に入っていく、戦争当事国になるということだから、敵国からすれば日本から攻撃されると、日本を攻撃してもいいということになるわけ。
その結果、日本にミサイルが飛んでくれば、そこで“国民の自由、生命、幸福追求権”はどうなるのという話。 そういう結果として起きるであろうデメリットというマイナス点が全く認識されていない。

(説明)
安倍総理がこれまで繰り返し発言しているのが、「生命・自由・幸福追求に対する国民の権利を政府は最大限尊重しなければならない」「自国の平和と安全を維持し、その存立をまっとうするために、必要な自衛の措置をとることは禁じられていない」

しかし、集団的自衛権の行使が、逆に日本人の安全を脅かす可能性があると、柳澤氏は指摘している。

柳澤: 憲法前文は“政府の行為によって、再び戦争の惨禍にあうことがないようにする”
と書いてある。 今度の案でいくと、要は政府の判断で進んで戦争当事国になる。 その結果相手国から攻撃を受けるというのは、政府の行為によって再び戦争の惨禍にめぐりあう可能性が出てくるという話になってしまうので・・・

玉川: 例えとして、こんな言い方をしてもいいか分からないが、友達がある別のならず者とけんかしているところに、もうそれは解決出来るかもしれないのに、わざわざ入っていって自分もけんかに加わって、そのならず者が自分の家族に危害を加えるという、そういう形になってしまうということですよね。

柳澤: まあそうですね。 普通そうやっていればまずは止めに入るでしょと、いきなり相手を殴るのではなくて、それが常識人のやること。

しかも日本のお友達というのは世界で一番強いお友達であるアメリカ合衆国だから。
まずありえない非常識な想定ばかりしている印象。

(説明)
あり得ない想定ばかりで、“デメリットを語らず解釈変更を行おうとしている”と柳澤氏は指摘する。
ではナゼ安倍総理はそこまで集団的自衛権の行使容認にこだわるのか?

柳澤: アメリカの船を守りたいという話。 しかしそんなことが総理大臣の政策の一番大きな目的であるはずはないので、それによって一体何をしたいのか? そこがよく分からない。
強いて言えば、安倍さんがかねておっしゃっていたように、日本の青年も血を流すことによって日米が初めて対等になるという、そういう国にしたいのかということだが・・・

玉川: 安倍総理は以前、日本人の若者も 血を流さないとアメリカと対等になれないと言っているのか?
柳澤: 2004年の著書の中で、そういうことを言っている。

(説明)
2004年に出版された著書の中には(「この国を守る決意」)
「日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します。日本の自衛隊は少なくとも、アメリカが攻撃されたときには血を流すことはないわけです。・・・完全なイコールパートナーと言えるでしょうか」

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柳澤: そこの彼の発想の原点があるのだろうと思うのだが、とにかく非常に現象的にアメリカは血を流す、しかし今までは日本はそのために基地を提供する、地元の人達にも我慢を強いる、お金も出す、後方支援もやるというバランスで成り立っていた。

ナゼそこが今度は血を流さないと成り立たないということになるのかという、そこの歴史的、戦略的検証が全くなされていない。

そこにこの問題の一番基本的なわかりにくさの大本があるんだろうと思う。

(スタジオ)
玉川: 柳澤さんが言っているのは、集団的自衛権の行使は、防衛上は特に必要ないというのがまず一つ。 それから、日本が行使容認をすると、第三国からすると、日本が敵国になってしまう。 それによって日本の安全保障が脅かされることがある。
分からないが、さっき言った、日本人の若者が血を流すぐらいしか思いつかないと言っている。

宮田: そんなこと思っているとしたら、びっくり。 今、行使容認しないと日本が自分達が守れなくなるからやるという本質的な理由で行使容認を決めようとしているのか、それとも、対アメリカ、アメリカから信頼を得たいからとか、アメリカと対等な立場に立ちたいからといった、中身はともかくとして、風呂敷を広げたいというような感覚で行使容認をしたいのか、どっちだか分からないから、見ていて凄く不安だ。

玉川: まさにそこの部分になってくる。この先の話は。
私は三人の人に話を聞いている。
三人ともが改憲派で、いわゆる保守派と言われる人。
そこだけをとれば、安倍総理に考え方がもしかしたら近いのかなという。 
かつては近い部分もあったので、今回改めて話を聞いてきた。

憲法学者・慶應大学の小林節名誉教授は改憲派で、かつてからずっとそうだ。 9条を変えたほうがいいと。
それから、漫画家の小林よしのり氏は、保守派だし、改憲したほうがいいと言っている人。 評論家・作家 佐藤健志氏も論理的にはそうだと言っている。

<安倍総理のこだわりを改憲派は? 小林節氏は憲法破壊だと>

玉川: 今安倍総理が進めようとしている政府見解の変更だが、これについてはどう思うか?
小林節: ただの“憲法破壊”、“憲法違反”
玉川: 解釈を変えるということは、憲法を破壊することになってしまうと。

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小林節: はい。 解釈の限界を超えている。 解釈というのは、憲法という条文の器の範囲内で、政策を変えることだ。 範囲を超えたら、それは単なる憲法違反で、それを全部押し切ったら憲法破壊ではないか。

玉川: 何でそんな無理スジなことを、安倍総理はするんだろう、したいんだろう。 ここはどう思うか。

小林節: 僕も不思議でずっと考えてみたが、一つはアメリカからの要求。 アメリカ帰りの改憲派の憲法学者として、アメリカの当局者と話をする時に、いつも同じことを言われた。 “いつ9条を改正して”つまり9条が邪魔なのは分かっている。“日本がアメリカと一緒に戦争ができる国になりますかね?”という質問を常に受けてきた。
判で押したように受けてきた。

(説明)
アメリカの要求が、安倍総理を解釈変更へと動かしているのだと指摘する。


<安倍総理のこだわりを改憲派は? 小林よしのり氏は国民をだます詭弁だと>

一方小林よしのり氏が指摘する安倍総理が集団的自衛権にこだわるワケとは?

小林よ: アメリカと一体化していないと日本国は守れない。
ワシは個別的自衛権を強化するというほうに賛成だから、けれども安倍総理が集団的自衛権をそこまで大事ということには、とにかくアメリカと一体化したいという思いが、ものすごく強いということでしょうね。
だから、靖国参拝とか去年やったが、それからかなりアメリカと疎遠になってしまったということも、彼にとっては恐怖だと思う。

玉川: ナゼそこまでアメリカと一体化しないとダメだと思うのでしょう。

小林よ: 要するに、アメリカと一体化していないと日本国は守れない。 これが一番の核になると思う。だから有名な保守派の論客(岡崎久彦 by schnauzer)が言っている、“アングロサクソンについていけば日本は100年安泰” これが安倍総理にとって、支柱になる哲学。

安倍総理はいろんなパネルを出してきて、10何例とか話すあの例というのは、日本国民をだますためのいろんな詭弁をやっているだけで、基本はアメリカに全面的についていかないと日本は危ないというくらいの危機感を持っているのでしょう。
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玉川: 例えば、集団的自衛権の行使を認めるとすれば、憲法を変えて認めなければいけないというのは、多くの人が言っていることだが、そうじゃなくてやるというのは、やはり無理スジだと思うか?

小林よ: そうだ。 それはもう憲法そのものが骨抜きになってしまうから、要するに中東でもどこでも行けちゃうわけだし、それを限定的といくら言ってところで、限定的にはならないから。
玉川: 何でそんな無理スジを通してまで、今のやり方をやらなくてはいけないのかが分からないのだが。

小林よ: 憲法改正草案作ってきましたよね、自民党は。こんな憲法(草案)だと通らないことが分かっちゃったんじゃないですか?
玉川: 安倍総理が?
小林よ: 要するに、自民党の憲法改正草案は、国民が国家を縛るという立憲主義を完全に踏みにじっているから、憲法改正するには、確かに一からやり直さなければいけないから、ものすごく時間がかかっちゃいますよ。
これは憲法改正は無理だとなると、もう解釈でということになっちゃうでしょ。 そのほうがてっとり早いと。

麻生さんが言っていたじゃないですか。 ワイマール憲法みたいなやり方があると、憲法そのものを全部骨抜きにしてしまう方法があるのだと。 ああいうやり方だと思う。
憲法そのものを無意味化してしまう方法論があるから、実際に。

(説明)
アメリカへの抱きつき戦略がいきついた結果が、集団的自衛権にこだわる理由だと指摘する小林よしのり氏。
一方、憲法や戦後政治の矛盾を分析してきた作家の佐藤氏は、安倍総理のこだわりには、日本が抱える矛盾があると言う。

<安倍総理のこだわりを改憲派は? 佐藤氏は日本のもつ矛盾をごまかしていると>

佐藤: 集団的自衛権の行使容認を主張する人々の中にある最大の目的意識、何のためにそれをやるか。 基本は日米同盟強化だと思う。 ところが、集団的自衛権の行使を本当にスジの通ったやり方で実現すると、憲法改正を含め、戦後日本の在り方を根底から問い直して、スジを通すことが必要となる。 

ところが、戦後日本はアメリカに対する関係が一貫して曖昧であった。 
これは第二次大戦に負けた直後から。それまでの敵にいきなりシッポを振ったわけだから。となると、本当にスジの通った形で、集団的自衛権行使に踏み切るということは、アメリカとの関係、当然日米同盟も含まれる、の妥当性というものも根底から問い直すということになりかねない

つまり、日米同盟強化という目的のために集団的自衛権を考えていたのに、はたと気づいてみると、これは集団的自衛権をまっとうにやってしまうと日米同盟強化にならない。 むしろ、日米同盟否定の方向に行ってしまうかもしれない。 この矛盾に直面できないということではないか。

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玉川: だから曖昧で行くんだということか?

佐藤: そう。物事を突き詰めると、自分の首を絞めかねない。 だからこれは適当にごまかしていきましょうということにならざるを得ないのではないか。

(スタジオ)
玉川: という分析なんですが、いかがですか?

松尾: いろいろな法律は、国民が社会を保っていくために規制している。 憲法に関しては、権力者や統治する機構が暴走して国民に不利益を与えないために、権力者を縛るもの。
その解釈を緩めということに対して、僕らはもっと敏感に考えなくてはいけないと思う。

玉川: これ皆さんが、アメリカとの関係、つまり日本を守ると言っているが、そうでなくて、そもそも集団的自衛権は別の国を守るということなんだが、本質的に。

松尾: 守るという言葉を使うから、何か前向きな感じがするが、考えてみると、敵を作るということでもある。

赤江: そうなんですよね。 対等な立場にアメリカとなるには、同じだけの負荷を負う。 血を流す。 ということは、理論上は物凄く分かりやすいが、その同じ立場になろうとするアメリカは、物凄く血を流している国。 先ほどのイラクでもそうだし。 結局元に戻らないような状況になって手放す。 そこに付いて行きたいのかというとそうではない気がする。

松尾: イラクの時には、アメリカ軍の兵士もイラクの兵士も死んだけれど、イラクの何の関係もない一般市民も大勢殺されている。 そういうことに加担することにもなり兼ねないということだ。

玉川: 日本人が、日本が攻められていないのにも拘らず、他国の人間をある種殺害することを、私たちは善ヨシとするのかどうかという話だ。 ヨシとするなら、本当は憲法を改正、国民投票に掛けて判断をするべきだと思う。
だけど、内閣だけで出来ると。それでいいのか?

今日のむすび: 賛成か反対かは別にして、集団的自衛権を行使したいという総理の本音は届いていませんよ。

羽鳥: あんなに近くにいた柳澤さんが分からないと・・・
玉川: そうだ。 分からない。 総理が語らないのなら、総理の周辺にいる人がこの本音を国民に届けてくださいよ。 その本音を聞いて、ああなるほどと思う人もいるかもしれないし、いやダメだと思うかもしれない。 今はよくわからないというのが正直なところなので、ひとつお願いしますというそもそも総研でした。

(以上)

6/5 そもそも総研たまペディア「そもそも日本にとって北朝鮮の問題は拉致問題にとどまるのか?」

2014.06.05 20:57|そもそも総研たまぺディア
北朝鮮問題に関して、今日の6/5 そもそも総研はタイムリーな問題提起をしてくれました。 しかしその前提として、そもそも大多数の国民が漠然と考える、拉致問題の解決なくして国交正常化などあり得ないという空気が、どう作られて今に至っているのかを振りかえって頭に入れる必要がありそうです。
今日の玉川氏の少々あいまいな物言いだけではわかりにくいところがありましたので。

安倍ちゃんが、人気取りなのか、これまで目の敵にしていた北朝鮮に擦り寄ったのか、これまでとは違った支離滅裂な動きをしました。 ウラで何が動いたのでしょうか。
一般的な見方は、集団的自衛権の問題が幅広い分野の人々から叩かれていて、支持率も下がりつつある安倍ちゃん独特の人気取り作戦なのではないかというものです。

デモクラTV(5/31)で田岡俊次氏が語った、この問題についての鋭い見方をまず頭に入れましょう。

そもそも北朝鮮の問題は、その核武装にあったはずで、2002年のピョンヤン宣言では、核武装を止める代わりに日本からの経済援助や大使館を設立して外交を進めるものであった。 これに喜んだ北朝鮮が引き出物のように差し出したのが、5人の拉致被害者であった。
ところが、当時日本のメディアや国民はこぞってこの引き出物の話しに終始してしまった。
ピョンヤン宣言は小泉首相の元で、秘密裏に福田官房長官と外務省の田中均アジア大洋州局長とで準備されたが、安倍氏は当時官房副長官として北朝鮮に同行はしたが、細かい話には全く加われていなかった。

5人の被害者は本来は一時帰国だったが、返してはいけないと言い張ったのは安倍氏で、福田氏との間で相当な確執があったと言われている。
国民的な北朝鮮憎しの大合唱の後押しがあり、小泉も黙ってしまい、結局安倍氏の意見がとおり、5人はそのまま日本にいることになる。 

このことで拉致問題に関して安倍氏は力を示したが、その結果、日本と北朝鮮の関係は冷え込み、結局核武装を許してしまった。
そして、ピョンヤン宣言での拉致問題は、日朝国交正常化までに解決すべき諸問題の一つ(宣言1項)であったのに、拉致問題の未解決を理由として国交正常化交渉には応じないという姿勢になってしまい、進展がない。

田岡氏は、安倍氏が国民の人気を考えたことは歴史的な大失態であったと断じています。

今回安倍ちゃんが何を画策したのやら。 空気に流されず、大局的立場からクールに見る必要がありそうです。


6/5 そもそも総研たまペディア「そもそも日本にとって北朝鮮の問題は拉致問題にとどまるのか?」

玉川: 先週の木曜日、皆さんご存知のとおり、(安倍総理は)北朝鮮が日本人拉致被害者再調査を約束した。と発表したということだが、拉致問題の解決は絶対の正義で、最優先事項だ。 

だが、ちょっと冷静に考えてみると、北朝鮮問題は拉致問題だけかな? ちょっとそれが横にいっているところはないかなと見えるところもあるので、今回北朝鮮の政権が内部崩壊したらどんなことが起こるのか? とか、北朝鮮が第二次朝鮮戦争を始めたりしたら・・とかずっと気になっていたので、専門家は拉致問題以外に何を指摘するのか興味があった。

それで、軍事、外交、経済の各分野の専門家に話を聞いている。

外交の専門家・元外務省国際情報局長・孫崎享氏、軍事の専門家・軍事評論家・田岡俊次氏、韓国経済の専門家・亜細亜大学アジア研究所・奥田聡教授の三人に話を聞いている。


<軍事専門家・田岡氏は1にも2にも核問題が需要だと>

まず、北朝鮮問題で何か重要だと考えるかを田岡氏に聞いた。

(VTR)
玉川: 今拉致問題がやっと進展するということで、期待がすごく高まっているが、北朝鮮問題は、冷静に考えてみると、拉致問題以外にも問題はあるんじゃないか。

田岡: それはもう1にも2にも核ですよ
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(説明)
2002年9月、拉致問題が大きく発展することになった日朝平壌(ピョンヤン)宣言には、核に関する需要な約束が交わされていた。

田岡: 平壌宣言は、北朝鮮がこれまでの核に関するすべての国際的な協定を遵守するということで、つまり核拡散防止条約に戻って査察も受けるからと、その見返りに日本としては国交を樹立して経済援助もしましょうという話で終わっていたわけ。
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それが、拉致問題が大騒ぎになったために、結局日朝平壌宣言を履行できなくなって、結局実際上あれはパーになって・・・

(説明)
日朝平壌宣言にはこうある-
“朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守する。“
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日朝平壌宣言で北朝鮮は、核拡散防止条約やIAEA査察受け入れなど国際的な合意を遵守することに同意している。

田岡: もうそれは大変な大成功で、あの頃海外の新聞等は信じがたいほどの譲歩を日本が勝ち得たと・・
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玉川: 北朝鮮から譲歩を引き出したと・・
田岡: それでその翌年フランスのエビアンのG8だったと思うが、小泉さんが行ったら、各国首脳が立ち上がって拍手をするという・・・

玉川: それは小泉さんが北朝鮮に行って日朝平壌宣言を勝ち取ったということで拍手を・・
田岡: そうそう。 とんでもない勝ち方だから。

玉川: それはあくまで核の問題・・・

田岡: 核の問題。 日本にとっても核を使われれば大変だから。

(説明)
しかし、日朝平壌宣言は履行されず、小泉訪朝の翌年、2003年北朝鮮は核拡散防止条約から脱退する。 さらに2005年、核兵器の保有を宣言し、2006年ついに核実験を行ってしまった。
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田岡氏は、北朝鮮の保有する核兵器が国会議事堂の上空で爆発するときの被害をシミュレーションしている。
田岡: 国会議事堂の半径3キロくらいが焼け野原になっちゃうわけで、その時のウィークデーの昼間人口がどれくらいかを緻密に計算して159万人程度であろうと。
その半分くらいが死傷者になるだろうと。
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玉川: 70万人くらいが亡くなるということか。
田岡: そんなところだ。

(説明)
当時アメリカは(ブッシュ大統領のとき)、日朝平壌宣言を履行しなかった日本側の姿勢に不信感を持っていたという。
田岡氏はそんなアメリカ側の思いを裏付ける体験を明かしてくれた。

田岡: その当時、アメリカの情報機関と関係のありそうな研究所とか学者が何人か僕のところへ訪ねてきて、(拉致問題で)騒いでいる人達の真の目的は何なんだと
せっかくあれだけの譲歩を勝ち得ながらそれを失っていくわけだから、何かこれは魂胆があるんだろうと見るわけだ。
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玉川: 日本の中は人道的な観点で、みんな拉致問題というのはずっと盛り上がりがあったわけですよね。 ウラの意図があるとアメリカは見ていたわけか?

田岡: それで北朝鮮に核武装をさせて、それを口実に日本はNPT(核拡散防止条約)を脱退して核武装をせするということを狙っているんじゃあるまいかと・・・
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玉川: アメリカの情報機関はそう見ていた・・・

田岡: (私が)そんなことはないと言っても承知しない。 だっておかしいもの彼らから見たら。 せっかく核開発をやめさせる協定ができたのに、それを日本の方からチャラにするのはおかしいから・・・。

あの時、アメリカは心配して(当時の)ライス国務長官なんかは日本に来て、核を含めてすべての手でもしも(北朝鮮から)核を使われたら反撃するからと一生懸命約束して回るわけ。

玉川: 日本が核武装しなくても、アメリカがちゃんと代わりにやりますからと・・・
日本に核武装させないということが、アメリカにとって凄く大事なわけですね。
田岡: それはそうだ。 それは戦後レジームのまさに最たるもの。
玉川: 戦後レジームの脱却ということになると、やはり日本の核武装も入ってきてしまうのか・・・
田岡: ひょっとしたらアメリカ人は、そういうふうに見ている人もいるかもしれない。

(スタジオ)
玉川: さっきも絶対的な正義だと言った。 自国民を保護するというのは。 それで当然国内が拉致問題で大きく盛り上がるのは当然のことだが、しかし、それと外交とはちょっと違うと。
アメリカは、日朝平壌宣言をずっと進めていこうとしなかったと見ている。 それは何でだと、おかしいではないかと言って、日本は核武装したいんじゃないかとまで疑っていたと。 これがある種世界の目だと田岡さんは言っている。 こういうことは日本人から見ると意外だが・・・
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皆口々に、意外だ。びっくりだと。
宮田: これまでアメリカに対して、日本は拉致問題の解決の重要さについてはさんざん説明してきたわけで、それを理解してくれていると思っていたが、この反応はびっくりだ。
羽鳥: 何かウラの狙いがあるんじゃないかと思っていたというのは衝撃だ。
松尾: 拉致問題というのは、向こうの国がある意味誘拐事件を起こして、今それを人質に国交のカードにしようとしているというように使われてしまっていることに、その上に一緒に乗っかっていいのかということは別問題として、拉致問題というのは、本当に許せないことではあるが、これが一つの駆け引きの材料になるべきことなのかどうなのかは、常に疑問が残るところではある。

玉川: 私達は常に熱い気持ちを持っていなくてはいけないが、冷静な目も同時に持っておかなければいけないというところが、こういうところにもあるのかな。

羽鳥: 意図が伝わっていないどころか間違って伝わっているという・・・

玉川: 今度は外交の観点からいきたい。 孫崎さん、どういうふうに思うか?



<外交の専門家・孫崎氏は、北の挑発行為を止めようとする5カ国の中で、日本は影響力を持っていないと>

(VTR)
玉川: 今拉致問題が一気に進展を見せるかもしれないということで、国民の期待が高まっているわけだが、日本にとって北朝鮮の問題というのは、拉致問題以外にもあるのか?

孫崎: 拉致問題は人命が関与しているから、大変大事な問題であるということは間違いない。 しかし、もう少し長期的に広い意味で日本の国益というものを考えてきた場合に、
“北朝鮮が日本を攻撃する”このシナリオが一番怖いわけだ。 

その“攻撃のときに核兵器を持つ”これが最悪の事態だから、北朝鮮の核開発を止めるということは、日本の安全保障上の最大の国益だ。

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玉川: 今どういう状況になるのか?

孫崎: 北朝鮮は、何となく核実験をやりそうな雰囲気を依然として持っている。 ごく最近も韓国も言っているし、英国のガーディアンもそういうことを言っている。 

その中で、今アメリカは、一番は中国に核実験をさせるなということを頼んでいる。 そして先月22日に、アメリカ国務省のサキ報道官が、この中国が北朝鮮に対して挑発的な行動をとらないように圧力をかけているわけ。 これを踏まえてこの圧力をかける中で、中国は我々のパートナーだと言っている。 
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(説明)
先月22日 国務省サキ報道官は、定例記者会見で、
「北朝鮮に必要な圧力をかけるには、たしかに我々にとって中国は大切ナパートナーです」

孫崎: 北朝鮮問題は、6カ国協議というのをやっている。 当事国は北朝鮮。 残りは、アメリカ、韓国、中国、ロシア、日本。 このサキさんは、いつでも日本だけ除いて皆協力していると名前を挙げて言っている
玉川: 日本を除いているのか?
孫崎: 日本は入っていない。 読み上げの中には入っていない。
玉川: 忘れちゃったんじゃないのか?
孫崎: 忘れるくらい今日本は関与していない。 アメリカにとっても中国にとっても、核実験をやらせないということは、非常に重要な問題だから、それに全力を挙げて圧力をかけている状況なのだ。 

しかし、(日本が)制裁を緩和するというような動きは、中国・アメリカ・韓国が制裁を強化しようとしている中の逆モーションだから、これをアメリカは、何やっているんだということになるんでしょうね。

(スタジオ)
玉川: 孫崎さんも核なんです。
さきほど日朝平壌宣言の話をしたが、あれが世界中から賞賛を受けたのは、北朝鮮の核兵器の開発前だった。 だからあれは非常に有効だったわけだ。 核兵器をそれで止めることが出来るかもしれない。 

今は(核兵器が)出来ちゃった。 これは大違いなんだそうだ。
出来る前に止めることが出来るかもしれないという時のあの時とは。
日朝平壌宣言の時にも、アメリカは勝手に日本がやったということで不信感を持ったらしいが、それでも進めたということを世界は認めたということ。

(ピントはずれなので、羽鳥、松尾コメント省略)

玉川: 今のところ政府も行動に対して行動だから、今の段階では、各国とも懸念を持っている状況ではないが、これから今度カネを出せだとか、そういうことを仮に北朝鮮が露骨に要求してきた場合には、次元が変わるのではないかという話はされている。

次に経済だが、ここを私達あまり考えないのではないか?
北朝鮮の体制が崩壊したらどういうことが起きるんだろうという話を聞いている。



<経済の専門家・奥田氏は、今北朝鮮の体制が崩壊すれば、核の問題以外でも日本の経済に重大な影響があると>

(VTR)
玉川: 今拉致問題が進展しそうになったということで期待が高まっているが、北朝鮮問題は経済的にいっても、拉致問題以外もあると思うが?

奥田: まず懸念されるのが、北朝鮮がある日突然崩壊した場合に、何が起こるかが非常に大事で、その場合に北朝鮮は核を持っているから、それが仮に日本に飛んできた場合には甚大な被害をもたらすと。 そういう意味では経済面でも北朝鮮の崩壊がもしあれば、大きな影響がある。 まず我々は、核を気をつけないといけない。

玉川: 仮に核が飛んで来なかったとしても、体制が崩壊しただけでも経済的な影響は出て来るものか?

奥田: あると思う。 ドイツが再統一したときのコスト、今までに西ドイツが東ドイツに対して払ったコストが200兆円とも言われている。 累計ベースだが。

それから類推すると朝鮮半島の再統一ということにおいても、それくらい(200兆円)の費用が恐らくかかるんじゃないかと。

玉川: 200兆円は北朝鮮以外が払うということになるんだが、韓国だけでこれは払えるのか?

奥田: 基本的には韓国が払うということだが、そのような用意はおそらく韓国にはないと思う。 当然日本やアメリカに協力を求められると思う。 ただ日本も財政状況が厳しいいので、そう簡単に出せないと。 ただ出さないとなれば、韓国は中国に出してくれということになるのではないか。
(日米は)統一後の韓国を引き留めておくためには、ある程度の協力をせざるを得ない。

玉川: 例えば、200兆円が再統一のコストとしてかかるとして、日本はどれくらい負担しなくてはいけないのかという話になると思うが、どうか。

奥田: 最大限、総額で10兆円やあるいは20兆円ということは、もしかするとあるかもしれない。
日本のGDP が400兆ないしは500兆というから、その5%相当ということ。 または、何年間分のGDP成長の増分というのか、GDPが増えた分を何年分か、10年分とか5年分とか貯めたような金額ということになるのかな。
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玉川: 北朝鮮の崩壊が起こった後の日本経済成長分は、全部朝鮮半島に持っていかないというくらいのインパクトということか?

奥田: もちろん短期でいっぺんに払うとすればということになるが。 日本の経済成長分が持っていかれるよなというイメージは、かなり現実に近いと思う。

(説明)
政府による援助だけでも、日本の経済成長の税金が数年にわたり必要となるが、民間経済への影響も大きいと奥田氏は指摘する。

奥田: 韓国に対しては、200億~300億ドル(約2~3兆円)の対韓黒字を日本は持っている。 それが日本の所得に貢献しているが、仮にそれがなくなるというイメージか。
GDPの0.5%くらいか。
最近の経済成長率を見ると、1%ないし2%というところだが、小さくない部分が失われる。

玉川: 日本の経済成長分の半分とかそれくらいが財政ではなく、まさに経済だけで・・・

奥田: 貿易の部分で消えると。
その他に、援助というものでカネを出すということになれば、それもまた出ていくということになる。

(スタジオ)
玉川: 北朝鮮は非人道的な国家だというイメージを我々は持っていて、そういう体制は崩壊したほうがいいと思っている方はいっぱいいると思うが、仮に崩壊しただけで再統一ということになれば、これだけ経済的なインパクト-日本の数年分の経済成長が朝鮮半島へ費やされることになる-という見積もりを出している。


松尾: 民主的な体制に移行する形で、自分のところである程度成長してもらって、お荷物にならない位になって、ようやく一緒になるということは、考えられていないのか。

玉川: まさに6カ国、北朝鮮を除く5カ国は、そういう想いでやっている、核の問題以外にも。 体制を今崩壊されたならば、極東の経済はガタガタになってしまうということが分っているので、体制は崩壊してほしくない。 韓国などはそういうことが分かっているので、民族的には再統一したいけれど、今はちょっとなと思っているというのは聞かれる。

今日のむすび: 感情は大事。そのうえでクールな視線も必要なのでは。

勿論拉致問題は解決しなくてはいけないのは、国の正義だが、それを支えているのは私達の国民感情、これは大事なこと。 しかし、もう一歩それより上で、クールな視線、つまりそれ以外の核の問題とか、専門家三者とも核だからというようなクールな目線も、私達はどこかに持っていないといけないと思う。

(宮田コメント省略)
熱いハートとクールな目が大事なのではと思うそもそも総研でした。

(以上)


5/29 そもそも総研「そもそも原発再稼動差し止め判決に、再稼動賛成派・反対派は」(2)

2014.05.29 18:28|そもそも総研たまぺディア
5/29 そもそも総研たまペディア「そもそも原発再稼動差し止め判決に、再稼動賛成派・反対派は」(2)

(説明)
一方エネルギー問題の専門家で、原発維持派の澤氏は、

澤:: 裁判所のロジックというのは非常に乱暴で、具体的な危険が少しでもあれば何をやってもだめだというロジックになってしまうので、原発にとどまらず、すべての大きな複雑な技術を使った施設や設備というのは、全然認められないということになってしまうので、あまり汎用的に通じるロジックではないと思う。

(説明)
判決では、「万が一でも危険があるのなら動かすべきではない」と指摘しているが、澤氏はこれに異を唱えている。

澤: 例えば新幹線が線路の上を走っている。 例えば南海トラフ地震が起きたとする。 起きている5分間に東海地方全部に新幹線がどこかで走っているわけだから、相当そのリスクは大きいわけで、脱線とか。 そうすると近隣の住民の家に落ちてくることも可能性としてはありうるわけだ。 例えば新幹線を止めてくれという差し止め請求が来た場合に、この判決のロジックで言えば、それについては確かにあるねと。新幹線のレールがある下の地盤については、非常に揺れるかもしれないと。 従って具体的危険があるとみなして、新幹線は止めるというロジックになってしまうわけだ。

(説明)
一方反原発の小出氏は、新幹線と原発事故は比較できるものではないという。

小出: 福島第一原子力発電所の事故が起きてすでに3年以上経った。 しかし、事故の現場に行くことすらいまだに出来ないという、そういう事故だ。 3年経っても行かれていないし、10年経っても行かれない。 たぶん20年経っても私は行かれないと思うが、そういう事故を起こしてしまうというものなのだ。 

要するに放射能を大量に含んでいて人間が近づくことすら出来ない。 一部の放射性物質は外に飛び出してきてしまったわけだが、それによって既に15万人もの人達が故郷を追われて流浪化してしまっているわけ。 そんな事故は原子力発電所以外起きないといって、判決の中にも書いてある。

(説明)
一方澤氏は“司法の範疇を超える判決”に本来の役割以上の意図を感じ、納得できないという。

澤:: 再稼動を差し止めると。 仮にそれが動かなくても、既に原子炉の中には使用済み燃料プールの中に放射性物質もあると。 判決で再稼動を止めたとしてもリスクは残っているわけだ。 でもこの裁判長が思っていたのは、リスクはゼロでなければならないといっているので、大飯発電所がそこに存在する限りは、今守りたいと思っている部分は守れないわけだから、裁判長の判断がよって立つところが、大飯発電所はなくならなければならないということを言っているのに等しい。
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本来“原発をなくす”或いは“なくしたい“ということであれば、民主的な手続きにのっとって、脱原発法とか原発ゼロ法とかをちゃんと閣議で決めて法案化して通していけばいいわけだ。

(説明)
一方小出氏は、この判決を高く評価して次のように語った。

小出: この判決はとても優れていると思うが、例えば“コストの問題に関連して、国富の流出や喪失の議論がある”と。 “たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことが出来なくなることが、国富の喪失である”と。 まさにその通りだと私は思う。 

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電力会社がカネを儲けるとか儲けないとかそんなこととは違って、人々がそこで平和に生活できるということが何よりも大切なんだということを、この判決は言っているわけで、今原子力を進めている人達、政治の世界の人にも経済の人にも、もう一度立ち止まって考えてくださいとむしろ私は言いたくなる。

(スタジオ) 
玉川: これ原発維持派の澤さんは、裁判長がとにかく日本中の原発はダメなんだという思想に基づいてこの判決を書いていると。 だからロジックとしてもおかしいところがあるし、判決というのはロジック・論理でなければいけないわけだが、そういう論理の中に見過ごせない部分があると指摘している。

宮田: 今のリスクの話だが、ちょっと何か違うんじゃないかと思ってしまう。 原発の場合は、一度事故が起きたら、今私達は現代に生きていて私達だけがリスクを背負えばいいわけでなくて、何十年、何百年、子や孫の代まですべてがリスクを負わなくてはいけない状況になるわけだ。 それと新幹線の事故と較べるのって、ちょっと根本的に違わないのかなと思ってしまうが。

玉川: そこは澤さんはあくまで、論理としてはそういうことになっちゃいますよという話をしている。
羽鳥: 論理は合っているんだろうが、説得力はない。
玉川: 説得力なかったですか?
羽鳥: ないですね。 だって新幹線の事故現場に20年近づけないのかと言ったら、そんなことない。
玉川: そういうことは確かにあるかもしれない。

玉川: たぶん維持派、反対派というと、今の二人の話に近いものになると思うが、では実際に再稼動するかしないかというのは、政治の世界の問題になるわけだが、ましてこれは与党・政府の役割が大きい。ということで、自民党副幹事長の河野太郎議員に話を聞いている。

玉川: 福井地裁の大飯3・4号機の運転差し止め判決はいかがですか、率直に言って。
河野: 率直にかなりビックリするような、裁判所ってこんなにはっきりものを言うのかと驚いた。 極めて明快に、憲法でいう人格権が、事故が起きたら損なわれるんだから、経済的なことでごちゃごちゃ言うなという話だ。 それはそれで明快な論旨になっていたので・・・

玉川: 自民党としてこういう内容の判決が出たということに関して、今後の再稼動とかこのような部分には何からの影響があるか?

河野: 本来はなきゃいけないと思うが、もうこれは1審だから、確定していないという動きになるのは目に見えている。 今までも1審でいろんな判決が出たのは、全部上で覆るといのが非常に多かったわけだから、これはまだ1審だから大丈夫という、そういう流れになっているような気がする。

(説明)
しかし1審と同様に、高裁・最高裁でも原発再稼動の”差し止め判決“が出る可能性は残されている。

玉川: 例えば、差し止めというような動きが高裁・最高裁でもあった場合は、それは自民党としてはよしとして受け入れてやっていくと。
河野: それは司法が差し止めたら自民党だけでなく、政府だってそれに従わざるを得なくなってくると思う。

電力会社はエネルギー法研究所みたいな任意団体を作ってそこに大量のおカネを流して、法律学者を抱きこんで、司法でも勝てるようにずっとやってきたわけだ。
今は司法も原子力村の影響から逃れて、独立した司法であるかどうかというのが、恐らく問われているんだと思う。

玉川: これが高裁・最高裁でどうなっていくかというのは、司法の独立ということも問われる問題だということになるのか?

河野: そうだ。 そこは政治も頑張らないといけないんだが、司法にも頑張ってもらわないといけないと思う。
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(スタジオ)
玉川: 河野さん、複雑な立場で、今までの活動と今の立場・党の副幹事長という立場の両方で、今回話しているなと受け取った。 どうですか?

松尾: 政治の世界が司法をみくびったり、バカにしたりしている状況が、この先ずっと続くのかということが、ポイントだと思う。 自然界で起きることは、想定の話だが、必ず始めての事が起きる。 同じ自然現象は2度と起こらない。 ただ、人間の都合で共通点を見つけて分類しているだけだ。 だから何が起きるかわからない。 

ドイツが経済云々を抜きにして、むしろ地続きで電気を貰えるということもあるが、何で国で原発を止めることを決められたかどうかというと、そういった細かい議論をすっ飛ばして、原発は倫理的でないということで止めた
そこに関わっている人達みんなが、哲学をすることが必要なのかなという気がする。

玉川: 

これ先日砂川判決をやったが、1959年に、安全保障に関して高度に政治的なものは司法は判断しないと逃げちゃったわけだ。 この原発に関してこういう形で、司法が政治に追随してきた(小出)部分がある。 やはり裁判所が本当に動かしていいとのかどうか、さっきの倫理的なことも含めて判断できるのは、裁判所だと思う。

是非高裁・最高裁も逃げないで判断を示してほしいなと思う今日のそもそも総研でした。

(以上)



5/29 そもそも総研「そもそも原発再稼動差し止め判決に、再稼動賛成派・反対派は」(1)

2014.05.29 18:27|そもそも総研たまぺディア
一週間が非常に速く過ぎてしまって、そもそも総研を書くだけになってきてしまっていますが、今日も書いて残しておきたい福井地裁の判決についてでした。

小出氏の笑顔が沢山見られたのに比べて、澤氏の論理破綻は甚だしい。 もう少しましな推進派論客を登場させてほしかった。 
河野氏の言うように、一審だからと油断している政治家の皆さん、この判決の論理・哲学を覆すことのできる上級審の判決があると思っているのかな? それとも田中規制委員長のように、まさか読んでいないとか?

5/29 そもそも総研たまペディア「そもそも原発再稼動差し止め判決に、再稼動賛成派・反対派は」(1)

玉川: 先週木曜日にお伝えしたが、大飯原発3・4号機運転差し止め訴訟があり、福井地裁は再稼動認めずという判決を出した。 再稼動を認めないだけでなく、その判決文が非常に何というか、あ~~、びっくりしたという人もいれば、なるほどという人もいて、非常に特別なものだった。

まず、福井県の中に原発がいっぱいあると。 その中で大飯原発は西から2つ目のところにある。 大飯町というところにある。 1号機から4号機まであって、その3号機4号機は運転してはダメですよという判決だった。
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この判決文はどんな内容だったのかをVTRにまとめてある。

主文
被告(関西電力)は、大飯発電所3号機および4号機の原子炉を運転してはならない。

玉川: 福井県の小浜市に来ています。 向こうに見えるのが、関西電力の大飯原子力発電所。 大飯原子力発電所の3号機・4号機の運転差し止め命令が、福井地裁から判決として出たわけだが、その判決には、私達の生命を守る権利、これを人格権と言うが、この人格権は、経済活動の自由より上にあるんだということを謳っている。 その後で、万が一にも私達は放射性物質の危険から守られなくてはならないと続いている。 

(説明)
最大の争点は、地震発生時に原発の安全が確保できるかどうか。 福井地裁は、地震の揺れは3つのケースにわけて検証している。

* 関西電力も認める危険な揺れの大きさ1260ガル以上の場合
ガルとは地震の揺れの加速度を表す単位で、数値が大きいほど速く大きな揺れとなる。
1260 ガルとは、それを超えた場合、「打つべき手段がなく、重大な事故につながる可能性がある」と関電が認める揺れの大きさ。

この1260ガルを超える地震を関西電力は想定していない。
そういう地震は本当に来ないのか?
判決では→→我が国の地震学会において、このような規模の地震発生を一度も予知できていないことは公知の事実である。 大飯原発には1260ガルを超える地震が来ないとの、確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である。

2008年に起きた岩手・宮城内陸地震では、国内最大の4022ガルを記録した。 

判決では→→このレベルの地震は「大飯周辺でも同等の地震が発生する可能性は否定できない」としている。

* 1260ガル~700ガルの揺れの場合
玉川: 関電は700ガルを超える揺れはまず考えられないと主張している。 その一方で700ガルを超えても対応できると主張している。 
一方判決は、ここにも疑問を呈している。
(説明)
700ガルとは、関電が示す大飯原発の基準地震動で、大飯原発周辺で想定する最大の地震の揺れの大きさ。 その後856ガルまで引き上げられるが、仮に想定を超える揺れにおそわれたとしても、原子炉には強度に余裕があり、大きな事故には至らないと主張している。

一方判決はそれに対して否定的だ。
→→対策が有効であるためには、①起こりうることをすべて挙げ、 ②有効な対策を講じ、 ③地震・津波の際にもすべて実施できること。 この3つをすべて満たさねばならないとしている。

果たしてそれは可能なのか。 裁判所は関電の主張を→→楽観的と断じている。

玉川: 大飯発電所はこのトンネルの先にあるが、それは大島半島の先端に位置している。 そこまでは、この道一本しか通じる道がない。 →→それで十分な支援が期待できないのではないか。ということも判決は指摘している。

* 700ガル以下の揺れの場合
判決では→→「700ガルを下回る地震でも、外部電源や主給水が断たれる恐れがある」と指摘している。
そして、判決はこのような言葉で締めくくられている。
極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と、電気代の高い低いの問題などを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。 たとえ、本件原発の運転停止により多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土、そこに国民が根を下ろし生活していることが“国富” であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると、当裁判所は考えている」

(スタジオ)
玉川: 一週間前より少し詳しく見てもらったが、判決の構造はこのようになっている。

さっき言った3つの揺れ。 4022ガル、1260ガル、700ガル。 この700ガルは関電がこれ以上の揺れは基本的に大飯には来ないと。 それに対して1.8倍の余裕がある1260までは大丈夫だと言っている。 それを超えたらさすがに関電も無理だと。 大きな事故が起きる可能性があると言っている。

では、揺れで4022ガルとは何かというと、国内で起きた最大の揺れ、と言っても我々が記録をとって近代になってから調べたあくまでそういう揺れ。 過去千年、一万年、これ以上のものがないと言えないわけだ。
例えば、東日本大震災でも4022ガルはいっていないが、3000ガル(2933ガル)ぐらいあった。 阪神淡路大震災でも700以上あった(891ガル)。 こういうものが来ないといえるのかと判決はいっている。

判決は基本的に万が一のことがあってはいけないといっている。 万が一のことがあっても我々国民は放射能の危険から免れなければ  逆に万が一のことが起きうるなら、動かしてはダメだと。 これが判決の一番のポイントになっている。

これが関電と地裁の対立点
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こういうことを踏まえて今回、再稼動賛成派・21世紀政策研究所・澤昭裕研究主幹と反対派・京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏の論客二人に、どういうふうにこの判決を受けとめたかの話をきいている。

玉川: 今回大飯原発の運転差し止めの判決が出たが、どういうふうに感じたか?
小出: 大変うれしかったし、こういう判決を書いてくれる裁判官がまだいるのだなということをとても嬉しく思った。

私はこれまでの経過を見ていると、原子力に関する限り三権分立なんてものはないと。 裁判所というのは、行政にただただ追随してきただけであったと思ってきたが、そうではなくて、裁判所が責任を逃れてはいけないといって、裁判所としての判断を示したわけで、ありがたいと思った。
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原発維持派との論争が(2) に続きます。

5/22 そもそも総研「そもそもグレーゾーンって何ですか?」 (2)

2014.05.23 13:22|そもそも総研たまぺディア
5/22 そもそも総研たまペディア「そもそもグレーゾーンって何ですか?」 (2)

グレーゾーンについて 富沢氏 

次は現場。 自衛隊の幕僚長だった冨澤さんはどう考えるのか。
実は 冨澤さんはさっきの武装した漁民でなく、もっと別のことを考えているということだ。 一体何か。

玉川: グレーゾーンというものに、例えばどんな類型が考えられるのか。
冨澤: 例えば今問題の尖閣。
あそこに全然武装していない、鉄砲も小銃も拳銃も持っていないような漁民風の人だとか、あるいは難民風の人だとか、おれが何百隻、何千隻とかいう船に乗ってダーッと尖閣諸島に上がってきた場合、向こうは鉄砲撃ってこないから、何も持っていない人に、拳銃などを撃つことは出来ない。 それは当然です。 自衛隊でももちろんできないが。 そうすると向こうの人の方が多ければ、こちらが保護するどころか向こうに保護されてしまう。 完全に実効支配がそこで向こうに代わったというふうになるわけ。

玉川: 国際法的には、今の尖閣に武装していない人達が押し寄せて上陸しようとしているときに、それを阻止するというのは、どういう方法があるのか。

冨澤: 警告射撃は許されているんだから、警告射撃というのは、警告を聞かなければ撃沈するぞと。その意味でしょ。警告って。
だけど警告しても撃沈しないんだったら、警告が警告にならないわけだ。
日本の民船が竹島に近づいてごらんなさい。 バババーッと警告射撃が来る。 彼らの警告射撃は単なる警告射撃で、黙って近づけば絶対武力行使しないなんてことは絶対ない。

玉川: 警告射撃の裏には、それ以上言うこと聞かなかったら、本当に沈めるぞということが後ろにあると、国際法的にというか・・
冨澤: 当然あるわけだ。
玉川: 日本にはそれがないということか
冨澤: ない。

(説明)
軍人か民間人かを判別しにくい状況のグレーゾーンの他に、時間的なグレーゾーンがあるという。 

冨澤: 朝鮮半島で何か問題が起こった時に、まだ朝鮮半島に日本の民間航空機が沢山残っていて、いずれにしろ逃げ帰ってこなきゃいかんと、その時に(朝鮮半島で暮らす)日本人もアメリカ人ほどではないけれど、朝鮮半島に沢山いるわけ。 その人達が帰ってくる時にその民間の飛行機に乗せてくれといったときに、日本の航空自衛隊が民間航空機を護衛できるかと。 これは護衛できない。

第一に護衛するといってもどこから護衛するかだが、朝鮮半島の中に日本の航空自衛隊の飛行機が入ることを多分韓国は許可しないでしょう。

玉川: そんな有事の段階でも。

冨澤: 民間飛行機は自由に出すには出せるが、それを援護するために航空自衛隊を入れるといったら韓国の領空外にしてくれと韓国側は言うだろう。

領空外も、日本の領空に入るところと公海部分がある。公開部分でもできるかできないかというと、今の法律ではそれも出来ない。

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玉川: 例えば、急に北朝鮮が侵攻を始めたり戦闘を開始したりして、日本で防衛出動の命令が出る前に、日本の民間機で日本人が日本に向かって避難するというときに、間に合わないという。 時間的な・・・

冨澤: 時間的な問題。

(スタジオ)
玉川: いわゆる時間的なグレーというのは、どういうことか。
防衛出動命令が出たら、実は何でも出来る。 だけど防衛出動命令を出すには時間がかかる。 国会の承認も、原則的に事前に経なければいけないということになっているし、三要件を満たしていなければダメだということになってしまう。

だから三要件から外れていたり、物凄く急いでいる場合には、やはりグレーになってしまう。 そこをちゃんと決めておかなくてはいけないのではという話。
グレーゾーンに関してここまではわかりましたか?

ではこのグレーゾーンとは、一体何で必要かを更に突っ込んで聞いている。
その必要性とそれから懸念もあるのだということ。

(説明)
冨澤氏がグレーゾーンに対する法整備の必要性を主張するのには、今から36年前に起きたある出来事が影響している。
当時の(故)栗柄弘臣統合幕僚会議議長が「自衛隊法に穴があるため、奇襲攻撃を受けた場合、部隊は超法規的な行動をとることはありうる」と発言し、事実上解任となった。
この問題は未だに解決していないという。

冨澤: だから自衛隊員が超法規的行動をしなくても済むような法制にしてほしいということ。

玉川: つまり、自衛隊の逆に言うと暴走が起こらないためにも、縛りを具体的に作ってほしいと。

冨澤: そうです。 人によっては、程度の問題だが、ある場合には範をこえても仕方がないじゃないかと。 最後は俺が責任を取るよ、というような人もいないわけじゃない。
私はそれ(自衛隊の暴走)の方が心配だ

玉川: それがキッカケで、それこそ大きな紛争になったりしたらということが心配・・

冨澤: そういう意味で、自衛隊に何がしかの縛りをかけることは必要だと思う。

グレーゾーンについて 柳澤氏 

(説明)
大きな紛争にならないための縛りという意味では、元内閣官房副長官補の柳澤氏も同じような考えを持っている。

柳澤: 自衛隊の現場では集団的自衛権の議論よりも、尖閣などで何かあった時にどうするんだという心配がすごく大きいわけだ。 

今の法制のままでは、なかなか政治が的確な判断を出してくれそうもないという心配がある。 だから、もう少し小刻みな法律があった方がいいという声はあると思う。 そういうところを確かに先行してやるということは、一種合理的ではあるが、ただそこは現場に任せていい所と任せてはいけない所、そこを峻別しなければいけない。 そこがグレーであっては、或いは事態の拡大そのものがシームレスであっては・・。

玉川: 要するに、政治家の頭の中がグレーなのが一番困るということか。

柳澤: そうです。 その結果現場におけるその対立がシームレスに戦争まで発展していってしまう、それが一番困ること。

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玉川: 要するに、止められなくなってしまう・・
柳澤: そう。

(説明)
集団的自衛権 と グレーゾーン
どちらの議論を優先させるべきなのか。

集団的自衛権より先にすべきことがある 三氏の考え

富沢: 個別的自衛権ですらできないことを、集団的自衛権によって解決するという方法はもともと無理だと。 だから、集団的自衛権をやるよりも優先的にこのグレーゾーンの問題を検討してくださいと言ったら、その後、安保法制懇もちょっと考えを変えて、だいぶ良くなったとは思うが・・・

中谷: アメリカにとってもまずは自分の国の領土くらいはまず自分で守れと言うので、まず日本自身の問題。 グレーゾーンに対応するというのは、日本の責任において優先すべき課題だと思う。

柳澤: (政治家に大きな懸念を持っているという)最終的に軍隊同士で島を取ったり取られたりすることは、それは出来ますよ、やろうと思えば。
だけどそんなこと未来永劫続けるわけにはいかないんだから、ぜひとも根本的な解決の道筋を政治の方でしっかり持ってもらわないと。

玉川: 軍事的な選択肢というのは最終選択肢だから、その前のことをきっちりと出来ているのかという話か。

柳澤: 最終選択肢を使わざるを得ないのではないかということで、今のグレーゾーンの議論があるのだが、使うのはいいが、使った場合に一体どうやって収束するんだというビジョンまで持たないと、持たずに使ってしまったら、これは一番まずいことだ。

玉川: いわゆる出口戦略。

柳澤: まさに出口というのか事態を収束させるためには何が一番いいか。
そこの出口が見えない。そこが一番の問題だ。

玉川: 要するに、問題を収束させるためのそれが合理的な一里塚になっているんだったらまだいいが、その一里塚が目的になってしまっている感じになっている。

柳澤: 今向こうが出てきたときの対応を、こっちの方がより強い対応を取ることによって、それが抑止力になるという発想をしているわけだ。 

だけど抑止力というのは、いざとなったら、そのまま使わないと意味がないわけだから、使った途端にその事態は次の段階にのぼっていくわけだ。 政治の出口戦略なしにやるというのは、まさにそれは政治の努力がないまま、そういう争いがエスカレートするというのは、一種無駄な戦争だ

(スタジオ)
玉川: 今日はむすびを先に見てもらいたい。
今日のむすび: 他国を守る前に自国をちゃんと守れているんですか。

以前から疑問があって、グレーゾーンの議論と集団的自衛権の行使の議論は、どっちがまず大事なのか。

柳澤さんは、その前に、グレーゾーンを使う前のことをちゃんとやっているのかと言っている。 この辺はどうですか。

松尾: そういう心配がないような関係を、政治が築けていないということを感じている人は多いのではないかと思う。

玉川: 前に田岡さんにインタビューした時に、防衛と安全保障とは似ているようで違うと。 防衛というのは、相手が攻めてきたら、こういうふうに守りますよとか。 相手があって始めてこっちの防衛も決まる。 相手が軍拡していたらこっちも軍拡やらなくてはいけないと軍拡競争になってしまう。 

安全保障というのは、戦争を起こさないようにするためにはどうするのか。これこそが究極の安全保障なんだよと。 ああ、なるほどと思った。 では日本は安全保障の議論だと言っているけれど、安全保障の議論がそんなに出来ているんだろうかという気が以前からしている。

赤江: 集団的自衛権で、相手の所に加勢に行くと。 それをすることで、このグレーゾーンもアメリカとかが守ってくれるんじゃないかといイメージで話が進んでいっていたような気がしたが、自分のことは自分でやりなさいと。

玉川: アメリカは日米ガイドラインというのがあるが、日本で有事があった場合には、第一義的には日本がこれに対処するということになっていて、初めからアメリカが出てくるわけではない。 日本で対処しきれなくなったら出てくるということになっていることをあまりご存知でない人が多い。

宮田: 自衛隊がどこまでの役割を担っていくというのが、この一連の議論を見ていると、凄く不安になることがある。 戦う国になってしまうのかと。 

グレーゾーンに関する法整備を整えていくことがいかに大事かということは、皆さんの話でよくわかったが、その法整備の前に、自衛隊がどういう位置づけになるのかというビジョンを確実に知らせてほしいという思いがする。

玉川: 安倍総理も平和のためにと言っている。 では平和のために優先順位が高いことは本当は何なんだということを、もう一度私たちは考えなければいけないのではと思う今日のそのそも総研でした。

(以上)


5/22 そもそも総研「そもそもグレーゾーンって何ですか?」 (1)

2014.05.23 12:22|そもそも総研たまぺディア
昨日のそもそも総研は、グレーゾーンについて。 政府の説明からはよくわからないことを簡潔に説明してくれました。

集団的自衛権の話の前に、国の防衛についてもっと理解して、大きなムードに騙されない・流されないことが必要と感じました。 尖閣に上がった人に対しては、食糧の補給を断ち兵糧攻めにすればいいわけで、そもそもあんな岩に上陸するのは一部のお騒がせな人なので、それは海上保安庁の管轄でやってよという感想。  今国際舞台の中央に名乗りを上げた中国が、国として軍事力をあの岩に発動するわけないと考えます。

そして、オバマさんは安倍ちゃんとの共同記者会見で、尖閣について、一片の土地とかこの岩 (this piece of land or this rock)と表現していて、そこについての領有権を明らかにする立場をとらないと述べています。 あそこで何かあっても何もしないということです。
( My hope is, is that China will continue to engage with us and other countries in the region where we do not take a position on the particular sovereignty of this piece of land or this rock but we do take a position in making sure that all countries are following basic international procedures in resolving these disputes.
中国が引き続き、我々と関与し、そしてこの地域の他の国々と関与していくことを望んでいる。 この地域で我々は、この一片の土地又はこの岩礁の固有の領有権については特に立場を明らかにせず、全ての国々は基本的な国際的手順を踏んで、これらの紛争を解決することを確実に実現させるという立場をとっている。)

今は両国が警察権で守っているわけなので、これを穏便に治めていこうとするのが安全保障なのに、集団的自衛権と勇ましいことを述べて、まさに火をつけていると思う。  国の責任者としてあるまじき行為!!

5/22 そもそも総研たまペディア「そもそもグレーゾーンって何ですか?」 (1)

玉川: グレーゾーンって聞いていますよね。 グレーゾーンっていう言葉、一気に政治の世界に出て来ているが、じゃあグレーゾーンって何だろう。
今緊急事態が起きた場合、どんな形で対応しているかという事を見ると、このグレーゾーンの話が少し見えてくる。

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こちらで説明する。 国の実力行使は大きく分けると2つの権利、警察権と自衛権に基づいている。
警察権とは、基本的に国内の治安維持のためにある。
自衛権とは、基本的には国外、外国から襲われたときなどに発動する。

警察権に基づいているのは、警察・海上保安庁。 これは国内向けである。
自衛隊は自衛権に基づいて、外国に対して武力行使をする。 でも自衛隊はこの青い方にも入っている。 ということは、自衛隊は警察権にも関係している。
どういうふうに関係してくるかというと、 

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自衛隊は警察がやるようなことの、警察が出来ない範囲に治安出動があったり、海上保安庁が出来る以上のことに海上警備行動がある。
もうひとつはよく言われる防衛出動
自衛権と警察権の間のここのところがグレーだという話。
基本的には警察権の範囲だけれども、治安出動や海上警備行動とか、警察や海上保安庁では出来ないここをどうしますか?というのがグレーゾーンの話。

宮田: 今までもそのゾーンってあったわけですよね。あったけれども、そこについての細かい決まりがなかったということ・・・
玉川: なかった。 だから、現場の自衛官の方々は、どうするのかと実はずっと思っていた。

今回、国防の元トップ三人に話を聞いた。 政治の世界は元防衛庁長官・自民党・中谷元衆院議員。 自衛隊からは元陸上幕僚長・冨澤 暉氏。 背広組と呼ばれる防衛官僚・元内閣官房副長官補・柳澤協二氏の三人に話を聞いている。


グレーゾーンについて 中谷氏 

玉川: 今グレーゾーンの問題が非常にクローズアップされているが、具体的にこういうことだと対処できないという例は、どういうものを想定されていたのか。

中谷: 数人の漁民なり武装集団が、海上保安庁の制止を振り切って島に上陸するケースだが、今の警察権による対応においては過剰防衛ができないので、相手がすごく強力な武器などを持った場合は島への侵入とか上陸を許してしまう。

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玉川: 重武装した武装集団が、海上保安庁を振り切って上陸しようとしているもしくは上陸してしまった時には、政治側が防衛出動をかければそれでいいのではないのか。

中谷: その事態が、条件が整わないと防衛出動はかけられない。 

玉川: 少数の武装集団では、防衛出動が今はかけられないということになるのか。

中谷: 国としての組織的・計画的な行動であるかどうかという認定と、あと三要件で、その行為が①急迫不正の侵害に当たるのかどうか ②他に手段がないかどうか ③必要最小限度かどうか 
その条件があった時に初めて、自衛隊に出動ということが言える。

玉川: そうすると、その武装集団がどこかの国だということが認定できない限りは、やはり防衛出動は出来ない、かけられないということになる。

中谷: 正にグレーなところだから、その事態が認定出来ないということで、自衛隊の対応が出来ない。

玉川: かといって、海上保安庁でも警察でも・・・
中谷: 能力を超えているから
玉川: まさにそこがグレーと
中谷: グレーだが、しかし他の国は軍隊がやはり対処している。
北方領土にしろ、竹島にしろ、確かに警備が厳重で警備組織がやっていると思うが、やはりそれ以上になると軍隊が出てきてやられるといような感じで。
ところが日本の場合は、もうギリギリの状態まで自衛隊は動かしてはダメだと。

(説明)
現行法では、警察・海上保安庁が対応するには限界があるという。 だとすれば自衛隊が出動するのか、海上保安庁が出動するのかという問題になるが・・。

玉川: 選択肢の問題になるが、仮にグレーゾーンは警察権で対応するという前提に立つとすれば、海上保安庁の能力をもっと高めると。 今も海上保安庁には重機関砲とかはないわけだが、海上保安庁の船に設置するとか。

自衛隊というのは、海外から見れば軍隊になるので軍隊は出ていませんと。 ちゃんとグレーゾーンに関しては警察権で対応して、今足りない部分があるとしたら警察権を強化するんだというオプションもあるような気がするが。

中谷: 基本的にはそれでいいと思う。 やはり軍隊が出るのは最後の砦だから、出来るだけ警察権でやっていくのというのはノーマルだが、しかし外国はグレーゾーンとかない。好きな時にこれは自衛権だという形で軍隊を使うのでね。

(スタジオ)
玉川: ということで、このグレーのところが警察権の範囲だったら、海上保安庁の火器をちょっと重いものにして対応出来るようにしてもいいんじゃないのという話をした。

そうしたら中谷さんは、海外では海上保安庁と軍隊が、A or B でなく、A and Bだと言う。
日本でも自衛隊でやってもいいのではと中谷さんが言っている。
自民党はそういう考え方。 でも公明党はグレーゾーンに関してもこっち(青い方、警察権で)でいいのではという考え。 自民党はグレーゾーンだけど自衛隊でやっていいのではという感じに今なっている。

(2)へ続く

5/15 そもそも総研 「そもそも凍結された公共事業が、こっそり復活したのはなぜか?」

2014.05.16 20:38|そもそも総研たまぺディア
原発、巨大防波堤、摩訶不思議なオリンピックスタジオ構想、リニアモーターカー。 それからメガソーラーというのも巨大建造物に入るでしょうか。 こういった巨大公共事業が、経済成長もない、人口も減っていくこれからの我々の生活を潤すことになるのかということが問われている今、まだこんなバカげた事業があったと知らせてくれた5/15の「そもそも総研」。
紹介します。

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5/15 そもそも総研たまペディア「そもそも凍結された公共事業が、こっそり復活したのはなぜか?」

玉川: 自民党政権下で、大型公共事業が次々復活しているという話を聞いたことがあると思うが、その中で、今回注目したのは、霞ヶ浦導水事業。 

これはどういう事業かというと、那珂川と霞ヶ浦と利根川の3つを、トンネルで全部繋いで水をやりとりしようというもの。 実は総事業費は約1900億円。 巨大公共事業なんです。

松尾: これは何のためにやるのですか?
玉川: これは、元々は首都圏の水不足。 人口の増大にあわせて水が足りなくなるだろう。 足りなくなった時のために、こういうところから持ってこようという話で始まった。
実はこの導水事業をこの6年くらい私はずっと注目していた。 それは実は問題があったからだが。

これは一回凍結されていたが、国交省の検討会が霞ヶ浦導水事は「継続が妥当」と先週判断した。 凍結されていたがどうも動き出す。 凍結の前からおかしいと思っていたが、問題点をVTRにまとめた。

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(説明)
霞ヶ浦導水事業とは、高度経済成長が終わってまもない1976年に始まった。
茨城県にある霞ヶ浦と那珂川、利根川をトンネルで結び、相互に水をやりくりするというものだった。
やがて見込まれる首都圏の人口増加による、生活用水の不足を解消することが大きな目的で、総工費は約1900臆円という巨大な公共事業。

計画からおよそ40年。 そもそもこの公共事業の必要性は今も変わらないのか?
私たちは疑問を感じ、6年前から取材を続けてきた。

疑問1 そもそも水は本当に必要なのか?

この計画開始の38年前、1970年代後半には、首都圏の人口増加により、水需要も増加傾向にあった。
しかし近年の傾向を専門家は、
首都大学東京・水質源工学 河村明教授(2008年12月取材): 結論から先に言いますと、首都圏の水需要が伸びることはほとんどないと思う。 むしろ減っていくと思う。

(説明)
河村教授は、節水技術の向上や、上水道の普及率がほぼ100%になっていることを挙げ、将来的に水需要が増える可能性は低いと指摘した。

河村: 長期的には人口が減少しているので、この地区は需要量そのものが減ってくると考えるのが妥当だと思います。
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東京都の一人あたり一日に使う水量は指摘のとおり、今後も減っていくことが予測されている (2000年 248㍑ ⇒ 2050年 203㍑)
水需要の逼迫が考えられなくなる状況でも、事業は続けられた。 事業の主な目的は、水需要から別のものに変わっていたのだ。 それは霞ヶ浦の浄化。
那珂川のきれいな水を霞ヶ浦に引き込み、霞ヶ浦の浄化をするというもの。

しかし本当に霞ヶ浦はキレイになるのか?

疑問2 そもそも霞ヶ浦は浄化できるのか?

霞ヶ浦の水質を研究している茨城大学 高村義親名誉教授(2008年10月取材): 那珂川の水を霞ヶ浦に持ってくるのは間違いだと思っている。
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那珂川の水は大変富栄養化している。 富栄養化というのは窒素とリンが多い。
流れる川だから那珂川はきれいな清流だ。 それがひとたび湖に入って停滞すると、例えばアオコと呼ばれる藻類の発生する機会が一層増加する。 

(説明)
過去に公共事業によりアオコが大量発生した他の事例を高村氏は指摘。

高村: 2003年の兵庫県の一庫ひとくらダムの例だが(アオコの写真)霞ヶ浦もこいう例になる。

(スタジオ)
玉川: 3つ疑問があるが、そのうちの2つが出てきた。

疑問1 水の需要は2000年がピークで、すでに減っていて、見通しで見ると、まだまだ減っていく。
これはひとつには、節水技術。 トイレなんかも今は本当に水を使わないトイレになっている。
松尾: 昔はトイレ1回流すと20㍑流れていたが、それが技術が進んで今は4㍑ちょっとというものが。

玉川: 今この水のやりとりをやっていない状況で、それでもピークアウトしてしまった。
それでも必要なのかという話。

もう1つは、浄化の話だが、川の水はきれいだといっても栄養がたっぷり。
流れているから澱まないだけ。 流れが止まった瞬間にアオコが発生して、悪臭の原因になる。 逆に悪化してしまうのではないかと専門家は指摘する。

松尾: 必要なカネ使って環境破壊しようとしているわけだ。
玉川: まあそこまで言っていいかどうかわからないが。

もうひとつの疑問は、私はこだわった部分だが、鮎やサケへの影響ということ。 

疑問3 豊かな川は守れるのか?

(説明)
栃木県と茨城県を流れる那珂川は、水産資源が豊富な川。
秋頃にはサケの遡上が数多く見られる。 
(2008年12月取材) 岸辺から近いところでサケが遡上したり、産卵したりしているのが見られる。
更に春になれば、鮎も遡上する。(2008年に玉川氏が船に乗って鮎を手にする映像)
鮎の漁獲量は全国有数。

この豊かな水産資源が失われることが危惧されてきた。
那珂川漁業協同組合 君島恭一組合長 (2008年10月取材):取水口ができると鮎とそのほかの魚が吸い込まれていきますよね。

(説明)
鮎の稚魚は孵化後海へ下る。 ところが導水トンネルの取水口が出来ると稚魚が取水口に吸い込まれてしまうと言う。
これに対して国交省は、稚魚が多く川を下る夜間の取水を制限することで、取水口に吸い込まれる稚魚を1%以下に抑えられると説明。

しかし、鮎の生態を研究する たかはし河川生物調査事務所 高橋勇夫所長(2008年12月電話取材): 国交省と同じデータを使って分析してみたが、確かに年によっては1%程度に抑えられる年もあるが、年によってはそれよりはるかに大きな数字だ。 具体的には10%くらいの被害になる。
(この事業が続くと)鮎にとって良くなるということはまず考えられない。

(説明)
様々な疑問を抱えた霞ヶ浦導水事業だが、2009年民主党政権下で“中断”となった。

前原誠司国交大臣(当時): 公共事業に対しての新規投資は減らさざるを得ないし、そういう意味での見直しを政権交代の中で進めていかないといけない。

大型公共事業の見直し過程で、必要性を再調査することになった。 
しかし、先週金曜日、国土交通省・関東地方整備局は、霞ヶ浦導水事業は(原案)のとおり「継続」が妥当という報告を出した。

そこで6年前にも取材した那珂川漁業組合の君島組合長を尋ねた。(今週月曜日)
玉川: 工事現場はどこになりますか?
君島: 正面のコンクリートが見えているところ。 そこで止まっている。
玉川: 再開になるかもしれないという話を聞いて率直にどう思ったか。
君島: 凍結の時は、うちの組合の皆も喜んでいた。 ただ今回の再開ということではガッカリした。 
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那珂川は天然鮎でもっている川だから、我々はこの川を子孫に残していきたいという一念でやっている。 今の状態のままで。 鮎が減るということは我々漁業者に対しては大打撃だから、皆ふざけんじゃないという怒りの声が多い。

(スタジオ)
玉川: 那珂川の鮎は、漁獲高でいうと全国で1位か2位、毎年。 それだけ豊かな川だ。
松尾: 全国的に鮎の漁獲高はどんどん減ってきている。 だからすごく貴重な場所だと思う。
玉川: これ首都圏から近い場所にある、こんな近い所に、サケが上ったり、鮎が上ったりするところがあるんだと知らなくて、本当にビックリした川だ。

これ凍結されていたものが、再開になるということだが、凍結とは中止ではなかった。
凍結して再度必要性を精査しなさいということだったが、今回必要性があるということに国交省が判断したということになると思うが、その背後に何があるのか?

今回話しを聞いたのは、地元の民主党・元衆議院議員・福島のぶゆき氏で、元から反対していた人。 この人は経済産業省で行政の無駄をやる担当の官僚だった。 それでいろいろなことを知っているということで話を聞いた。

玉川: 霞ヶ浦の導水事業だが、民主党政権の時に確か凍結した。 これまた動き出そうとしているということだが、これどういうふうに感じるか?

福島: これまで民主党政権時代の時は、凍結に向けて検討するといって検討の場を作ったんだが、1年に1回開かれるか開かれないかのような(国交省は)サボタージュをやっていて、政権が変わった途端に急に動き始めて、なおかつ消費税増税が決まって国土強靭化の予算が取れそうだとなった途端に急に動き出して、やると決まったということで、本当にこれはけしからんことだと。

(説明)
霞ヶ浦導水事業を行う関東地方整備局は、検討会を開く前に、参加するメンバーなどを決める幹事会を開くことを決めた。 この幹事会が最初に開かれたのは2010年12月、次はその半年後2011年6月。 そして次は更に10ヶ月後の2012年5月。 しかし、2012年12月に民主党から自民党に政権が変わり、消費税増税が視野に入った頃、立て続けで幹事会が行われ、今年の3月肝心の検討会は1回だけ行われ、事業再開へと動き出した。
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福島: 消費税増税で予算がつく。 国土強靭化だって言った途端に、喜び勇んで“さあやりましょう!”と言って、1回の検討の場でポンとハンコをついて進めちゃった。
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玉川: え? 1回しかやっていない?
福島: 1回です。 そもそもこの事業は、昭和50年代にこれからもっと日本が成長するから、東京の水が足りなくなるぞというので始まった。 ところが水が足りなくない。足りない状況ではないというふうになった途端に、今度は霞ヶ浦をきれいにするぞという名目で始めて、でも色々な専門家達が、これじゃあ霞ヶ浦はきれいにならないよと、もっと別にきれいにやる方法もあるよという提言を出した途端に、学識者の検討を止めて、今回いきなり決めたということだから。
玉川: 福島さんも官僚だったわけですよね。 省は違うが。 官僚の考え方からすると、この事業をどうしても続けたいという理由は何だと思うか?

福島: それは間違えていることを認めたくない。 それだけだと思う。
玉川: はぁ~~。
福島: 科学的にこれが正しいかという議論をすれば、負けると思う。 是非これが霞ヶ浦の浄化のために必要だという学識的な意見があれば、名前を出してどこどこ大学のなになに教授という名前を出して、反論している方の意見を聞きたい。

(スタジオ)
玉川: ということです。
実は、疑問を感じているのは、会計検査院も疑問を指摘している。

会計検査院の指摘(抜粋)2012年発表
1. 用地の区分地上権の設定(地下トンネルの上の居住者の許可のようなもの)を必要とする箇所が約55,700㎡(全体の約4割)残されていて、今後の設定にも時間を要すると事業の効果の発現がさらに遅れる状況となっている。
2. 継続して事業を実施する場合には、関係者等と十分調整を行うこと。


1. 時間がかかればおカネもかかる。
2. 聞いてみると、関係者は流域の住人だということだった。 当然漁業関係者も含まれる。ところが、漁業関係者は、継続したい意向だという話はきいていないと。 

国交省としては、どうなんですかと話を聞いた。

国土交通省に質問 1
会計検査院が指摘している関係者等(河川の沿岸の住民)との調整について、地元の漁業関係者などと調整を行わない理由を教えてください。

国土交通省に質問 2
工事の進捗状況は約3割ですが、すでに予算の約8割が執行されているという指摘があります。 この事業はいつごろ完了する予定でしょうか。 また予算の範囲内に収まる予定でしょうか。


国土交通省からの回答
霞ヶ浦導水事業は、ダム検証の対象事業の一つであり、検討主体である関東地方整備局において検討ルールに沿って予断を持たずに検討を進めていたところであり、現時点で検証の途中段階です。
このため霞ヶ浦導水事業を継続して行うという前提のご質問にはお答えできないことをご理解ください。

なお、会計検査院の所見は、霞ヶ浦導水事業を「継続して行う場合の対応」について述べたものですが、当事業は検証の途中段階であるため、住民や漁業関係者との調整を行う段階には至っておりません。



玉川: やるかやらないかはまだ決めていませんという話だ。
松尾: でも予算の8割執行しているんでしょう。
玉川: 今までの段階までだが・・。

あれ? 新聞の報道も含めて、やることになっていることだったが、やるってまだ決めていませんという話なので、
今日のむすび: まだ検討中なのであれば、是非後ろ向きの検討を
お願いします。

玉川: まだ3割しか進んでいないが、8割使ってしまっている。 完成させるためには少なくとも倍はかかってしまうのではないかという話になると、今までにすでに1000億使ってしまっているので、例えば2千何百臆とか、3千億とかかかってしまうのではと いぶかってしまう。 公共事業というと、例えばレインボーブリッジ一つ作るのに、1181億円かかる。 更にレインボーブリッジ一つ作るくらいのお金をかけないと出来ないくらいの公共事業だ。

ところが、必要性でみると、う~んというのが正直なところ。
必要な公共事業は当然あるが、これの優先順位はそんなに高いのか? というのが最大の疑問だ。 是非後ろ向きに検討してもらいたい今日のそもそも総研でした。

以上



5/8 そもそも総研 「そもそも米軍基地がなくなっても問題ない国があるのだろうか」

2014.05.09 16:58|そもそも総研たまぺディア
フィリピンとアメリカの新軍事協定について非常に興味を持っていましたが、それがこういう内容であり、またフィリピンがどのような経緯で米軍を追い出したのかも知ることが出来て有意義だった、今週のそもそも総研。

米軍基地は治外法権なので、誰が来ているのかもわからないとは知っていたが、国内の米軍基地の住所はカリフォルニア州ということは知らなかった!

今では死語のような「駐留なき安保」も思い出しながら、現在の安倍政権の行っている政策は、東アジアの中の憎まれっ子をわざと演じながら、日本の軍備増強のお墨付きにしたい勢力を助長しているのではないか。 国民の中にもアメリカに守ってもらっているのだから仕方ないという卑屈な精神が横行してそれを助けているのではないか。

そもそもアメリカにへりくだった外交姿勢を続けたために、新しい世界情勢の中で、軍備以外の日本自身の外交政策を考えだせなくなっていることへの恐怖を感じます。 

実はアメリカの影響より日本自体が萎縮してしまっていて、国民全体が世界に向かって存在意義を主張できないでいるのではと、つくづく考えさせられました。

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5/8 そもそも総研たまぺディア「そもそも米軍基地がなくなっても問題ない国があるのだろうか」

玉川: 何故今回この話かというと、ニュースでご存知かと思うが、オバマ大統領が先週フィリピンに行って、新たな軍事協定に調印したという話。

このニュースを知った我々としては、「あぁ~そうか。やはり中国の進出があって、フィリピンもプレッシャーに備えるために米軍と新たな軍事協定なのかな」と思った人も多いと思う。

今日の朝日新聞の1面にも「ベトナム船と衝突 中国と緊張が高まっている」と話が出ている。

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フィリピンの近海で南沙諸島をめぐり領有権も問題がある。
フィリピンも、抑止力をこれで米軍に頼るのだろうということかな?と思っている人もいると思うが、さてそうか。
実は22年振りに再駐留とニュースで出ていた。 だけど再駐留ということは、実は米軍基地は現在ない。 でも昔は実はあった。 何で昔あった基地がなくなったのだろう。

フィリッピンから米軍基地がなくなったワケ

(説明)フィリピンは太平洋戦争後、アメリカの統治下から独立するも、総合防衛条約など軍事的にはアメリカと密接に関わり続けてきた。

一方内政は、アメリカ支援の下独裁政権が20年以上も続く。
そんな中フィリピン民主化の星として期待されたに ニノイ・アキノ元上院議員にある事件が起こる。
(1983年 マニラ国際空港)アメリカから帰国した空港で凶弾に倒れた。

これを期に、打倒マルコス政権を叫ぶ民主化運動は高まる。
追い詰められたマルコス氏一家はハワイへ亡命。 栄華を極めたマルコス氏の豪邸にはイメルダ夫人のブランド靴が3000足以上も残されていた。

亡命と同じ日に、ニノイ・アキノ氏の妻(コラソン・アキノ氏)が大統領に就任。(参考:現大統領は息子のベニグノ・アキノ大統領)
その翌年(1987年)新憲法が成立し、外国の軍隊がフィリピンに基地を置く場合、上院議員の2/3の承認を必要とする条項が盛り込まれた。

その理由について、フィリピン特派員として取材を続けた共同通信社の石山永一郎論説委員は、

石山: 国民はマルコスの裏にアメリカがいたということを皆知っていた。 それでアメリカ軍基地に対する反発も高まっていったし。

(説明)
時を同じくして、ピナトゥボ火山が噴火する。
国内に2つあったアメリカ軍基地のひとつクラーク空軍基地が被災し、使用不可能となる。
一方当時のアメリカ側にも事情があったという。

玉川: ちょうど東西冷戦が終わった後だった。 だから米軍はアジアの基地も少し縮小していこうと。

(説明)
石山論説委員は、当時のフィリピン政府と交渉に当たったアメリカ側のアーミテージ氏から直接こんな話を聞いたという。

石山: ブッシュ父大統領から、フィリピンの基地はもういらないと。 こちらからいらないというと、友好国に間違ったメッセージを与えると。 これは日本も含むと思うが。
だから一応存続させるという前提で交渉しろと。 そのかわり見返り援助金は徹底的に値切れと。 

当時フィリピンは、思いやり予算とは逆で、基地があることによってお金をもらっていた。そういったいろんな要因が重なって、フィリピンの基地撤退という結果につながったのだと思う。

(説明
1991年、アメリカ軍との基地条約更新の際、上院での賛成が得られず、アメリカ軍の撤退が決まり、翌年アメリカ軍はフィリピンから完全撤退した。

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(スタジオ)
玉川: という経緯で、フィリピン側からするとナショナリズムの高まりがあった。 一方アメリカ側は、冷戦が終わったので軍事費を削減したかった。 たまたまそういう時に、ピナトゥボ火山が爆発して、2つある大きな基地の空軍基地が使えなくなった。

アーミテージさんがあそこにも登場していたが、アメリカの国益を背負って、自分の方からいらないとは言うなと言われながらやっているというのも、私は非常におもしろかった。

ということで、取り敢えず撤退した。 だから米軍基地は今でもありません

では今回の軍事協定とは何か。 もう一回米軍基地をフィリピンに作ってくれということなのかな?とも思えた。 どういう意味なのかを石山さんと元フィリピン大使・荒 義尚氏に伺った。

新軍事協定の中身とは

玉川: フィリピンとしては、米軍基地を追い出してしまった。 中国の圧力が高まってきて後悔して、新しい軍事協定を結んだというようなニュアンスに今なっていると思うが、新しい軍事協定というのはどういうふうに見ていますか?

石山: 新しい基地を建設するという話ではない。 それは憲法上の制約でもできない。フィリピンの国民感情としてもまず認められないという前提で、アメリカとの安全保障関係をどういうふうに強化していくかと。

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今までも(アメリカとフィリピンの間には)訪問米軍地位協定があるが、その地位協定で認められているよりも、比較的長くいられるようにしようと。 米軍の装備、例えば航空機や艦船も含めて、フィリピン軍基地内にしばらくいてもいいよという内容。

玉川: そうすると一時的な間借りが出来ますよという話なのか?
石山: そうです。 フィリピン軍の基地の中なので、管理権はフィリピン側にある。
これは日本の米軍基地などとは決定的に違う話だと。

玉川: どう違うのか。
石山: 例えば、住宅地が近いから危険だと。もうこの基地は閉鎖しましょうと言えば、フィリピン側の単独の判断でできるわけだ。

玉川: そうすると、新たに米軍基地がフィリピンの中に出来るということとは全然違うということか。
石山: 違う。 外国の軍隊の基地をつくるには、上院議員の3分の2の承認がいるわけ。

玉川: 上院の中は、そういうことを認めるような人とは、今それほどいないということになるのか。

石山: 新協定に関して、これは今までの協定を変えるから、上院の3分の2の承認が必要だろうと批判している議員もいるくらいだから。 ましてや新しい米軍基地を国内に単独でつくるとなれば、もっと批判にさらされると思うので、アキノ政権がそういうリスクを冒すとは考えられない。

(説明)
元フィリピン大使の荒氏は、今回の軍事協定をこのように例える。

: そこにいる友人なら友人を時々訪問して、月に一週間泊めてもらうとか、イメージ的にそう考えたらいいのではないか。 米軍の陸・海・空・海兵隊、いろいろ来るでしょうけども、ただ来る度に装備品・補給品一式を持ってくるのはなかなか大変だから、フィリピン軍の施設の中に必要な装備品をあらかじめストックしておくと。

玉川: 友人の家に押入れ1つ借りて、荷物を置いておく。
フィリピンが沖縄のような状態に戻るということではない?
: ないです。 
玉川: フィリピンはそういう選択はしない?
: しない。

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(スタジオ)
玉川: というふうなことで、例えて言うと、間借りするという話があったが、日本の米軍基地と比べると、日本の中にある米軍基地はアメリカだ。 住所はカリフォルニア州になっている。 日本の中の米軍基地というのは。

一方で、フィリピンでこれから行われようというのは、あくまでフィリピン軍の基地の中におかせてもらうと。 もちろん建物の管理権はアメリカ軍だが、基地全体の管理権はフィリピンで、全然違うという話。

宮田: 基地自体が復活するという感覚でなくて、あくまでも駐留なき状態の安保の強化と考えたらよいのか。
玉川: まあそういうことになる。
松尾: 日本もそのスタイルにするというわけにはいかないのか?
玉川: まあその辺をこれから考えてほしいのだが。
では、今回の軍事協定は、軍事的にどういう意味があるのかを軍事評論家・田岡俊次氏に話を聞いた。

玉川: 今回オバマ大統領がフィリピンを訪問して、アメリカとフィリピンで新しい軍事協定ができたと。 この意味だが、どう考えればいいのか。

田岡: アメリカ側から見たら、合理的に説明がつかないと思う。 よく中国を封じ込めるためにそこに米軍が基地を設けて、抑え込んで、中国海軍の海洋進出を防ぐと言う人もいるが、実際は海軍というのは空軍と違って、どこかに基地があってその周辺何百キロ何千キロを管轄するものではなく、パールハーバーにいようが、横須賀にいようが、アメリカ海軍の制海権は絶対不動みたいなもので。

玉川: そうすると、今回の軍事協定は軍事的に見て、どんな意味があるのだろうと・・
田岡: だから僕も聞かれて説明に窮するところがある。 アメリカが中国を封じ込めようとしているのであれば、そこに基地を設けるとか、抑止力になるということが言えるが、アメリカ政府はどうもそうでなくて、中国と対立したくなくて、だからオバマ大統領が日本に来た時の共同記者会見でも、とにかくパブリッシングに中国とけんかしないでくれと盛んに言っているわけだ。

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(説明)
中国への抑止力という意味はないと指摘する田岡氏。
一方で、この軍事協定にはフィリピン側のしたたかさが伺えると、共同通信の石山氏は指摘する。

フィリピン外交のしたたかさ

玉川: フィリピン側の外交交渉がしたたかだと思ったのは、地位協定の文面を見ると、今までなかった言葉として、“核を持ち込んではならない”ということを、この機会に盛り込んでいたりする。

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玉川: 入っちゃっているのですか?
石山: 入っている。
玉川: ちゃっかり?
石山: ええ。 どこの国も、フィリピンに限らないが、安全保障に関わる外交は必死にやるし、アメリカに占領されたイラクでさえ米軍の地位協定を結ぶ時に、イラクの基地から他の国に攻撃をしてはならないという条文を盛り込ませたりしている。 フィリピンも外交交渉に関しては、非常に巧みな国のひとつだと思う。

(スタジオ)
玉川: これは嘗て、フィリピンが米軍基地に出ていってくれと言う時にも、相当アーミテージ氏との間でテーブルの叩き合いがあったらしいが、フィリピンの外務大臣は頑として譲らなかった。 という中で外交をやってきている。

羽鳥: 今回のフィリピンも、当時のイラクも、言うことを言ったということか。
玉川: 言うことを言うのが外交だ。
羽鳥: 言うことを言っていないところがあるいうことか。
玉川: そういうことになるのでは。
今回、封じ込めという意味だが、このタイミングで三者にどういう発言があったかというと、

オバマ大統領: 中国の封じ込めが目的ではない (先週月曜日 共同会見)とわざわざ言っている。
アキノ大統領: 地域の平和と安定を促進させるもの (先週月曜日 共同会見)だと。
中国外務省報道局長: 国家間の信頼や平和に有利なことをしてほしい (米比協定調印を受けて)
あまり強い調子で言っていない。 

中国なら、地域の平和を乱すようなこととか、承服できないとか言いがちだが、そういうことは言っていない。 どうも何か三者の間で話がついているのではないかと、石山さんは言っている。

松尾: 日本もこれやったら、中国も同じこと言ってくれるのだろうか?
玉川: それは言わないのではないか。 よくわからないが。
日本の外交が、他の国と若干違うのではないかと、私は常に感じる。

宮田: フィリピンは抑止力にならないなら、何のメリットがあって今回また戻すことにしたのか。
玉川: やはり、米軍とはあくまで基地がなくても、安全保障上は米軍と一体だということを示すことは、抑止力としての意味はある。 米軍基地をつくる、米軍基地があるということと、抑止力は別問題だということ。 要するに、外交上密接に関係しているのだということを見せることこそ抑止力だと。

赤江: フィリピンのメリットはわかるが、新しく新軍事協定を結ぶアメリカのメリットは何か?
玉川: 協定を見ると、建築という言葉が沢山出てきている。 どうも補給基地的な役割にしたいのではないか。 だから弾薬とかも置くかもしれないが、補給基地なら核は置いてはダメだとわざわざフィリピン側が言ったのはそういうことかもしれない。

羽鳥: 玉川さんの話だと、日本も基地がなくても抑止力がはたらくといことか。
玉川: そういう選択肢もあるのではないか。 駐留なき安保と昔から言われているが、その辺もこの後考えてみたい。

フィリピンは米軍を追い出して“後悔している”は本当?

玉川: フィリピンは米軍を追い出したことにより、中国の圧力がだんだん高まってきた昨今、米軍を追い出したことを後悔していると言っている人がいるが。

石山: 基地はなくなっても、アメリカとフィリピンとの間の相互防衛条約というのは残っている。 だから、駐留なき安保という形でアメリカとの安全保障関係は続いている。
それで十分安全保障は保たれているという認識だと思う。

玉川: フィリピンの人達は、米軍基地を追い出したことを、今になって後悔しているという言われ方は正しいか?
石山: 正しくないと思う。 アメリカとフィリピンの関係はその後も良好だし、必要な時は、米軍が演習に来たり、トレーニングとか必要な援助をしたりしている。

(説明)
更に、国内経済の側面からもフィリピン側に後悔はないと指摘する。

石山: 基地を抱える地元の人達からは、基地に経済的に依存していたので基地を残してくれという声はあった。 かつて米軍基地があった時代の3倍から5倍の雇用を生み出している。 というのは経済特区になった。そこで外国資本を入れて、工場などで多くの人が働いているので、地元の人も基地がなくなってよかったと言っている人が大半。

玉川: 政治の世界の方とのお付き合いもあっただろうし、メディアの世界の人達も、一般の人達もご存知だったと思うが、米軍基地が今ないということへの後悔というものを聞いたことがあるか。
: 少なくとも表だってそういうことを言う人はあまりなかったと思う。 現に今でもありません。

(スタジオ)
玉川: フィリピン。こういう国があるのだということ。
羽鳥: ことごとく日本に当てはまる。
玉川: すごく参考になる。 イラクの話も参考になるが。
松尾: 当てはまらないとしたら、フィリピンはお金をもらっていさせてあげて、日本はお金をいろいろ払ってあげていてもらっている。 何て言うのか・・・。
羽鳥: 何でこんなに正反対なのか。
玉川: 日本国内にお金払ってでもいてほしい人がいるということでは。

宮田: 具体的にどういう形が整うと、日本でも駐留なき安保が成り立つのか。
玉川: フィリピンの場合は憲法を変えて一気に変えたので、そういうことも不可能ではないということだが、日本の場合は徐々にというところがあるだろう。

アメリカの中でも必然性がそれほどなくなっている海兵隊の基地とか、そういうものに対しては。 日本もアメリカ側にそういう意見があることを受けて、例えば普天間の問題もそういう文脈で解決していけるのではないかと私は思う。

羽鳥: 沖縄も基地がなくなっても、経済特区をつくればあのようになるのか。
玉川: 例えば那覇市にある新都心というところも嘗て米軍の敷地だったが、10何倍の経済効果があって、沖縄の経済界にも、基地がない方が経済効果があるという声がある。

今日のむすび: 基地があることと抑止力とは、別物なのでは

必ず日本の中で出る”基地があるから抑止力になっている”。 例えば対中国の抑止力になっている。 すべてそうですかと。 そうでない国も現実にあると。

そういうことを今回参考にして頂ければと思う今日のそもそも総研でした。

以上
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4/24そもそも総研 「そもそもいまの日米関係っていいのだろうか?」

2014.04.24 16:19|そもそも総研たまぺディア
本日のそもそも総研がインタビューしている猿田さんは、ここで述べている体験が基になり、加えて、日本のワシントンとのパイプがいわゆるタカ派的な知日派に限られてしまっていることに危惧を覚えて、新外交イニシアティブなるシンクタンク?を立ち上げています。 このシンクタンクはシンポジウムなどを開催しているので、今日の話しは目新しくはありませんが、お茶の間的には結構びっくりな内容かもしれません。
 
玉川氏は日本の知的言論空間においては結構先端をいっていますが、折角の内容が、このワイドショーの中の短時間でどれだけ共感を得られるのかは疑問。 しかし、安全保障、日米関係などの国民が知ることを封印されてきたかのような問題をここでこれだけ扱うようになったのに驚きます。 特別番組をゴールデンタイムにすればいいのにね。 (出来ないと思うが)

4/24 そもそも総研たまペディア「オバマ大統領の来日 そもそもいまの日米関係っていいのだろうか?」

玉川: 日米首脳会談、今日行われるが、1年2ヶ月前安倍総理がアメリカに行った時、記者会見で、「緊密な日米同盟が完全に復活した」と宣言した。
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その後、安全保障、TPP、歴史問題・・・ いろいろあったけれど、今の日米関係って本当のところどうなんだろうか?ということで、3人に話しを聞いている。

* 元外交官・京都産業大学 世界問題研究所長 東郷和彦教授

* 新外交イニシアティブ事務局長 猿田佐世弁護士
ワシントンにいろいろなパイプを持っている。 ロビー活動などもしている人。

アメリカのメディアはどうなのかという
* ニューヨーク・タイムス東京支局 マーティン・ファクラー支局長

今の日米関係っていいんですか? ワシントンではどうか?を猿田さんに伺った。

玉川: 日米関係は今いいんだろうか、悪いんだろうかっていうことなんですが、
ワシントンをよくご存知の立場から見てどうですか?

猿田: ワシントンにいる人達の中では、日本に興味を持っている人達は、今の日米関係に懸念を持っているというふうに、私は見ている。 しかし、アメリカ、特にワシントンを見てみると、日本に興味を持っている人自体があまり多くない。 ワシントンにいて、色々な会議であったりする日本のことをよく知っている人は、多く数えて20人。 万いる外交の専門家・政治家を含めて、その中で20人くらいかなという気がする。

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(説明)
日本の専門家・“知日派“以外は、ほとんど日本に関心を持っていないというワシントン。
猿田氏はそれを象徴する体験をした。

猿田: 私が4年くらい前に、沖縄の問題について話をしたいと思い、アメリカ下院の担当委員会である外交問題委員会の、アジア太平洋小委員会の委員長に話をしに行った。 彼は「沖縄の問題は非常に重要な問題だから」と言って、次の質問が「沖縄というのは、人口何人なんだ? 2000人か」と言われた。

アメリカの議会の下院で、沖縄の問題を取り扱う委員会の責任者が、なんで沖縄の人口が2000人と思っているのかと本当にショックを受けた。

日本に関心を持つ人の内訳はどうなっているのかというと、ワシントンの中でも、色々な考えを持つ人がいるが、三層くらいに分かれているのかなと見ている。

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政府⇒オフィシャルな考え方でも、安倍さんが靖国神社に参拝した後には、明確に「失望した」というようなことを言っている。

アメリカにとって、今一番のアジアの重大関心事項は、何をおいても中国なわけだが、日本が同盟国であるにも拘らず、上手くやらなくてはいけない中国との関係をどんどん悪化させていく。 そのことに物凄く敏感になっていると思う。

玉川: 現実問題として、アメリカ政府は、今日本の中で行われていることに懸念をもっているということか。 議会は?

猿田: 議会は、議会調査局という定期的に報告書を発表して議会に対して、今こんな状況に世界はありますよと報告書を出しているところがあるが、そこではもっと明確に、歴史修正主義をとる安倍さんに対する批判というか、今までの日米関係の根底を崩すような形になるのではないかという意見が示されている。

玉川: そうすると、政府も懸念をもっている。 議会の中も懸念があると。 最後に
知日派はどうですか?

猿田: 知日派は大体において、日米同盟というものについて賛成していて、強化をしていくべきという考えで、安倍さんのサポーターが比較的多いと見ているが、その中ですら、非常にかたくなな、ナショナリスト的な考え方については、このままで大丈夫かと懸念が示されていると聞いている。

具体的には、歴史修正主義関係で、靖国参拝についても気持ちは判るが、今なぜここでやるのかということ。 更に言えば、憲法の解釈の見直しで集団的自衛権の行使についても、大きくは賛成の意見が多いにせよ、なぜ今こんなに強硬に、しかも憲法という法の支配を逸脱してまでやるのかという意見は聞こえてくる。

(スタジオ)
玉川: ほとんど日本に関心を持っている人自体が少ない、という話は衝撃だった。
羽鳥: 1万人に20人って、0.2%です。
玉川: ちなみに中国はどうかと聞いたら、一桁違うと。 ロビー活動も含めて中国も韓国もだいぶやっているわけ。 そういう結果として、こういう形が出ているのに対して、日本の中では、あまりロビー活動も行われていなくて、だから沖縄の人口が100万人超えていることを我々は当たり前に知っていることが、2000人ですかと。 そこが正に議会の中で沖縄の問題を考える委員会なのに、そういう状況になっている。

宮田: 関心がないということは、つまり期待されていないのかととらざるを得ないのかという・・・
玉川: 聞いてみると、関心の全体を100とすると、80から90が内政・国内問題だそうだ。 残りの中で外交問題があるとすると、中東、ヨーロッパ。 アジアはその中でも少ないが、その大きな部分が中国となると、なるほど日本に対してはと納得できると思う。

次に、今回猿田さんの話の中でも靖国の問題が出てきたが、更にそこを突っ込んで考えたいと思い、日米関係がいいのか悪いのかを含めて東郷教授に話を聞いている。

東郷: 私は、靖国問題に関しては、元々戦前の亡くなった英霊を弔う場所として、最適な場所だという意見の持ち主。

(説明)
東郷氏の祖父は戦時下に2度外務大臣を勤めた東郷茂徳氏。 茂徳氏は靖国神社に合祀されている。 戦争での犠牲者は靖国神社に弔うべきだという考えを、東郷氏は持っている。
しかし・・・

東郷: 安倍総理が靖国に行ったことで、一番喜んでいるのは中国。 何故かというと、今の日本が 尖閣で衝突になるかもしれない、これは本当の問題で、しかも中国はやりすぎているから。 それは大体昨年の一年間の国際世論になってきていた。

そのせっかく日本にとってすごく有利に展開していた国際世論を、靖国に行ったことで「日本は戦前に戻ろうとしているんですね」という中国のキャンペ-ンがそこから始まってきている。 中国は今それを徹底的にやっているわけだ。 その口実を与えてしまったわけだ。

(説明
結果的に中国を利することになっているという安倍総理の靖国参拝。 では日米関係にどう影響しているのか?

玉川: 今の日米関係はいいのか、それともよくないのか?
東郷: よくないと思う。 安倍総理が靖国に行くまでの日米関係は、中国という本当に難しい国を相手にして日本もよくやっていて、アメリカもそれを評価しているという流れできたと思う。

ところが、靖国に行ったことが、これが第一発。 そのひとつ。
それで、一体日本は同盟の意味を本当に分かっているんだろうかと、凄い疑問がアメリカに出てしまったと。

つまり、同盟国というのは、お互いの国の国益の一番大事なところを、相互に理解し合うことによって同盟はできるわけだ。 靖国に行くということは、中国を刺激することは間違いない。 誰でもわかる。 今の段階で、この問題で中国を刺激してはいかんことはよく分かるはずだ。 だからアメリカは事前に、今の段階で、この問題を揺さぶらないでねというメッセージを事前に何度も出していたようだ。

ところが、そのメッセージにもかかわらず、安倍総理が靖国に行ってしまったと。 一体その結果として、アメリカを戦争に日本は巻き込むんですかという問題が出てしまった。

非常に同盟国として信頼に足る行為を取っていないということだ。

(説明)
毎年ワシントンを訪問しているという東郷氏は、先月ワシントンを訪れた際にこれまでとは全く違った雰囲気を感じたという。

東郷: 日米関係に関する変化を感じた。 
口に出して明確に言った人もいるし、それから目つきで、議論の具合で、或いは私の言ったことに対するうなずき方、首の振り方で、全体を総合しての印象だが。

「日本が戦争との関係でどこに行くんですか? 戦前に戻るんですか?」という疑問が日米関係で出てきたのは、今年の春が初めてだと思う。
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靖国の問題というのは、実はこれは安倍総理の考え方の一部であって、もっと深いところに、何かアメリカ人が理解できなかったものがあるのではないかと。
その端的なのが、安倍総理の「戦後レジームからの脱却」そのこと自体、アメリカから見るとよく理解できない。 戦後レジームというのは、占領期間のあった7年間。

アメリカから見ると、戦後の占領期間というのは、基本的にはいいことをやってきたつもり。日本を民主的・平和の日本にしていくと。 そのレジームから脱却してどこに行くんですか?と。 それが靖国の問題で火がついて、それが深刻な問題として表に出てきてしまった。

靖国に行ったことから端を発して、実は戦前の日本に戻るんですか?という疑問が出てしまった。 ところが、アメリカ人にとっての戦前の日本は何かというと、これは1つは真珠湾の奇襲攻撃だ。 アメリカ人の大体の国民的な記憶は、やっぱりあれは”だまし討ち”にあったということだ。 アメリカ人の認識はそこから抜けていない。

それから特攻隊、戦争捕虜。 こういう日本にお戻りになるんですか?と。 それが安倍総理の戦後レジームの脱却なのかという単純な疑問が、これは結構アメリカの政界の上から普通の国民に至るまでジワット出始めた。

(スタジオ)
玉川: という雰囲気を実際感じられたということ。

松尾: 安倍総理のキーワードがいくつかある。 「戦後レジームからの脱却」「美しい国」「再チャレンジ」。 何を再チャレンジかというところで、想像力を余計な方向までふくらましかねないようなキーワードで、関係を見るとどう解釈すればいいのかというところで、
経済よりも優先して行っているようにも見える一連の事を見ると、そういうような想像もしてしまい兼ねないなと思う。

玉川: ただ僕は、(アメリカ)政府は完全に理解しているのではないかと思う。 つまり安倍総理の考えがどのくらいの深さがあるのか、それからどういうメンタリティーなのかを、 アメリカだから。 日本が戦争で負けた後に、占領政策をするに当って、あれだけ日本を事前に分析して徹底的にそれに対することをやって、そのアメリカを日本は嫌いにならないように持っていったという、そういうふうな国が、理解をしていると僕は思う。 理解した上でのお寿司屋さんかなという気がするが。

ここまでは、ワシントン。 
世論としては、メディアはどう捉えているのかを、ニューヨークタイムスのマーティン・ファクラー支局長に話を聞いている。

玉川: メディアが安倍総理の発言や、そういうものに対して、ある種危惧するような社説や記事を書いている背景には、一体何があるのか?

ファクラー: 靖国参拝だけでは、あまり普通のアメリカ人は気にしない、正直言って。

NHKの経営委員の百田尚樹さんとか、小説家がいますよね。 あの人が例えば“原爆は南京よりひどり虐殺だ”とかいうような発言をすると、やはり日本にとって有利でない形で、第二次世界大戦のことをまた取り上げられるということ。 

つまり、戦争の時は、アメリカは日本の敵だった。 中国が同盟国だった。 そこまで遡ると本当に戦後の70年間ずっと日本が同盟国であったし、平和的な国であったことを無視して、日本が一番悪い時代をなぜわざわざ取り上げるのか。 もっと例えば、東京裁判が間違えていたとか、本当はアメリカが悪かったとか、日本は自分の防衛をするために戦争したとか、そうなるとまるでドイツがナチスが悪くなかったというように、受け止められる、アメリカでは。

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玉川: そうすると、安倍総理の靖国参拝単体の問題ではなくて、その周りにいるNHKの関係の人とかの発言とか、側近の政治家の発言とかが、逆に不信を呼んでいるという感じか?

ファクラー: そっちの方が危険だ。
例えば、百田さんとかNHKの籾井会長とかが発言すると、最初は安倍政権があまり距離を開かなかった。 あれはダメだとか、あれを否定して安倍政権の立場は違うとか、あまり明確に距離を開かなかった、最初は。 あの人達の発言を否定しないというのは、やはり、安倍政権の本音かということになる。

こういう心配や不安感が続くと、日本はどうなると見ているのかというと、日本がアジアの中で孤立するのではないかとか、余計に中国を刺激してしまうのではないかとか、韓国とどうしても仲良くできないとか、そういう心配が出てくる。

(スタジオ)
玉川: なるほどと思ったのは、靖国参拝単体のことは、アメリカ人としてはそれほど大きなこととは思っていないという話は初めて聞いたので、へ~っと思った。

宮田: 結局、皆さん良くないと3人とも言っている。 一番わからないのは、安倍さんの本当の腹の中のような気がしてならない。 安倍さんは、自分の足で立てる国にしたいとよく言っているが、その国を実現するために、何をしようとしていて、どの程度しようとしているかがよくわからない。 それが安倍さんの野心なのか、夢なのかわからないが、私たち日本人にもよくわからないから、海外の人が不安ととるのはもう仕方がないことではないかと思う。

玉川: 僕は日本人がわからない一方で、アメリカ政府はわかっているのではないかなという気もしないでもない。 あれだけの分析力を持っている国が、日本のトップのメンタリティーとか、その辺がわからないということはないと思う。 そういう前提に立っていることは、アメリカ側はやっているのではないかというふうに僕には見える

赤江: アメリカは戦前をむしかえすなと。 中国とだと、戦前のことで今揉めていたりする。 そうなると日本はどうしたらいいんだという気がしてくる。

玉川: だからリアリズムに徹するということが大事なんじゃないかと、私は思う。

今日のむすび: アメリカからの信頼は、日本の認識次第だろう。日本側が決めるんだろうな。 孤立に繋がる道は避けなければいけないだろう。

よかれと思ってやったことでも、結果として悪いことに繋がるのでは何の意味もない、政治というのは。 だから、その現実にこう起こるだろうということは、ちゃんと想定した上ですべて動いていかなければいけないかなと。

戦略的な思考というが、そうことが未だにアメリカとか英国とかに比べると、苦手なのかなと感じる。 ただ正にリアリズムに徹して、戦略的に動いてほしいと思う今日のそもそも総研でした。

(以上)

4/17そもそも総研「そもそも最高裁判決は、集団的自衛権の行使を認めているのだろうか?」(その2)

2014.04.18 12:29|そもそも総研たまぺディア
そもそも当時の田中最高裁判所長官が恣意的に出した砂川判決を根拠にするのもいかがなものかという疑問がわきますが。

とにかく国民的議論にまだなっておりませんよと言いたい!!

4/17 そもそも総研たまペディア「そもそも最高裁判決は、集団的自衛権の行使を認めているのだろうか?」(その2)

反対する二人の言い分

玉川: 安倍総理は集団的自衛権の行使に絡んで、この砂川判決が行使できる根拠なんだということを言っているわけです。 

水島: これむちゃくちゃな論理です

玉川: よく今までも言われていることなんですけど、個別的自衛権も集団的自衛権も日本は固有で持っていますと。 だけど集団的自衛権は行使はできない、憲法があるからというのを、内閣法制局や歴代の政権は言ってきたわけです。 この砂川判決のときというのは、そこはどうなんですか?

水島: 個別的自衛権ですら制限があると。自ら日本が実力をもって行使することに対しては、最高裁もそこについて非常に迷いがあって、あえて踏み込んで合憲だとは言わなかった。 言わないでおいて、固有の自衛権は持っていると。 持っているけれどもその持っていることの行使の仕方は、アメリカの米軍を駐留させることによって、日本が攻められたときの反撃をする仕組みを作る。こういう言い方をしている。

(説明)
最高裁の判決文を見てみると、「わが国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、わが憲法の平和主義は、決して無防備、無抵抗を定めたものではない。」

“固有の自衛権を憲法は否定していない“としている。 その一方で、「同条二項がいわゆる自衛のための戦力の保持をも禁じたものであるか否かは別として、」

自衛のための戦力の保持は判断していません。 
では、自国の軍事力の空白を埋める方法について判決は、「憲法九条は、わが国がその平和と安全の維持するために他国に安全保障を求めることを、何ら禁ずるものではない。」

つまり、固有の自衛権は保有するが、行使できない場合、他国に補ってもらうことは憲法に反しないとしています。

では、憲法が禁じている戦力に、米軍の駐留があたるかについては、
「その保持を禁止した戦力とは、わが国がその主体となってこれに指揮権、管理権を行使し得る戦力をいうものであり、結局わが国自体の戦力を指し、外国の軍隊は、たとえそれがわが国に駐留するとしても、ここにいう戦力には該当しないと解すべきである。」

砂川判決は、米軍駐留が違憲か否かを判断するもので、自衛隊の自衛権行使について判断しているのではないと水島教授は指摘する。

水島: 自衛隊が海外に出て、日本が攻められてもいないのに、集団的自衛権を行使するなんていうことは論外だった。

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玉川: 個別的・集団的自衛権は、固有の権利として持っているとは書いているけれど、
水島: 使えるとは書いてない

玉川: 使えるとは書いてない。 逆に言うと使えないから米軍がいるんだと書いてあるんですね。

水島: そのとおりです。 そのとおりです。 だから根拠にならないどころか、否定の根拠が書いてある。

玉川: それを根拠にして、集団的自衛権の行使までできると言っているのは、どう捉えれば・・・

水島: これは判決の誤読を超えて、長年にわたって、日本が集団的自衛権の行使をしなかったということを、まさに論理もへったくれもなしに、ひっくり返そうとすることで、こえはもう論理以前であって、最高裁の判決に対する冒涜でもある。

では内閣法制局はどうとらえてきたのでしょうか。橋本・小渕内閣で内閣法制局長官を務めた大森氏は、
大森: この判決との関係で、(集団的自衛権の)行使ができるんだ、或いはダメなんだという議論は今日初めて聞きます。 肯定論者であれ、否定論者であれ、判決が議論に役立つ、或いは根拠となるということは考えられないですね。 

玉川: 砂川判決に集団的自衛権が行使できる根拠があるのだとすれば、今までの歴代の政府の解釈は何だったんだということに・・・

大森: 甚だ不思議な事態なので、どんなに精緻な充実した検討をなれましても、そんな関連付けがあるはずがないんで。

(スタジオ)
玉川: という反論なんですね。
松尾: 日本に米軍がいるということに関しては、禁じられたものではないと言っているだけであって、日本が外国が攻められたときに、一緒になって戦うとか、そういうことと関連した要素が全く感じられない。

玉川: でも自民党の高村副総裁の論理では、

ポイント1
砂川判決では、集団的自衛権行使を排除していない  

これは確かなんです。 認めてはいないが、排除はしていない。これは正しいと思う。

ポイント2
政治的に集団的自衛権行使の必要がでてきたんだと。 これは政治的にですよ。

だから、これを2つ合わせて、合わせ技一本で、解釈変更ができるんだと。
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赤江: 合わせて一本というのは、同じルールブックの中に載っている技を合わせて、合わせて一本ですよね。 これは違う話ですよね。

砂川判決に集団的自衛権行使について書かれていない。否定していないだけ。

玉川: 違う話だけれども、論理としては成立するということなんですが。

僕が一番気になったのは、排除していない。つまり否定していない。 要するに憲法は集団的自衛権の行使を否定していない。ということと、憲法は認めている、判決で認めているということの距離。 ここが気になった。 否定していないということと、認めていることの間は、近いのか遠いのか? そこが私は気になったので、もう一回水島さんに聞きました。

玉川: 砂川判決が根拠になるといった場合には、砂川判決に集団的自衛権の行使が認められるということが書いてあるのだろうと、多くの人が考えるわけです。 

しかし、高村さんもそうは言っていないんです。 排除していないということと、認めているということの間というのは、全然違うものなんですか。

水島: 違う。 全然違う。
国民の場合は、一般市民の場合は、禁止されていないことは自由なんです。 

国家・行政機関の場合は、法律や憲法で認められていることしか出来ない。だから、国家が何かやろうとしたら、憲法に書き込む、改正するとか或いは条約で新たにきちんと書く。 法律で根拠を持たない限りできないようになっているんですから、書いてないことは出来るんだというのは、国民の個人には言えても、国家には言えない。

だから、政治家が書いてないことができるんだと言った瞬間、立憲主義のみならず、法治主義の否定にもなっていって、法秩序が崩れていくんです。

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玉川: という話・・・

宮田: これ今のは、排除していないのと、認めているという解釈の仕方は、水島先生独特の考えなんですか? それとも一般的にそうなんですか

玉川: 法律をやっている人にとってはもう当たり前。 つまり、立憲主義って何だという話になるが、立憲主義というのは、あくまで憲法は、国に対してやっていいことを書いてある。 それともうひとつやっていけないことも書いてある。 要するにあくまで、国・政府をしばるためのものなんですね憲法は。 だから、禁じてないからやっていいだろうという話にはならない。
我々個人は、法律で禁じていないことは何でもやっていいんですよ。
国は逆なんだといいう話。

松尾: 憲法を変えようとお話しが出るたびに、こう変えようというアイデアが出ますよね。 それを聞いていると、憲法を変えることに賛成できないなと思ってしまうことが多いのは、国家をしばるものなのに、それが緩やかになって、逆に国民に対する制約であるとか、義務であるとかということが、逆に厳しくなっていくという方向にしか、アイデアが出てこないんですね。 

だから、変えたくないなと国民の多くが思うんではないかと思うんです。

公明党の考え方は
玉川: じゃあ、もひとつの与党・公明党はどう考えるのか。 公明党の北側一雄副代表にインタビューしています。

玉川: “法理“という言葉を高村副総裁は使っていたけれど、法理としては集団的自衛権の行使をこの砂川判決は否定していないと。 これプラス政治的な意図として集団的自衛権、安全保障上、状況が変わって、これの必要が出てきた場合には、いわゆる合わせ技一本で(集団的自衛権)行使ができるんだという言い方をされたんです。

北側: ああ、そうですか。 そうですか。 最高裁判決が、必要な自衛権の措置は取りうりますよと。 ここで言っている自衛の措置というのは、この訴訟になっている対象から考えたって、それはわが国の個別的な自衛権について、当然想定して仰っているんだろうと私は理解しています。 ですから、そのことを根拠にして、集団的自衛権の根拠とされるのは少し飛躍があると。 高村さんが仰っているのも、今の話を聞いてもですね、集団的自衛権があることについて、権利があることについて否定してはいないじゃないかと。 こういう言い方なんだろうと思うんですね。
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玉川: ここに書いてある、必要な自衛のための措置というのは、何のこと指していると考えるのか?

北側: ここで問題になっている事件は、米軍の駐留なわけです。 日米安保条約に基づいてアメリカ軍が駐留をしていると。 そのことについてわが国は自衛の措置をとりうると。  

自衛隊だけでなく、外国の軍隊によって自衛の措置を取ることも、それは許されているんだということなんです。
玉川: この“必要な自衛のための措置”は、この判決に関しては、米軍が日本に駐留して日本を守ると言っていると。
北側: その結論を引っ張ってくるための、前段の理由付けなわけです。

(スタジオ)
玉川: というお話聞いていただいたんですが、どうですか? 全体。
宮田: やはり、いろいろな人の話を聞いていると、砂川判決の主語は、あくまでも米軍の駐留だというふうに、改めて確認しますよね。 どこから集団的自衛権が主語になるような内容に判断するのかというのは、全く理解できないし、もし砂川判決が、集団的自衛権の行使を認めるような形で解釈がされていたら、これは内閣の憲法解釈に少なからず絶対影響を及ぼしていると思う。

玉川: というか、ずっと間違っているということになってしまう・・・最高裁が判断しているのにということですから。
宮田: そうです。

赤江: 集団的自衛権に関して、それぞれにお考えがあるのはそれは勿論普通のことでいいんですが、それならばもっとストレートに主張なさった方が。 何かすごく強引に、無理くりにひねくった上で、もっていこうとしている感じが、何かすごく違和感があります。

裁判所の怠慢なのでは
玉川: 今回の話だけでなくて、最高裁が結局今まで一回も判断してないわけですよ。 集団的自衛権の行使ができることも含め、自衛隊が合憲か違憲かも、それから米軍の駐留に関しても合憲なのか違憲なのか、はっきりと最高裁が言ってくれていたら、話は全然変わってくるわけですね。 

例えば、自衛隊が憲法違反だと最高裁があの時点で言っていたとしたら、じゃあどうするんだと。 それを前提にして、憲法が禁じている自衛隊があるとしても、自衛隊が必要なら、じゃあ憲法を変えなくてはいけないんじゃないかという話に、次に進んでいかれると思うが。 

最高裁がその権利を持っているのに、ずっと判断してこなかった。 だから政治だけが解釈をしてこなければいけなかったという側面はあると思う。
最高裁というか、裁判所の怠慢があったと、僕は今回改めて感じた。

ただそういうことも含めて、
今日のむすび: 砂川判決が根拠になるのかどうかについては、ぜひ国会論戦で・・・
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これはこういうことを話すために国会があるのだから、是非そういうことを国会でやってほしいなというのが、今の私の考え。

羽鳥: 確かにそうですね。 ○か×かだけでなく、△の部分をいろいろな方向から皆でいいように解釈している感じですもんね。 どっちともとれるっていう・・・
玉川: だから、高村さんの話も一見間違いではないです。 なるほどなという部分もありました。 だけど、法の専門家からすると違うよという話は出てくるわけですよね。
だったら同じ政治の場で戦わせてほしいな、というのが今日のそもそも総研でした。

4/17そもそも総研「そもそも最高裁判決は、集団的自衛権の行使を認めているのだろうか?」(その1)

2014.04.18 12:06|そもそも総研たまぺディア
昨日のそもそも総研は、最近自民党の高村副総裁の言いだした、砂川判決が集団的自衛権を否定していない論を取り上げました。

そもそも砂川判決は?から、高村氏、反対論者、公明党の意見まで広く取材をして、熱意を感じましたし、コメンテータも一般人を代表して良いコメントをしていました。

しかし、20分で纏めるには内容を詰め込みすぎて、書き起こしをして何度も聞いている身にとっても難しい。
特に高村氏の発言の内容がわかりずらく、そもそもわかりずらいほど、こじつけているのではないかという感じを強く持ちました。

schnauzerの素朴な認識は、砂川事件当時は、個別的自衛権も違憲ではないのかという議論は国民の中に広くあり、そこに集団的自衛権など入る余地はなかった。 それがいつの間にか、時の政権に引きずられたのか内閣法制局の解釈が個別的自衛権は合憲であり、そのうちにそのままイラクなどに自衛隊を送ることを許してしまった。 そして、今回は、その元内閣法制局長官らが、集団的自衛権などは認めていないと言わざるをえない状況になってしまっているというもの。

視聴者がどのくらい理解できたか疑問なほど内容が濃い番組でしたが、3回ほどににわけて再度紐解いて放送してもらいたいと思いました。

4/17そもそも総研たまペディア「そもそも最高裁判決は、集団的自衛権の行使を認めているのだろうか?」(その1)

玉川: 集団的自衛権の行使。 結構、新聞とかでもニュースとかでもでやっていますよね。 これ行使してもいいんじゃないか。 だけど、日本国憲法にあわないんじゃないのという声も随分ある。 本当に最高裁判決に、この集団的自衛権の行使を認めている判決があるのだとすれば、これ話がだいぶ違ってきますよ。

ああ、最高裁が認めているんならいいじゃない、と直ぐそういう話にもなるし、今まで歴代の政府が集団的自衛権を行使出来ないと言ってきたのは、では何だったのかという話になっちゃうと思うし、それぐらい大きなことなんですね。
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何でこういう話になっているかというと、実は自民党の中からこういう話が出てきているからなんです。
総理も先週の火曜日に、こんな発言をしている。

砂川判決で認められた自衛権の行使、生存のためのですね、それを政府としては必要最小限の自衛権の行使と考えているわけですから、自衛権の中に個別も集団も入っているわけですから、両方にかかっているのが当然のことだと思います。(3/1BSプライムニュース)

どういうことを仰っているかというと、この集団的自衛権の行使が、砂川判決で認められているんだとまず仰っている。 その中に自衛権というのは、個別も集団も両方入っているから、集団的自衛権の行使も砂川判決で認められていると言っていいんだと思いますよ。というふうに総理が仰った。これ先週火曜日のBSフジのプライムニュースなんですけど、仰った。

松尾: 無理がありそうな気がしますね。 この事件に関して、集団的自衛権という発想を盛り込んだかどうかなんて、ちょっとどっちかというと・・

玉川: 私もちょっとピンとこなかったので、これ、そもそも総研ですから、そもそも砂川判決って何だ? 

これ実は砂川事件というのがあって、それの最高裁判決のこと。
じゃあ、砂川事件ってそもそも何だっけ? VTR。

そもそも砂川事件とは
(説明)
砂川事件(1957年7月)とは、アメリカ軍旧立川基地の拡張工事に反対するデモ隊が、アメリカ軍敷地内に侵入したとして、日米安保条約に基づく刑事特別措置法で7人が起訴された事件。

一審の東京地裁(1959年3月判決)では、アメリカ軍は憲法9条2項が禁じた戦力の保持にあたり、アメリカ軍の駐留は憲法違反であるとし、無罪となりました。
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一方検察は、高裁を飛び越し最高裁に異例の上告。
最高裁判所判決(1959年12月)では、アメリカ軍の駐留は一見して明白に違憲ではないとした上で、安保条約のような高度に政治的な問題は、「司法の判断になじまない」と憲法判断を回避。

結局、7人は有罪となりました。

砂川判決の背後にアメリカの意思があったことが、2008年に公開された当時の駐日大使が本国に送った公電により、やがて明らかとなります。
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マッカーサー2世 米駐日大使: 日本政府が迅速な行動を取り、東京地裁判決を正すことの重要性を強調した。 藤山(外務大臣)は全面的に合意すると述べた。

駐日大使は、一審の違憲判決後、当時の藤山外務大臣や田中最高裁長官と極秘に会談。
田中最高裁長官は、判決を最高裁で破棄することやその日程等を事前に報告していたのです。
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(スタジオ)
玉川: というふうなことで、砂川判決は今まで、何の例として出てくるかと言うと、最高裁は例えば自衛隊が合憲か違憲かとか、在日米軍の駐留が合憲か違憲かとか、そういうふうなことを判断しないと、最終的なところは判断しないんだという例として、よく今まで出てきたんですね。

だから、集団的自衛権の行使の根拠として出てくること、まあ最近はというか、まあなかったというふうに思うんですが。 
ここで判決って、そもそもどういう構造になっていたのかを解説したいなと思う。

砂川判決とは何だったんだを、私勉強しました。 憲法の先生に聞いて。
これは終戦14年後の判決(1959年)。 3本柱があります。
① 憲法は固有の自衛権を否定しているのか?
② 自衛権の行使、つまり戦力を使うということですが、これを日本は出来るのか? 出来ないのか?
③ 米軍の駐留は合憲なの? それとも 違憲なの?
問われたのは、これ③なんですよ。 判決の中では。
でも、それを説明する前に、ちゃんと①②を説明しましょう。

① 憲法は固有の自衛権を否定しているのか。
判決では否定していない。というふうにはっきり言った。 つまり、日本は固有の自衛権をもっていますと、この判決は認めたんです。 自衛権は持っているけれど行使出来ないという政府解釈はここからきている

② 持っているんだったら行使するのはどうなの?という話になるが。
必要な措置はとれます。 必要な措置はとれる、これ重要です。 後で何回も出てくる。 

では、自衛の戦力は持てる? 
実は判決では判断していない。 これは今回別問題なのでという感じで。

当時自衛隊は出来たばかり、米軍は駐留していると。 日本独自で日本を守るのは不十分だという状況だったが、ではその軍事力の空白はどうするんですか?
判決は他国に求めることを禁じてはいない。 つまり米軍が駐留して、日本を守ってくれることを禁じてはいませんよという話。

では戦力って何なの?
日本が指揮権・管理権を持つ戦力のこと。 
だから在日米軍は、日本には指揮権がないので、戦力ではありません
。ということを述べているんです。

③ 米軍の駐留は、合憲なのか、違憲なのか?
一見極めて明白に違憲無効とは言えない。 言い方としては微妙ですね。

では合憲なのか? 
いや高度に政治的な問題は、司法審査権の範囲外。

つまり最高裁は、高度に政治的な問題で、かつ一見極めて明白に違憲と思われるもの以外は判断できるけれど、こういうものは判断できないというふうなことを言った。(この玉川氏の発言は、高度に政治的な問題で、かつ一見極めて明白に違憲と思われるもの以外は判断できない が正しいのでは? by schnauzer)
 
これ判決の立付けになっている。

松尾: 砂川事件で認められたという物言いは、では事実ではないということですね。
認められてはいないけど、認めなくもないということか。
玉川: その辺の理解で正しいところだと思うが。
さて、今回まず自民党の高村副総裁にお話を伺いました。 何故か? 砂川判決の話はどうも高村さんが言い出しているようなんです。 高村さんは弁護士の資格も持っていらっしゃる。
私、話を聞いてきました。 

高村氏の言い分 砂川判決は集団的自衛権の行使容認の根拠になるのか? 

玉川: 集団的自衛権の行使の問題なんですが、まず端的にお伺いしたいんですが、砂川判決が集団的自衛権行使の根拠となるものかというところをお伺いしたい。

高村: 憲法の番人が最高裁判所だ。 自衛権について最高裁判所がその法理を言っているただ一つの判決ですから、当然関係するわけです。 結論的に言えば、国の平和と安全を維持し、国の存立を全うするための措置は当然取りうると、こう言っているわけですね。

だから、それを個別とか集団とか言っていないわけですから、すべての自衛権についてこの法理は通用すると。 法理は通用すると。 こういうことを言っているんです。

(説明)
高村副総裁が指摘しているのは、判決のこの部分。
「わが国が、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない。」

玉川: 私はこの”措置を取りうる“というのは、アメリカ軍に代わりに措置を取ってもらうことは可能ですよということも、読み取れるんじゃないのか。

高村: だから法理として国の平和と安全を維持し、そして国の存立を全うするための措置だったら取りうると。 必要な措置だったら取りうると。 

玉川: それは自衛隊がということか。
高村: 自衛隊が、です。 集団的自衛権は自衛隊がやるんですよ。

(説明)
では、歴代内閣と内閣法制局がとってきた“集団的自衛権は保有しているが、
行使できない“という憲法解釈については・・・

高村: 典型的な自衛権について言えば、内閣法制局の考えは正しいんだけれども、典型的な自衛権について言えばですよ。 
ただし、十羽一絡げに、すべての集団的自衛権にあたるものもそうだよとまで言ってしまったのが、これが安保の専門家でない悲しさですよね。

玉川: 法律だけを知っている人たちのと・・・

高村: 想像力の欠如で、集団的自衛権の中にも、典型的な集団的自衛権の他にも、日本の存立を全うするために、必要最小限度のものが想像できなかったんです。
特に今みたいな国際情勢の下では、そういうものが出てきていますということを私は具体例を示して言って、それと砂川判決とで、合わせて一本で認められると、こういうことを言っているんです。

玉川: そうすると、砂川判決だけで集団的自衛権の行使ができるということが、ここに書いてあると、そういうわけではないと。

高村: 砂川判決は排除してないと

玉川: 排除をしていない・・・

高村: 排除してない以上、必要最小限度で認められるといっても、立憲主義には違反しませんね、こういうことを言っている。
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(スタジオ)
玉川: 要するに、砂川判決は集団的自衛権の行使は排除していない。 それと今政治的に集団的自衛権行使の要請がある。 両方併せて、合わせ技一本で解釈変更が出来るんだと。 そういうふうな論旨なんです。

やはり、これに反論する人がいる。 今回二人。 全国憲法研究会代表・早稲田大学法学学術院・水島朝穂教授。 もう一人、元内閣法制局長官・大森政輔弁護士に聞いています。


(2)に続く

4/3 そもそも総研「そもそも内閣法制局長官って何者?(2)

2014.04.03 20:38|そもそも総研たまぺディア
4/3 そもそも総研たまペディア「そもそも内閣法制局長官って何者?」(2)

小松長官起用のウラ 安倍総理と外務省の思惑とは?

まず、先ほどの平岡さん。 平岡さんは元々財務省から法制局に行った人だが、この人が言うには、それぞれの省には思惑があるのだと。 それは何なのか。

平岡: 外務省は、アメリカとの交渉やあるいは国際社会の中で、集団的自衛権の行使が出来たら、もっともっと色々なことが出来るな、もっと大きな顔が出来るなと言うのは当然あったのだろうと思う。 

そういう外務省の思惑と安倍さんの戦後レジームからの脱却という意味で、普通の憲法にしたいとか或いは普通の憲法の下で活動したいという思惑が一致している。

(説明)
外務省以外の省庁にも、それぞれの考えがあるという。

平岡: 自衛隊を運用する防衛省は、もうちょっと自分達の自衛隊がどう使われるのか、或いは隊員の命をどう守っていくのか、もっと慎重な考え方をもっていると思う。

それ以外の省庁ということになると、例えば財務省にしてみれば、そんなことまでし始めたら、一体どれだけ金が掛かるのでしょうかと。 特にそういう戦いで自衛隊員が死んだら一人何億かかるのだろうか。 本来の日本の国際社会における位置付けとは別に、お金の話になると相当な問題がある。

(スタジオ)
玉川: 今、3つの省の話が出てきたが、防衛省としては、隊員の命を守ることを役所としては考えるので、それがやたら無駄に失われることがあってはいけないと当然考えるわけだ。 非常に慎重な部分がある。 

財務省としてはお金の問題がある。

外務省としては、アメリカの要求に応じて集団的自衛権の行使をしたいという欲求が物凄く強い省なので、その部分が少し先走っているではないかと平岡さんは見ている。

外務省の思惑とは?

ここの外務省の部分をもう少し深掘りしたかったので、元外務省条約局国際協定課長 浅井基文氏に話を聞いた。 外務省の思惑をもう少し詳しく教えて下さいと。

玉川: 今集団的自衛権の行使ということで、総理はそれを当然前向きと。 内閣法制局長官に外務省の人がポッと来てそれを進めようとしている。 これを見た時に、どういう構図が見えてくるのか?

浅井: 結局法制局は、自衛権がある、従って自衛隊を持つこともできるというのも、本当は憲法解釈としてはギリギリだったわけだ。 そういう立場の法制局からいったら、外国と一緒になって戦争しに行くことは憲法上ありえないじゃないかということ。

(説明)
憲法解釈を行う上で、ギリギリの判断を重ねてきた内閣法制局。
一方外務省は、ある出来事をきっかけに集団的自衛権を容認へと傾いていったという。

浅井: 湾岸戦争を機にして、アメリカの対日政策が変わる。 もっと軍事力行使に積極的に加われということになるわけだ。 アメリカと一緒に海外に出て行くためには、集団的自衛権の行使は憲法違反だという、法制局の解釈がある限りできないわけだ。 だから外務省はそれを何とかしたいということになったと。 

(説明)
そんな外務省の思惑と一致する総理が現れることになる。

浅井: 歴代首相は、やはり法制局が言っていることがまともだよな、ということだったと思う。 ところが、安倍首相というのは、もともと 改憲派で、ですから彼は別に集団的自衛権うんぬんというよりも、とにかく9条を取っ払おうということだから。

第一次安倍政権の時は、改憲そのものを目指したわけだが、それがとても世論上通らないということがわかって、それではとにかく戦争ができる国にしょうということだ。
固い解釈をとる法制局とは立場は一致しない。 

対米協力の必要上、集団的自衛権の行使は違憲だという解釈を変えなくてはいけないという外務省の立場と、俺はもう本来改憲だけど、とりあえず9条を何とかしたいという安倍首相の思惑が、今、合致しているということだ。

だから、安倍首相プラス外務省 対 法制局 という構図が出来た。

(説明)
しかし、外務省と安倍総理の思惑は完全に一致しているわけではないと、浅井氏は分析する。 

浅井: 安倍さんと外務省の間に微妙なズレがある。 

総理と外務省の思惑には微妙なズレが?

浅井: 戦後吉田外交以来、やはりアメリカあっての日本だというのは染み渡っているから、要するにアメリカの政策の中で動く、いわばお釈迦様の上の孫悟空だ。 外務省というか日本は。 恐らく。 

しかし、その認識は、安倍さんは共有しない。 安倍さんは何とか日本を独立自主の国にしたいわけだから。 だから靖国神社参拝をすることによって、精一杯アメリカに対して、俺は違うぞと言いたかったわけでしょ。

安倍さんと外務省の間に微妙なズレがある。 しかし今は、一点共闘なのだ。 とにかく9条の枠を取っ払おうというところで、外務省と安倍首相は一致して、その責任をまさに託されたのが小松長官ということだ。

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だから、小松長官は必死になっているということでしょう。

(スタジオ)
玉川: つまり、アメリカのために一体何ができるか?というのが基本的な外務省の発想で、安倍総理は、日本はいずれは自主独立したいのだという思いの中の9条。 
ある意味、真反対じゃないかと浅井さんは指摘している。
今は一点共闘だ。 この構図どう見るか?

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松尾: その構図、ぼやっと理解した気分になっているが、それより何よりも、誰が小松さんをこのポジションに推したのかということを把握していないが、これだけ、つまり憲法と矛盾があってはいけない、齟齬があってはいけないということを精査しなくてはいけない、物凄く国の骨組みを見張る重要なポジションの人が、拝見していると、感情のコントロールが効かない人がついている不安を感じる。

玉川: 何で感情のコントロールができない感じになっているかは、今日見てもらったらだいたいそうなのかなと思ったと思う。

今日のむすび: 純粋な法律審査をするべき立場の人が、別の思惑で動いたとしたら、国民にとって不幸ではないか。

赤江: う~ん。 目的が真反対で、どこへ向かって行くのか・・・
玉川: 遠い先は違うが、目先は一致している。 で、共闘しましょうという感じだ。

宮田: 法制局の歴代大事にしている憲法解釈、 一貫してスジを通してきたというものがあるはず。 それは次長とかいろいろ経験しながら守ってきたもので、いきなり外部の人が入ってきて、政権と親しいかもしれない人が入ってきて、存在意義が守れるのかな?と思う。

玉川: 守ってきたというよりは、ギリギリまで広げてきた。 がこれ以上広げられないということで、一気にもっと広げようという話になっているのが構図なのではと思う。

いずれにしても、この先を見守っていかなくてはいけないと思う今日のそもそも総研でした。

(以上)


4/3 そもそも総研「そもそも内閣法制局長官って何者?」(1)

2014.04.03 20:07|そもそも総研たまぺディア
番組のコメンテータに岩上安身氏を起用するなどの変更があった、テレビ朝日、モーニングバードの木曜日は、玉川さんが内閣法制局と小松長官について深掘りしており見応えがありました。 

この安倍ちゃん政権になるまで、そもそも内閣法制局の存在など気にもとめていませんでしたから。


4/3 そもそも総研たまペディア「そもそも内閣法制局長官って何者?」(1)

玉川: 私は最近疑問で、内閣法制局という部署のトップが代わると、みんな右ならえで変わっちゃうのかな、組織としては。 否、そんなことありませんよと部下が言ったりしないのかな?ということも含めて、今回まとめてみた。

“注目の人物” 小松内閣法制局長官とは?

今回集団的自衛権容認についての問題で、(去年8月安倍総理が起用した)異例人事 小松一郎内閣法制局長官だが。
まず、異例な人事だと言われるが、異例振りってどういうことかを余り知らないので、まとめてみた。

戦後の歴代長官(パネル)。 初代から17代で、今は現職18代。
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いろいろ異例なポイントがあって、

ポイント① 今までの長官は内閣法制局内の昇進
前職を見ると、ずっと次長。 次長とは何かというと、次長とは長官のすぐ下の人で、社長、副社長みたいなもの。 すぐ下の人が今までずっと長官になってきた。 小松長官は、前職は駐仏大使。 まずここが違う。 今までずっと続いてきた部分が違う。

ポイント② 外務省出身の長官は一人もいなかった
出身の省が書いてあるが、外務省出身の長官はいない。 外務省からは初めて。

ポイント③ いきなりトップ。 今までは次長から上がっただけでなく、必ず内閣法制局内に一回いたことがある人。 絶対に経験があったが、今回は経験がない。 いきなり経験のない人が、内部昇進でない人がいきなりポンと上に来たということで異例ずくめ。 戦後初めてということになる。

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何故こんな事態になっているのかというと、物議を醸している理由は、国会内での発言だが、どんな物議なのかVTRにまとめた。

(説明)
条文解釈に関する菅官房長官への質問に小松長官が代わって答弁した際、共産党の小池議員が「憲法の番人なのだから、安倍政権の番犬みたいなことしないでくれ・・」

これに対し、その翌日、「国家公務員にもプライバシーや名誉に 関わるものを含め、憲法上基本的人権が保障されているということを申し上げたいと思います。」

この2日後、国会内の廊下で番犬発言に対し、共産党の大門議員とこんなやり取りが。
共産党 大門実紀史参院議員: 「共産党に直接抗議してほしかった」
小松: 「最初の答弁機会だったので」
この後口論になり、
大門: 「あなたはそんなに偉いのか」
小松: 「偉くはないが、基本的人権はある」

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後日、大門議員の事務所に直接謝罪に向かうが、しかし、大門議員が病気療養に専念すべきだと指摘すると、そういうことは言うべきでないと、再び口論に・・・。

3/11参院予算委員会
小松: 総理は、安全保障基本法を国会に提出するお考えではないと思います。

総理が名言していない方針について、先走った発言。 結局・・・
3/13 参院外交防衛委員会
小松: 私の言葉が足りず誤解を招いたとしたら、お詫び申し上げる。

3/20 参院予算委員会
民主党の大塚議員から集団的自衛権の定義を聞かれて、
小松: 自衛権は国際法上の概念でございますので、この定義につきましては、外務省からお聞き取り願いたいと思います。

憲法解釈の専門家である長官は、集団的自衛権の定義について答弁を拒否してしまった


(スタジオ)
玉川: 何かよくわからない。 口論が多いとか、基本的人権、確かにそういうことを考える部署ではあるが、ここで使う話なのかということも含めて、国会内でどうもぎくしゃくしていると。
私から見ると、物凄く必死になっている感じに見える。 どうしてこのなに必死になっているのかと、国会を見ていて感じる。

”法の番人”内閣法制局のお仕事とは?

この先、入っていきたいのが、そもそも内閣法制局とはどういう役所なのか?

組織図によると、次長の下に第一部から第四部まであり、そして長官総務室がある。 
この第二部から第四部までは、各省庁から法案が上がってくる、各法というが、内閣が提出する法案を審査する。 それが整合性がとれているかとかをやるところ。 

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第一部は、総理や各省庁に対して、憲法の解釈や法律問題について助言をする部門。 
ここが今回ポイントになっている。
つまり、いわゆる憲法の番人と言われるが、本当は裁判所が憲法の番人だが、そう言われる理由のひとつは、憲法解釈を主にやっている部門があるから。 
こういう組織の中でトップだった元内閣法制局長官 阪田雅裕氏に、どんな組織かを含めて聞いた。

玉川: 内閣法制局という役所だが、何人ぐらいの役所か。
阪田: 霞ヶ関の役所としては、とても少ない方だと思いますけど、80人足らず。

(説明)
内閣法制局の定員は、現在77人。 法案をチェックする部署や、憲法解釈などを行う部署もある。 法令審査権限を持つ参事官は現在22人で、各省庁の課長級以上の出向者で構成されている。

玉川: 憲法の審査に関わっているのはどんな部で、何人くらいか?
阪田: 憲法の解釈を担当しているのは、第一部の参事官数人。 それから第一部長がその職務にあたる。
玉川: 憲法解釈をもっぱらやっている人は、参事官数名とその上の3人(長官、次長、部長)ということか?
阪田: そうだ。
玉川: 仮に阪田さんが今、第一部長や次長だとして、長官が「今までの政府見解の解釈は変えるのだ」と「変える方向で君ら検討してくれ」と言われたとしたら。
阪田: それはそういうふうに一生懸命考える。
玉川: 考えるとして、それは出来たと思うか?
阪田: 私は出来ないかなと、今思うが。
玉川: 出来ないと思った場合はどうするか?
阪田: それは「色々考えたが、難しいですね」と、申し上げるということだと思う。

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玉川: 総理から「やれ」と言われたことだが、「色々考えたが、ちょっと出来ない」ということがあり得るということか。
阪田: それはあり得る。 そういうことがないと言うのだと、法制局の権威みたいなものがもたないわけだから、後々これが正しいのだということを、国民、直接には国会にだが、説明するという役回りを、当然長官や部長が負うわけだから、きちんと説明できる自信がないと、「やっぱりそれは無理だ」と申し上げるしかない。

(説明)
法案が合憲か違憲を判断するだけでなく、法律成立後に発生する事態についても、十分顧慮しなければならないと、法案審査を行っていた元内閣法制局の参事官の平岡秀夫氏は言う。

平岡: 自衛隊が集団的自衛権の行使という枠組みの中で、海外で戦争をするという事態が起こったときには、これに対する訴訟が何らかの形で起こり得る。
その時に、最高裁が、憲法に適合しているかどうか判断する最終的な有権解釈の権限をもっているわけだ。

だから裁判所で争われた時に、ちゃんと憲法違反でないと言ってもらえるかどうかを、法制局としてはしっかりと考えてやらなくてはいけない。

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(スタジオ)
玉川: これまでの中で二つわかったのは、ひとつは、長官が何か言ったとしても、その下にいる人達が出来ない場合には、「出来ないものは出来ません」とちゃんと言うでしょうと。
それから後半の話は、結局法律が出来た後の話も考えなくてはいけないと。 

つまりその法律が出来て、例えば自衛隊が海外で戦闘に巻き込まれ、若しくは戦闘で自衛隊員が負傷したり、亡くなることは想定出来る。 

その時に、遺族らが訴えを起こし、あの法律があったから行ったが、あの法律は憲法違反ではないかと言われたときに、憲法違反ではありませんとちゃんと裁判所に対して主張して、裁判所がそれを認めるかどうかまで考えて作らなければいけないのだという話。

次に、この背景が気になった。 

つまり、今の内閣法制局はずっと同じ考えを持ってきたのに、そこに外務省からトップだけ連れて来て、今いろいろやろうとしているが、どうもぎくしゃくしていると。 

この今の構図というものの背景に一体何があるのかが気になって二人に話を聞いている。

(2)に続く

3/13 そもそも総研「そもそも原発再稼動といっても、事故が起きたら即避難出来るのだろうか」(2)

2014.03.14 10:59|そもそも総研たまぺディア
伊方原発のお膝元で大きな地震がありました。
伊方だけでなく、上関、島根原発、玄海原発、川内原発でも揺れがありました。
これで再稼働をするって・・・・・?




3/13 そもそも総研たまぺディア「そもそも原発再稼動といっても、事故が起きたら即避難出来るのだろうか」(2)


柏崎刈羽を抱える泉田知事の重要な指摘

玉川: 環境経済研究所が、30キロ圏のすべての人が避難するのに、どれくらい時間がかかるか試算をした。 柏崎刈羽の場合29.5時間かかると。 メルトダウンが始まってから約30時間かからないと、30キロ圏内の避難が終わらないということだが、この結果をどう受け止めるか。

泉田: いろいろな事態があるので、ひとつの試算というふうに受け止めている。
2007年の中越沖地震とか、2004年の中越の地震を経験した感覚から、そんなに早く避難出来ないだろうと。 この試算は、道路が使える前提だが道路が使えなくなる。 段差ができたり、実際に東日本大震災のときも渋滞して動かなかった。 あれと同じ。 そもそも緊急自動車が3時間経っても、辿りつかないというように動かなくなってしまうことがある。
動く前提で立てても、なかなか難しい。 そもそも高速道路も復旧するのに時間がかかるので、緊急自動車も含めてすぐ通るというほど甘くないだろうと思っている。 加えてここで雪が降っていたりしたら、もっと時間がかかるということになる。
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(スタジオ)
(皆で、確かに・・・)
玉川: そんなものでは済みませんと。 さっきの試算でも、柏崎刈羽では29.5時間だったが、知事がこんなに早く終わるわけないと言っている。

羽鳥: 凄く小さく書いてあるけれど、括弧の中が大事だ。 すべての道路が使える場合として・・・。 それ凄く大事だ。
(皆で、本当だ・・・)

松尾: 原発がぶっ壊れるほどの大きな災害が起きている時に、道路が健全な状態で使えるなんてことは逆に想像しにくい。

玉川: どれぐらいの道路が使えなくなるかというところまで要素として入れたら、非現実的になってしまう。 既に非現実的だと思うけれど。
ただ、最初に言ったように、政府は規制委員会が適合と言ったら動かすと言っている。
新潟の柏崎刈羽原発も動かすと言ってきたらどうしますか?と知事に聞いている。

玉川: 仮に規制委員会が、審査に適合しましたよと、新潟の原発は規制をクリアしたので、政府が動かしましょうとなった時にどうするんだと。


規制基準が世界最高でない理由

泉田: 意味がないのだ。 そもそもこの規制基準というのが、世界最高基準になっていない。 世界最新の原発は、メルトダウンするという前提で、メルトダウンした後、放射性物質を出さないようにコアキャッチャーが付いている。 日本はそれが付いていない。
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(説明)
コアキャッチャーとは、原発がメルトダウンした場合に備え、炉心燃料を閉じ込めて冷却し、放射性物質の拡散を抑える装置のこと。 フランスなど海外で建設中の原発には、コアキャッチャーが付いているが、日本では導入されていない。

泉田: よく私、線香花火に例えるが、線香花火で火事を起こさないためには、バケツを下に置いて、花火をする。 そうすると万が一落ちても、ジューっていって止まるじゃないか。 日本は足の上で線香花火をやっているようなもの
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規制委員会が法律上の責務を果たしていない

(説明)
原発の規制基準そのものが不十分だという泉田知事。
更には、規制委員会の姿勢に問題があると指摘する。

泉田: 規制委員会は、安全基準は作るが、再稼動するかどうかの判断には関与しないと言っている。 だから無責任体制になっている。 規制委員会は法律上・設計上は、各役所に勧告権を持っている。 安全を確保するためにというミッションを背負っている。 それをやっていない。
やらないで、機器の性能と断層だけ見て、適合しているかどうかを判断したいということをやるから、話がおかしくなる。

玉川: 要するに、勧告権があるのだから、法改正だってちゃんとやらなければいけないと本当は言えるんですね。

泉田: 勧告すればいいのだ。

玉川: シミュレーションだって、国でちゃんとやりなさいともしかしたら出来るかもしれない。

泉田: そういうこと。 結局、田中委員長が会ってくれない最大の原因は、答えられないからということしかないと思う。 そうでないと会わない理由がない。

玉川: 会えないんですね。

泉田: 会ったら説明出来ないからでしょう。


(説明)
規制委員会は、法律上の責務を果たしていないと主張する泉田知事。 その中には救助する側の命と安全にかかわる問題もあると言う。 一体それは・・・


原発事故中に、誰が人々を救助に行くのか、それを命令するのは誰なのかが決まっていない

泉田: 放射性物質が放出されている時に、誰が行ってくれるのか。 消防でチーム作って行くということになると、その消防で行く人はかなりヘビーな被爆をする可能性があるので、そういう調整をしなくてはいけない。 ここのところが法令は手付かずだ。

民間が行くのか、自治体の職員が行くのか、それとも国の組織にそういうレスキュー隊を作って行くのかというところを、2年以上前から議論してくれと言っているが、答えがないまま進んでいるので、これはきっちりやってほしいと思っている。

(スタジオ)
玉川: これどうですか、泉田知事の話。

松尾: 田中委員長が会ってくれないというのが、意味がわからない。

玉川: つまり、泉田知事が再三面会を求めているが、ところが会ってもらえないそうだ。

赤江: ただでさえ地震国なのに、何故コアキャッチャーを付けないのか?

玉川: コアキャッチャーを付けるためには、作り直さなければならない。 炉の下に入れるわけだから、可能かもしれないが莫大なお金がかかる。 たぶん新しく作ったほうが安いだろう。 だけど、世界はそういうふうに使うということなら、そっちの方向に動いている。

松尾: 新しく作るとなると、反対されて身動き出来とれなくなるから、あるものを動かしてしまえということなわけか。

玉川: 逆に言えば、これぐらい時間がかかると。 今日もしかすると、実質的な基準適合第一号となるかと思われている川内原発でも、30キロ圏内の人が避難するのに丸一日くらいかかるという試算が出ている。 どうするのか? 逃げられる人はいいが、病院にいる人、介護受けている人、家で一人暮らししているお年寄り。 こういう人たちは、歩いて避難は出来ないわけだから、バスなりで迎えに行かなくてはいけない。 その時に、中心部に向かって、誰が行けって、誰が命令出来るのか。 そういう法律になっていない。
誰が行くんだと。 そういうことが解決していないという状況だということ。
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高木: もし今度事故があるとすると、2回目になる。 1回目の時に、事故調査委員会が発表した時に初めて、実は全電源喪失から4時間以内にメルトスルーが起きていて、放射能が漏れていたということを聞かされたわけだ。 その記憶が残っている。 今度原発事故が起きたら、たぶん人はまた漏れているはずだという判断すると思う。 政府が漏れているとか漏れていないとか発表があろうがなかろうが、一斉に自主的にワァーと行動する心情が働くのではないかと思う。 

玉川: 当然の心理でしょう。

高木: そうすると、今の計画が、ただの計画倒れで、絵に描いた餅で、とてもコントロール出来なくなる可能性のほうが大きい気がする。

玉川: 実は、経産省に、再稼動することになるとするとここが所管になるわけだ。 それから規制委員会と、両方にどう考えているのかを聞いている。

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「過酷事故が起きた場合、被爆せずに避難することは出来ないというと考えられるが、それでも原発が再稼動させて問題ないと考えますか?」

経産省: 原子力規制委員会に聞いてください。
原子力規制委員会: 回答する時間が足りずお答えできません



本来は、所管する経産省が答えなければいけないところ、原子力規制委員会に丸投げしている。

今回取材して思ったが、もし事故が起こったら、誰一人として被爆をしないで逃げられる体制が絶対に必要だと思う。 ところが、被爆しないで逃げられるのかとやってみると、非常に難しい。 道路事情を考えても。 そうすると、避難出来るということを再稼動の前提に入れてしまうと、たぶん動かせる原発なくなってしまうのではないかと。

こういうことがあって、規制委員会は基準だけやっているので再稼動に関しては関係ないと、政府は再稼動するかは規制委員会の判断で決めるからと、お互いにこういうことやっている。のではないか。

本日のむすび: 十分な避難計画なしに、政府は本当に再稼動を認めるのだろうか

私は非常に疑問だ。 本当に動かすのですか?という今日のそもそも総研でした。

(以上)



3/13 そもそも総研「そもそも原発再稼動といっても、事故が起きたら即避難出来るのだろうか」(1)

2014.03.14 00:00|そもそも総研たまぺディア

原子力規制委員会は13日午前の定例会合で、九州電力の川内原発1、2号機について、今後、優先的に審査を進めることを決定した。

規制委の田中俊一委員長は、対象となった原子炉は審査合格の見通しが立ったものとの認識を示している。同1、2号が新規制基準への適合性を認められて再稼動する初の原発となる可能性が高まった。(中略)

鹿児島県の伊藤祐一郎知事も、「再稼働した上で、今後のエネルギー政策を考えるのがベスト」(1月末の記者会見)などと発言、再稼働を容認する姿勢を示している。川内原発が再稼働一番乗りとなる上で、大きな障害は見当たらないのが現状だ。 (3/13 ロイター



3/13 そもそも総研たまぺディア「そもそも原発再稼動といっても、事故が起きたら即避難出来るのだろうか」(1)

玉川: 実は今日にも規制委員会が、規制適合第一号が決まるかもしれないという状況になっている。 安倍総理は、11日の一日前、10日の会見で、「原子力規制委員会の審査で適合と認められた原発は、再稼動を進める方針」と改めて仰った。

結局、規制委員会が適合だと言ったら動かしますよ、ということだが、さてこれで本当に大丈夫なのかという話。

今回のテーマは、事故が起きたとする。 事故が起きないということは言えないわけだ。 安全神話がなくなったので、事故が起きるという前提に立たなければいけないと思う。

では事故が起きたとして、被爆しないで逃げることが出来るのかどうか、が今回のテーマ

避難計画は、そもそも誰がどういうふうに作るのかというところから入りたい。

国は指針を策定している。 2段階になっていて、原発から半径5キロ、半径30キロと2つに分けている。 まず、5キロ以内の人が避難しなさいと。 それが終わったら、30キロまでの人も避難しましょうと。 つまり、5キロ圏内の人の避難が終わるまで、ここからここまでの人は待っていて下さいということ、家の中で。


そもそもこれが可能なのかという気がする。
(スタジオの全員で、現実的でないと。)

この計画はどこが作るのか。 国が作るのかというと、国ではない。
30キロ圏内に入っている市町村が作る
ここまでまずおさえた上で、今回話しを聞いたのが、環境経済研究所 上岡直見代表。 全国にある原発に事故が起きて放射能が漏れ出した場合、30キロ圏内の人が避難するのにどれくらい時間がかかるかを試算してみたら、はいVTR.

30キロ圏内の人全員が避難するのにどれくらいかかるかの試算―浜岡で60時間

玉川: 今規制委員会が、原子炉に関しては世界最高水準の規制基準だということで、再稼動に向かっているが、本当に再稼動しても、被爆しないで大丈夫なのかということだが、いかがか?

上村: 福島であれだけの事態が起きたわけだから、これからは最悪事態が起こりうるという前提で考えなければいけないということだ。 
結論から言うと、全国どこの原発であっても、30キロ圏内の人は、被爆をしないで避難することは不可能であるという結論が出た。

玉川: 仮に全電源喪失からメルトダウンで、30キロ圏内に(放射性物質が)到達するのにどれくらい時間をみればいいのか。

上村: これは想定によって違うが、最もシビアな場合、全電源喪失から2時間ないし3時間くらいのところで放射性物質の放出が始まると。 それから気象条件によっても違うが、それが住民に到達するのには1~2時間後ということになる。 だから、全電源喪失から少なくとも数時間位のところで、放射能が来てしまうということだと思う。

玉川: そうすると、数時間で避難しなくてはいけないということか、逆に言えば。
30キロ圏内の人が避難するのに、どれくらいの時間がかかるのかという話だが。

上村: 例えば、一番多いところで言うと、浜岡原発が一番時間がかかる結果になったが、上手くいっても60時間位という結果が出た。

玉川: 30キロ圏内の人がすべて避難するのに60時間かかるのか。

上村
: そういうことだ。

(説明)
また東京電力が、今年夏の再稼動を目指している、新潟県の柏崎刈羽原発では・・・

上村: 約30時間。

玉川: 30時間。 では今、東京電力が柏崎刈羽を再稼動させたいと言っているが、新潟では30キロ圏内の避難に丸一日以上かかってしまうといことになる。

上村: そういうことになると思う。

(スタジオ)
この試算の結果が驚くべきものだった。 被爆しないで、30キロ圏内の人が避難できる原発はない、という試算結果が出たということ。

羽鳥: 人口とか道路状況とか、逃げた時の渋滞とか、いろいろ考えたら、全員避難するのにこの時間かかると。

玉川: まず時間を見てほしいが、(浜岡)63時間というのは、ほぼ3日間ということだ。 人口が多い所は(東海第二で52時間)かかることと、道路事情によっては人口がそれほど多くない所(島根で45.5時間)でも、これくらいかかると。

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これが、本当かということだが、実は道や県で独自に試算をしているところがあって、それと比べてみると、条件は多少違うが、一番似た条件に合わせて比較すると、(泊原発)10時間に対して、北海道の試算は12時間45分に、(志賀原発)14時間に対して、石川県が14.5時間。 (伊方原発)9.5時間に対して愛媛県9時間となっていて、数字には違いがないことがわかってもらえると思う。

玉川: 皆さん疑問に思っているのは、何故そんなにかかるのかという話を聞いている。


玉川: どうしてこんなに避難に時間がかかってしまうのか。

上岡: 地域に住んでいる人が一斉に避難することになると、その地域に存在している車が一斉に動き出すことになるわけ。
これは福島の実態でも、福島はいろいろ情報の混乱もあったが、大体体験談を聞くと、普段だったら15~20分で行けるところを5~6時間かかったということだ。

玉川: 何でそんなに時間がかかったのか。

上岡: 道路というのは普段通行する交通量に合わせて作っているわけ。 その地域の車が一斉に動きだすというようなことは元々考えていないわけで、当然道路が足りないということになる。 簡単に言えば渋滞がということになる。

(説明)
上岡氏の算出した避難時間は、各原発から30キロ圏内の道路の本数、地域の人口を元に試算している。

玉川: 今政府は避難出来るという立場だと思うが、何故避難出来るという話になるのか?

上岡: 避難出来るとは言っていない。 計画を立てなさいというところで留まっている

玉川: 実際計算してみたら、とてもじゃないけれど逃げられないことになったとしたら、では逃げられないということ。 これでいいのか?

上岡: 日本の場合、避難計画の実現性が再稼動の条件に法律的になっていない。 避難計画と再稼動は関係ないということになる。
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(スタジオ)
玉川: 30キロを歩いたって63時間もかからないではないかと思う人もいると思うが、これはあくまですべての人が避難するということ。 歩けない人も車で移動しようとしても、道路が人口の割に少ないということになれば、ずっと渋滞している。 車でしか動けない人は、避難出来ないことになり、全員避難するためにはどうしてもこのくらいの時間がかかる場合があるということ。

高木: 車が渋滞で使えないなら、他にどうやって避難したらいいのか、歩いていくのか、他の方法があるのかという想定があるのか。

玉川: 実は避難計画を立てている自治体もある。 135市町村が関係する自治体で、そのうち策定しているところは43%ある。
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どういう計画かというと、どうやって病院の人を避難させようかとか、一般の人は避難場所をここにしましょうとか、そういうことは勿論考えているが、それが全部終わるまでどれくらい時間がかかるのかをやっているところはあまりない。 つまりシミュレーションが必要になるので、そこまではいっていない。 本当は、そこにどれくらい時間がかかるのかということが大事なのだが、そこまで行き届いている状況ではない。

不思議なのは、そういう状況で動かしていいかどうかというと、今の法律では、規制委員会はそこまで考えていない。

松尾: 原発の技術とか安全性に関する規制をしているだけで、どういう優れた避難計画が出来ているかなんていうことは全然別の問題だ。

玉川: というか、責任が両方にないみたいな感じだ。 規制委員会としては、原子炉の施設が安全かどうかはやりますよと。 適合しているかだけはやりますと。 動かすか動かさないかは政府がやりますと。 政府は、規制委員会がOKと言ったら動かしますよと、ボールの投げ合いになっている。 こんな状況で本当に大丈夫なのかと、新潟県の泉田知事に、こんな試算が出ているが大丈夫かと話しを聞いてきた。

(2)に続く

3/6 そもそも総研「そもそもウクライナの問題は日本にどう影響するのか?」(2)

2014.03.06 22:42|そもそも総研たまぺディア
3/6 そもそも総研たまぺディア「そもそもウクライナの問題は日本にどう影響するのか?」(2)

〈ウクライナとアメリカの繋がりとは〉
高木: すべてのニュースで、ロシアにとってのウクライナとかEU にとってのウクライナは語られるが、ウクライナそのものの特徴とか、ウクライナそのものの国力とかが、きかれないが。

寺島: 大切な質問。 穀倉地帯として農業国家としての力があるが、実は大変な技術力を持った国だ。 森繁久弥の「屋根の上のヴァイオリン弾き」というのを思い出すと思うが、あれはウクライナが舞台だ。 つまりユダヤ人の層が多い。 

キエフ工科大学というのがあるが、ここが集積した技術というのは、例えばソ連がアメリカよりも早く人工衛星を打ち上げているが、宇宙工学とかチェルノブイリがあったことでわかるが原子工学だとか、大変な技術基盤を持っている。 それがひとつの関連性で言うと、ユダヤ人の層が厚いということが、ウクライナの特色でもある。

玉川: ではアメリカが何故動けないのかという話に行きたい。どういうことか。
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寺島: それは正にアメリカに、ウクライナ系ユダヤ人という人達が100万人くらいいると言われている。 それがアメリカと深層底流で繋がっている部分でもある。

何故動けないかというと、話は違うが、要するに、アメリカが今置かれている状況、つまりイラクからの撤退、アフガンからの撤退、そしてオバマ政権になって中東から引き下がらざるを得なくなって、かつて冷戦が終わった頃3000億ドルだった軍事予算を7000億ドルまで増やしていたが、またこれからどうしても抑えていかなければ財政が成り立たないところまできていて、お金がないという意味において、世界の警察国家として世界中の紛争に関与できるような余力がないということ。 

それから議会で、国民の合意形成が出来るかということを考えると、とてもじゃないけれどウクライナ情勢にまで軍事介入出来る余裕がない、ということがひとつの大きなポイントだと思う。

玉川: よく言われているのが、オバマさんが外交が下手だとか、実力行使出来ないのはオバマ政権の弱体化だとか言われているが・・・

寺島: まあそういう批判も現実にアメリカの中であるが、だけど現実に考えた時に、アメリカが世界に戦線を開いていける状況ではないから、シリア問題でも、プーチンに手玉を取られるような・・・。 

今アメリカにとってロシアは悩ましい。シリアにしろアフガニスタンにしろ、今後セツルダウンしていかなくてはならない、落ちかせていかなければいけない時に、常にロシアというカードのある程度の協力みたいなものがないと、進められないというジレンマがある。


〈日本への影響は〉
玉川: では次に日本への影響はどうなんだということで、3つキーワードを挙げてもらった。 1.エネルギーの問題 2. 集団的自衛権の行使  3.尖閣の問題

1.エネルギーの問題
寺島: 日本にとって悩ましいのは、ロシアとの関係がここのところ非常に好転してきている。 中国、韓国との関係がささくれ立っているのに比べて、ロシアとの関係がいいということがある種の救いみたいになっている。
P1040342-s.jpg2012年に野田さんから犬好きのプーチン氏に送られた秋田犬「ゆめ」は、可愛がられているようですね。 安倍氏は犬が苦手そうでした。by schnauzer)

その理由はというと、エネルギーで、もう既に去年日本の原油とLNGの輸入の1割がロシアから来るようになっている。 それは中東に過剰に依存してきた日本が、エネルギーの供給源を多角化しようというと、現実の選択肢として目の前にあるのはロシアに依存していかざるを得ないという構図がある。 

シベリアパイプラインがシベリアに辿り着き、サハリンのLNGのプロジェクトが稼動してきて、今後日本にとって2020年、あと5、6年だが、日本の化石燃料、原油とLNGの2割がロシアから来る時代が来るだろうと、今テーブルに乗っているプロジェクトを積み上げるだけで、そういう状況が来ている。

ところが、もしロシアが軍事行動などして、それに対して世界が制裁するだとか、アメリカが制裁って言ったら、まずロシアの原油を買うなとか、イランの原油を買うなと言ったような圧力が起こってくると思う。 そうなると今G8で、ロシアを除くG7が結束してロシアに圧力をかけていかなくてはいけない状況で、日本だけが外れるのは難しい。 だからと言って、日本は折角仲良くなってきたロシアカードを大事にしなくてはいけないという思惑もある。

ですから、安倍さんは、西欧、アメリカのリーダーがソチオリンピックの開会式に出て行かないのに、安倍さんだけが無理しても出て配慮しているという力学に対して、さてこのエネルギー問題に対して、この展開如何によっては、大きな影響が出ますよということをしっかり見ておかなくてはいけない。 これがまず1点目。

羽鳥: パラリンピックに政府関係者を出そうとしている。

寺島: ギリギリの配慮ですね。

玉川: 集団的自衛権と尖閣の問題。 これはどういうことか。

2.集団的自衛権との関係
寺島: まず集団的自衛権ですが、アメリカと運命共同体的になって、アメリカの戦争に一体になって関わる。 それは日本にとっては北朝鮮とか中国を視界に入れているから、すっとその議論に引き寄せられるけれど、アメリカが世界で展開していく軍事的な紛争などに、集団的自衛権ということになると、日本は嫌でも片足入れたことになる。 

例えば、極端な例になるが、もしクリミヤ半島情勢がこじれて、アメリカとロシアが直接、軍事衝突することになったら、日本の米軍基地が全くこれに関与しないことはあり得ない。 

ユーラシア大陸を睨んで、沖縄の基地も、アメリカが日本列島全土に展開している基地も、一番北限は三沢の通信基地ですが、例えばロシアが、自分達の行動を監視してくる基点になっている三沢基地を攻撃しようとした時に、日本が集団的自衛権と一体になっていることは、ロシアにとっては好都合で、要するに自分で集団的自衛権と言っているんだからということで、踏み込んでくる、そういうカードを引くことを考えなくてはいけない。

玉川: 要するに口実に使われる・・・。

寺島: 集団的自衛権というのは、非常に難しい議論で、例えば、ロシア絡みで、ある種の因縁を感じるのは、ロシア革命の後に、日本がシベリア出兵というのをやります。あれも実は、集団的自衛権を根拠に動いたわけだ。 当時英国との同盟関係を理由に。 

ですから、そういう意味において、集団的自衛権というのはいろんな形で使われるのだなと。 そういうことを深く考えて、日本の自立した判断というものが非常に問われる、これからの世界においては。 これをちょっと考えておかなくてはいけない。

玉川: これどうですか。 そんなこと関係あると思っていましたか。

羽鳥: 今、聞くと関係あるんだなと・・・。
松尾: 間接的にあるんだなとぼやっと思っていたが、こんなに直接的に関係があるとは意外だ。

3.尖閣との関係
玉川: 更に、もうひとつ直接というと、尖閣の問題だが、これが関係するのかと・・・。
羽鳥: きっとお話聞いたらなるほどとなると思う。 これ尖閣はどう関わるのか。

寺島: 尖閣の問題は、要するにウクライナ問題を中国がどう見ているかということ。 息を呑むように沈黙している。 つまりアメリカがどう動くんだろうと

玉川: 要するに、アメリカがどう動くのかを見ている。

寺島: 一種のウクライナに対する配慮で、EUと一緒になってNATO軍として介入して行くんだろかということを、じっと見ていると思う。

ところが、グルジアでも見せたように、動けないし、動かないということになれば、例えば尖閣問題のような領土権をめぐる問題について、アメリカは動けるかと睨んでいるから、つまりそういう意味において物凄く微妙な問題だ。 

玉川: つまりロシアを中国に置き換えると、クリミヤが尖閣になると。

寺島: しかもこれはあまり報道されていないが、2/10に在日米軍の最高司令官が共同記者会見、これは電話会見だったが、その話の中に、日本人としてはおっと考えなければいけないことを答えている。 

それは何かと言うと、もし中国が尖閣列島に軍事力を行使したら、その時米軍はどうするのかという質問に対して、複雑な答え方をしているが、一言でいえば、直接介入はしないと言っている。 二つの国の当事者が話し合ってほしいと。 よく我々もクリミヤ問題なんていう時に、当事国が話し合いで解決してほしいという類のスタンスに近いことを言っている。 つまりその事って考えさせられる。 つまり、アメリカのこの種の地域紛争に関する関与の仕方が、アメリカが世界の出来事に関与できる力を失っていることを前提に、我々自身も考えていかなくてはいけない。

玉川: これどうですか。
羽鳥: クリミヤ半島がモデルケースになるということ。 寺島さん、どう進んでいくのが理想的だと。

寺島: だから外交で解決しようと。 それがだめなら経済制裁だとアメリカは構えていると思うが、今の交渉で一番注目しなくてはいけないのは、クリミヤ半島に関して、妥協するのかどうか。 つまりクリミヤが住民投票の結果、独立自治国として親ロシアとしていきたいという選択をした時に、あんたがコソボでやったと同じことではないかと言われてどう言い返せるのか。 それに対してどう構えて、だから、一番の注目点は、クリミヤ半島がどうなるかをじっ睨んでいれば、次の展開が見えてくると思う。
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玉川: 世界中の出来事が全部日本に関わっているのだと、今回でもわかる。 クリミヤ半島がどうなるかが、日本の将来に正に関わってくるというふうなことはわかった。

寺島: かつてここでヤルタ会談があったわけです。

玉川: クリミヤ半島、ウクライナ情勢を、我々もちゃんと見ていかなければいけませんよと思う今日のそもそも総研でした。

羽鳥: 寺島さん、ありがとございました。

(以上)





3/6 そもそも総研「そもそもウクライナの問題は日本にどう影響するのか?」(1)

2014.03.06 21:47|そもそも総研たまぺディア
わかりにくいウクライナ問題の入門書として、それからクリミヤ半島が日本にどう影響するのかを玉川氏が分かりやすくまとめてくれました。 現実的な寺島実郎氏の指摘も示唆に富んでいました。
寺島氏の生講義でよく話してくれたので、分量が大変!!

3/6 そもそも総研たまぺディア「そもそもウクライナの問題は日本にどう影響するのか?」(1)

玉川: ウクライナ情勢、皆さん緊迫していることはわかっているけれど、一体何が起こっているんだと。 日本にどう関係があるのかちょっとわからない部分があったので、今日は急遽このテーマをやるということで、ゲストは日本総合研究所 寺島実郎さん
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寺島さんは、私が紹介するのもあれなんですが、実はウクライナに非常に詳しいということを今回初めて知った。 実は、経団連の日本ロシア経済委員会ウクライナ研究会委員長をされていて、車椅子で牢獄から出てきたティモシェンコ元首相にも何回か会っているということです。

〈ウクライナという国〉
まず最初に簡潔に伺いたいが、このウクライナの問題は日本に関係がないと思っている人もいると思う。 僕もウクライナってチェルノブイリがあることくらいしか知らないから。

寺島: 非常に歴史的にも因縁がある。 一言でいうと、このウクライナがヨーロッパに近づいて行くのか、ロシアに回帰するのかによって、ユーラシア大陸の地政学が変わるというくらい大きなインパクトがある。 それが日本にとって、後で話さなくてはいけないが、エネルギー問題を含めて大変大きな意味がある。


歴史的にも、実は大鵬という有名な相撲取りのお父さんがウクライナ人だったということもあって、日本人は白系ロシア人と言っているが、実はオリジンはウクライナの人。
極東ロシアに600万人のロシア人がいると認識しているが、その半分は過去の歴史的ないきさつがあって、ウクライナから来た人達だ。

玉川: 次へ話しを進めていこうと思うが、まずウクライナの場所を確認するが、ロシアに隣接してヨーロッパの中の一部だが、ルーマニアとかポーランド、ハンガリーとかと国境を接している国。
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それでこの中がちょっと複雑になっていて、実は西半分はヨーロッパ、親EUであり、東側はロシアと親しい。今回軍事介入したクリミヤ半島も非常に独特の問題がある。
まず歴史に関して、拓殖大学海外事情研究所の 名越健郎教授に話を聞いた。

玉川: ウクライナはどんな歴史を持っている国か。

名越: もともとウクライナもロシアも東スラブ系で、10世紀に出来たキエフ公国という同じ国を構成していた。 もともと同じ国だった。 それ(13世紀)以後ウクライナが独自の文化を持つに及んで、ウクライナ人というものが出てきて、ウクライナはずっと(帝政)ロシアに併合されていた。 1991年のソ連邦崩壊で初めて独立国家を作ったということ。

(説明)
ロシアとウクライナはもともと同じ国だった。 しかし言語や文化などは異なっていた。ソ連時代には、スターリンがウクライナに重工業地帯を作ったことでロシア人の入植が進んだ。 今でもウクライナ東部には、ロシア系住民が約1000万人近く暮らしていると言われている。

玉川: よくニュースで聞くのは、東の方にはロシア人がいて、西の方はウクライナ人だというが・・・

名越: そうです。 入植が進んだということ。 東部と西部では、文化も宗教も言葉も違う。 西部・中部ではウクライナ語だが、東部ではロシア語が話されている。 東部はロシア正教、西部はむしろカトリックの影響力が強い。
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〈クリミヤ半島とは〉
(説明)
そして、ウクライナ南部に位置し、今回ロシアによる軍事介入が行われたクリミヤ半島は、ロシア系住民が人口の6割を占め、ロシアへの編入を求める声も少なくないという。

玉川: 問題になっているのは、中でもクリミヤ半島という所だが、ここはどんな歴史なのか。

名越: クリミヤ半島は18世紀にトルコとの戦争で、ロシアが奪った土地
しかし、ロシア人は固有の領土だと思っている。


(スタジオ)
玉川: ということで、簡単におさらいしたが、まず何故こんな状況になっているのかを解説してほしいが、ウクライナ側の思惑とロシア側の状況があると思うが、まず何故こうなっているのか。

寺島: 直近の状況で言うと、筋道が見えてきた。 クリミヤ半島だ。 クリミヤ半島は今トルコからという話があったが、1954年わずか60年前にロシアからウクライナに管轄が移管された。 当時はソ連という枠組みの中だったから。 わずか60年前。 

ところが、クリミヤ半島の先にロシア黒海艦隊の基地があるわけだ。 親EUの政権の時には基地の延長にためらっていたものが、親ロシアの政権を軸にして、このヤノコビッチ政権のときに25年租借を延長した。もし新たに親EUの政権ができたら、ロシアの一番の懸念は、この黒海艦隊というロシアの基幹艦隊の基地がひょっとしたら租借出来なくなるのではないかと。 

ここで見えてきたのは、今月30日にクリミヤ半島で、住民投票をして、6割が親ロシアだから、投票がみえている。 そうするとクリミア半島の分離独立をロシアは本音として実現しクリミヤ だから、軍事的にもウクライナの軍隊に圧力をかけて、クリミヤ半島を独立させた自治国家の軍隊に投降するなら許容するよという形で圧力をかけている

ですから、キーワードは正当性。 要するにウクライナから見れば、クリミヤ半島を奪いとられるような分離独立の投票はけしからんと思うが、ロシアの論理からすればアメリカがコソボでやったではないか。 住民が分離独立したいといっているのだから、それが正しいじゃないかというロジックで、クリミヤ半島だけは親ロシアの政権で黒海艦隊を安定させたいというのが、まず第一段階の本音だと見るべき。

〈何故ロシアにとってクリミヤ半島が大事なのか〉
玉川: TV見ている人はわからないと思うが、何故ロシアは、クリミヤ半島にロシアの海軍基地があることが大事なのか。

寺島: それは黒海がイスタンブールに流れ出て、地中海に行けるということ。 分かりやすく言えば、ロシアにしてみれば世界に繋がっているということ。 バルト海と、南の黒海と、我々が面している日本海・ウラジオストックというのが、ロシアの3つの出口なわけだ。 この出口はロシアにとって正にハート、中心なわけだ。

玉川: ここを通って、ボスボラス海峡を通って、地中海に行くと、南の海にはどこにでも行けると。 西側と、ここと、極東と、世界に出る場所があって、ここは物凄く大事だということ。

寺島: 正にハートランド・ロシアを押さえているという問題意識があると思う。

松尾: 江戸時代にウクライナかどこかの船が伊豆あたりまで来て難破して日本人が助けたとか・・。

寺島: つまり、僕の故郷北海道と極東ロシアが相似形になっている。 何故ウクライナ人が極東に多いかというと、北海道に開拓移民という形で屯田兵を送り込んだと同じように、19世紀に6万人のウクライナ人を海路でウラジオストックに入植させている。 それがそもそもウクライナ人が極東に多いという理由。

松尾: ウラジオストックに美人が多いという話があって、ウクライナ人がきれいなので、連れてこられた人がウラジオストックに沢山いるので美人が多いという・・・

玉川: とりあえず美人の話しはいいんですけれど・・・

寺島: それに加えて、ウクライナは独立志向が強いので、1917年のロシア革命でモスクワに逆らって、シベリア送りになりウクライナ人が増えた。 また、ヒットラーがソ連に侵攻した時にまた逆らってヒットラーと手を組んだ。 それでまたシベリア送りになって、三段重ねで極東ロシアにやたらにウクライナ人が増えたという構図。

赤江: 地図を見ると、クリミヤ半島以外にも、ロシアには海に面しているところがあるのではないか。

寺島: ここに基幹になる海軍基地を持っていることが決定的。

玉川: 要するに、この辺だと新しく作らなくてはならないが、お金の問題もあるし、海軍基地として場所もいいんでしょう、海軍基地は深くないとだめだから・・・

寺島: それにそもそも論で言うと、60年前にトルコから奪いとったロシアのものだ。 ウクライナのものではないという意識がある。

羽鳥: ウクライナで東と西に分裂という道はないのか。 

寺島: ただ、第一段階という言葉をさっき使った意味は、まず今瀬踏みしていると思う。クリミヤ半島の分離独立をまずやって、しかし世界の、例えばアメリカの対応とかEUの対応によっては、ロシアが孤立していくのは避けなければいけない。 瀬踏みしながら、親ロシアという別の国を作った方がいいという地合を作りたいとは思うけれど、そこまで踏み込めるかというところではこの第一段階がどう動くかによると思う。

玉川: それともうひとつキーワードになると思うが、ロシアにとっては、このEUはNATOという軍事同盟がありアメリカ軍がここには関わる。 ウクライナがあるから直接対自していないという、緩衝地帯となっているわけだ。 これがなくなるのはロシアはやはり嫌なのですか。

寺島: まあそうでしょうね。 しかもグルジア問題がこの間あって、その際にEUもアメリカも動かなかったし、動けなかったというところをまず土台にして、今回動いている。

玉川: まさにその話だが、世界はどう動くかということだが、まず知りたいのは、アメリカ。 アメリカは動けないという話だが。 これはどういうことか。

(2)に続く

2/27 そもそも総研「そもそも憲法解釈の変更とは改憲よりも軽いことなのだろうか」(2)

2014.03.01 19:59|そもそも総研たまぺディア
2/27 そもそも総研「そもそも憲法解釈の変更とは改憲よりも軽いことなのだろうか」(2)

かつて安倍総理の身近にいた人の考え方 柳澤氏

玉川: 与党はここまで。 次は安倍総理のかつて身近にいた方に伺ってみたいと二人の元官僚に聞いた。 一人は元防衛官僚で元内閣官房副長官補 柳澤協二氏、それから、公明党は憲法の番人であると言っている内閣法制局の元長官 阪田雅裕氏に話しを聞いている。

玉川: 集団的自衛権の憲法解釈の問題だが、安倍総理が、総理はトップとして憲法解釈が出来るということを国会で答弁した。 これに対して立憲主義に悖る(もとる)という判断が随分出ている。 これについてどう思うか。

柳澤: 憲法の役割は何かというと、国民主権。 その主権者である国民が、政府に対してどこまでの範囲であれば政府が判断して行動してもいいかということを、枠をはめるために憲法はあるわけ、本来。
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それを政府の解釈で、総理大臣が変えたいから変えてもいいのだということになると、基本的な国民主権に基づく憲法の役割を否定するという意味で、立憲主義に悖るということになると思う。

玉川: 柳澤さんは防衛省にずっといて官僚側の立場だったわけだが、この集団的自衛権の行使というのは、現行憲法下で出来ると考えるか。 

柳澤: 今までずっと防衛官僚もそうだし、自民党政権もそうだったが、日米同盟と平和憲法との食い違いというか矛盾を、どう調整していくかということで苦労してきているわけだ。
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(説明)
柳澤氏は第一次安倍政権で、官邸の主要メンバーとして安全保障分野を担当し、自衛隊のイラク派遣などにも関わってきた。

柳澤: 集団的自衛権というのは行使しないと。 
従ってアメリカの戦争に、そのまま無条件で巻き込まれることはないという理解をしてきている。 私にとっては、一つの日本がやるべきことの基準のような意味あいも持っていたのが、今までの憲法解釈なのだ。

それで特段の不都合がないというか、日本は十分国際貢献もしてきているし、対米協力もできていると思うわけだから。 その意味で、全く今憲法解釈を変える必要もないし、日本が攻撃されていなくても反撃するというのが集団的自衛権だから、それが本当に日本防衛のために必要かといえば、日本防衛のためには必要ではない。
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(説明)
日本の防衛のためであれば、個別的自衛権で対応可能なので、集団的自衛権行使は不要だと言う柳澤氏。
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更にこのまま憲法解釈を変更すれば、憲法の歯止め自体を無力化してしまいかねないと、元内閣法制局長官は警鐘を鳴らす。

かつて安倍総理の身近にいた人の考え方 阪田氏

玉川: 今憲法第9条がありながら、解釈変更だけで法律を変えたとして、何が一体今と違って出来ることが増えるのか。

阪田: それは何でも出来るようになる。 何でもというと変だが、国際法に違反しない限りの活動、要するに具体的に言えば、外国同士の戦争に加わることが出来るということだ。
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玉川: それは憲法9条があっても?

阪田: あっても。 だからずっと申し上げているじゃないですか。
(自衛隊が)普通の軍隊になるのだ。 要するに、自衛のための必要最小限の実力組織という“たが”が外れるわけだから。 だからアメリカ並みの装備を持つこと、中国並みの軍備を備え且つ備えるだけでなくて、ベトナムとかイラクとか戦場に出かけていって戦うことが出来るようになるということだ。

玉川: 憲法第9条があったとしても。 解釈変更だけで?

阪田: そうだ。 それが集団的自衛権じゃないですか。
だから国民にも覚悟がいるんだと言っている。 実際にそうなることがありうると、ベトナムやイラクのようなところで(自衛隊が)戦わざるを得ないということがありうるわけだ。 

その時にどうなるかというと、自衛隊員に犠牲者が出る、或いは自衛隊員の銃口で相手の国の将兵を傷つけるということが起こる。 そんな時に、こんなはずではなかったと言われても困るので、しっかり国民に覚悟を決めてそれで問う、そのために国民投票はあるのでしょうと・・・
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玉川: 憲法改正のための国民投票が・・・

阪田: ・・・そう申し上げている。

(スタジオ)
玉川: 政府が法律を作る時のトップですよ、この内閣法制局長官というのは。 官僚ではあるが、プロ中のプロだ。 そのプロが、解釈変更すれば何でも出来る。 僕もどのくらい出来るかと思っていたが、何でも出来るとは思っていなかった。 何でも出来るって知っていたか。

松尾: 法律ってすべて人間社会を良くするための道具だ。 その道具を、こうやってモノを作るために使いましょうというのを、人を刺してもいいということと同じように、解釈変更というのはそういうことでないですか。 つまり使い方を変えてしまうということ。

ましてや憲法の番人である法制局に質問をしているのに、総理大臣が「法制局のほうが偉いのか。僕が答えるよ」って言っていたあの場面が、物凄く不安なものを象徴していたなという気がする。

何故安倍総理が憲法改正にこうもこだわるのか? 観念論?

玉川: そうですね。 もう一つ私がずっと疑問だったのが、さっき冒頭で、憲法を変えるのが難しいというので、解釈改憲にもっていっているとすれば、何でそこまでこだわっているのかなというのがあって、身近にいらした、近くでみていた二人に聞いてみた。

玉川: 安倍総理が、何でこんなに集団的自衛権の行使にこだわるのかは、どういうふうに。

阪田: (日本が)こういう国であるべきではないかという思いは、強いのではないかと思う。 “美しい国”もそうだったと思うし、昔流に言えば、英米列強に伍していく国として、こういう中で、自前の軍隊を十分に持っていないというようなことでは、まずいのではないかという意識(が安倍総理にある)。 

非常にそういう意味では観念的な国家像みたいなものがあるのかなと思う。 

日本上空を米国本土に向けて飛んでいくミサイルなんて、今の技術では撃ちようもない、撃ち落とすことも出来ない。 だからそういうことをやるっていう要請も、勿論アメリカから来ているとは思えない。 だけどそういうことが出来ないと困るとか、そういうものを取り上げて議論をしていること自体が、ある種の観念論だなというふうに思う。

集団的自衛権、具体的に何が困るというよりは、こういうものを抽象的に行使が出来ないという国のありようそのものが問題だという考えではないか。

(説明)
内閣の中で安倍総理を見てきた阪田氏は、“観念論”ではないかと指摘する。
更に、官邸の中で安倍総理と関わった柳澤氏は・・・

柳澤: 安倍総理の一番大きな動機は、つまり”したい”ということなのだろうなと。
例えば近くにいるアメリカの船を守るっていうことは、我々の感覚からいくと、それは個別的自衛権で十分やれますよと。 或いは、アメリカに飛んでいくミサイルを撃ち落すといってもそれは物理的に不可能ですよという話は(かつて)安倍総理にもしたし、安保法制懇の委員の人たちにも私から報告していましたから、会議の度に。

玉川: その時に、当時の安倍総理は何と答えていたのか。

柳澤: そこのところはよく覚えていないが、つまり「自分はしかしこういうことをやりたいんだ」という意思を持っていたということだ。

玉川: 当時も。

柳澤: 私は、だから安倍総理の一番大きな動機は、つまり”したい”っていうことなんだろうなと。 それによって何をどういう目的を達成するためにそうしたいかというよりも、憲法解釈の見直しをやったということ、そこに意味を見出しているのかなと。

それによって日本はどういう国になるのか、というところがよく見えないわけだ。

そうすると非常に理念的なというか、観念的なことが、一番の大きな動機になっているのかなと、私の推測だが。

(スタジオ)
玉川: 二人の発言は重いと思う。 奇しくも観念的というか、要するに”したい”。 それではないかということなのだが、どうか。

羽鳥: どの位の人が賛同しているのか。 今の話だと、安倍総理がこう言っているところを周りが止めたくても止められないみたいな印象だが。

玉川: 総理は同じような考えの人を周り付けることが出来るから。 だから自民党の中でも集団的自衛権行使はやりたいが、それは憲法変えてからではないかという話もあるし。 そこはわかれるところだと思うが。

プロに言わせるとどんな法律も、僕もこれはわからなかったが・・・

今日のまとめ: どんな法律も作れるようになる憲法解釈の変更は、決して軽いことではない

そんな大きな変更は、やはり国民に聞かなくてはいけない。 そのために国民投票がある。 そこをすっ飛ばすのはスジではないのではないか。

高木: 法制局より自分が偉いという発言をやった時に、何なんだろうこの根拠のない自信はどこから来るのだろうとさすがに思った。 例えば、国民がそれに反対しそうな政策を通そうとする時に、よく政治の側が使うのが、税金アレルギーとか増税アレルギーとか言う。 もしかすると、安倍さんもその周りの解釈変更派も、改憲アレルギーだから、アレルギーを取り除いて解釈の変更だけすれば通るのではないかと、ちょっと国民を舐めている気がする。 

でも税金と憲法はどちらも大事だが、更に憲法というのは重いことだ。そうそう簡単に私たちひっかかりませんということを言いたい。

玉川: 戦後、長く続いた解釈というものを、もし変える。 そういう国にしたいのなら、是非国民の声を聞いてからにして下さいというふうに思う今日のそもそも総研でした。

(以上)





2/27 そもそも総研「そもそも憲法解釈の変更とは改憲よりも軽いことなのだろうか」(1)

2014.03.01 10:47|そもそも総研たまぺディア
安倍総理は2/28予算委員会で、憲法解釈の変更について、閣議決定の前に国会での議論に応じる考えを初めて表明しました。 これまで閣議決定で変更を行うとしていたのを少し譲歩したことになります。
 
また、ここに登場する柳澤氏は、2/28議員会館で超党派の議員や市民の集会で下記の内容の講演を行い、そこで福島みずほ議員は、イラクの時の天敵(柳澤氏)と立憲主義について一緒に語れるなんてと感慨深げでした。 それほどまでに、今の政治状況は急激に右傾化してしまっているということ。

2/27のそもそも総研は、玉川氏が頑張ってとても充実した内容でした。 その上、安倍総理が何故憲法改正に躍起になっているのか?の一面を深堀りしてみせました。 
長いので2回にわけて掲載します。 (敬語、丁寧語などは簡略にしてあります。)

2/27 そもそも総研たまぺディア「そもそも憲法解釈の変更とは改憲よりも軽いことなのだろうか」

玉川: 9条に関して憲法を変える試みは、今まで変えたいという人がいっぱいいて、ずっと出来なかったという状況がある。 

確かに憲法を変えることは大変なことだ。 だったらまあ解釈を変えるぐらいならいいかもしれない、と思っている方もいるかもしれない。 それって軽いことですか?ということが、今日のテーマ。

まず安倍総理は、集団的自衛権の憲法解釈を変えたいと国会でも発言をしている。

3/5 参院予算委員会
安倍: 集団的自衛権の行使が認められるという判断も、政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘は、必ずしも当たらないと我々は考えているところでございます。

3/12 衆院予算委員会
安倍: 今までの積み上げのままで行くというのであれば、そもそも安保法制懇を作る必要はない。 最高の私は責任者は私です。 私が責任者であって、政府の答弁に対しても私が責任を持ってその上において、私たちは選挙で国民から審判を受けるんです。

審判を受けるのは、(内閣)法制局長官ではないんです。 私なんです。
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(スタジオ)
玉川: 後半の部分、政府のトップは確かに総理で、内閣法制局長官が決めたことが、政府の決めたことでないというのは正しい。 まさに仰るとおり。

前半の部分の、憲法の解釈を変えるのは政府ができるのだというのが、今回のテーマになるわけだ。 そこを考えていきたい。

まず、集団的自衛権についてもう一度おさらい

現状では、集団的自衛権行使は認められていない
そういう時は個別的自衛権という言い方をする。 では何だというと、日本が他の国から攻撃をされた時、それに対して日本が反撃する形で武力行使をするのは、今の憲法で大丈夫ですよと。 これが個別的自衛権

一方、集団的自衛権の行使とは、日本は別に攻められていないが、例えば同盟国としている国が第三国から攻撃された時に、日本は攻撃されていないが攻撃されていると看做して、一緒になって武力行使をしましょうというもの。 これが定義。

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こういうことが、今の憲法で出来るのか? というのがポイント。

これまでの流れ
集団的自衛権を行使したいという人は、総理を含めて今までもいっぱいいた。
ではどうやったら行使出来るようになるかというと、たぶん最もスジとして素直なのが憲法第9条の改正。 これを改正してしまえば集団的衛権は行使できる。 しかしどうも難しい。

次の手として、昨年憲法第96条の改正をしようと。 
96条は、憲法改正の要件を、こういう条件が揃ったら国民投票まで進めますよというハードルを下げましょうと。 そうしたら、所謂保守と言われる人の中からも、それはスジが違うのではということになり、これも難しいなと。 
それでも変えたいということなら、解釈を変えましょうという流れになってきている。
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与党の考え方
これに関して、そもそも総理の一存で、憲法解釈を変えていいのかをまず与党に聞いた。
自民党の憲法改正の責任者である、自民党憲法改正推進本部長の船田元衆院議員に聞いた。

玉川: 総理は政府のトップとして、憲法解釈は新しい解釈にすれば、手段的自衛権の行使は憲法を変えなくても出来るというふうに国会でも答弁されている。
これに関しては、船田さんとしてはどういうふうに考えるか。

船田: 基本的には、憲法の解釈、行政府として解釈をする場合には、内閣が責任を持ってやるということですが、その内閣の責任者は総理大臣なので、「私が責任者です」というのは正しいと思う。 

ただ解釈は積み上げてきたものがいっぱいこれまであり、他の部分でもそうだが、内閣が代わって総理大臣が代われば、その総理大臣の思うとおりに憲法解釈を全部変えられると、或いは大幅に変えられるというのは、ちょっとこれはそうはいかないことで、そこはおのずから限界というのはあると思う。
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私は憲法のいま自民党の中で預かって議論をしているが、やはり憲法を解釈で済まされる、或いは改正なしで済まされるというのは、一定のものはあると思う。 一定の幅はあると思う。 でも大幅に解釈を変えるということになると、それはやはり憲法の改正を伴わないといけないことだと思う。

玉川: 私が心配するのは、憲法題9条があるが、本当は憲法を変えたいがなかなか変えられないということで、既成事実を積み上げていく。 集団的自衛権の行使も少しずつ広げていって、気がついたらほぼ第9条があってもなくてもいいような状況になったのだから、憲法もでは変えましょうという話に持っていくための、所謂、既成事実の積み重ねというような意図なのではと思うが。

船田: いや決してそんなことはないと思う。
本来であれば改正をしなければいけない内容であるが、この程度の解釈の拡大であれば改正の必要はないと。 その場合にはやはり厳格な条件を付ける、制限を付ける。 そういうことで一定の歯止めが必要だと思う。


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玉川: 船田さん自身も、集団的自衛権の行使はしたいという考え。 だけど、一定の部分は出来るが、大きく踏み出すのは憲法を変えるのがスジではないかという話。

松尾: 船田さんの言う一定というのは何を指すか。

玉川: それは今集団的自衛権行使の4類型と言われているが、例えば、北朝鮮からアメリカにミサイルが飛んで行く時に日本で落とすとか、公海上でアメリカの軍艦が攻撃されている時に近くに日本の自衛隊がいたら助けましょうとか、そういうようなことはいいんじゃないかというニュアンスはあったが、ただ全面的に何でもやっていいよということになると、憲法変えなくてはいけないと。
憲法改正は自民党の悲願みたいなものだから、解釈で何でも出来るなんてことになったら、憲法変えなくてもいいわけだから。

公明党にもインタビューを申し込んだが、ダメですと。 
秘密保護法ぐらいから、今まではインタビューお願いしますと言うと、答えてくれていたのに、ダメと。 答えてくださいね、インタビューに。

羽鳥: 何でダメなのか?
玉川: わからない。 お願いします。

文書だったらということで、
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玉川: 慎重にというのが、よく出てくるキーワードですね。 公明党の場合は。


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玉川: 憲法裁判所というのは、日本にはないが、ある国もある。 これは法律を作った時に、その法律が憲法に違反しているかどうかを専門に判断する裁判所。 これは日本にはない。 

(続く)


2/6 そもそも総研「そもそも貿易赤字の本当の姿ってどんなもの?」

2014.02.20 22:23|そもそも総研たまぺディア
本日は「そもそも総研」がなかったので、2週間前のものをご紹介いたします。

日本が少し前から貿易立国でなくなり、そもそも輸出企業は全体の3割ほどで、内需の国になっているといわれて久しい。 先頭を切って成熟国家になった日本が、どのように産業構造や社会構造を変えて生き残っていくかということは世界中から注視されていることがなかなか国民に知らされずにいます。
このように数字が出てからではもう遅いでしょうに。
それでも誰も新しい日本の絵姿を見つけられずに、旧態依然としたアベノミクスや2020年オリンピック便乗政策しか思いつかないこの国に改めて愕然とします。

貿易赤字という着眼点はよいのですが、派生する問題点が多岐にわたってしまって整理がついていないので、ひとつひとつを深堀りしてもらいたい。
この日は、高木さんの"エコノミスト誤算発言はおかしい"や"セーフティネット"の突っ込み発言が秀逸でした。

2/6 そもそも総研たまぺディア「そもそも貿易赤字の本当の姿ってどんなもの?」

3年連続の貿易赤字 どんな影響がある?

玉川: 1月27日発表 財務省貿易統計によると 去年(2013年)の貿易収支は11兆4803億円の赤字で、3年連続の赤字。  

貿易収支の推移
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ずっと黒字だったので、黒字なものだというイメージがあるが、赤字がぐっと大きくなってきている。大丈夫なのか。 そもそも貿易赤字って本当に悪いのかというところから入りたい。

そもそも貿易赤字とは?
輸出-輸入=貿易収支  輸出が多いと貿易黒字、逆に輸入が多いと貿易赤字ということ。
今貿易収支の話をしたが、ここの黒字、赤字というだけでは根本的な意味はない。
実は、貿易収支というのは、経常収支の中のひとつ。


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経常収支とは
貿易収支 +  所得収支 + サービス収支 + 経常移転収支
経常収支が家計だとすれば、貿易収支は給与収入と支出みたいなもの。
その他に、所得収支というものがあって、これはいわゆる投資。 海外に対して投資した分の利子や配当が入っている。

貿易収支が赤字でも、所得収支は黒字だ。 経常収支という国全体の収支でみると2013年はまだ黒字ところが、9、10、11月の月別でみると、赤字になってきている


経常収支が赤字になり、これが続いていくとこれはやはりまずいという話があり、どういう風にまずいのかをクレディ・スイス証券 チーフ・エコノミスト 白川浩道氏に聞いた。

玉川: 場合によっては、経常収支も赤字になっていくかもしれないとなってくると、場合によってこれは日本にとってまずいのではないのか。

白川: 毎年毎年日本がもし経常収支が赤字になるということは、今日本はなんとかギリギリ年間ベースは黒字ですけど、いわゆる純債権国、お金を貸す状態にある国、お金が余っている国という状態から、お金が足りなくなる国ということになる。 


ということは、毎年海外からお金を借りなければいけない国になると、外国人は日本人と同じ金利では貸してくれないので、金利が上がり始め、その分国債の利払い費が増え、赤字が増えて、またそうして高い金利を要求されて、という悪いスパイラルに入ってしまうリスクが上がってきている。

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(スタジオ)
玉川: 今までずっと経常収支が黒字ということは、日本の外に貯金をいっぱいしているようなもの。 どんどん貯金していました。 貯金はいっぱい貯まっている。 でも経常収支が赤字になっていくと、まず貯金を取り崩さなければいけない。 取り崩すだけでなく、海外から借金をしなくてはいけない。

一番心配なのは、財政。 
今まで国債を発行しても国内に借り手がいたが、国内ならば金利が低く抑えられていた。 ところが国内で借り手がなく、海外から借りる割合が高くなってくると、そんな安い金利では貸せません、もっと金利上げてもらわないと困るということになると、金利が上がり利子として払う分も増える。 またそれでボリュームが大きくなって、借りる金額を大きくしなくてはいけなくなり、財政が悪化していく可能性がある。

経常収支の赤字から、財政悪化を加速させる可能性がある。(白川氏)

玉川: 財政が悪化する懸念がある。そうなるとまずいねということ。
ここまでは予備知識として頭に入れてもらって、では輸出と輸入の現状はどうなっているかをニッセイ基礎研究所経済調査室長 斉藤太郎氏に聞いた。

円安で輸出増のはずが貿易赤字・・・何故?

玉川: 2013年の貿易収支が出て、貿易赤字であるというと、我々は大変だなとすぐ思うが、実際貿易赤字の中身はどうなっているのか。

斉藤: 2013年はアベノミクスの効果で円安が進んだ。 円安が進むと、通常は輸出が伸びて貿易収支が改善するが、むしろ悪化したということでかなり意外感がある。

円安になれば輸出の量が伸びるはずだったが、そこがむしろ若干減少した。 
2013年を通すと輸出の数量は前年よりも減っている(前年比1.5%減)

普通は円安になれば価格競争力が増して、輸出の量が伸びるはずだが、それが伸びなかったというのが一番大きな誤算だと思う。

更に言うと、輸入がドル建ての割合が高い。 そうすると輸入の方が為替の影響を受けやすい。 だから、輸出の価格と輸入の価格を比べると、輸入の価格の方がより大きく上がっている。

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(スタジオ)
玉川: これ知っていました? 輸出が減っている。

貿易収支の現状の図
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2012年から2013年では、輸出額は増えている(6.1兆円)が、それ以上に輸入額が増えている。(10.6兆円)
理想的なのは、円安になったら輸出がバーンと伸びて、輸入の伸びを上回って貿易収支が改善するというのが狙いだったが、実際は、輸入量も減っている。

輸出量は価格×数量。 要するに数量が伸びていかないと輸出額も上がっていかない。 ところが数量が1.5%減っている。

アベノミクスは何を狙っていたのか

何故減っているのかは後でやるが、もともとアベノミクスとは何を目指していたのかを、再度考えておきたい。

経済政策の狙い
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金融緩和をして、円安にして、輸出が伸びるはずだった。 何故かと言うと、海外から見れば、同じものを買うのに安い金額で買えるようになるから、安くなったならいっぱい買おうよということで、輸出量が伸びるはずだった。

輸出量が増えるなら、いっぱい作らなければいけないから国内生産が活発になる。設備投資もしなくてはいけないということになると、そこにお金が入って、景気が回復する。 

そうすると、例えば給料が上がって、需要が増えて、また設備投資しましょうということになり、好循環になるというというのが狙いだった。

ところが、実際は円安から輸出が伸びなかった。誤算だった。



貿易赤字の正体 ①輸出が構造的問題で伸びなかった?

玉川: 何故輸出量が増えると思われたのが、増えなかったのか?
斉藤: 一言でいうと、海外生産シフト。 
日本の企業が、工場を海外にどんどん移転してしまったということで、もうそもそも国内であまりモノを作らなくなっているので、円安の恩恵を受けにくくなっていると思う。

(説明)
国が統計を取り始めた27年前と比べると、海外で現地生産を行う企業の割合はおよそ3割(32.5%)から7割近く(67.7%)に増えている。 この国内産業の空洞化が、円安になっても、輸出が伸びなかった理由と斉藤氏は指摘。

誤算はそれだけではない。

斉藤: 今回も円安でそれなりに輸出が伸びると思っていたが、少し見誤っていたのは、現地工場がこれまでは部品などを日本から輸入していた。 今は、部品を現地で調達する割合が高まっている。 ここ数年、現地で部品を調達して、現地で生産するという構図に変わってきている。

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(スタジオ)
玉川: エコノミストもみんな誤算だったと言う。 輸出が伸びない、量が伸びなかったというのは、大誤算だったというのをどう思うか?

高木: 誤算と言っているが、私みたいに経済に明るくない普通にニュースを見ているレベルの人間でも、例えば日本を代表するような製造業の会社が、海外に生産拠点をシフトしましたと。
その下請けをやっていた中小企業が、国内の仕事がなくなるから、やむなく一緒に海外に行くしかないと決断をしたと。でも実際行ってみたら、その大企業は現地で部品を調達して、現地の下請け企業との関係が強くなっているので、ちょっとお呼びでないよという扱いを受けてしまった位は、知っていた。 それ普通にテレビでやっている。

それを専門家や国の政策を決める人が、今になって誤算だったと言うのはおかしい。

玉川: 確かにそれはそうだが、我々も含めて、円安にすれば輸出が伸びて・・・と信じた人は多かったと思う。

松尾: その判断の材料が、過去のものを見て前例主義で見てきたということがあると思う。

玉川: 去年の今頃は、こういう風になって給料上がりますよという話をしていた気がするが、給料、実は基本給は下がってしまっている。 昨日厚労省から発表があったが。

一方で輸入は増えているということで、輸入が増えるというと、やっぱり原発止まっているからと思うが、実際はどうなのかを、日本エネルギー経済研究所 永富 悠研究員に聞いた。

貿易赤字の正体 ②輸入増は原発停止より円安が影響?

玉川: 貿易赤字に対して、化石燃料の輸入額が増えているのは間違いないわけだ。 この中でよく原発が止まっているから、化石燃料の輸入量が増えて、貿易赤字になっているというイメージがあるが、これは実相としてはどうか?

永富: 実際には、鉱物性燃料の輸入額は、2010年から2013年にかけて10兆円ぐらい増えていると言われている。 その中で輸入量が増えた影響は、10兆円のうち1兆円から2兆円ぐらいではないかと考えている。

玉川: というと、残りの9兆円、8兆円は何なのか?
永富: これは原油価格、エネルギーの価格と為替の影響。

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(説明)
永富氏によると、化石燃料の輸入額増加分10兆円のうち、量が増えた分が1.3兆円に対し、燃料単価上昇分が6.1兆円。 そして、円安による影響が3.5兆円と、原発停止後の3年間でみると、量以外の要因が8割以上に上るという。

アベノミクスはどう影響したのか?

玉川: 2012年と2013年を比べると、どういう違いがあるのか?

永富: 一番大きいのは為替の要因だろうと思う。 2013年の輸入量は0.2兆円小さくなっている

玉川: では量の寄与度は増えているのでなく減っているということか?

永富: これはやはり省エネの進展もあると思うし、気候とかの問題もあるし、もしかしたら 経済の影響もあると思うので、量は2012年から2013年を比べるとちょっと減っている。

玉川: 他はどうなっているか?

永富: 他の要因は、単価は1.3兆円でこちらも小さくなっている。 実は、2012年よりも2013年の方が世界的な趨勢で、特に石炭の価格がちょっと下がってきている

玉川: 輸入量と単価に関しては減っているということは、では何で増えているのか?

永富: 一番大きいのは為替の要因だと思う。 これだけで約5.2兆円あるので、やはりアベノミクス以降、超円高だったものが是正されて今足元1ドル100円ぐらいなので、為替が大きく動いたことが、化石燃料の輸入額の変化分に大きく寄与していると。


(スタジオ)
玉川: ということだ。 何となく原発が止まったからこれだけ貿易赤字が増えたというと、ちょっとそれは大袈裟かなという感じ。

松尾: ということは、原発が止まっても輸入量が増えたのではなく、為替の影響で赤字になったと・・・

玉川: 輸入量も増えているが、量の寄与度よりは国際的な単価の上昇と為替の影響の方が大きかったということ。
今後ではどうなっていくのか、貿易赤字は。 それに関して、白川氏に聞いている。

貿易赤字 これから定着? 原因は日本の高齢化・空洞化

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過去最大 およそ11兆4800億円もの貿易赤字。
果たして貿易立国と呼ばれてきた日本の今後とは?

白川: やはり、貿易赤字が定着する経済になったというふうに基本的には考えていいと思う。

玉川: 安倍総理が貿易赤字はずっと続くことはないと国会で述べているが・・・

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1/29 参議院本会議
安倍総理: 我国の貿易収支は、燃料輸入の増大などにより赤字が続いておりますが、政府としてはこの状態が恒常化するとの見通しは現在持っておりません。

玉川: ここはどう見るか?

白川: やはり、貿易赤字が定着する経済になったというふうに基本的には考えていいと思う。

(説明)
白川氏も生産拠点の海外移転が進んだことが、貿易赤字の一因だとしている。 そしてもう一つの要因は、“日本経済の成熟”が長期的な要因になっているとしている。

白川: 日本が高齢化してきていて、生産能力が人員的には落ちてきている。 それによって産業空洞化にも当然絡んでいるが、経済が成熟化するという言い方もあるし、高齢化でもいいが、高齢化すると何が起こるかというと、消費はするが生産ができない。 

ということは、外から物を輸入しなければいけないということだ。 だから空洞化で輸入が増えやすいということに加えて、やはり高齢化とか経済が成熟していく中で、自分たちが消費しているものを、かなり海外に依存しなければいけなくなってきたと。 この要因だ。

だから、輸入が増えやすいというのは当然あると思うし、輸出が増えにくいというのは空洞化だが、構造的要因なので、これは短期的な現象ではなくて趨勢的・構造的現象だから、元に戻そうとしても戻らないと思う。

(スタジオ)
玉川: 成熟化という言葉が出てきたが、人の一生に置き換えてもいいと思う。 若い時は貯金がない。 一生懸命働いて貯金をしていく。 定年になったら働かない。 これは貿易収支が赤字ということ。 要するに収入がないということ。 だけど生きていけないかというと、それまで貯めた分の利子で暮らしている人がいる。 年金も若い頃に払った分を戻してもらっているということ。 

日本経済ということで考えても、成長過程では貿易収支で稼いでくるが、それが海外に一杯貯まっている。 そこから入ってくる収入の方が、大きくなっている状況がある。 所得収支が。

そういう意味では、順当な経済の成長過程をたどっているとも言える。


今日のむすび: 輸出が伸びないのが構造的理由だとすれば、円安も赤字を増やすだけになるのかもしれない

松尾: 円安誘導というものの必要性の質が変わってきているということか。

高木: 経済が高齢化するというドキッとする例えがあったが、それは具体的に言うと企業の生産性が下がっているということ・・・

玉川: 生産性は上げていかなくてはいけない。でも日本はまだ生産性を上げられるだろうと海外から見られている。 それでいろいろな改革をやると見込んで海外は株を買っていた部分がある。 さっきの円安誘導はテクニカルな問題だ。 

だが本当に求めているのは、実態の体力を強くすること。 実態の体力はまだまだ上げられるはずだと海外から見られてきたが、本当に出来るのかと疑問に思う人が多くて、株が下がっている状況があるのではないかとも言われている。

羽鳥: 実態の体力を上げるということは、設備投資をするということか・・・

玉川: 要するに効率を上げるということ。
合理的な理由でなく、政治的な理由で守っている産業が今まで沢山あった。 北欧などはそういうものは退場してもらい、その替わり伸びるところにはどんどん人材が回っていくように誘導することも必要なのかもしれないと・・・

高木: あせって荒療治されても、セーフティネットがなくて失業の不安を抱えているようでは、経済は成長しないから・・・

玉川: もちろん、セーフティネットは整えた上でということだ。

赤江: 成熟した前例を行っているような国はあるのか?

玉川: 例えばスウェーデンはそうだ。 そういうわけでまだまだやらなくてはいけないとことがあるという今日のそもそも総研でした。





1/16 そもそも総研「「そもそも東京都知事はどれくらいエライの?」

2014.01.16 21:09|そもそも総研たまぺディア
今日のそもそも総研は、玉川氏が過去に取材した公務員宿舎のビデオを多用して、少し安直な感じもしましたが、東京都ともなると、都知事の動き如何が国政に影響を与えるという示唆に富んだ内容でした。

1/16 そもそも総研たまぺディア「そもそも東京都知事はどれくらいエライの?」

玉川: エライ人と言えば、1.お金 2.建物 3.パワー の三点セットなのかなと思ったので、これを調べてみた。

地位を裏付けるもの① おカネ

東京都の予算 12兆838億円  GDP 91兆1390億円 で、国の5分の1の規模になっている。
これは国別GDPランキングで見ると、14位に相当する。 メキシコ、韓国より東京都の方が上になる。
ここのトップだから、いろいろな意味で偉いのだろう。

給与+ボーナス+退職金ランキング
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総理大臣より最高裁長官が上になっている。

羽鳥、松尾: もともと高くしておいて賄賂とかの影響を受けにくくしている。裁判官なども高くして、そういうものを防ぐそうだと、裁判官から聞いた。

玉川: 月給だけだと衆参議長のほうが総理大臣より高い。
どんな組織を見ても、おカネは相関している。取締役より社長の方が高い。 そして、これは皆で議論して決めている。 給料が高いほど地位が高いと言える。

国会議員より宮内庁長官や、この前集団的自衛権どうするのだと問題になった内閣法制局長官のほうが高い。 国民に選ばれた国会議員より、官僚のトップの方が給料は高い。つまり偉いということ。

さて、東京都知事はどこに入るのか?
高木: 大臣のあたり?
羽鳥: 大臣より上?

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玉川: 実はすべての公務員の中で3番目
実はからくりがあり、退職金が高い。1年働くと1000万円。 知事の場合は、月給に働いた月数を掛ける。

地位を裏付けるもの② 建物

玉川:次に建物だが、地位と建物はエジプトの時代から相関関係がある。
ピラミッドまたは日本では戦国時代にはりっぱなお城を作るとか。これはずっと相関関係があり、現在でも関係がある。 それは公邸というもの。

玉川: これを10年以上取材してきている。私に言わせると、その職に就くと、タダで住める豪邸公務員宿舎。そして漏れなく豪邸である。

東京都知事公館をかつて2回取材しているので、それを見てもらいたい。

(説明)
2008年1月取材 東京。渋谷松涛
都内屈指の高級住宅地にある東京都知事公館 1997年建設 総工費約12臆円をかけて建設された。完成直後、当時の青島元都知事が1年半程度居住したものの、次の石原元都知事、猪瀬前都知事は入居を拒否、それ以降誰も住んでいない。

最初の取材は2006年、全面的な公開を求めた我々に対し、公的な部分した許可されなかった。
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2006年の取材から1年半後の2008年、前回見られなかった私邸部分が公開された。
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渋谷区松涛といえば、都内屈指の高級住宅地。この場所で256平米のマンションを借りた場合の家賃は月160万円以上になるという。

高級マンションに付き物と言っていいジェットバスがお風呂にあり、それは人事院総裁公邸、内閣法制局長官公邸にもあった。

地位の高い人の証といわれる公邸。 東京都は2008年 都知事公館の売却を決定したが、現在も売却先は見つかっていない。

(スタジオ)
玉川: 2002年からずっと取材を続けているが、私が入った公邸は漏れなくジェットバスが付いていた。人事院総裁公邸の取材のときは、ジェットバスのあることだけは、言わないで下さいと人事院に言われた。
内閣法制局長官公邸をもう一度お見せしたいと思う。物凄い。

松尾: 都知事時代に青島さんに伺ったら、住んでいることになっているが、ほとんど中野にいるよとおっしゃっていた。 結局ほとんど誰も住んでいないということだ。
玉川: そうだ。印象としてはそんなに住みやすい感じではない。
内閣法制局長官公邸は本当に豪邸で、ここはさすがに羨ましいと思った。 都知事公館は確かにお金も掛かっていて豪華だが、そんなにいい感じではない。
ただ松涛なので、文化村にも近く、便利はいい。
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玉川: 場所がいいので、更地だったらいくらでも売れる。 ただ建物込みだと壊すのは大変なので売れない。 都があれを壊して更地として売ったら絶対売れる。

地位を裏付けるもの③ パワー

元鳥取県知事 片山善博氏に聞いた。
玉川: 東京都知事という存在は、その影響力とか、権限とか、どれくらいのものなのか是非教えていただきたい。
片山: 首都だし、経済的に物凄い力を持っている地域だし、人口も1300万人だから、それだけの人口や経済力を抱えた地域のトップ・首長だから、その動向や発言は国政にも大変大きな影響を与えるし、他の地域・道府県にも大きな影響を与える。

玉川: 東京都知事の影響力と鳥取県知事の影響力とは、そんなに違うものなのか?
片山: (苦笑しながら)それは悲哀を感じたというと御幣があるかもしれないが、東京都を見て羨ましいと思ったのは、例えば同じことを言うにしても、東京都は迫力がある。

東京都の影響力は大きい 不交付団体として国にきちんとモノが言える

それは人口が多いという問題もあるが、東京都は財政力が非常に豊かだ。だから、都政の運営は自前の税収で多くはできてしまう。
国庫補助金に頼る面は少ないし、税の足りないところを地方交付税交付金で補ってもらうのだが、これも一切無い。

ところが、鳥取県などは、経済的に非常に弱いから、政府から地方交付税交付金をかなりもらうし、補助金がなければ財政運営できない状況だから、国に対して私もかなりキツイことを言ったが、心の奥底ではやはり国からあまり敵視されて、江戸のカタキを長崎で討つようなことをされるとマズイなという思いは常にあった
バランスをそれなりにとっていた。
東京都はそういう配慮はほとんどいらない。

玉川: 国に対して何でも言えると。
片山: 何でもというわけにはいかないが、私がやっていたような田舎の知事が思い悩むような気兼ねや、後でしっぺ返しをくらうのではないかという懸念は持つ必要はないと思う。
正論をきちんと言える立場。
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玉川: 今、にわかに都知事選だが、脱原発というのが争点になるのではという状況になってきている。 原子力政策は国の専権事項で、都知事選と関係ないという話も出てくると思うが、どうか?

片山: 例えば、東京都は全国の自治体のリーダーだから、東京都がリーダー・盟主になって全国の自治体に呼びかけて、これから国は国としてエネルギー政策はあるだろうが、我々自治体は、例えば自然再生エネルギーにもっと力をいれようではないかという協議の場でも作って、それぞれの自治体が風力発電に取り組むとか小水力発電に取り組むとか、公共施設の上を太陽光の設置場所にするとか、そういうことをやるようになれば大きな力になるだろう。

それは東京都自体も規模が大きいから大きな力になるが、それが全国に広がると相当のパワーになるだろう。

玉川: 例えば、東京都知事が脱原発を掲げると、インパクトは決して小さくないと・・。
片山: 小さくないと思う。 恐らく、原発立地の自治体はともかくとして、そうでない所には共感の輪が広がる可能性はあるだろう。

(スタジオ)
松尾: 全体のムードを変えていこうとする時に、影響力も大きいし、引っ張っていく力もあるということ。 一地方自治体の選挙だと矮小化する人たちがいるが、実は違って、国全体に波及する重要な選挙で、国政選挙がしばらくなさそうなので、意思表示の場としては非常に重要だと言える。

高木: もともと知事の権限があり過ぎて、それを制限しようという議論がずっとあるが、その中でも凄いということだから、大変な権限なのだろう。
本当に俺は偉いのだという人に都知事になってほしくないし、推した人も偉いに乗っかる人はイヤダな。 都知事として品のある人になってほしい。

玉川: 今日のむすび: 高待遇で影響力も強い都知事はよく考えて選びましょう

なんとなくではなく、一生懸命考えて投票に行ってほしいなと思うそもそも総研でした。

(以上)

1/9 そもそも総研「そもそも秘密が公開されなくても私たちには関係ないと言えるのだろうか?」

2014.01.09 23:08|そもそも総研たまぺディア
秘密保護法を知ると、日本の情報公開制度を知りたくなります。 
日本では、公文書館法の成立は1987年で、OECD33カ国中で一番遅く、公文書管理法の成立は2009年で、韓国に後れること10年以上。公文書館の内容もとても民主国家とはいえない情けない状況。

本日のそもそも総研は、民主国家としては必須の情報公開について考えるきっかけになればいいなぁと、高視聴率を望む内容でしたので、スタジオの意見は割愛しましたが、書き起こししてみました。

1/9 そもそも総研たまペディア「そもそも秘密が公開されなくても私たちには関係ないと言えるのだろうか?」

玉川: 昨年、秘密保護法は問題になって番組で随分取り上げたが、ショックだったのは、外交とか防衛秘密は私たちに関係ないという人が多かったというイメージがあった。

秘密保護法は12月7日に成立、今年中に施行。一方で、公開しようという法律もある。これは世界と比較してどうなのか。本当にそれでいいのかをもう一度考えてみたい。

本当に私たちに関係ないのか?

まず、元経産省官僚 古賀茂明氏に聞いた。

玉川: 多くの人はそんな秘密が公開されなくたって、私たちの生活に関係ないよと思っていると思うが、これについてはどうか?

古賀: 例えば、あるワクチンを認めるかどうか大事な決断をする会議があった時に、これは有効だっていう資料もあれば、でも副作用もあるという資料が出てきていた。その時に実は薬品メーカーからいろんな圧力がかかっていたり、「天下りに行けるかな」なんてことを配慮して、危ないと知っているのに認めるという決断を出してしまうという誤った判断をする可能性がある。

その時にもし後でその情報が全部出てしまうかもしれないということになっていれば、普通の人は自分の責任が追求されるからやめておこうとなるが、これが秘密にできるということになっていると、いいじゃないかというふうになってしまう可能性があるので、情報が公開されるかどうかということは、人の命、我々国民の命に関わる重要な問題だと言える。

(スタジオ)
玉川: 安全保障で秘密が必要というと確かにそうだと思うが、それだけの問題ではないというのがポイント。

例えば、政府が自分の思うように何でも進めたい、という危険性が常にある。
私たちメディアはこの暴走を監視しなくてはいけないということで、ずっとやっている。
では暴走する時に、秘密を作るのは車に例えるとアクセルになる。公開することはブレーキになる。つまりアクセルとブレーキの関係で言えば、公開することはとても大事だ。
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では、日本の公開制度は十分なのか? 上智大学の田島康彦教授が詳しいということなので話を聞いた。  

日本と世界の秘密の公開はどう違う?

玉川: 去年秘密保護法が成立して、秘密を強化するという法律ができた。 一方で情報を公開するという制度も日本にはあるわけだが、これ(秘密保護法と情報公開)は両輪だと思うが、日本は公開制度は十分なのか?

田島: 結論から言うと十分ではない、問題点がたくさんある。

玉川: ショックだったのは、秘密保護法に問題点があると訴えたが、世の中秘密はあるでしょうと、私たちの生活に何が関係あるのだと、メディアの人が仕事しにくくなるから、そういうふうに言ってるという意見が多かった。
これは日本と海外を比べてどうなのか?

田島: 第二次大戦の情報コントロールはアメリカもイギリスもひどかった。みな秘密になってしまった。例えば、日本人は敵国人と見なされ、裁判も受けずに収容施設に入れられた、そのことについてのきちんとした取材や報道、情報公開などが極めて厳しく制限されたわけだ。
だから、アメリカ人は全然知らなかった。そういうのはよろしくないでしょうと、幾ら戦争であっても、大事な真実を伝えるということが必要であり、そのために新しい制度、法律の制度も必要だということで、情報公開制度が作られていった。

ジャーナリストたちが、自分たちの利害というよりも、アメリカの市民に大事なことを伝えるために情報公開の仕組みが必要だという運動として、情報公開制度は生まれた。

秘密はある意味仕方ない。 しかし、期限を無期限的に秘密にしていいという仕組みはどこの国もとっていない。
例えば、アメリカでは最長25年、英国は20年を限度とし、その限度でそれまでは秘密にしていいが、それ以降はオープンですよと。そういう仕組みをどこの国もとっている。


(説明)アメリカから始まった現在の情報公開制度は、日本と海外で大きな違いがあると田島教授は指摘する。

玉川: 日本と海外の先進国と(公開制度の)一番大きな違いは何か?
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田島: 全く逆の方向を向いている。日本は世界と全く違う方向を向いている。世界は秘密は限定する、より少なくする。他面で情報を公開する法律は強化し大きくしていく。これは国際的な潮流だ。
日本はどうかと言うと、情報公開法は出来たが、問題点を克服し、改善して良くするということは、やってこなかった。逆に秘密を保護するという仕組み、現行法でいっぱいあるが、それに更に輪をかけて今回秘密保護法という法律ができた。(日本は世界と)全然違う方向なわけだ。

(スタジオ)
玉川: 方向性が違う。どうも世界と真逆の方向を向いているのではないかと。

「秘密」の公開 日本とアメリカの違い

日本の「秘密保護法」では、原則30年(5年ごとに更新)で公開するが、内閣の承認があれば、最長60年まで延長可。

アメリカ「大統領令」では、原則25年(10年でいったん更新)委員会の承認があれば、75年まで延長可。ただし、10年未満の秘密は全体の約5割
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チェック機関の違い
日本は4つバタバタと作ったが、政府の内部に3つある。この3つの中に事務次官が入っていたり、秘密を指定する側の課長が入っている。

アメリカは、政府機関ではあるが、独立性のある情報保全監察局がチェックする。
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日米の情報公開の比較イメージ
情報量が同じとして、(8階建て)ビルに例えると、アメリカは既に勝手に公開されている情報も多い。(3階分)請求すれば公開する情報も随分ある(3階分)秘密がこれぐらいとすると(2階分)、日本のイメージは、非公開の秘密がすごく多いようだ(6階分)。公開情報と請求すれば公開する情報は少ない(1階分ずつ)らしい。
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松尾: これは現状の話か? 現状がこれなのに、尚更秘密保護法が加わり、更に悪くなる可能性があるということか。

玉川: そうだ。 非公開の秘密の中の金庫内の情報を、鍵を開けたら逮捕というところまで今回作りました。という話。
そうなると、秘密を指定する官僚がちゃんとやっているかということになるが、その部分を古賀氏に聞いた。

官僚による「秘密」の弊害

玉川: 我々一般的に思っているのは、秘密以外は全部公開されているのかと思っている人が多いと思う

古賀: 私が官僚をやっていた時の現実は、むしろ原則は非公開、秘密であると。だけど絶対これは出しても問題ないという例外的なものだけは公開にしようというのが、運用の実態だ。

例えば、経産省では、普通に書類を作ろうと思って、パソコンでワードを立ち上げると、普通の会社だったら白い画面が立ち上がるが、経産省では右上に機密性という3文字が最初から入っている。それを削除しない限り作る文書は原則秘密になるという仕組みになっていた。
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(説明) 一体何故そのような仕組みになっているのか。官僚たちの情報を扱う実態が明らかに。

古賀: 何故そんなに秘密にしたいのかというと、これは秘密にすることによって、安倍さんたちはそれによって国民の安全生命が守られるのだと言っているが、実際官僚の立場から言うと、秘密にする理由は、秘密にしておけば後で責任を問われることがないと。

要するに、誰がどういう理由でどういう議論をして決めたのかという過程が全然わからなくなるので、誰が悪いかわからないから責任の追及のしようがないということ。

つまり、官僚の身を守る、或いは大臣も含めて行政機関の責任を逃れるための秘密ということになっているのが実態。

(スタジオ)
玉川: よく考えると、原発の事故に関しても、官僚で誰一人として責任をとりましたかという話。秘密に出来るということになると、人情としてこうなるのかなという気もするが、どうですか?

赤江: チェック機関に独立性がないと、税金の無駄遣いなども秘密にしようと思えば出来ますね。

玉川: そう。もう決まっちゃったんです、去年の段階で。
多分私たちが一番知りたいのは、きっとこれだと思う。
継続審議になっている情報公開法改正法案を出した、元経産省官僚 民主党 後藤祐一衆院議員に聞いた。

後藤: 問題は、国民が一番知りたいのは、ある政策を決めるプロセスの情報だと思う。何故この政策はこういう判断になったのかというプロセスが、それは教えられませんとなっていて、確かに例えば法律の案が出来るまでの時は、少し外に出せないということもあり得るかもしれないが、少なくともその案が決まって例えば国会に提出し、閣議決定したとなった後は、これこれこういう議論があって、こういう観点があって、この案に決めたという情報は、決まった後は、外に出さなければいけないはず、ここが他の国と日本の一番違うところなんです。

日本はそのプロセスの情報について、決まった後でも、それが出てこない。
情報公開法上、それも外に出さなくてもいいですよいう規定があり、それが諸悪の根源。

(説明)重要な政策の決定プロセスさえ国民が知ることができない日本の情報公開制度。後藤議員は、ある事件に大きな問題点が現れていると指摘する。

後藤: 大体アメリカで日米関係の情報というのは、アメリカの公文書館から出てきて、それが日本で記事になると。それは大変問題だと思う。

(説明)後藤議員が指摘したのは、西山事件だ。1972年の沖縄返還をめぐり、米軍用地の現状復帰を日本側が負担するという密約が日米間で交わされたと、当事毎日新聞の西山太吉記者がスクープした。しかし、政府はこの密約を認めなかった。ところが2000年密約を裏付ける文書がアメリカの公文書から見つかった。結果として海外の公開制度で密約に関する情報を明らかになった。

後藤: やはり日本の情報は、日本がきちっと政府がコントロールして管理した上で、出すべき時はきちんと出すということで、歴史の検証にさらされると思う。

つまりこれは私も答弁で申し上げたが、国民の知る権利から(情報は)出さなければいけないという面と、後はやがては世の中に明らかになるという緊張感の中で政策決定をするということは、国民に恥ずかしくないような品質の政策になっていくと思う。
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永久に隠せるだろうと思ったら、国民に説明できない理由で政策を決めることもできてしまうかもしれないが、やがては(情報が)出ると思ったら、その緊張感が将来だけでなく、今政策を決める時にずいぶん違ってくると思う。この効果は実は大きいと思う。

玉川: それは実際に経産省にいらして、そういう風に思うということですね。
後藤: やはりこれは外に出るなと思った時の緊張感と、ごまかせるなという時の緩み感(ゆるみかん)は全然違います。(苦笑)

(スタジオ)
玉川: これは全然違うと思う。 実は、国民に不当に混乱を生じさせる恐れがある場合には出さなくていいとなっている。非常にアバウトな条文になっていて、こういう場合には公開しなくていいとなっている。

玉川: プロセスなんて残っていないというが、ちゃんと残っている。議事録がなくても、役人の末席の人がメモをとっている。文書としてはあるが、個人のメモだから公開しなくていいといって公開されなかったり。官僚は文書主義だからちゃんと残すそうだ。

赤江: 本当に重要で保護すべき秘密であれば、もっと堂々と秘密にすればいいのでは。
どうして、こんなに独立性もない、チェック機関もないというように、コソコソしているように見える。

玉川: 今までの時点で既に秘密は物凄くあると私たちは考えなければいけない。
その秘密を漏らしたら、重罪にすると。懲役10年。今までよりも重罪にするというポイントと、前にやったが、共謀などの恣意的な運用ができるということも問題のある法律。公開の部分でもこういった問題がある。

本日のむすび :対米関係のために秘密が必要というなら、公開制度もアメリカ並みに

公開制度はこれから今国会でも出来るので、是非少なくともアメリカ並みに。第三者機関も独立性をもった機関で、公開も官僚が恣意的な理由を作って公開しないのではなく、公開するのが原則だという方向に是非もっていきたいと思う今日のそもそも総研でした。

(以上)

12/26 そもそも総研「そもそも中国の防空識別圏設定で、考えるべきことは?」(2)

2013.12.30 16:03|そもそも総研たまぺディア
12/26 そもそも総研「そもそも中国の防空識別圏設定で、考えるべきことは?」(2)

欧米のメディアがこれについてどう捉えているかについて、国際アナリストの田中宇氏に聞いた。

欧米メディアの論調は、必ずしも日本に好意的ではない。 どの国も中国と敵対しては経済的に不利になる。 日本だけが孤立するということになりかねない。

玉川: この防空識別圏の問題だが、海外のメディアはどういう論調になっているのか?
田中: まずアメリカは、基本的に日本を守るべきだという論調はあるものの、一方で日中の紛争であると、それに対してアメリカが軍事的に全面的に日本の肩を持つのはいかがなものかと。 アメリカから見ると尖閣諸島の問題は小さい島の問題であると。 世界情勢全体で中国に協力してもらわないといけないという部分もアメリカは増えている。 それを犠牲にして、単に日本の小さな領土問題に拘泥してしまっていいのかという論調が出ている。

オーストラリアメディアは-
オーストラリアは中国との貿易が全体で1割くらいだが、それを犠牲にして、日中の紛争の中で日本の肩を持っていいのか。 オーストラリアは日米の側であって中国に敵対する側であるとみなされてしまうと、経済的に不利ではないか。
ちょうどオーストラリアは外相が交代して中国を訪問したが、その時非常に冷淡な扱いを受けた。この扱いが日本を擁護しているからという理由になってしまっている。これはオーストラリアにとって損ではないかという論調が出ている。

イギリスメディアは―
ヨーロッパでは、イギリスが特に最近中国に接近しているが、ロンドンの金融界が、アメリカの金融システムに対する不安から、中国やほかのブリックス経済の金融商品を取り扱おうということで、特に中国に対して金融面ですり寄っている。

(説明)
田中氏によると、防空識別圏に関して、諸外国のメディアの論調は必ずしも日本の味方ではない。

玉川: 日本政府は日本の航空会社に対して、中国にフライトプランを出さなくていいというより、出すなとやっている。 実際に出していない。 ほかの国はそんなことない・・・
田中: 日本以外は全部、大韓航空も結局出すことを決めた。 韓国政府は大韓航空やアシアナ航空に出させるように決定したし、その前にアメリカ政府も識別圏を重視してほしいとアメリカの航空会社に言っている。

その他に、シンガポール航空やカンタス航空とか、いわゆる中国とアジア間の路線を狙っている航空会社は、全部防空識別圏に了承してフライトプランを出している。
日本の航空会社は今、中国路線やアジア路線を拡大したくて頑張っているが、その中で中国と仲が悪くなってしまうと、尖閣問題が始まった時に、日産やトヨタが中国で狙い撃ちされて売れなくなり、その代わりに売れたのがアメリカ車やヨーロッパ車であったという過去があるが、それと同じことが繰り返されてしまう。

(スタジオ)
玉川: 日本は同じ自由主義国ということで、日本の言っていることはわかるということだが、あまり日本に味方していると、これから大きくなる中国という大市場に食い込んでいけなくなる。経済について心配していて、日本だけが孤立するということになりかねないと田中氏は言っている。

中国にフライトプランを提出している航空会社
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これを見ると、出すなと言っている日本が、若干異質になっているのは否めない。
日本のことはわかるが、経済的には中国が大事だという正に冷徹な目を、まわりの国はもっているようだ。

羽鳥: なぜ中国は今設定したのか? 時期と意図と・・・。
玉川: 正にそれは中国側が投げたボールだと言う日本総合研究所 寺島実郎氏に聞いた。

今や中国とアメリカはよきパートナー。 日本は、軍事同盟頼りの冷戦型の発想を変えていかないと、ヨーロッパなどに漁夫の利を与えてしまう。 2014年は発想の転換の年になるのでは。


玉川: アメリカは本音としては、この防空識別圏をどういうふうに思っているのか?
寺島: 日本人がこの識別圏問題でまず気がつかないといけないのが、アメリカと日本との温度差というか、この温度差を際立たせるために、中国はこのボール(防空識別圏)を投げていたというふうに考えるべきだと思う。

(説明)
日米の温度差とは、一体何か。そこにはアメリカが考える”世界戦略“がある

寺島: 今のアメリカにとって最も重要なアジアに対する優先事項は、日本に対しては同盟国として日本の期待を繋ぎとめ、中国に対しては、これからアジアにおいて最も強烈になってくる国として、この国との仕切りの中で、アジアを制御していこうということで、わかりやすく言うと、中国も日本も大事というゲームだ。
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日本はアメリカとの抱き合い心中の中で、中国と向き合っていけると思って、例えば今回の識別圏が中国から設定されてくると、アメリカに対して尖閣は日米安保第5条の対象になりますねと盛んに繰り返し確認して、そうだ心配ないという言質をとるのに一生懸命だ。
一方アメリカは、中国に対しては、民間航空機には中国に事前通告するようにと。

日本のためにもろ肌脱いで中国と戦争してでも、日本の利権や利害を守り抜こうというゲームが組み立てられると思っている前提自体を、考え直さなければいけない時期に来ている。

(私は)今月初め、欧州に行っていて、一番ドキッとしたのは、12月2日から4日までの3日間、イギリスのキャメロン首相が北京を訪れた。何と100人の経済人と6人の閣僚を引き連れて北京に行った。ちょうど正に識別圏問題がまっただ中だった。

キャメロンは今年の春までは、チベットのダライラマと面談したりして、中国にとっては好ましからざる西側の指導者という空気だった。
ところが、ここへきて「チベットは中国のものだ」と明確に言い切って、中国支持者としてプレイしたいみたいなことを、中国でぶちあげている。

欧州で議論していてあるつらさを感ずるのは、「おたくも大変ですな」とまずからかわれる
近隣の国ともみ合っていますね。つまり、いつまでも内紛でもみあっているアジアに(欧州)はホッとしているというか・・・。

要するにアジアの時代といわれて、GDPの5割がアジアになるだろうと、アジアが力をつけていきているということに対して認識のない欧米人はいない。
ただしその中で、アジアっていつまでもダメだと 舌をだしている空気がある。
いつまでたっても内輪もめで、力合わせて自分たちの共同利益のために動きだそうとしない。

(説明)
結局、日本が今のままだと、日本以外の国が”漁夫の利“を得るのではと寺島氏は懸念している。

寺島: 冷戦型の発想を、超えていかなくてはいけない。ここにいつ気がつくか・・・。

(説明)
冷戦型の発想とは一体何なのか・・・。

寺島: 植民地主義の根幹は分断統治。対立を利用する形で自分の影響力を最大化する。経営の極意であるとも言われているが、内部紛争を、もめごとを助長して、結局俺が登場してまとめなければここは仕切れないという空気を作って、影響力を最大化するというのか、そういうゲームの中に日本はいつまでもはまっている。このあたりから、目覚めなければいけない。 

日本としてはある種の自立自存に立って、近隣の国との主体的、平和を共有していくことに、覚悟を決めて向き合わなければいけない。 いつまでも軍事同盟だよりに、近隣と緊張感を持って、自分の影響力を高めるなんていう、冷戦型の発想を超えていかなくてはいけない。 ここにいつ気がつくか。

2014年は、実はそういう転換点になるのではないかと思っている。

(スタジオ)
玉川: つまり、冷戦の時に、日本がアメリカを後ろ盾にしてソ連と対峙した。それと同じような構図を中国に適用できるのかというと、アメリカにとってソ連は経済的な結びつきはなかったが、中国はアメリカにとって凄く大切なパートナー。

アメリカ国債を一番持ているのは中国。中国がアメリカ国債を売ったら、アメリカの好景気など一発でなくなってしまう。
金融兵器と言われている。もっと中国は儲けたいと思っていて、それはアメリカだけでなく、世界中がみなそうであるときに、日本が冷戦型の考えをしていては、結局日本だけが孤立するのではないか。

例えば、フランスとドイツは長年、血で血を洗うような戦争を続けてきたが、第二次大戦の後は、今はEUになっているが、仲良くすることで両方で利益を得ましょうと。

ヨーロッパから見ると、アジアは何をやっているのだろうと。 まあその間にドイツはフォルクスワーゲンの車売っているし・・・。そういうことでいいのかと寺島氏は言っている。

今日のむすび: 中国に毅然と対峙するのは必要だが、むやみな対立は結局損なのでは。

赤江: 日本が自立した毅然として国になるには、どうしても近隣諸国と仲良くしないと、沖縄の基地問題なども関わってくる。

(以上)

12/26 そもそも総研「そもそも中国の防空識別圏設定で、考えるべきことは?」(1)

2013.12.27 17:38|そもそも総研たまぺディア
昨日のそもそも総研は、ネット上でschnauzerが情報を得ている田岡氏、田中氏に、世界的な視野からの現状を教えてくれる寺島氏を加えて、メディアでは決して掘り下げないが、問題の基本中の基本である点を上手く取り上げてくれていました。 視聴率がよく、多くの日本人が気づいてくれますように・・・。

12/26 そもそも総研たまぺディア「そもそも中国の防空識別圏設定で、考えるべきことは?」

玉川: 日本の中のメディアの情報だけを見ていると、もしかしたら、世界から見ている目と違うのではないのか。 例えば、世界的常識、日本と中国やアメリカとの関係も、欧米のメディアはどういう風に見ているかと気になっていた。
今回それを調べてみた。

中国が先月の23日に、防空識別圏を、「設定した」と発表。
日本政府は「強く懸念」し、即時撤回を今でも要求している。

そもそも防空識別圏とは、世界的に見てどういうものなのか?

国には、領土、領海があり、その上が領空となっている。 防空識別圏は一般的に領海の外まで設定される。何故設定されるかというと、例えば他の国の飛行機が、戦闘機でも、自分の国に向かって来たと、例えば何の通告もなく向かって来たとしたら、警戒しなくてはならない。 例えば、領空に入ったところから警戒を始めると、領海から領土までは直ぐで、戦闘機はマッハで飛んでくるからここからでは対処が間に合わない。 だから、もっと先の段階から見ましょうというのが、防空識別圏。

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日本の場合は、このように領海だけでなく、その外にも防空識別圏が設定されている。勿論尖閣の上も日本の領空だということで設定されている。
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今回中国はこのように設定した。 我が尖閣の上に設定して何だと感情的になるわけだが・・・。 一方で韓国はこのように設定している。注目してもらいたいのは、韓国の領空識別圏が北朝鮮の領土の上に引いてある。 
こういうこともあり、軍事ジャーナリストの田岡俊次氏に聞いた。
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防空識別圏は、国際法上も国内法も根拠がない。各国が勝手に設けている。韓国も北朝鮮の領土内に識別圏を設けている。

玉川: まず、この防空識別圏というのは、そもそもどういうものなのか?
田岡: あれは領土問題とはほとんど関係がなくて、防空部隊がレーダーで見張る時にその線より(領空側)に来たものは用心して見張れよと、怪しければ戦闘機出して見にいくという事もある。 とにかく領土とは全然関係がなく、韓国の防空識別圏は、北緯39度で平城の上を通っている。 国境まで見ていても意味がなく、突破されてしまう。だから当然(領空)の向こうのほうからレーダーを見ないといけない。

玉川: 要するに、例えば向こうから戦闘機が自分の国にやってくるとすると、領空に入ったところからそこを警戒するとアッという間に来られてしまうから、もっと先から見ますよということが防空識別圏。
日本政府は、尖閣は日本の領土、当然その上は日本の領空。(中国)はそこも含めて防空識別圏の中に入れてしまったことをひどいと言っているが、これについてはどうか?
田岡: よその国の上に引いても全く構わない。
仮に日本が中国の上空に引いても構わない。勝手にこちらが決めた見張りの目安に過ぎないわけ
だから。
国際法上も何の根拠も無いし国内法上の根拠も無い。 ただ防衛省の場合には訓令で、それも自衛隊機がそこを飛ぶときの飛行要領だけの訓令があるだけ。

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アメリカの(ヘーゲル)国防長官とか、(デンプシー)統合参謀本部議長が記者会見で言っていたが、「防空識別圏を作ること自体は、何ら特別なことではありません」と。構わないことだと。

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ヘーゲル国防長官: 防空識別圏自体は、特に新しくも、中国特有のものでない。
アメリカ軍制服組のトップ アメリカ軍 デンプシー統合参謀本部議長: 防空識別圏の宣言自体が不安定要因というわけではない。

田岡: ただそのデンプシーは、中国に向かう航空機がフライトプランを出せというのは良いと言っているが、ところがそのかなり広い領空を横切って、例えば日本から台湾に行くとか香港に行くとか、そういうのに飛行計画を提出しろというのはおかしいと、そこだけが問題だと言っているわけで、その程度の話。 たぶん中国でも防空識別圏を作るときによくわからなくて、何か勉強が浅くて、よその国の例を完全に調べずに書いたのではないか。

玉川: そうすると日本政府としてはどういう態度を打ち出すべきなのか?
田岡: この話は、アメリカと中国との間でも、どんな運用をするかということで話は終わっている。 よその国も、自分がやっている話だから文句の言いようが無い。だから日本側として何をするかというと、結局はフライトプランを出すかどうかの話だけ。
現在だって、いきなり行くわけにはいかないから、当然、中国に行く(フライトプラン)はもちろん出している。
だから台湾とか香港に行くときどうするかだけだが、中国は民間機に適用しないと言っているので、出さないからと言って撃墜されることはありえない。

玉川: ということは、日本側もほっておけばいいかと・・・
田岡: どっちでもいいような話・・・。だからもう終わりましたという話。 ちょっと騒いで恥ずかしかったというような。 特に恥ずかしいのは、6日に衆議院の全会一致の議決をしたこと。

4日にはアメリカの国防長官とか統参議長が、あの設定には問題はない。 日本がそれを騒いでいるのが心配みたいなことを言っている。 完全に形成が変わった2日後に即時撤回を求める決議案が可決したのは格好が悪い。

(スタジオ)
玉川: という話で、設定自体はよくあること。 問題は中国側もよくわかっていなかったのか、運用の問題で、例えば、領土、領空に向かって飛んでくるような飛行機が、フライトプランを出すのは当たり前だが、(通常は、当然他国の航空機が着陸する前にはフライトプランは提出されている by schnauzer)防空識別圏の中だけを飛ぶような、つまり日本から香港やシンガポールに行くようなときにも、フライトプランを出せと中国が言っているのはおかしいでしょうという話。

日本政府としては、アメリカ政府も一緒に撤回しろと言ってくれると思っていたが、さすがにアメリカは撤回しろとは言わない。黙認はしませんよと、中国にも日本にも顔を立てという感じだと田岡さんは言っている。


陸にしか領土の無い国は、防空識別圏を領土より広めにとっている国はあるのか? ヨーロッパなどで、他国の上に防空識別圏が重なりあっているのは常識なのか?という松尾氏の疑問については、かつて西ドイツと東ドイツが別れていた時には、西ドイツは東ドイツの上に防空識別圏を設定していた。 それ以降についてはわからないと玉川氏。

識別圏が広がってきたことで、中国の空軍と日本の空自が空でスクランブルになったときに、接触事故を起こしたりすることが発生する可能性があって怖いという説明が当初あったが、その懸念はどうなのかという高木さんの疑問について、玉川氏は、それは運用の問題で、あの後、米軍のB52がこの識別圏を飛んだがスクランブルが出なかったという話があるが、それは元からこの軍事演習が行われることになっていてその予定通りに飛んだ。 米中間では何の問題もなかった。(by 田岡)
公海上を飛んでも何も問題はないし、防空識別圏を設定したから余計に危険になるという問題もない。 ただ、今回中国が防空識別圏を設定したことには別の意味があるということは後で出てくる。

(続く)







12/5そもそも総研「そもそも今の秘密保護法案本当に悪用されないと言い切れるんですか?」

2013.12.06 12:32|そもそも総研たまぺディア
今日にも問題噴出の「特定秘密保護法案」が参議院本会議で採決されるか、会期延長かというところです。

昨夜12/5の報道ステーションでも、この法案を牛耳っているのが公安警察官僚が中心である内閣情報調査室であるとの言及がありました。わかっているのなら早くに問題点を広く伝えるのがマスメディアの責務だと思いますが、全く機能していません。

昨日は参議院の委員会でも強行採決がまたありました。 福島みずほ氏によると、速記録(まだ正式ではない)では「議場騒然 聴取不能」となっているそうです。 採決は本当に有効なのか??
子どもには見せられない運営ですね。

国会前では、市民の抗議行動が続いていて、その数も多くなっています。
安倍さん、拙速にこの法案を採決しようとして、市民が立ち上がるよい機会をくれているように見えますよ。ヤブヘビだったのでは~~。

昨日のそもそも総研でもこの法案をテーマに扱っていましたので、簡単に書き留めておきます。緑字はschnauzerの遠吠え。

12/5そもそも総研たまぺディア「そもそも今の秘密保護法案本当に悪用されないと言い切れるんですか?」

玉川: 今日のそもそも総研は、5週間前の「そもそも今の秘密保護法案は悪用されないと言い切れるんですか?」の第2弾。

参議院で審議中の「秘密保護法案」には、最初から懸念していたことが2つあった。

10月31日の放送で日弁連 秘密保全法制対策本部事務局長 清水勉弁護士が懸念指摘していたことが、本当になった。
ひとつはテロリズムの定義
=====
(10/31放送の映像)
清水:「政治上その他の主義主張に基づき国家若しくは他人にこれを強要するための活動」というのがテロリズムになる。
例えば国会前や首相官邸前でたくさん人が集まって何か一定の反TPPでも脱原発でもそれを言えば、デモでもそうなる。
間違いなく脱原発でもテロリズムになる。
=====
5週間前にそんなことないと思っていた人も、秘密保護法案 第12条の2(抜粋)によると
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又は、又はで繋がっている。
(且つではないので、1つで要件になっているところに注目。これについて清水弁護士は、他の場所で、政治上の主義主張を他人に強要となれば夫婦間でもありうると冗談を。)

石破幹事長のブログでの発言
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松尾:何週間前に番組で懸念していたことを、石破幹事長が自分で証明したという形になった。

清水さんにもう一度聞きに行ってきた。
玉川: 自民党の石破幹事長のブログのニュースを聞いたときにどういうふうに率直に思ったか?
清水: この法律が考えているテロと石破幹事長が考えているテロが重なっているというふうに読めた。
玉川: 石破幹事長はあくまで自分の考えは、秘密保護法案とは関係ないという立場だと思うが、清水さんから見ると具現化しているように見えるということか。
石破さんにすれば、いやいやそれは関係ないと言うと思うが。

清水: 我々法律の実務家としては、普通に条文の解釈をした時に、おそらく警察、検察、裁判官はこのように解釈するだろうということを、確度が高いもので考えていくわけ。
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(説明)
石破幹事長のブログの記述を受け森雅子担当大臣は国会答弁で、
「市民のデモ活動は本法案のテロリズムに該当するものではございません。」
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しかし、清水弁護士は秘密保護法案が運用される際の問題点を指摘
清水: これは実際に法律の運用が始まった時には、動き始めた時には、政府見解で現場が動くわけではない。法律家が動かしていくわけだから、捜査機関や検察や裁判官がどう考えるかというところで、決定的に決まってしまう。
(テロリズムの定義がここで決まると、他の法律判断に運用される危険性があるという指摘だと思います。)
それは、条文の書き方がどうなっているかだけで形式的に決まるから、森大臣があのように言っていたのだから、現場では政府見解の法の解釈をしますという風にはならない。

玉川: その後石破幹事長は撤回、謝罪をしたわけだが、どうですか?
羽鳥: これは石破さん個人の問題ではなく、国会議員がこういうことを言う可能性はあるということか。
玉川: これテロリズムというのは何かというのは、適正評価というところに入っている。
適正評価というのは、秘密保護法の情報を扱う人が、本当に扱うにたる人かということを評価するところに入っている。

テロリズムというのは何だということを、普通は別のところに書いてあるとわかりやすいが、あさってのところ(この法案の適正評価の部分)に入っているが、法律家からすると全体(法体系)の話になってしまう。 気がついてない人が多い。例えば国会議員にも多い。
赤江: 民主主義で選ばれた政治家が、民主主義の根幹に関わるような発言をすることは信じられない。これがテロリズムに関係ないというのであれば、12条の又は、又は、をどうして変えられないのか。

2つ目の懸念 第25条 相談しただけで罪に問われる・・・
第23条の1 秘密をもらす行為  
第24条の1 秘密を不正に入手する行為
第25条 上記に規定する行為の遂行を共謀、教唆又は煽動した者は、5年以下の懲役に処する。
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玉川: 実際に入手しただけでなく、入手するためにどうしたらよいのかと話し合っただけで、罪になってしまう。これも非常に恣意的に運用されるのではないかと危惧した。

人間はいろいろ考える。突飛なことも話す。話し合った後に、やはりよくないよねと止めれば普通は犯罪にならない。あいつ 憎いから殴りたいよなといっても、実際殴らなければ罪にはならない。ところがこれは殴ったらどうなのかと話し合っただけでも殴ったようになってしまう。 これでいいのか。

この2点を野党に聞いた。
==========
12/2に三人の政治家にインタビューしています。
要約すると、
松野氏は、特定秘密をチェックする第三者機関の設置にこだわった。それを担保するのは総理が設置すると答弁したことで、法律で定めるようにしなかったのは、時間がなく7割を目指したから。
どんなに騒いでも、今のこの国会の議席数では、本気で通す気