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Author:schnauzer
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村上誠一郎 × 岩上安身(2)

2014.07.09 17:21|外交安全保障
7/4 IWJ 村上誠一郎氏インタビュー (2) 後半要旨

世界の警察官であるアメリカの肩代わりをすると言っているが、そんなことは経費的にも無理。
日本が能力もないのにそんなに責任を広げる必要があるのか、そんな余裕はない。アメリカも歓迎すると言っているが、彼らの描いている集団的自衛権はこんなに大きい。一緒に行っておいて、限定的容認だからと言って引き返すことが出来るのか。

* 日本はイスラム圏と敵対関係になっていないから、石油にしても好意的にやってくれている。 アメリカと一緒にやった場合には、我々が限定的容認だと言っても、通用しない。

 去年、秘密保護法が総務会に最後に回ってきたときに、それまで政調会などでノーチェックで出てきた。実は1980年前にもスパイ防止法に反対している。27年間ブレていない。
国民の知る権利や、報道の自由や取材の自由を根本的に冒す危険性があるのに、何故ノーマークで許されるのかと尋ねると、答えはなかった。

これが、アメリカでは秘密保護期間は25年だが、日本は60年公開しない
だれが検証出来るのか?
アメリカでは、秘密にする第三者機関があるが、日本にはない。
時の為政者が秘密指定して60年公開されなければ、後になってだれがそれを検証するのか。
私が、総務会で反対するまで、マスコミも批判をしていなかった。

 この春、公務員法の改正があり、各省庁の上位600人の人事権を官邸にもっていってしまった。最後まで反対したが、役人が一旦左遷されるとリカバリーは難しい。案の定本音を言わなくなった。

選挙と内閣改造による人事を党幹部に押さえられている政治家も、人の子。 選挙に自信があるか、ポストに拘泥しない人でないと本当の事を言うのは難しい。

 時の権力者に反旗を翻してきた、今回は大変な戦いだと思うが、どうして出来るのか?(岩上)

私も、村上水軍の末裔ということになっている。 伯父の村上幸太郎は大蔵省の事務次官をやったが、死ぬまで、「次の世代にツケを回すな」と。

親父は、警察予備隊・・・・、死ぬまで、「防衛予算は少なければ少ないほどいい」と、また「自衛隊員の犠牲者を極力だすな」と。(涙)
防衛庁長官をやった人達のようなロートルが行くのならいいが、若い世代に地球の裏側まで命を賭して行ってもらうと簡単に言えるのか、私には分からない。(涙ながらに)

 本当に次の世代を考えるのなら、財政と社会保障を、経済・外交を見直して、次の世代が生き残ることを考えないといけないのに、残念ながら、そういうことを考える人が少ないのなら、たとえ1人でもやるしかないかなと。 

国会議員1人1人が、日本に何が必要なのか、何が優先順位なのかということを真剣に考えなければならないとき。

日本型ブランド平和主義が何が悪いのか
憲法上の手続き、法律上の手続きを考えても論理にもならないのに、ごり押ししてしまうことは、自民党が憲政史上に大汚点を残すのではないかと危惧している。

これで、戦いがこれで終わったわけではなく、秋に自衛隊法を含めて関連法の改正法案が出てくる。これをきちんと精査していく。

 これだけ大きな力が働いて一方向に無理矢理持って行こうとしていく時に敢然と物を言うというのは、いろいろと不利益を被るのではないか?(岩上)

私もアラ還を過ぎて、あと10年やれるか分からないが、生きている間は正論を言わせてもらおうと。それから子どもの時に見たトーマスモアを題材にした「我が命はつきるとも」という映画があった。時のヘンリー8世に対抗して最後まで自説を曲げないで斬首された。
地元の人が30年近く、小選挙区、郵政民営化に反対して守旧派だと叩かれても付いてきてくれた。
総背番号制にしないと年金番号が整理出来ないと言い、叩かれた時も付いてきてくれた。
今回も論理的に言えば負けていると思わないし、私の言うとおりになると思う。 
生きている間は正論を言わせてもらう。

自分こそがミスター自民党だと。これまで先輩たちが築いてくれた、自由闊達な議論が出来る自民党を守るためにもたとえ1人でも言い続けるしかないかなと思っている。

 ファシズムはいつでも起こり得ると政治学者が言っていたが、アメリカのマッカーシズムもあった。
まともな教育を受け、まともな憲法論を展開したら、こう(自身の考え方)ならざるを得ないのに、与党だけでなく野党も擦り寄っている。戦前の大政翼賛会より集中度が高い。正当な批判勢力がないわけだから、あっという間に皆が滝壺に向って走り出す危険性がある。
マスコミも含めて皆でウオッチしていかないと、日本国民は優秀だが滝壺に落ちるまで止まらない。 

国民の6~7割の人がこのプロセスはおかしいと思っている。巷で話していると皆私と同じ意見だが、ところが永田町に行くと途端に少なくなる。党本部に行くと私1人になる。
これが民意を反映しているのかと心配になる。党職員は「先生頑張ってくれと」皆分かっていると声を掛けてくれる。執行部はこの錯誤をわからないといけない。

 松山の駐屯部隊がPKOに行って帰って来た。最後まで1人の犠牲者が出なかったが、PKOに賛成したい地政治家として、犠牲者が出ていたらと考えると。(言葉を詰まらせて)
機雷の掃海だと簡単に言っているが、それは作戦の妨害に当たり絶対に阻止に来るわけで、犠牲者がでないわけはない。 

経済徴兵制から徴兵制も視野に入れて考えなければならない時に、閣議決定の紙一枚で国民が認められるのか。
議員は、徴兵制の議論はおろか、そんなこと考えたこともない。

 これだけ財政が逼迫している時に今やるべきことは、次の世代に何で食べていってもらうのか、技術革新や新しい産業の創設を先に考えるべき。安倍さんのやるべきことは、こっちの方。

 軍事国家に向っている方向だが?(岩上)
破壊する兵器は格大再生産に繋がらない。
財政が破綻したら、集団的自衛権なんて話ではなくなる。

==========
憲法9条の改憲についてはどう思うか?という岩上氏の質問に、真正面から答えないというような不満も残りましたが、こういう自民党議員もいたのですね。 これからの村上議員の動きに大注目。 ご本人は東大の同級生である山口那津男、岡田克也(義理の弟)、小野次郎(結い)など各氏と会って話をすると言っていましたが、国の一大事なのだからもっと広く共闘したらいかがでしょうか。また、心ある野党議員が声をかけたらどうでしょうか?



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村上誠一郎 × 岩上安身

2014.07.04 23:39|外交安全保障
本日7/4 自民党の中でただ一人、秘密保護法と、今回の集団的自衛権行使容認の解釈改憲の自民党総務会での決議に反対した時の人自民党・村上誠一郎衆議院議員に、IWJの岩上安身氏がインタビューしました。

村上氏は、この間外国特派員協会の記者会見にも臨んで、解釈改憲反対の意見を述べています。

今回のインタビューでは、至極全うな市民感覚を持つ自民党のベテラン村上議員が、正当な美しい日本語を用いて、今回の閣議決定のおかしさ、現在の自民党議員の危うさ、今政治家としてやるべきこととはなどを語りました。
途中で落涙するところもあり、岩上氏のインタビューがいかにインタビューされる側の心のバリアをとるのだなと感じ入った次第です。

さわりの部分を要約してみました。

岩上: 閣議決定によって憲法解釈を変更することに対して反対しているが?

村上
日本の憲法は立憲主義と三権分立をとっている。
立憲主義とは、国家の役割は、個人の権利や自由を保障すると定義するとした上に、権力が暴走しないように、国家権力の行動を厳密に制約するという考えがある。これに違反するのではないか

安倍さんは予算委員会で、内閣法制局長官の解釈は自分が責任を持つと言っている。しかし、憲法の最終的解釈権限はどこにあるかと言うと司法にある。内閣の一部局の法制局長官が解釈を変えるということは、三権分立に抵触する。これは絶対に認められない。

内閣が変わる度に、法解釈が変わり、法律が変わるならば、自民党の替わりに他の内閣が出たら、ひっくり返されてしまう。これでは法定の安定が根本的に崩される。

一番心配しているのは、ある方がナチス憲法を真似しろとおっしゃったが、ナチスは全権委任法を国会で通して、民主的であったワイマール憲法を実質的に有名無実化した。
主権在民、基本的人権の尊重、平和主義はこれは絶対に変えてはならない根本原則。

もしこの内閣の法解釈で変えられるということが一旦決まると、すべての分野が、堤防の蟻の一穴ではないが、主権在民や基本的人権の尊重なども侵される危険がある。
これは下位の法律で上位の法律を変えてしまうということ。
これは単純な法律論議であると思うが、残念ながら、何故私一人しか反対しないのか分からない。

こういう方法で、秋にどういう法律が出てくるか分からないが、早速どこかの市長さんが違憲訴訟を起こすらしいが、秋に自衛隊法などの改正法案が出てくる。 そこで全国で違憲訴訟が起こる。各裁判所でいろいろな判決が出て、ある最高裁の判事が言っていらっしゃるが、私の所に来たら違憲判決を出すとまで明言されている。
そう簡単な話ではないと思う。

そもそも内閣法制局は、行政の法律顧問として、行政の内部から政策を法的に支える憲法の番人。だから、歴代の阪田さんや秋山さんたちは、もしそういう話があったら、「総理おやめなさい。」と止めてきたわけだ。 

ところが、亡くなられた方だから言いたくないが、小松さんが、本来止める立場にあったのに、例えがよくないかもしれないが、行司がまわしを付けて土俵にあがっちゃった。ここからそもそも間違いの始まりだったのではなかと思う。

この後はランダムに。
*個別的自衛権の延長に集団的自衛権があるのではなく、別のもの。集団的自衛権は自国が攻められていないのに、同盟国が攻められているからと戦争に加担すること。

*自民党総務会で、1人1人発言した。5~6人が憲法改正が本筋だと、それが大前提であると言ってくれたので、本当の意味は分かってきつつあるのではという感触をもった。 

*しかし、世界情勢の変化だとか、アメリカに見捨てられる危険性があるだとか、自国の若者の血を流さなければ助けてくれないだとか、非常に情緒的な根拠で賛成する人が多く、ある人は、時間がない、急いでやるしかないと。また、憲法が残って日本が潰れたらどうするのかという人もあり、非常に心配だ。

*こういう重要な問題は、due process法の手続きが重要。何か問題点なのか、何故、誰が反対するのかを記録して残しておき、後の検証に役立てるべきだが、総務会は議事録もとらない。
小選挙区制、郵政民営化も反対したが、私は誰が賛成したか分かっているが、記録には残っていない。

*キューバ危機の頃を思えば、今ははるかに平和なのに、外務省は何故平和外交をせずに、日中、日露、日韓を敵対視するのか。これでは防衛予算が増え続ける。
ドイツは陸自の半分に軍人を減らしている。日本は軍備を増やせる財政状況にない。

*何故中国を敵視するのか分からない。日本は長い間、中国の歴史、文化を勉強・吸収してきた。何故角をつきあわせなければならないのか。互いの良い点を学べばよい。

(続く)


落ち着かなかった6/30、7/1

2014.07.02 23:58|外交安全保障
分かってはいたけれど、昨日の集団的自衛権の行使容認の強引な閣議決定には怒りを覚えます。

6/30
月曜日の官邸前の抗議に、近くに住む者として反対の声を上げたいと思って夕方向ったのですが、最近安倍ちゃんのあの頬が下がった毒気顔当ってしまったのか、公明党の善人ぶって解釈改憲には反対と大声で語っていた政治家の、身代わりの速い目くらましにあったせいなのか、体調が余りよろしくなく、最寄り駅から引き返す始末。

帰宅してIWJで中継を見ていました。

夕方から深夜まで続いた抗議は昨日もあり、6/30の様子をIWJが10分にまとめてくれていたので、貼っておきます。


多種多様な人々が抗議に来ていたのですね。 また、若い人も多い気がしました。
腹立たしいのは、5:30~ 国会記者会館の屋上からの映像で、記者の車が出ていくところが映りますが、この様子を目の当たりにしていても、6/30のNHKニュースでは報道せず、報道ステーションは2番目、TBSがやっと一番のニュースで扱いました。
腹を立てた友人は、NHKに抗議の電話をしたとのことです。 恐らく最近のNHK会長や一部経営委員の偏った発言に加えて、この事態に多くの電話が鳴り響いたことでしょう。

ここには、宇都宮健児氏や共産党の笠井亮氏、吉良よし子氏が登場していました。 

schnauzerは反原発抗議で、この官邸前の道(ぐみ坂)と、国会正門前の道が人で一杯になったのを運よく経験しています。その時は冷静に見ていると、警察も手薄で人垣が決壊するべくして決壊し、警察も人々を上手く誘導して怪我のないようにしていた気配を感じました。
この日も上から見ていると、手前の人垣は崩れそうに見えますよね。

若い人にとっては、警察官の間をすり抜けて道を占拠するなんてこと考えも及ばないことなんでしょう。
schnauzerがいたら、率先して決壊させたと思うけど、まあ実際の警備がどうだったのかは分かりませんが。
道を人が占拠したら、それはそれで報道価値は倍増し、世界各地にもっと報道が広がったと思いますが・・・。

7/1
昨日は、少々回復したので2時から参議院会館で行われた 
7.1「わたしも、ぼくも、こんな閣議決定許せない!リレートーク大集会!」に友人を誘って行ってみました。 

これは福島瑞穂氏が中心になって、何回も行われている「集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会」の一環として行われたもの。 
登場した政治家は、民主・神本恵美子、近藤昭一、有田芳生、社民・吉田忠智、共産・田村智子の諸氏。
市民活動の代表者8人、その他会場から一言言いたい人多数で、トーク大会。
もう我慢ならないぞ!と夜行バスに乗り込んだ長野の白髪のじさまなど印象的でした。

反原発よりは、危機感を持って足を運んだ人が多い感じで、これからの反権力活動が少しは活発になるのか??
それとも、この熱気を吸収出来ずに終わるのか・・・。 
この日は、運動の質を変えていかないとならない分岐点の予感がしました。

ここで、自民党で唯一この閣議決定に異を唱えている村上誠一郎氏が、自民党総務会でどういう行動をとったかを野田聖子氏の秘書から聞いたと緑の党で落選した杉原氏が報告。

即ち、集団的自衛権の行使容認の解釈改憲を審議した総務会は、原則全会一致と言われているので、村上氏の行動が注目されていたのですが、どういう経緯があったのか。 全会一致と言われているが、結局反対する人は退席して全会一致とするのが通常。ところが、村上議員は反対がいたことも議事録に残すようにと退席をしなかった。 結局野田聖子総務会長が圧倒的多数が賛成ということで纏めた。 村上氏は、決して孤立しておらず、5~6人の同調者がいたということでした。 
今朝7/2の東京新聞には「自民総務会、異論噴出 異例の会長一任」という記事で、上記を報じています。

この中で、村上氏は「憲法改正が筋で、憲法解釈変更は認められない」と主張。 
反対はしなかったものの木村義雄参院議員は「もう少し政府が覚悟をもってやってほしい」と注文を付けた。
他のメンバーから閣議決定に基づき改正自衛隊法など個別法が制定された場合、違憲訴訟で負ける可能性があるとの指摘も出た。 
また、村上氏は、出席者の発言や閣議決定案への賛否を議事録に残すよう求めたが受け入れられなかった。とありました。

集会の最後のところで一足先に失礼し、官邸前を見学だけして行こうと思ったのですが、案の定警察が議員会館側からは直接行かせてくれないのです。 反原発集会の時もそうでした。 
この後、山本太郎議員は、官邸前に行かれない市民と一緒に、警察と小競り合いがあったようです。
その様子は、IWJ 2014/07/01 閣議決定と同時刻、その裏で行われた山本太郎議員らへの強制排除
田中龍作ジャーナル アベノクーデター 警察が国会議員を暴力で排除

この頃、有楽町駅前では、民主・海江田万里、松原仁、維新・松野頼久、結い・小野次郎、生活・鈴木克昌、社民・吉田忠智の各氏が街宣車の上に並んで「集団的自衛権の容認の閣議決定」に反対したようです。
「集団的自衛権の容認」閣議決定に反対し野党5党が演説会
言うまでもなく、野党は機能不全ですね。 官邸前で人々が抗議しているのに、何で有楽町駅前???

兎に角、筋の通った政治家を国会に送らないと、やりたい放題されてしまう危機感から、政治家の話題を中心に取りとめなく書いてきたけれど、腹立たしくて疲れたのでここでやめます。 おやすみなさい。



自の出した試案には下書きがあった?

2014.06.25 22:47|外交安全保障
高村自民党副総裁と北側公明党副代表が、集団的自衛権の行使容認について、ああだ、こうだと案を出して落とし所を探っていたように見えましたが、本日とうとう

・・・公明党公明党執行部は、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の柱となる、自民党の高村副総裁が新たに示した試案について、行使に歯止めをかけたいとする公明党の主張に沿ったものだと評価し合意する方針を固めました。
これを受けて、政府・自民党は、来月1日にも閣議決定を行う方向で調整を始めました。 NHKニュースより 



これについての20日西日本新聞の記事は、この修正案は公明党・北側氏が内閣法制局に頼んで作った案であったというスクープです。 これについて他の新聞は追わないし(追っても裏付けがとれないので・・)、公明党がこの記事について抗議したという話も聞かないと今朝ラジオで知りました。 従ってかなり真実に近い公明党関係者からのリークなのかもしれません。
全くあきれた話ですが、最初から考え得る話でもあり、政治不信をますます煽る事態です。

少し長いのですが、リンクが切れることもあるので、すべて引用しておきたいと思います。 
読めば不謹慎ですが、偉そうなおじさん達が真面目に演じている茶番劇はマンガチックでおもしろいし。

自衛権行使「新3要件」公明が原案 自民案装い、落としどころ (6/20 西日本新聞

 集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈変更の閣議決定は、19日に行われた安倍晋三首相と公明党の山口那津男代表の党首会談で最終局面に入った。

 解釈改憲の核心は、自民党の高村正彦副総裁が提案した自衛権行使の「新3要件案」だ。特に「他国に対する武力攻撃が発生し、これにより国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある」という集団的自衛権行使に絡む文言をめぐり、自公間で調整が続く。

 だが、実はその原案は、公明党の北側一雄副代表が内閣法制局に作らせ、高村氏に渡したものだった。解釈改憲に反対する公明党が、事実上、新3要件案の「下書き」を用意したのだ。

 「私が考える新3要件というものの、たたき台を作ってみました」

 13日の安全保障法制整備に関する第6回与党協議会で高村氏が突如A4サイズの紙を配った。「集団的自衛権の行使はできない」と結論付けた1972年の政府見解の一部を引用し、行使を認める逆の結論を導き出す私案だった。「この紙を見たのは初めてだ」。協議会後に北側氏は明言した。だが、事実は違う。

 政府関係者によると、その数日前に公明党執行部がひそかに集合。解釈改憲で対立する首相と山口氏の「落としどころ」を探るためだった。連立維持を優先させ、解釈改憲を受け入れる政治決断の場でもあった。

 山口氏が「憲法解釈の一番のベースになっている」と尊重してきた72年見解を援用する形で、限定容認と読み取れる原案を内閣法制局に作成させる。北側氏がそれを指示していた。

 原案に自公協議の焦点となる「恐れ」があったかどうかは分からない。しかし、自民党関係者は言い切る。

 「新3要件は自公の『合作』だ」

 ■「平和の党」連立に固執

 公明党が17日に開いた安全保障法制をめぐる会合。

 「被爆国として個別的自衛権の範囲でやりくりしながら、不戦の誓いを守ってきたのではないか」(中堅議員)

 「同じ1972年見解から逆の結論を導き出して論理的な整合性が保てるというのなら、きちんと説明してほしい」(若手議員)

 「政府が示した事例で集団的自衛権が必要だと主張する議員が一人もいないのに、なぜ行使容認の閣議決定案の議論に入るのか」(ベテラン議員)

 19日の会合でも「高村私案には地理的制限がない」といった異論や慎重論が相次いだ。新3要件の高村私案は、党執行部が「下書き」を指示したものだったとは、一般議員は知らない。

 執行部が限定的ながら解釈改憲を受け入れた以上、党内会合はガス抜きの場になりかねない。政府筋は「公明党幹部から『まだ騒ぎますけどすみませんね』と言われた」と打ち明ける。

 だが、安倍晋三首相に譲歩した執行部と、反対を続ける一般議員の溝は埋まっていない。この状況に最も苦しんでいるのが、党内で解釈改憲に最も強く反対してきた山口那津男代表だ。

 弁護士出身であり、防衛政務次官を経験して安全保障政策に精通する。もともとは72年見解を盾に「憲法解釈を変えるなら論理的整合性などを保つ必要がある」と訴えてきた。連立維持のためとはいえ、解釈改憲受け入れの決断を余儀なくされ、じくじたる思いが募る。複数の関係者によると、山口氏が「俺が辞めればいいんだろ」と漏らす場面もあったという。

 しかし、党関係者の一人は言う。「代表辞任は許されない。辞めれば党が『筋を曲げた』と認めることになる。ますます党員や支持者に説明がつかなくなる」

 限定容認論では一致した自公だが、「限定」の範囲をめぐっては、なお大きな溝がある。公明党が最後の抵抗をみせるのが、集団的自衛権の行使による海上交通路(シーレーン)の機雷除去だ。

 戦闘状態での機雷除去は武力行使に当たる。首相は輸入原油の8割以上が通るペルシャ湾のホルムズ海峡を念頭に、日本の生命線である原油確保のため、集団的自衛権による機雷除去が必要だと主張する。

 これに対し、公明党の井上義久幹事長は「首相は国会答弁で『武力行使を目的とした自衛隊の海外派遣はしない』と述べた。矛盾ではないか」とかみつく。

 自民党は、機雷除去を含め、政府が示した集団的自衛権行使の8事例について「新3要件案で全て対応できる」と譲る気配はない。公明党は、自分たちが「下書き」を用意した新3要件案によって、自縄自縛に陥る可能性がある。





米輸送艦による邦人輸送の事例 があり得ない理由

2014.06.21 22:07|外交安全保障
集団的自衛権の行使容認の閣議決定は、会期内には行われなくなったようですが、来週とか、7月初めとかに伸びているだけで、結局は公明党の妥協を待って、閣議決定が行われるという意見があり、何だかな?です。

6/20、IWJの岩上氏のインタビューが3本あり、その内の民主党・辻元清美議員の”米輸送艦による邦人輸送に関する事例”についての話を聞いていて、これで安倍ちゃんの”ウソ”がますます明らかになったので、お知らせします。

辻元氏の実体験ですが、湾岸戦争の時にちょうどピースボートに乗ってその近くにいたところ、米軍から、サウジアラビアのジッタにアメリカ人が集まっているので、向って救ってほしいというかなり強い要請があったそうです。
その時ピースボートはジッタに向ったが、その前に他のタンカーが救出したということです。

このように、軍の艦船は敵の攻撃を受ける可能性があること、また救出民の中にテロリストがいるかもしれないので、軍の艦船に民間人を乗せないで、近くの一般の船に依頼があることは常識となっていることを、安倍総理は知らないのではないかと。

辻元氏は外務委員会の委員であり、『世界』7月号 水島朝穂氏の「虚偽と虚飾の安保法制懇」という論文の内容を、許可を得て6/11外務委員会の質義に使用したとのことです。 
その様子は衆議院インターネット審議中継 6/11外務委員会 発言者 辻元清美をクリックすると動画を開くメディアを指定できます。 動画の14分くらいから。

以下は、辻元清美 オフィシャルサイト より 転載させて頂きます。

外務委員会質問資料外国にいる米国市民及び指定外国人保護と退避に関する国務省と国防総省との間の合意メモより。

The Department refrains from entering into formal agreements with other governments on the evacuation of their nationals. 
国務省は、外国政府と、同国民の退避について正式の協定を締結することを控えている。

・We have two long-standing agreements with the Canadians and British to consult with each other with respect to evacuation planning.  All foreign governments (including Canadians and British) are urged to plan for their own nationals' evacuation and not todepend on USG resources.  
(カナダ及び英国を含む)全ての外国政府に対しては、自国民の退避のための計画を策定し、米国政府の人的・物的資源(resources)に依存しないよう要請する.。

Entering into formal agreements with third countries could restrict the USG's ability to determine timing, duration, and location of a military assisted evacuation. Such agreements could obligate - or be perceived as obligating - the U.S. to evacuate large numbers of TCN's and to continue operations after all Americans have been evacuated. This would put U.S. military and civilians at greater risk.
第三国と正式の協定を締結するならば、軍が援助して行われる退避の時機、期間及び場所を決定する米国政府の能力が制限されることがある。 そのような協定によって、米国政府は、多くの第三国民を退避させ、さらに全てのアメリカ人が退避した後にも、退避作戦を継続することを義務づけられることになりかねない(義務づけられていると理解されることもありうる)。 これによって、米国の軍と市民は、より大きな危険にさらされるのであり、軍による保護の必要性が高まる。さらに、米国政府、特に国務省に対する潜在的費用は、われわれの財政能力をはるかに凌駕する。

要は、米国政府はすべての国に対して、自国民の退避についての計画を策定することを要請し、米国に人的、経済的援助を期待するなということです。

アメリカでパスポートをとりたい人が訪れる、米国の国務省領事局のウェブサイト の記載
What the Department of State Can and Can't Do in a Crisis<危機の際に、国務省ができること、できないこと>

「国務省が、ある国への旅行注意情報を出しているからといって、その国にいるアメリカ市民の救出をアメリカ軍が支援してくれると期待してはなりません
「アメリカ軍のヘリコプターや米国政府の輸送機が護衛付きで救出してくれると期待するのは、ハリウッドのシナリオに影響されすぎていて、現実的ではありません
「米国政府の支援による、米国市民のその国からの離脱は高価なものになります」
「行先きの指定はできません」
「我々は米国市民の支援を最優先します。米国市民でない友人や親せきを米国政府のチャーター機や民間以外の輸送手段に乗せられるとは期待しないでください」(邦訳:辻元清美事務所)

要は、米国市民すら救出を米軍に期待するな、ましてや米国市民でない友人や親せきは乗せないよということです。

=================
こういうわけで、米輸送艦に子ども連れの日本人のおかあさんが乗り、その艦船を自衛隊が援護するという図はあり得ないし、それなら自衛隊が運んでよ。 本来ならば、米国から要請されているのだから、有事の時の避難計画を作ってあるはずなのですが、どうなっているのでしょうね。 
偉そうな総理大臣の国にしては、ホントに心もとない国ですなぁ。

そして、立派なパネルを出して世界中に”ウソ”を垂れ流しても、大きな問題にならずに、集団的自衛権を認めて米国やNATOのために戦に出撃する国になるのかな? おかしな国だ・・・。

当ブログ内関連記事 →海上自衛隊は外国船を守っているという話






アメリカへ行くミサイル迎撃より、原発の燃料プールをどうにかして!

2014.06.10 22:57|外交安全保障
今日も今更な話題ですが、書いておきたい。

野球のボールの速さは時速150km、これは秒速45mだそうです。 
比べて北朝鮮のノドンは秒速2000m。 (孫崎享氏による)

安倍総理は、米国へ向かう弾道ミサイルを迎撃しなくていいのかという例をだして、集団的自衛権の必要性を強調しますが、自衛隊の持つ迎撃ミサイル(アメリカが開発したミサイル防衛システムSM3)は、これを打ち落とすことができません。(何でそんなもの買うのでしょうね)

そもそも、アメリカ本土へ向かうミサイルは、最短距離は北極を超えていくので、日本本土の上を通りません。
グアム、ホノルルに向かうミサイルは日本上空を通るようですが、そもそも高度が高すぎ、速すぎるので迎撃出来ず、それでも南太平洋にイージス艦を配備するのは、日本を見捨ててアメリカのために迎撃するという本末転倒の様相を呈します。
P1040736-s.jpg 
(5/23 東京新聞)


何年か前に北朝鮮のロケット打ち上げを、事実上のミサイルという嘘をマスコミも一緒になり喧伝し、これを迎撃するためか、市ヶ谷の防衛省の庭にPAC3を持ちだしたのには苦笑しました。 
他国の報道はロケットとしていましたよ。
騙す方も騙される方も、いい加減にしてほしいです。
当ブログ内関連記事 → 3/2 石垣市長選 投票日


安倍ちゃんも、アメリカへ向かうミサイルのことを心配するなら、日本の原発に向かうミサイルを心配したらどうなんでしょうね。

特に若狭湾には、今米軍基地が作られようとしています。 
そこにエックスバンドレーダーという高電磁波のレーダーを配備してミサイルを追いかけるそうですが、そんなことをしたら、まず先にその高性能レーダーを攻撃され、それは原発銀座の原発に命中する可能性が高いのでは・・・? 

原発は現在稼働していませんが、燃料プールには沢山の使用済み燃料が満載。 取りあえず乾式キャスクに入れて少しでも安全な所へ収容するのが先決です。 
人の税金をやたらに使って軍事ゴッコするより、すべきことが沢山あるでしょう!!

アメリカの巨大な軍産複合体の要請で、日本は多くの装備・兵器を購入し、おこぼれで日本の軍需産業が勢いづくことで、経済成長を狙っているのですね。 
そのためにいろいろありもしない周辺の小競り合いを演出していますね。

フィリピンも中国との小競り合いを演じていますし、ベトナムもごく最近、海で中国との紛争があります。
アメリカ政府のやらせだと感じますがどうでしょう。
アメリカは、アジアの諸国が仲よしこよしするのが一番気に食わないんですよ。鳩山さんを見て下さい。

冷戦時代からすると、現在は本当に平和。 
アメリカも経済的に弱くなってきているので、シリアやウクライナなどで戦争が起こりそうになりながら、主導権を握れていません。

実際に我々の生活と北朝鮮や中国との緊張があるでしょうか? 
中国人の観光客により潤っている業界もあるわけですし、既に中国抜きに生活は出来なくなっています。
それなら、ウィン・ウインの関係をもっと築いて、高度成長を少し早く享受した日本人が、よいお手本になっていったらどうなのでしょう。


海上自衛隊は外国船を守っているという話

2014.06.07 23:57|外交安全保障
集団的自衛権の行使容認に向けて安倍総理は、国民を煙に巻いたような、わかったような、わからないような事例を示しています。これに公明党がこれも最終的には認める道筋がついているのに、何やら抵抗しているような態度をしていますが、全く真実味に欠けていますよね。

憲法解釈から言えば、軍隊を持つのは禁じられていることは明らかなのに、長い間憲法論議も国の防衛についても議論をしてこなかった国民としては、現実に合わせる他ないのか~と気分が滅入ります。が、自衛隊には最小限の自衛行動と災害救助行動に限ってもらいたい立場なので、分からないなりに紐解いてみます。

5/15 安倍総理が、個人的な諮問会議「安保法制懇」の報告書を受けて行った記者会見に於いて、

「・・・再度申し上げますが、まさに紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない。そして、世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った 諸君がいても、守ることができない。・・・」

とパネルを使って、お人よしな国民の感情を刺激するように、紛争国から在外邦人を輸送する米艦艇の保護を、集団的自衛権を行使出来るようにして、自衛隊が行うことで国民を守ると説明しました。

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(アメリカ人の老夫婦と日本人の親子に見えるが、赤ちゃんがどうも日本人に見えないので、日系人家族かも・・・)


これについての様々な批判のひとつとして、田岡俊次氏のものをご紹介します。(デモクラTV・田岡俊次の軍略探照灯・13回より)

現在の憲法解釈では、日本の自衛隊が米国の船を守ることは出来ないとはっきり言った。それを聞いて、何のウソを言っているかと思った。そもそも自衛隊が外国の船を守れないなんてことは、どこに書いてあるのか? それなら海上自衛隊が、その創立以来行っているシーレーン防衛はどうなるのか。

日本は戦争中潜水艦によりほとんどの船を沈められて、石油も持って来られないし、ほとんど兵量攻め状態であったことを教訓に戦後、対潜水艦戦力としてはアメリカに次いで2位で、技量を含めれば世界一の力を持つ。護衛艦51隻、対潜哨戒機75機、(アメリカが全世界で200機ほど) を持ち、技量装備共に最優秀。それはひとえにシーレーン防衛のため。

何を守っているのか。日本で消費するものを運んでいる船を守っているのだが、その船がほとんど日本の船ではない
日本の商船は今はないに等しい。何故なら、日本は人件費が高いので、現在ではほとんどがリベリア、パナマ、香港等に子会社を設け、そこに船を売り、外国船としてそれを雇っている。日本の船会社が雇っている外国船の数は2980隻に近く(日本籍は150隻ほど)、輸送量は90%になる。

これは税金の問題より、むしろ人件費を安く済ませるためにフィリピン人などを雇っている。従って、今の法令下で、海上自衛隊は外国船を守っているわけになる。 

ところが、急に安倍さんが「そこから逃げようとする日本人を、同盟国であり、能力を有する米国が救助、輸送している時に、日本近海で攻撃があるかもしれない。このような場合でも日本 自身が攻撃を受けていなければ、日本人が乗っているこの米国の船を日本の自衛隊は守ることができない、これが憲法の現在の解釈です。」と言ったので、え~っという話。

安倍さんが言っているのは、一般の船でなくて、アメリカの軍艦ではないのか?という内田誠氏の質問。

アメリカの軍艦であっても同じだし、そもそもそういうシチュエーションはないと。

1997年日米防衛協力の指針・ガイドライン策定の際、朝鮮有事の際、朝鮮半島の米国人22万人を取りあえず日本で引受ける便宜を(ビザ、宿泊など)はかってほしいとアメリカは要求したが、その時に3万人の日本人を一緒に避難させてほしいという日本側の要求には、それは出来ないと。ガイドラインでは、日米両国政府は自国民の退避が必要な場合には、それぞれが行い、韓国との交渉もそれぞれが責任をもって行うとなっている。

そして、アメリカの救出の優先順位は ①アメリカのパスポートを保有者 ②グリーンカード保有者 ③英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド国民 (本当の同盟国民)④その他 となっている。

そもそも、22万人と言ったら、1000人乗りの客船220隻。 とても日本人がこれらの人々と一緒に乗っていることは考えられない。まして輸送艦に乗るわけはない。
ガイドラインを読めば、やりませんと書いてある。

机上の抽象論に過ぎないウソだと批判しています。

この優先順位が分かったのは、1996年のアルバニアで、政府が音頭をとったねずみ講が破綻して市民とそれを鎮圧する軍がぶつかって内乱状態になった時、アメリカはこういう優先順位があり悪しからずと言い、結局イタリア、ドイツはそれぞれ自国のヘリを出して自国民を運び、少数の日本人はドイツのヘリに乗せてもらったということがあったことによる。

このパネルの絵(の家族)は、日系アメリカ人なのかもしれない。 

重大なのは、シーレーン防衛が違憲であると首相が言ってしまった。 海上自衛隊の存在は全否定されてしまった。
自衛隊は苦笑いでしょうということでした。

安保法制懇には、このあたりが分かっている人もいるはずなのに、一部の軍事がわからないはね上がり(北岡)などがいて馬鹿らしくで黙っているのかもしれないなと。

5/18 東京新聞 半田滋編集委員のまるわかり 集団的自衛権 によると

この事例は、安保法制懇の報告書に含まれていない。会見近くなって国民の共感を呼ぶ事例を官僚に考えさせたのかもしれない。1993年北朝鮮がNPTを脱退した時に、防衛庁がアメリカに頼らず自衛隊の輸送機やヘリ、輸送艦で4日間で救出する計画をつくった。今は政府で対応策が検討されず、集団的自衛権を持ちだしアメリカに頼る姿勢を鮮明にした。 

よい機会なので政府全体で計画をみなおして、無理矢理集団的自衛権の問題にすり替える必要はないとしています。




集団的自衛権について、まず「政府方針」?を出すとか

2014.05.07 12:09|外交安全保障
この国の安全保障をめぐる政策が大幅に変更されそうとしていますので、政局的に整理しておきます。

安倍総理は連休を利用してヨーロッパ諸国を歴訪中ですが、リスボンで同行記者団に、首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」安保法制懇)の報告書について「(5月)12日の週にも提出していただく」と語ったそうです。

いわゆる「安保法制懇」は安倍総理が設置した有識者による私的諮問機関であり、ここの決定には何の権限もありません。
しかし、読売、産経は、この懇談会を「政府の有識者会議」としていることにまず違和感。

メンバーは以下の14人ですが、ほとんどが第一次安倍内閣の時と同じ人選で、集団的自衛権行使を容認する安倍ちゃんのお友達ばかり。 会を主導するのは座長代理の北岡伸一氏。

「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」メンバー

岩間陽子 政策研究大学院大学准教授
岡崎久彦 NPO法人 岡崎研究所理事長・所長
葛西敬之 東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長
北岡伸一 東京大学大学院教授 座長代理
坂元一哉 大阪大学大学院教授
佐瀬昌盛 拓殖大学海外事情研究所客員教授
佐藤 謙 財団法人 世界平和研究所副会長 (元防衛事務次官)
田中明彦 東京大学教授
中西 寛 京都大学教授
西 修 駒澤大学教授
西元徹也 NPO法人 日本地雷処理を支援する会会長 (元統合幕僚会議議長)
村瀬信也 上智大学教授
柳井俊二 国際海洋法裁判所判事(元外務事務次官)座長
(五十音順)


安倍総理は、12日の週に安保法制懇の報告書を受け、公明党に配慮して、閣議決定の前に自公両党に「政府方針」を示すそうです。
公明党の安全保障政策を統括する北側副代表も4日、「PKO活動や、いわゆるグレーゾーンへの対応については、従来の政府の憲法解釈のなかで、やっていける分野であり、合意できるところから始めるのも1つの方法だ」と述べる一方で、公明党は自民党との連立解消は絶対避けたい。
また、高村副総裁に、安全保障分野というお株を取られてしまっている石破幹事長の動きも見逃せません。
閣議決定というのも何かなと思いますが、政府方針というのは一体何なのか?

肝心の世論ですが、集団的自衛権の行使についての世論調査が出ています。

NHK  行使を認めるべきでない 41%、 認めるべきだ     34%
朝日 行使できない立場を維持 63%、 行使できるようにする 29%
産経  行使できるようにする 7割以上
毎日 行使を認めるべきでない 38%  限定的に容認     44%

憲法改正についての世論調査 ( )内は昨年
NHK 憲法を改正する必要ない 26%(42%) 改正必要 28%(16%) どちらとも言えない 40%(39%)

1972年、相方に、重要な了解と共通認識があった by 王毅外相

2014.03.11 18:59|外交安全保障
InsideOutでの葉千栄さんの発言の書き起こしをしていたら、1972年頃は棚上げという考え方は一般的であったが、現在の中国はこの玉虫色の解決策をとる可能性が遠のいているという見方だっのですが、8日に王毅外相が希望の見える発言をしているのを見つけました。

その前にまず、番組内で言及のあった、昨年9月国連での王毅外相の発言です。

中国外相、領土「対話で解決」 日本名指しせず (2013/9/28 日経)

 【ニューヨーク=杉本貴司】中国の王毅外相は27日、国連総会での一般討論演説で「幾つかの国との間にある領土主権や海洋権益の紛争に関して、当事国との直接の交渉を通じて解決することを望む」と述べた。沖縄県・尖閣諸島や日本は名指しせず、対話による問題解決を強調した。「日本が釣魚島(尖閣諸島の中国語名)を盗んだ」とした昨年の演説と比べトーンを弱めた格好だ。

 昨年(2012)の演説では楊潔(ち)外相(当時)が尖閣諸島について「日本が盗んだ」と主張した。日本は答弁権を行使して反論したが、中国が「マネーロンダリングのようなもの」と再反論する異例の展開となった。

 今回は「いかなる状況でも中国の主権と領土を守る」と付け加えた一方で「現在解決できない紛争は将来の解決のために棚上げすることもできる」と話した。日本の名指しは避け、領土問題に関しては演説の中で一部触れるのみにとどめた。

 一方、演説では国際社会での中国脅威論に配慮する一幕もあった。「中国の急速な成長により、中国が富を欲する傲岸さや覇権を追い求めるのではないかという懸念が出ている」と指摘。その上で「中国人は歴史上、新たな領土をつかもうとする植民地主義ではなく、母国を守ろうという愛国的な解決手段を取ってきた」と主張した。



これに日本は対応しなかったわけですが、これを受けて葉先生は、この王毅外相の意見が現在は通用するかどうか?という疑問を投げかけていたのです。
しかし、8日に王毅外相はこういう発言をしていました。

王毅外交部長:過去を真摯に清算して初めて中日の膠着状態を打開できる (2014/3/9 人民日報) 

 王毅外交部長(外相)は8日、第12期全人代第2回会議の記者会見で、中国の外交政策や対外関係について国内外の記者の質問に答えた。

 朝日新聞記者: 中日関係について質問したい。 李克強総理は今回の政府活動報告でも歴史問題に言及し、第2次大戦の勝利の成果と戦後国際秩序を守る必要があり、歴史の逆行は断じて認めないと表明した。 

現在中日関係は難しい状況にあり、外部からも懸念の声が上がっている。 現在の膠着状態は、どうすれば打開できるか。現在の中日関係を第1次世界大戦前のドイツと英国の関係になぞらえる声があることについては、どう見るか。

 王部長: 李克強総理の談話は中国国民の心の声を代表しており、平和維持という中国の責任を体現するものであり、われわれは完全に支持する。 中日は隣国であり、本来仲よく付き合うべきだ。現在の状況はわれわれにとって望まぬものであるし、中日両国民の利益にもならない。

 1972年に国交正常化を果たした際、双方は歴史、台湾および釣魚島(日本名・尖閣諸島)などの問題の適切な処理について重要な了解と共通認識にいたった。 これは中日国交回復の前提となり、両国の友好回復の基礎ともなった。 だが最近、日本の指導者の一連の言動は中日国交回復の精神に背いており、中日関係の根幹を破壊した。中国国民がこれを承諾することは当然あり得ないし、不可能でもある。

 歴史と領土という2つの原則問題において妥協の余地はない。もし日本の一部が執拗に侵略の歴史の確定評価を覆そうとするのなら、国際社会および世界の全ての平和を愛する人々も断じて容認することはなく、大目に見ることもないと信じる。

 現在の中日関係を第1次大戦前の英独関係と同列に論じる声があることについては、2014年は1914年ではないし、1894年ではなおさらにないということを強調したい。 第1次大戦前のドイツをあげつらうよりも、第2次大戦後のドイツを模範とする方がいい。 過去を真摯に清算し、前言を翻すことを止めて初めて、膠着状態を打開し、未来を切り開くことができる。平和路線を真に堅持し、言動不一致を止めて初めて、隣国と世界の信頼を得ることができる。 日本の指導者がこうした基本的な道理をわきまえて、人類の良識と国際公理の譲れぬ一線を尊重できることを望む。



これは朝日新聞の記者の質問に答えたものですが、これを朝日は好意的に書いていますが、 フジTVは、中国・王毅外相、靖国参拝などで一切譲歩しない姿勢強調 と伝えています。 
これだけ情報が異なっているので、schnauzerは元の発言として、人民日報の日本語版まで記事を辿る必要がありました。
それだけ、メディアの情報は、一部を取り上げて伝えているということです。

この王毅外相は、北京大学で日本語を学び、日本語も堪能な日本通で在日日本本大使も歴任しています。 その後ワシントンのジョージタウン大学に留学し、アメリカとの関係も築いているようです。

日本には、王毅さんと関係のある要人はいないのでしょうか。
こんなに譲歩した発言をしているのに、反応した形跡がないのですが・・・。
王毅さんの言うところの"日本の一部"が、これまでの歴史を学ばず、外交の知恵を認めず、強硬路線に走ると、それは日本側の誰を利するというのでしょうか。

INsideOUT中、一国の中には強硬派と穏健派が必ずいるという話がありました。 
日本が常にアメリカに強く影響されてしまう理由として、現在の日本は、ヘリテージ財団など共和党寄りの強硬派の繋がりしかなくなってしまっていることを上げる意見があります。
しかし、アメリカは今は民主党政権であるし、様々に意見があるはずです。

日本国民のための外交交渉というのは一体どこにいってしまったのでしょう。  

それを反省して、新外交イニシアティヴというシンクタンクが出来てはいますが・・・。

3.11以降、日本の権威というものが総崩れしつつあります。 それを立て直す必要があるのですが、その間に戦争が起こってしまったら元も子もなくなっちゃうよ~、全く!!



3/5INsideOUT「激突か?棚上げか?日中尖閣問題」で孫崎氏、葉氏語る(3)

2014.03.10 10:11|外交安全保障
3/5 BS11 本格報道 INsideOUT
「激突か?棚上げか?日中尖閣問題」(3)

ゲスト: 孫崎享(元外交官)、葉千栄(東海大学教授)
VTR出演: 原田浩司(共同通信編集委員)
山口一臣(ジャーナリスト)、金子秀敏(毎日新聞論説委員)、金本美紀


棚上げ後の流れ

山口: 棚上げ論という話が出ていますが、昨年9月に国連の総会で、中国の王毅(おうき)外相が、尖閣諸島を念頭に、棚上げしてもよいと発言をしている。 この問題について、先程の共同通信の原田さんに話しを聞いているのでVTRをご覧ください。

質問: 原田さんの考える問題の解決法は?

原田: 領土紛争の解決は非常に難しい。 もう戦争をやるか否かという話に直ぐなると思うが、これは、戦争やったら中国も日本も大損こくんです。 

今回の尖閣諸島問題は、とっかかりの部分、どうしても世間で誤解している人が多いのは、石原慎太郎東京都知事が尖閣を購入宣言したことにより、今回の問題が発生していると認識している人が多いと思う。 これは僕は違って、90年代からずっと見ているが、棚上げは僕もあったと思う。 日中国交正常化の1972年あたり。 

この後に1992年に中国が領海法という法律で、尖閣諸島は自国領土であると正式に法令化している。 一昨年、日本が尖閣を自国領土化したのと全く同じことを、既に1992年にやっている。 

当時いろいろな動きがある。 一番目立った行為としては、フィリッピンの米国スービック海軍基地が撤収したら直に、中国海軍は進出し始めた。 これは南シナ海の領海をどんどん増やそうとしている。
たぶん中国として考えていたのは、位置的に南シナ海の方が重要だから、まずそれを押さえて、東シナ海に取り掛かろうとした節がある。 ところが、石原慎太郎東京都知事の購入宣言により、彼らも、戦線が南シナ海にも対応しなければならない、東シナ海にも対応しなければならない。 戦線が延びきってしまったのは計算外だったと思う。

解決策としては、よく言われるのは、棚上げ、棚上げしかないと思う。 

ところが、この棚上げというのは、悲しいことに時間稼ぎにしかならない。 必ず尖閣諸島を取ろうとしてやってくるわけだ。 いくら棚上げしても、いずれやって来ると思う。 

とすれば、そうならないようにするためには、時間稼ぎの間に、日中で人的交流と経済的関係を深める、もうこれしかない。 とにかく、ケンカ、戦争をしたら、中国も大損こくと。 日本も大損こくと。 そういう関係を作っていくことが、一番戦争を回避する得策でないかと思う。

山口: う~ん。 今話しに出た歴史を簡単に振り返ってみようと思う。
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まず1972年日中国交正常化交渉があり、そこで棚上げに、話し合われて合意したと言われている。 
それが劇的に変わったのが、まず1992年。 中国が領海法で、これが中国領であることを明記したことが1点ある。 
それからしばらくして、民主党政権の時2010年に、中国の船が海上保安庁の船に衝突するという事件が起きて、これが前原さんの事件の処理ということ。 
その後に石原さんの演説があって、それを受けて野田政権が日本政府として尖閣諸島を国有化したという話なんだが。

葉先生、棚上げしかないのではという原田さんの意見だが、これまでの歴史を振り返ってどうか。

棚上げがまだ使えるかどうか 中国内部の変化など

: それがあったかどうかは、先ほど話に出たが、これを緊張奪回の糸口として、現時点で、2014年の3月現在、まだ使えるかどうか。 つまり中国側は確かに昨年、王毅外相も含めてこのような提案が出た。 (棚上げしてもよいという)シグナルが出た。 日本は断固これを拒否した。 

ここで再び議論するのはいいが、しかし、中国側がずっとこの提案をキープして立場を変えないということはないと思う。 特に、最近の中国世論、軍の発言力、また島周辺における双方の巡視船の力関係を見ると、私は状況が変わりつつあると。 また今日の李 克強(りこくきょう)首相の全人代での発言、これは今まで一貫した発言と言えるが、かなりアメリカとの連帯を意識した、つまり第二次世界大戦、ポツダム宣言を象徴とする体制を維持しようとする。

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従って、もう一回棚上げという状況に、玉虫色のような状況に戻していいかというのは、今微妙だ。 もしあったとしても、これについて安倍政権とこについて交渉するかどうか、安倍政権は譲歩しないし、中国も譲歩しない、安倍政権と接触しない方針なので、従って、ボトルネックがいくつもある。

それでも外交努力を続けるべき

山口: 孫崎さん、これ日本はどうしたらいいか。

孫崎: まず、私達は、次の二つの事実を知るべきだと思う。

ひとつは、これから軍事でもって、対抗して勝つというシナリオはない。 これがひとつ。

もうひとつ。 多くの人はアメリカが後ろにいて助けてくれるであろうと思っているが、これもたぶんないだろうということ。 

話はずれるが、今度クリミヤをロシアが取った。 これで米国が軍事的に入ってそれを取り戻そうとするか。 やらない。 この問題についてアメリカが考えているのは、もっとイラクやアフガニスタンなどのグローバルな問題で、ロシアとの連携を重視するということがある。 尖閣のような問題が起こった時に、アメリカが中国と対抗してくれるかというと、だんだん米中双方がグローバルな形で、お互いに協力を必要とする状況だから、たぶんアメリカは出てこない。 

ということになると、結局外交的なもので日本が頑張るより仕方ない。 今言われたように、中国が態度を変えたかどうかという問題はあるが、かつて合意したことだから、かつて合意したことを貴方達は何故変えるのかを問い続けていけば、ここが唯一の日本の頼るべき道だと思う。
貴方達は棚上げ合意したでしょう。 日中の間で合意したものは守っていくのが、お互いに利益なんだと。 これを頑張るしかないと思う。
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: つまり棚上げを日本側のカードとして、中国側に突きつけるべきだ

金子: この下に潜水艦がうじゃうじゃいると言っていたでしょう。 潜水艦がうじゃうじゃいる限りは、この島に利用価値があるのだ。 どっちの国の潜水艦か知らないが、この潜水艦がいなくなった時には、この島には何の利用価値もなくなる。 その時には棚上げでも構わないと、どちらも言うようになる。 そういう時が来るのかどうかだ。

山口: 先ほどの、棚上げと言っている場合でなくなったというのは、中国の中で、さっき私が言ったような、強硬派と穏健派があるとしたら、強硬派が強くなっていることなのか。

: 世論も上層部のこの問題に対する構えは、この現状をよしと、更に強硬のままでも構わないとことになっていく、その背景は米中関係だと思う。

山口: そうすると、例えば日本が、日本ともっと仲良くしようとする勢力に手を差し伸べるような政策や、発言、行動をとるということも考えられるか。

: ますますそのような声が弱くなっている。 特に最近は、日本国内が中国のPM2.5 とシャドーバンキングの金融危機の話しか報道しないが、一方中国もリアルジャパンをあまり知らないままで、もはや日本いりませんとムードが高まりつつある。

山口: 孫崎さん、それはちょっと困りますね。 これから緊迫した情勢がどうなっていくのか注目していきたい。

(以上)


3/5INsideOUT「激突か?棚上げか?日中尖閣問題」で孫崎氏、葉氏語る(2)

2014.03.09 11:04|外交安全保障
3/5 BS11 本格報道 INsideOUT
「激突か?棚上げか?日中尖閣問題」(2)

ゲスト: 孫崎享(元外交官)、葉千栄(東海大学教授)
VTR出演: 原田浩司(共同通信編集委員)
山口一臣(ジャーナリスト)、金子秀敏(毎日新聞論説委員)、金本美紀


尖閣をめぐって、日中間に棚上げはあったのか

山口: 緊迫する尖閣問題についてお送りしておりますが、先程来の話によると、1970年代に入って突然中国が領有権を主張し始めたということだが、日中国交正常化の時に、まあその問題は置いておきましょうと、さっき映像にもあったように、田中角栄さんと周恩来さんの会談でそういう話があったのではないかということが、ずっと今日まで言われているが、その問題はどうなったのかということで、これに詳しい孫崎さんから説明していただきたい。

孫崎: まず尖閣で、日本政府は棚上げがないと言っている。 本当に歴史的にそうであったかどうかということが・・・

山口: 棚上げはないと日本政府は言っているのか。

孫崎: そう、中国側が一方的に言っていることで、日本が合意したことは全くないと言っている。 こちらに栗山尚一元中米大使、日中国交回復当時の条約課長、基本的にすべて事務的なことをしている人が、こう言っている。

「1972年の周・田中会談で、棚上げという暗黙の了解が出来ていたというのは、その通りだと思います」

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もう一つ見てもらいたい。
次の社説は、どこの新聞社の社説でしょうか。
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「・・・・「触れないでおこう」方式で処理され、 ・・・問題を留保し、将来の解決に待つことで了解がついた。 共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府間の約束事であり、約束は遵守するのが筋道である。 尖閣問題は慎重に対処して、紛争のタネにしてはならない。」
これがどこの新聞社でしょうか?と聞くと、毎日新聞か朝日新聞でないかと・・・

: これ私も、実際中国で中国語に翻訳されたのを見ました。 私の覚えが間違いでなければ、これは読売新聞ではないか。 これかなり中国で紹介されていた。

孫崎: 読売新聞がこのような論調を出しているということは、その当時の、1978、1979年の日本の一般的な了解だったのだ。 

山口: なるほど。 この映像は誰ですか?

: 鄧小平と当時の外務大臣の黄華さん、園田さんと福田さん・・・
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山口: その時の合意が、歴代の日本と中国の政権内では受け継がれてきたというふうに考えていい・・・

孫崎: 本当は受け継がれてきたのだが、どうもいつからかわからないが、1996年くらいから日本の態度がちょっと変わって、明確に変えたのが、前原さん。 中国側は言っているが、日本側が合意したことはありませんとかなり明確に言った。

山口: つい最近ではないですか。 民主党政権・・・

孫崎: そう。 かなり明確に言ったのは。 

もうひとつ見て頂きたい。 この中でアメリカがどういう態度をとっているのかが重要になってくるわけだ。 日本が私のもの、中国が私のものと言っている時に、棚上げにしましょうということをどう見ているか。 

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これは2月20日の朝日新聞のスタインバーグ前米国務副長官とのインタビュー。
オバマ政権の国務省で右腕になっていた人が「田中元首相や中国の鄧小平氏らの時代に、日中首脳間に尖閣諸島の棚上げ合意があったとの認識を前提に、この行為は正しかった。 尖閣問題は脇に置くべきだと訴えた」ということで・・・。

多くの聞いている方は、日米安保条約があるから、当然アメリカは領有権は日本のものと言っているし、尖閣の棚上げなどないと言っていると思うが、オバマ大統領の国務省で右腕になっていた人が、尖閣の棚上げはあったのだと、言っている。

山口: 日本にとっては、棚上げの方が都合がいいわけなのでは?

: 都合がいいか別として、理屈から見れば断固受けるべきではないという考えがあるかもしれないが、但し、事実上1972年日中の国交樹立以来ずっと、この2010年の民主党の中国の船長の問題まで、日本の海上保安庁11管区が事実上実効支配していた。

この状況は、これらの一連の主張、或いは一連のアプローチによって、今は既になくなっているのが事実だ。

この両方の事実をもって、比較すべきだ。 外交政策が正しいかどうか、スローガンや喋っている人の表情だけでなく、テンション、演技、評論家ではないので、結果が大事。

山口: 孫崎さんは常に棚上げに戻すべきだと主張されているが。

孫崎: (葉さんを見ながら)あのちょっと言葉が濁ったようなところがあるが、それはどういう事かと言うと、棚上げというのは日本に有利だ。 

結局中国が俺のもの、日本が俺のものと言っている中で、管轄は日本がやっているのを認めるというのが棚上げ。
そして、棚上げだから、それを軍事で変えることをしないという約束でもある。 3つ目に、管轄を続けると、法的には日本がどんどん有利になる。 実際持っているわけだから。 ということで、日本に有利な約束にも拘らず日本側が捨てるなんてことは、日本側はバカなことをしているなと、中国から見ると、あいつら何バカなことやっているのだ、ということになる。

山口: それが、009年の前原さんの漁船の衝突事件の処理だったということ。

: それに関して印象的だったのは、石原都知事時代、彼が提案した国有化という時に、北京では一部の軍関係者の石原に乾杯と言葉が聞かれた。 
それぞれの国には、どの国にも部門利益というものがある。 つまり緊張によって都合がいいというグループがどこの国にもあるが、その言葉の背景はそういうものでしょう。

尖閣をめぐるアメリカの態度

孫崎: 石原都知事はヘリテージ財団で、東京都が買うと言った。 ところが、ヘリテージ財団の人が、極めて深刻なことを言っている。 

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・ 自民党が勝利して安倍さんが出てくる
・ 安倍さんは保守的だと。 今日本国民が中国に対してすごい懸念を持っている。
・ 我々は自分たちがやりたいことをやるのに絶好のチャンスだ。
・ やりたい事は何かというと、集団的自衛権を認めさせる。日本の防衛費を増大させる。
・ 辺野古移転を促進させる。
・ 緊張が高まると日本国民は中国、中国と言う。 それに耐えるためには当然アメリカの方に行かなくてはならない。 そうするとアメリカが思っている集団的自衛権を認めさせるとか、防衛費を増大させるとか、辺野古へ移転させる、アメリカのやりたいことを、安倍さんにさせるに絶好の機会だと。

だから、緊張を高めるということが、アメリカの軍産複合体の人に有利であるということを言っている。

もうひとつ、ケビン・メアさんが言っているのには、尖閣について日本は遠慮する必要ない、どんどん頑張れ。 そして自衛隊や海上保安庁の能力を高めるために、F35の戦闘機を買いなさい、イージス艦を増やしなさい、だからアメリカの軍産複合体、軍事産業の人たちは商売になる。 そういう面も実は考えておかなくてはいけない。

山口: 整理すると、もともとはどこに境目があるのかわからないような問題だったが、一応日本がずっと領土として支配してきた歴史があるが、1970年代に入って、中国側から領有権の主張が始まった。 

ところが、日中国交正常化に際して、一応棚上げにしようという合意が出来て、それが長らく続いていたのが、2010年の漁船の衝突の問題があり、その後に石原さんのヘリテージ財団での東京都が尖閣を買うという。 という風に考えると、ちょっと火をつけているのは日本側だという気がするが。

金子 :先ほど、福田総理と園田外相の絵が出たが、その当時私は国会の駆け出し記者をしていた。 その時から、棚上げは誰も疑わなかった。 最近の若い人達が、棚上げがなかったというのは、本当んびっくりする。 

そういう雰囲気が変わったのが、1992年に中国が領海線の基線を設定したと。 これは今まで棚上げになっていたと思っていたのに、そうでなくて、中国側が尖閣を取るという動きを始めるのではないかという疑いが生じた。 日本の中に、尖閣の上に構造物を建てて、実効支配を確認しておかないと取られるという動きが出てきて、その当時の政府は、棚上げ合意が崩れるから止めさせたが、何とかしろという強硬論が日本の中にある。

それが前原さんを動かして、ああいう形で、漁船の船長の事件を、日本側が動くという形になってきた。


国際政治を考えるときに

山口: 三人の話を聞いていると、日本には日本の強硬論者がいる、そうでもない人達がいる。 中国にも強硬な人達がいる、そうでもない人達がいる。 アメリカにも緊張が高まると儲かる人達がいる、そうでもない人達がいる、というふうに聞こえるが、葉先生どうですか。

: その通りです。 これからも、このような構図だ。 これが国際政治。 

山口: 国際政治・・・。 現状、日本と中国でいうとどう見たらいいのか。

: ここは日本のスタジオなので、皆さん日本国民の立場から考えるべきことは、ひとつは、棚上げがあったか、なかったかの事実の確認。 

もうひとつは、あったと言った方が日本の国益になるか、なかった方が国益になるのか。

もうひとつは、アメリカは、石原都知事のあのように描写されたのがすべてでしょうか、あれはアメリカの全体なのか、一部なのか

米中関係を同時に見ないといけない。 特にこちらの出方を決める時に、毅然とする態度という言葉がTV番組で流行っているが、 だが、国際政治は必ず相手の反応、反発を想定し、視野に入れなければならない。 そういう場合は、相手の国力、相手の国と他の国、特に中国とアメリカとの関係がどうなっているのかを同時に視野に入れないと。

山口: わかりました。 ではどういう風に日本がしたらいいのかを次のコーナーで議論したいと思う。

(3)に続く



3/5INsideOUT「激突か?棚上げか?日中尖閣問題」で孫崎氏、葉氏語る(1)

2014.03.08 10:50|外交安全保障
中国憎しと思わせる報道は連日あるけれど、ほとんど報道されない尖閣の実態や中国側の見方。 正しい判断をするためには、適切な情報がなければならないのですが、これが今のメディアにはなかなか期待できないところ。

中国の実情をよく知る葉氏が久し振りにTVに出演。 
孫崎氏の的確な語りと、尖閣諸島を30年取材している原田氏の映像も含めて、非常に良質な番組でした。
マイナーな番組なのであまり見ている人もいないのではと、書き起こしに挑戦することにしましたが・・・。

3/5 BS11 本格報道 INsideOUT
「激突か?棚上げか?日中尖閣問題」(1)

ゲスト: 孫崎享(元外交官)、葉千栄(東海大学教授)
VTR出演: 原田浩司(共同通信編集委員)
山口一臣(ジャーナリスト)、金子秀敏(毎日新聞論説委員)、金本美紀

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関係悪化が深刻な日中の大きな課題のひとつ「尖閣問題」。 「尖閣は日本固有のもので、領土問題は存在しない」というのが、日本の見解だが、このまま対立が続けば日米同盟に支障をきたすばかりではなく、東アジアの平和にとっても大きな陰を落とす。 

そんな中、1972年、1978 年の2度にわたり、日中間で合意していたといわれる「尖閣問題の棚上げ」が、今また、急浮上している。 番組では、緊迫する尖閣諸島の映像とともに、過去2 度にわたる「棚上げ合意」の真実を検証しながら、今また急浮上する「棚上げ論」の是非を考える。

山口: まず先に尖閣諸島の映像をご覧頂きたい。
この映像を撮影した共同通信(編集委員)の原田浩司さん。 およそ30年に渡って尖閣諸島の取材してきたということだが、原田さんが見てきた尖閣について、その取材方法から最近の変化までの話を聞いてきたので、ご覧下さい。
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質問: どんな手段で尖閣へ向かうのですか?

原田: 現在までに空から二十数回、海から船で十数回といったところ。 1990年代から尖閣諸島を見続けている。 実際漁船に一般人が乗って行って今出港するところは、八重山諸島の石垣島というところから尖閣諸島に向かうが、一般人だと基本的に許可が下りない。 それなので、私は船員手帳というものを取得していて、名目上漁師という形で漁船に乗って現場に行く。
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共同通信が単独で漁船をチャーターして行くこともあれば、保守系の政治団体が、尖閣諸島が日本固有の領土だという示威行動をする時に、集団漁業活動という形で複数の漁船をチャーターして行く時に便乗して乗って行くというやり方をしている。
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質問: 中国側に変化はありますか?

原田: 行く度に、当初は中国公船が尖閣諸島のすぐそばに来ることはなかったが、2年前から徐々に距離を縮めてきて、島のすぐそばを航行するようになってきている。 最接近した時には、我々の漁船からも数十メートル、船員の顔がはっきり確認できるほどだった。 
さらに中国公船は一時、日本の漁船を拿捕しようとしているのではないかと見られる行動をとっていた。 我々の乗っている漁船を守ろうと、間に海上保安庁の巡視船が割って入るわけだが、その際に衝突の危険性が常にあった。 

質問: 緊迫した状況について。

原田: これで仮に衝突したら、どうなるのかと。 今、日本側も海上保安庁の監視船、中国側も中国海警局の船だが、白対白の船。 白対白の船で済んでいる時はいいが、これがグレー、つまり互いの軍が入ってきた時にはどうにもならない最悪の事態も考えられる。 おそらく我々の視界の入らないところに自衛隊の船もいるし、中国海軍の船もそれぞれ控えて待っているはずだ。 更に、どうも米軍の(・・・聞きとれず)尖閣諸島の周辺の下に潜水艦がすごい数いるといわれている。 
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私が飛行機で行く場合には、航空無線が聞けるわけだが、パイロットと自衛隊機の交信、お互いどこに飛んでいるかを確認し合う、ぶつからないように。 その時に、無線で入って来るのは、米軍機もその上空に何機いるという無線連絡が入ってくる。 一見空には何もないようでいて、上空では米軍の戦闘機が飛んでいる、自衛隊のP3C哨戒機も飛んでいる。 更に見える範囲では中国の公船、自衛隊の巡視船。 更に海中には潜水艦と考えると、とてつもなく緊迫した状況が続いていると言えると思う。

質問: 海外メディアはどう見ていますか?

原田: その恐ろしい状態を海外メディアも認知しているせいか、意外なほど中東のTV局アルジャジーラ、アメリカのAP通信、ロイターTV、海外メディアもすごく注目していて、頻繁に彼らも船に乗ってきて一緒に取材をするという状態が続いている。 むしろ日本のメディアよりも海外メディアの方が、この件には非常に関心を抱いているようだ。 

(スタジオ)
山口: 改めて映像を見ると緊迫した状況がわかると思うが、もう一度尖閣諸島の場所を確認してもらいたい。 こちらに沖縄本島がある。 ここが中国大陸。 ここが台湾で、丁度この真ん中に位置する、どちらかと言うと台湾に近い感じがするが、ここに存在するのが尖閣諸島ということだ。
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実際に中国の公船が海上でもあれだけ近づいている。 また海の中には潜水艦が無数にあるということで、上空にはアメリカの哨戒機まで飛んでいる状況だ。 もともとは中国の公船が来たということで、一時は日本でも散々報道されていたが、ちょっとここへ来て実際はああなのに、報道ベースではあまり触れられなくなってしまったが、葉先生、最近まで中国にいらしたということだが、中国ではどうなのか?

: 中国国内の各ローカルテレビ局、つまり中央テレビCCTVだけでなく、例えば、雲南省の衛星放送、深浅の衛星放送、或いは上海の衛星放送、私が見た感じでは、常に毎週のペースでこの問題を取り上げている。 これ今まではない。 
もうひとつはこれまでは緊迫した感じで、常に憂慮した感じの口調で報じているが、ここにきてかなり・・何というか、勝利を治めた、或いは、状況を自分に有利に向かっている、自信を持っている報道が多い。 

そういった番組の中で、軍事評論家、外交評論家が必ず取り上げているのが、米中関係と日中のこの問題に関するこれまでの交渉の経緯などの話を取り上げている。
ですからタクシーの運転手まで非常に詳しくなっている感じだ。

山口: 孫崎さん、さっき見たような尖閣諸島周辺の緊迫した状況があるということで、日本国内的にはそういうことを理由として、集団的自衛権の行使の問題とか、日本版NSCといった、これまでの日本の方針を大きく転換するような政策が次々と打ち出されているが、どのように見ているか?

孫崎: 集団的自衛権を推進する時に、必ず中国の脅威にどう対応しようかということが理由として出てくる。 日米安保条約というのは、日本の管轄地に攻撃があった時には、日米双方とも自分への攻撃だと思って行動をとるということだから、安保条約がある以上、この中国問題、中国の攻撃することは対象になっている。 
だから集団的自衛権というのは本当は、自衛隊をアフガニスタンとかイラク戦争であるとか、ああいう所に使うために、中国の脅威を利用してそちらの方向へもっていこうということだと思う。

山口: つまり集団的自衛権がなくても、日米安保条約があれば、アメリカ側には尖閣諸島を守る義務があると考えてよろしいということですね。

孫崎: 見て頂ければいいが、集団的自衛権に本当に何をするかをよく見ると、中国関連は何もない。

山口: わかりました。 金子さん、そもそも尖閣問題がこじれた歴史的背景、たぶん何回も繰り返し報道されているが、簡単に改めて説明してほしい。

金子: 一番最初、日清戦争の後の下関条約の中に、日本は台湾を取ったが、緯度と経度で台湾の範囲が示されている。 その示されている範囲の中に尖閣が入っていない。
ということは、下関条約を作った清国と日本の間では、尖閣を除くそれより西側が台湾だという認識だった。 ただしその認識を作ったのが、その4か月前に、琉球国を合併したわけだが、琉球処分と言われているが、その時琉球王国がどこまでかを、当時明治政府も知らなかった。 当時は国境線という概念もない時代なので、琉球王国もしらなかった。
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それで、この辺までで線を引いておいて、その先を台湾とした。 だから清国が尖閣諸島が自分の領土だと意識しているなら抗議するはず。 そのことを含めて、尖閣諸島という島の存在がわかるのは1968年になってから。 そして、尖閣諸島が釣魚台だとわかったのが、蒋介石日記によると1972年になってからわかる。
要するに、日本も中国も相方が、この尖閣が取り合いになることを想定もしていない時代から始まってしまっている

山口: 今の金子さんの話をもう一度地図で見ると、要するに、そもそも沖縄自体が琉球・・・
金子: 琉球王国だと思うと、琉球王国と清国との境がどこかにあるかという問題だった。
山口: それで琉球王国を日本が組み入れて、それでもどこに境目があるかわからなかったと。
金子: 境目を作らないと台湾をとれないからだ。

山口: なるほど。 葉先生、よく言われているのが、中国はそれまで文句言っていなかったのに、1970年代にここに石油が出るといわれて急に、おいおいここは中国のものだと言いだしたと我々も聞いているが、どうか。

: これそもそもその石油が出るという話が出たのは、確かにその時期。 1968年、国連のアジア極東経済委員会のある研究員の方が書いたレポートの中に、もしかしたらという前置きで、そこにイラン・イラク クラスの油田があるかもしれないという表現で、一気に台湾、中国、日本がこれに対して表面化になった。
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山口:  それまで歴代の中国政府が、この尖閣諸島に対して主権を主張してこなかったというのは、我々認識してよろしいか

: そうですね。 それは確かにそのような事実で。 
当時中学生で、今でも覚えているが、丁度田中首相の訪中の前にこの問題が大きくなって、当時上海の工場で旋盤労働者だった私、文革時代に我々みんな上海民兵として編成されて、4人組の一人の張春橋が、この問題が大袈裟になった時に、上海の民兵の漁船を1000隻編成してそこに向って行けと、アピールしようという計画があった。 それが周恩来と毛沢東によって却下された。 当時中国はソ連が最大の敵で、日中の連携、米中の連携を毛沢東が優先に考えたと思う。

山口: 何故この時期に、中国は尖閣の領有権を主張し始めたのか。

孫崎: これは先ほどさっき説明があったように、中国も日本もあまり尖閣を意識していない。 突然出てきたわけだが、これを話すととても難しくなるが、さっき田中角栄と周恩来さんが出てきたが、米国は、アメリカより先に日中が手を結ぶことを嫌がっている

領土問題は、常に起ると環境を悪化させる。 例えば、北方領土問題もある意味でダレス国務長官などが意図的に作ったようなところがあるので、この石油の問題が出てきたのも、ひょっとしてキッシンジャーであるとか、ニクソンであるとか、このグループが日中にブレーキをかけたいという意思があったかもしれないと思っている。

山口: それでは、ずっと問題になっている「棚上げ問題」。 あったのかなかったのかについて議論していきたい。

(2)に続く

思い返せば、2012年には、香港の活動家が尖閣に上陸したり、自民党山谷えり子氏を会長にした政治団体が、大挙して漁船を出し、その中の数人が泳いで尖閣に上陸した事件もありました。 大人の対応とは言えないし、そういうこともエスカレートの口実を作ってしまったかもしれません。

名護市長選の時に、IWJによる沖縄選出の議員のインタビューから、政治団体の人が漁船をチャーターして尖閣近くに行くという話は知っていたのですが、政治団体としては許可されないが、漁船での示威行動という手があったのです。 ほんの一部の軽はずみな行動が大きな過ちに繋がりませんように。


オリバー・ストーンらの辺野古基地建設合意への非難声明

2014.01.10 10:30|外交安全保障
久し振りに嬉しいニュースです。
オリバー・ストーン、マイケル・ムーア、ノーム・チョムスキー、ナオミ・クラインなど世界の識者と文化人29名が、沖縄の海兵隊基地建設にむけての合意への非難声明を出しました。

普天間移設 米識者ら反対 「即時返還」沖縄を支持 (1/8 東京)

【ワシントン=竹内洋一】米国を中心とする海外の有識者や文化人ら二十九人が七日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古に移設する計画に反対する声明を発表した。ベトナム戦争をテーマとした映画「プラトーン」などで米アカデミー賞を受賞したオリバー・ストーン監督らが名を連ね「沖縄県内の新基地建設に反対し、平和と尊厳、人権と環境保護のために闘う沖縄の人々を支持する」と表明。普天間飛行場を即時・無条件で沖縄に返還すべきだと訴えた。

声明には、ストーン氏のほか、北アイルランド紛争の解決に尽力したノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイア氏、言語哲学者ノーム・チョムスキー氏、ピュリツァー賞を受賞した知日派の歴史学者ジョン・ダワー氏、映画監督マイケル・ムーア氏ら世界的な著名人や識者が名を連ねた。

声明では、普天間の辺野古移設について「人間と環境を犠牲にして沖縄の軍事植民地状態を深化し、拡大させる」と批判。米軍が沖縄戦の最中に住民の土地を奪って普天間飛行場をつくった経緯に触れ「終戦後、(沖縄に)返還されるべきだった。返還に条件がつくことは本来的に許されない」と述べた。

県外移設を公約して再選された沖縄県の仲井真弘多知事が昨年末、辺野古の埋め立てを承認したことは「沖縄県民に対する裏切りだ」と非難した。安倍晋三首相が「経済振興をエサ」に仲井真氏から埋め立て承認を引き出したと述べた。

さらに、米兵による犯罪や米軍機の騒音、環境汚染によって「戦後ずっと、沖縄の人々は米国の独立宣言が糾弾する『権力の乱用や強奪』に苦しめられ続けている」と指摘。普天間の辺野古移設は「沖縄の人々の苦しみを恒久化させることにもつながる」と非難した。



Peace Philosophy Center で全文と全訳が見られます。

これは嬉しいですね。 オリバー・ストーンとピーター・カズニックは昨年広島、長崎、沖縄を訪ね、講演を行い、その様子をIWJで見ましたがとても感動的でした。 この二人が今回の行動を主導したことは間違いないでしょうね。

日本人としては、情けなく恥ずかしい限りですが、閉鎖的なこの社会に風穴をあけるのは、グローバル市民の繋がりなのではという予感。というより先駆けになるニュースです。

呼びかけ人を代表して、アメリカン・フレンズ・サービス委員会のジョセフ・ガーソン氏(沖縄で基地に反対する人々と連携し、少女暴行事件を受けて1996年に「激怒と痛恨の声明」を発表した)は、今回の声明の意図は「沖縄の人々による、70年にも及ぶ軍事植民地化を終わらせ、自らの尊厳と人権を守り、平和と環境保護を確保するための、勇気づけられる大切な非暴力運動への国際的支援を集める」ことであると述べたそうです。

琉球新報は海外識者声明 沖縄の正当性の証明だ もっと世界に訴えようという記事で、実に心強い応援だ。人権という世界共通の価値観に基づく沖縄の主張が、国際標準に照らして正当であることの証明にほかならない。われわれはもっと自信を持っていい。堂々と国際社会に発信し、日米両政府の不当な圧力をはね返そう。としています。




安倍政権の暴走が外交問題に

2013.04.27 00:01|外交安全保障
麻生、古屋氏が靖国参拝 閣僚計3人、首相は供物4/21 47NEWS

麻生太郎副総理兼財務相は21日夜、東京・九段北の靖国神社を春季例大祭(21~23日)に合わせ参拝した。古屋圭司国家公安委員長兼拉致問題担当相も午前に参拝した。20日には新藤義孝総務相が参拝しており、第2次安倍政権で閣僚の参拝が判明したのは計3人となった。

一方、安倍晋三首相は、中国や韓国との外交関係に配慮し、今回の例大祭に合わせた参拝を見送る方針を固めた。代わりに21日までに「真榊」と呼ばれる供物を「内閣総理大臣」名で奉納した。

公明党の山口那津男代表は21日、閣僚の靖国参拝が外交に影響を及ぼす懸念を表明している。



韓国外相の訪日取りやめ=閣僚の靖国参拝に「遺憾」4/22 時事

韓国外務省報道官は22日、靖国神社への安倍晋三首相の真榊(まさかき)奉納と閣僚の参拝を受けて論評を出し、「深い憂慮と遺憾」を表明した。同省当局者は26、27両日で検討していた尹炳世外相の訪日について「調整する」と述べ、訪日は事実上取りやめになった。

朴槿恵政権発足後初の外相訪日が先送りとなったことで、今後の両国関係や北朝鮮問題への連携に影響が出る可能性もある



超党派議連、168人が靖国参拝 89年以降最多 (4/23 47NEWS

超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・尾辻秀久自民党参院議員)は23日午前、春季例大祭に合わせて東京・九段北の靖国神社に集団参拝し、国会議員168人が参加した。議連に記録がある1989年以降で最多。昨年の衆院選で自民党などの保守系議員が増えた影響とみられる。

安倍晋三首相の供物奉納や、麻生太郎副総理兼財務相ら閣僚3人の参拝に不快感を示す中国と韓国が一層、反発を強める可能性もある。

議連は毎年、春と秋の例大祭と終戦記念日の8月15日に合わせて参拝している。近年の参加議員は毎回30~80人程度だった。



麻生氏「外交影響あまりない」 靖国参拝で (4/23 47NEWS

麻生太郎副総理兼財務相は23日の閣議後記者会見で、靖国神社の参拝に対する中国や韓国の反発に関して「海外で反応が出ているが、それによって外交に影響が出ることはあまりないと思う」と述べた。

麻生副総理は「(靖国参拝には)毎年2、3回、伺っている。いまさら言われるような話ではない」と説明。記者から「韓国や中国に与える影響から(靖国参拝に)行かないという考えはなかったのか」と問われると「ありませんでした」と答えた。

麻生氏は、円安進行に伴う燃料高騰などについて、漁業関係は対応済みと説明。「ほかにいろいろなことが出るのであれば、その段階で考えなければいけない」と述べた。



韓国反発 「侵略の否定」報道 糾弾決議の動きも (4/25 東京朝刊)

安倍首相の侵略定義や靖国参拝をめぐる言動を24日、韓国でメディアが「侵略と戦争責任の否定」と大きく報じた。 政界は猛反発し、与党セヌリ党は「軍国主義に戻る安倍政権を糾弾する国会決議案」の推進を表明。日韓新政権での関係修復は遠のいた様相だ。

・・・・・朴槿恵大統領はメディア幹部との懇談会で「歴史認識が正しく確立されない限り、過去の傷は悪化し、未来志向に進むのは難しい」と憂慮を示した。・・・・・大手氏・朝鮮日報は「国交断絶とまでいかなくとも、抗議以上の行動を見せるべき」との外交関係者の意見を掲載。・・・・・




韓国、日本の大使呼び抗議 首相の参拝容認受け (4/25 東京)

【ソウル共同】閣僚の靖国神社参拝を容認した安倍晋三首相の発言を受け、韓国外務省の金奎顕第1次官は25日、別所浩郎駐韓大使を同省に呼び、日本政府の姿勢に抗議した。歴史や領土問題に関連し、韓国が日本の大使を呼ぶのは2011年7月以来。
麻生太郎副首相兼財務相による靖国参拝などに抗議し、尹炳世外相が訪日を取りやめたことに続く高いレベルの抗議行動。日韓関係が当面、冷え込むのは避けられない見通しだ。

麻生氏らの靖国参拝をめぐる中国、韓国の批判に対し、安倍氏は24日「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」と反論し、参拝容認の姿勢を明確にしていた


米政権、安倍首相発言に懸念 中韓にらみ自制促す 4/26 47NEWS


【ワシントン共同】歴史認識をめぐる安倍晋三首相の発言や閣僚の靖国神社参拝に対し、オバマ米政権が東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして、日本政府へ外交ルートで非公式に懸念を伝えていたことが分かった。日米外交筋が25日、明らかにした。

国務省のベントレル報道部長は「公式な抗議」はしていないとした上で「中国や韓国のように他国も懸念を表明している。各国間の強く建設的な関係が地域の平和と安定をもたらすことを、われわれは今後も訴えていく」と述べ、安倍政権に中韓を刺激しないよう自制を促した。



「安倍政権」と会わない習指導部=尖閣・靖国、冷え切る関係-中国 4/26 時事

【北京時事】中国共産党・政府の中央指導者は、沖縄県・尖閣諸島をめぐる摩擦に加え、麻生太郎副総理らの靖国神社参拝を受け、安倍晋三首相に直結する閣僚らと会談しない姿勢が鮮明になっている。中国側は経済交流を中心に関係改善を模索したい意向もあるが、「安倍首相は会談するため中国に妥協することはないだろう」(日中関係筋)とも見ている。譲歩しない両国指導者間の信頼がなくなり、関係は冷え切っている。

太田昭宏国土交通相は日中間の観光交流回復に向け、日本の大型連休中の5月上旬に訪中したい考えを中国側に伝達した。公明党代表時代、積極的に対中交流を進めた太田氏は強い意欲を燃やし、「最低でも(観光担当の)汪洋副首相と会談したい」意向だったが、中国外務省関係者によると、汪副首相らが会談に難色を示し、訪中は見送られた。

日中間では、5月下旬に予定された日中韓首脳会談が中国の意向で先送りになったほか、高村正彦自民党副総裁が率い、5月初旬に予定された日中友好議員連盟の訪中団も中止。高村氏らが希望した習近平国家主席や李源潮国家副主席らは会談に応じなかった。

現時点で固まっているのは、二階俊博自民党総務会長代行が28日に王家瑞党中央対外連絡部長と会談するほか、今週末に江田五月日中友好会館会長(元参院議長)、5月6~8日に野田毅日中協会会長(自民党税制調査会長)が北京入りする予定。駐日大使を務めた知日派・王毅外相らとの会談に向け調整を進めている。

中国政府筋によると、中国側指導者が会談に応じない背景には反日感情が高まる中、国内で「日本寄り」批判を回避したいこともある。改革派と目される汪副首相は4月中旬に河野洋平元衆院議長と会談し、「中国の今の発展は日本の協力があったから」などと述べ、対日経済交流を重視する方針を示したが、インターネット上で「親日発言」が批判された。王外相も日本要人との会談が公になることに神経をとがらせているという。



 大型連休の訪中見送り=太田国交相 (4/26 時事

太田昭宏国土交通相は26日の閣議後記者会見で、大型連休中に検討していた中国訪問について「最終的な調整をしていたが、今回は見送ることにした」と述べた。

訪中見送りの理由について、国交相は「調整がつかないということ」と説明したが、沖縄県の尖閣諸島をめぐる日中間の対立や、安倍内閣の閣僚の靖国神社参拝に対する中国側の反発などが影響したとみられる。


日中韓財務相会議が中止 関係悪化が影響か 4/26 47NEWS)

5月3日に予定されていた日中韓財務相・中央銀行総裁会議の開催が見送られることが26日、分かった。議長国の中国が「3カ国で調整が必要な議題はない」との理由で中止を日本政府に通告した。出席予定だった麻生太郎副総理兼財務相の靖国神社参拝に中韓が反発していることや、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中対立が影響したとみられる。

日中韓をめぐっては、4月開催を検討していた3カ国による外相会談が見送られ、5月下旬で調整していた首脳会談も先送りする方向になっている。財務相・中銀総裁会議も中止になったことで、中国、韓国との関係改善はいっそう遠のきそうだ。



卑屈といわれても平和な外交姿勢を貫くべき by 岩上

2013.04.10 23:58|外交安全保障
北朝鮮のミサイル発射がいつあるかというのに、全く緊張感が感じられません。
平和ボケなのか、ただの脅しと水面下で了解していることなのか。
本来なら、防空壕でも掘らないといけないのでは・・・。 出来る限りの事をして国民の安全を確保すると言われても、全く信じられないですよね。

何が起こっているのかを知る参考にしてください。

4/10 TOKYOMX 21:00 日本ダンディに出演した岩上安身氏のコメントをまとめてみました。

今日、元防衛官僚、2003~2009年内閣官房副長官補・安全保障危機管理担当をお務めになった柳澤協二さんにインタビューしました。

PAC3で、日本全土をカバー出来るかを尋ねたところ、それは出来ませんと。
柳沢さん自身が、政府のトップとして指示を下してきた。
PAC3は、相手に、そういうことをやっても我々は撃ち落とせるんだよという政治的メッセージを送る兵器だ。
当たるか当たらないか分からないが、相手が信じてくれるとこちらも信じないと意味がない。
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今回は異例だ。 政府は何かの兆候をつかんだと言っているが、何も発表していない。
しかし、実は非常に緊張が高まっている。 日本の報道は非常に不充分。

今回の危機の背景は、
2

2012年の4月、12月に弾道ミサイル実験〈テポドン?〉
2013年2月、核実験    
核と長距離弾道弾を撃てるようになった。 アメリカ本土への核攻撃の可能性が浮上してきた。
アメリカは極東有事である限りは、そんなに本気ではなかったというか現状維持であったが、アメリカ本土まで届くとなったらそうはいかないという話。

3

実は今年3月初めから、極めて挑発的な米韓合同演習が行われている。
「フォールイーグル」は、まだやっている。
更に陸軍は「パスドオブユニティ」という演習を行っている。これは南から北へ攻め上って、核施設を制圧する具体的訓練を行っている。これは北の褐色の土地を狙うと言っている。
これには、グァムからB52、アメリカ本土から初めてB2戦略爆撃機が飛来して爆撃訓練をしている。
B2というのは、ステルス制で、最新鋭の核戦略爆撃機。そしてこの投下訓練というのは、核兵器を用いるということ。
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(B2 アメリカ空軍のステルス戦略爆撃機 水平尾翼および垂直尾翼がない全翼機という特徴的な形をしており愛称はスピリット)

しかも、危険な水域で行っている。 北朝鮮側の水域と国連軍の水域。 その間のデリケートな水域に5つの島がある。 ここで演習を行えば、北朝鮮から見れば領海内で行ったということになり、即時攻撃をすると言っている。ここで行っている。
北朝鮮の目と鼻の先。

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4/1 韓国国防省は朴大統領に対して「北朝鮮の核兵器使用の兆候をつかんだ段階で先制攻撃をする戦略」と報告。兆候とは何ぞやということは分からない。 兆候というのはデータで判断するのだろうが、ミサイルを発射してからではないぞと。先にやっちゃうぞと。それも2014年予定を前倒しに。今年中だという話。
これを正式に発表した上での演習訓練なので、北朝鮮としても、もうこうなったらという話だ。

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町:今までも米韓合同演習やってきたが、それとはレベルが違うということ?

レベルが全然違う。 もし開戦となったら、北朝鮮は韓国、日本の在日米軍基地を中心にミサイル攻撃をする。
「原発に撃ち込めば日本は地上から消せる。」と2007年に北朝鮮の労働党幹部が行った講演を韓国メディアが入手して発表し、これは日本でも報じられている。
米軍は退去し、遠方から攻撃。 

7


重要なのは、原発と戦争は別のリスクと皆考えていると思うが、実は掛け算で考えるリスクだ。 これだけある原発をカバー出来ない。
PAC3は、17くらい配備できるが、すべて配備を終わっても全国の原発はノーガード状態。
日本の作戦攻撃を見ても、原発が攻撃されたらというのは練られていない。驚くべき状態だ。

早く原発撤去を急げということ。 それが出来ず原発をやるなら、俺たちは徹底的に関係ないからという平和な、卑屈と言われても何でもいいから態度を、外交姿勢を貫くか、どちらかしないと・・・。

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北朝鮮を孤立化して、何か言いがかりをつけて、朝鮮半島を戦場にしてアメリカの軍事産業が儲かるいつものやり方が垣間見えるわけですが。
とにかく、日本は地政学的にも原発は危険すぎることが、如実になってきてしまったので、日本政府としても大騒ぎできなくなったのでは。 よく分からない北朝鮮のお方を上手くコントロールしてほしいですが、北朝鮮に関しては日本国内でも難しい問題がありすぎです。


BS朝日 徹底討論!日本にオスプレイは必要か?(その2)

2012.10.14 00:29|外交安全保障
BS朝日 ごごいち 
10月8日(月)13:00~13:55
徹底討論!日本にオスプレイは必要か?
(その2)

なぜこだわる? アメリカの思惑

オスプレイは飛行距離も長く、空中給油可能、最大速度も500キロと2倍の速度を持っているが、どこを睨んで配備しているのかという三反園氏の質問に対して、田岡氏は、沖縄の海兵隊はもともと日本を守っているわけでなく、第7艦隊の担当海域であるインド洋、西太平洋全域に出るためのもので、沖縄はあくまで待機基地と指摘しました。

仮に何かあった場合は日本を守ってくれる。オスプレイは日本の安全保障にとっても重要だと(日米双方)確認しているわけなのでは?という質問に対しては、アメリカは二枚舌。片方で、安保条約5条の適応範囲内であると言いながら、片方で中立守る、絶対に関与しないと言っている。この二つの矛盾をつなげるとしたら、安保条約5条で、両国は憲法上の規定および手続きが必要としていて、アメリカでも日本の無人島をめぐって中国と戦争するかを議会にかけるが承認が出ませんでした悪しからず、ということはできる。

また、「日米防衛協力の指針」には、日本に対する着上陸の阻止はまず自衛隊が主体的に行なうとある。原文では明らかに、自衛隊がprimary responsibility 一義的責任を負うと書いてある。日本が侵略を受けた場合、自衛隊がまずやって、米軍がやる必要はないということなので、アメリカが助けることはあり得ないと強調。

三反園氏が、パネッタ国防長官が「(沖縄配備の理由は)アジア太平洋地域での、より効果的な人道支援・災害援助」と言っているが?に対して、人道支援でなくて、例えば上海で暴動が起こったとして、飛んでいって飛行場を数日間でも押さえて、アメリカ人を助け出すのが現実的にありそうな任務。中国政府の中に、反政府暴動や分裂が起きたときにアメリカ人を助けるということ。今アメリカでは非戦闘員退避作戦というのが非常に重視されているからだと説明。

加えて、海兵隊は在外アメリカ人の救出には、アメリカ政府の役人、アメリカ政府と雇用関係にある民間人・・と順番がきまっていて、日本人は助けてもらえない。オスプレイは在外アメリカ人のために沖縄に必要であると断言しました。

これに対して、政府を代表した神風氏の意見は、アメリカは、これまで10年にわたって、アフガニスタン、イラクに20万人の兵を投入しながら軍事下にあった。今年新しい国防戦略指針が出されて、兵を撤収する代わりに逆にアジア、太平洋にアメリカの戦略的なプレゼンスをおくことになった。

そういう中で、沖縄、グアム、ハワイ、アーストラリアのダーウィンあたりを海兵隊がローテーションし、西太平洋全体、すなわち朝鮮半島から東南アジア、広くインド洋を含めて見ていこうという大きな戦略をとることになった。その中で沖縄に地勢学的に海兵隊が置かれている。その海兵隊古すぎる足を交替しないともう限界であると現状であるというものでした。

田中氏は、アメリカの新聞ではこの動きを中国包囲網であり、仮想敵国は中国であると書いている。日本政府ははっきりと言わないが、CH-46では中国に届かないけれどオスプレイなら届く。上海で救出作戦といったら米中戦争になりかねない状態を想定しているのではないか。

間違ってはいけないのは、中国が尖閣を取りに来たのではなく、これまでの棚上げというレッドラインを越えて、日本が国有化すると言ったので中国が怒ったタイミング的にオスプレイを配備したいから日本政府がやったとしか思えない。みなは違うというだろうけれど・・・と疑問を呈すると、大谷氏、三反園氏がそうとしか思えないと同意しました。

大谷氏は、領土問題はナーバスな問題だが、そのことでいたずらに日中がぶつかるのではないかとか、米軍が出て行って米中がぶつかるのではないかなんてこと、基本的にあり得ない。尖閣の問題があるからオスプレイなのか?尖閣の問題があるから普天間なのか?飛躍しすぎるとすると、逆にこういう問題があるからオスプレイが必要であるだろうと使われている感じがする三反園氏

田中氏は、オスプレイは全国に配備して、皆で共有する問題。アメリカの思惑は、軍事ではなく、経済問題。軍事産業がアメリカの経済を回すということがあって、来年から軍事費削減だから早くやりたい。オスプレイは高価なので、来年再来年になると廃止になってしまうかもしれないので、早くやりたい。ちょうどCH-46を交代させなければならなかったと持論を展開しました。

三反園氏が、皆さんと議論していると、オスプレイはアメリカ人のために必要だが、日本のために必要ということが出てこないと再度質問すると、田中氏は日米安保にはもとからそんなものはないからでは。田岡氏は、もとから同盟関係とは、敵に対して団結するものであって、ソ連が崩壊して東西対立がなくなった段階で、実は同盟関係は崩壊していた。大部隊が残っているのは、もともと占領していたところ。ドイツ、イタリア、日本、韓国、英国少しなど5カ国くらい。ドイツからはどんどん撤退しているし。ほかは同盟関係にあっても、実際部隊はいない。占領の継続で既得権益があるから・・・。

三反園氏が、日米安保条約があって、日本が有事の場合にはアメリカも一緒に対処してくれるということですよと確認すると、神風氏は当然だとし、話しを聞いていると非常にエキセントリックな議論だと思う。私はそういう形になっていると思う。そのためにも防衛省内でいろいろやっておりますと反論しました。

この後、中国軍と自衛隊の違いについて議論がありましたが、中国は兵力的には下がっているとした田岡氏に対して、中国の防衛費は上がっていると強調する神風氏との間で意見が分かれました。

防衛、外交・・・日本が取るべき最善策

田中氏は、中国の最大の脅威は経済。例えば、米国債の世界最大の保有国は中国だし、日本だってちょっと暴動を起こされて日本企業が閉鎖されただけで困ったではないか。経済で真綿で首を絞めるように中国はやってくる。

だいたい昨日ミンダナオの和平が締結されたばかり。ミンダナオというのは、ゲリラがいて、垂直下降が必要なところで、アジアで唯一オスプレイが必要な場所。そこが和和解し始めた。もうオスプレイいらないだろう。日本はアメリカとの同盟関係が最大唯一の外交であるみたいな感じだが、そこがオスプレイを必要性に繋がっているから、それを見直さないといけない。

アメリカはものすごく力が落ちている。それを見ないといけない。大赤字だし、国際信用力も失っているし、それをどうするかと問題提起をしました。

神風氏は、オスプレイは、あくまでも海兵隊の足に過ぎない。それが変わるということ。
日本の一番西の与那国島に自衛隊はいない。宮古島に航空自衛隊のレーダー基地があるだけ。それで、例えば沖縄から与那国島に海兵隊が展開することがあれば、これは今のCH-46であれば一日以上かかるが、オスプレイであればダイレクト。パネッタ長官の言った、人道支援、災害援助などそういうことを含めてオスプレイは出来る。

これに対して、田岡氏はオスプレイは日本にメリットは何もない。もともと日本を守るための部隊ではない。あれは海外に行くために沖縄に待機している。

アメリカの議会で防衛当局者が、何故沖縄の海兵隊を置いて日本を守ってやらないといけないのか?と聞かれると、必ずあれは日本の防衛兵力ではありませんと、海外に行くためにあそこに待機していると答えていると反論しました。

大谷氏は最後に、オスプレイが導入された以上、日本政府はきちんと合意事項は守りなさいとか、普天間の負担を軽減していくとか、そういうことを言っていくべきだと指摘しました。

終了







BS朝日 徹底討論!日本にオスプレイは必要か?(その1)

2012.10.09 22:12|外交安全保障

BS朝日 ごごいち 
10月8日(月)13:00~13:55
徹底討論!日本にオスプレイは必要か?

普天間への配備完了…安全性は?防衛は?外交は?
オスプレイ問題を4人の論客が徹底討論

ゲスト:民主党 神風英男衆院議員(前防衛政務官、4月のモロッコ事故調査で米へ)
    軍事ジャーナリスト 田岡俊次氏
    国際アナリスト 田中宇氏
    ジャーナリスト 大谷昭宏氏



連休の昼下がり、誰が見ているのかという番組でしたが、これ意外におもしろかった。
いつも政局話しばかりの政治記者上がりの三反園さんが司会で、結構上手く取り仕切り、発言者をよく振り、シナリオがあるのかないのか、発言の上に他の発言がいくつもかぶって聞き取りずらいこともあり、こういう議論、昔はTVでも見たなあという感じで展開しました。最も、三反園さんが田中、大谷氏の意見に傾いているという向きはありましたが・・・。
また、田岡氏は長らくTVには登場していませんでしたね。最近そもそも総研に録画で登場したりしましたが。テレビ生主演は久し振りなのではないでしょうか。独自の軍事論を振り回し、場を読まないあっぱれ振りを発揮していて愉快でした。

ちょっと各氏の意見をつまみ食いしました。考え方の参考にして下さい。

本当に大丈夫? オスプレイの安全性

田中:オスプレイの危険性について懸念するのは、アメリカのプロフェッシヨナルや技術者が非常に危ないと言っている。パイロットも「タイム」誌で、上手くいっているときは素晴らしいけれど、不調になると駄目だ。アメリカもだましだまし使っている

イラクでもアフガニスタンでも、一番危ないところで使わない。ゲリラがいて垂直降下するような一番使いたいところで使わず、少し後ろで輸送機として使っていて安全ですよと言っている。高価で軍事産業が儲かるから使いたいが、実際には危ないという評判がアメリカの軍内にある。軍内のことなので外に出てこない。

大谷:今までの大半の事故が人為的ミスであることが分かりました。機体の問題ではありませんでした。従って日本政府は安全宣言をして日米合意をしました。何を根拠それが言えるのか。

神風:航空機について100%安全ということはない。オスプレイが他の飛行機と同程度の安全性があるのかどうかという意味。逆に言えば、極端にこれだけが危険ということではないということである。

今年2回事故が起こった。我々が懸念したのは、構造的な問題があるのではなかろうかと、そこを政府として調べなければいけないという中で、分析評価チームを防衛省と外部有識者を加えて立ち上げて、独自の視点から検証した。もちろん事故調査については米国がすべて行なうが、膨大な量を改めて調査する中で、人為的なミスであって、もちろん最新兵器だから事故がないとは言い切れないが、ただそれと同程度の事故であったと確証が得られたので安全宣言をした。それに加えて機体の安全だけでなく運用面でも担保するということを日米合同委員会で出来る限り合意を得た。

森本大臣 (安全性の確保について)日米合意によって安全性が担保 (9/19会見)
       米側も最大限配慮すると約束(9/24仲井真知事との会談)


地元の理解えぬまま・・・普天間配備完了

大谷:試験飛行の段階でめちゃくちゃ違反しているではないか。あの合意は何だったのか。
田中:オスプレイ以前に、この30年から40年、沖縄の基地をめぐる違反がある。沖縄の人がかんかんになるのは当然。
オスプレイは大丈夫と言われて、これはアメリカから配備しろと言われてイエスとしたか言えないんだと。もう嫌だよ。もう他のところにしてくれ、海外にしてくれという話になる。

三反園:それが、沖縄の思い。アメリカと合同委員会で調査しました。安全確保されたと言いますけれど、初めから、配備ありきでなかったのか。
田岡配備ありきでしょう。中国対策で沖縄に持ってきたという人がいるけれど、海兵隊がずっと使ってきた古いCH-46を変えることに決まっていた。

神風配備最初にありきではなかった。15人の分析評価チームが分析をした結果、問題があればその運用が出来ないという事態もありえたわけです。米軍としては配備ありきだったかもしれないが・・・。

三反園:米軍が配備ありきだったのなら、結論的には大丈夫というに決まっているわけですよね。
田中:アメリカは来年から財政難で財政緊縮しなくてはならない。オスプレイは今までに危ないと問題にされている。来年からオスプレイをやめなくてはならなくなるかもしれない。軍需産業が早く駆け込みでやれと、日本に強い圧力をかけろと、絶対安全だと言えと。すると、日本側もいろいろ調べたけれど安全ですと言わざると得ないという政治的状況がある。

大谷:神風さん、100歩譲って配備するんであれば、可能な限りという約束ごとをするのか。違反があったら違うでしょうと、合意したことに何故違反をするのかと。
神風:かなり違反をしているということについて、調べてみないと何とも言えませんが・・・
三反園:”可能な限り人口密集地でも飛行を避ける”とか”転換モードでの飛行は可能な限り短く”という運用ルールにあるが、守っていないのではないかという報道がある。

神風
これをきつくしてしまうと、運用自体に支障を来たす。
三反園:ということは、守らなくてもいいということなりますね。
神風:もちろんアメリカとしても出来る限り守っていくということです。

大谷:米軍でさえ、レッドゾーンという本来飛行してはいけない地域を南側に控えている。その地域には800世帯あるんですよ。初めから無理じゃないんですか。今回は約束をしたわけなんですよね。国民の皆さん納得して下さいという。
田岡:上院軍事委員会が言っているとおり、嘉手納で統合するのがよい。一度国防省が言ってきたのに、へんなことに日本側が断った。
その時、辺野古にどんな工法で行なうとどの企業が儲かるとか、メガフロートにするとどこの造船会社が儲かるかとか、埋め立てると沖縄に金が落ちるとかいう話をしていた最中に、アメリカから嘉手納でよろしいと言ってきた・・・。そうしたら沖縄に金が落ちないとか・・・
神風:それは私は詳しくわかりませんが、正式なアメリカ政府としての見解ではないでしょう。
田岡:いや見解です。ラムズフェルドがはっきり言っています。
神風:いや違うと思います。

大谷:それならせめてオスプレイは沖縄から出せばいいじゃないですか。
神風:あくまでも海兵隊の輸送手段のことです。オスプレイが単独で攻撃的に使われるとかそういう運用されるということではありません。あくまで、海兵隊の展開に応じて変わる。

(その1おわり)



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