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4/18 そもそも総研たまぺディア「そもそもTPP参加は是か非か」

2013.04.19 00:06|TPP
4/18 そもそも総研たまペディア 「そもそもTPP参加は是か非か」
反骨の元経産官僚VS反骨の元外務官僚

玉川: 古賀さんと孫崎さん。真っ向から意見の違うお二人。尊敬するお二人ですが、私はどっちに付けばいいのかという感じだ。
古賀さんはTPP参加賛成。孫崎さんはTPP参加反対。これでいいですね?

1

お互いの主張を簡単にまとめてあるVTRを見ていただいて助走をつけます。

TPP参加をめぐって真二つに割れる両者の主張とは:

*日本の主権が危うくなると主張する孫崎氏
2

孫崎:国益にならない理由は、日本の法律・制度よりも米国のあるいは多国籍企業の利益確保の方が、優先されるシステムに移るだろうと想定されるから。
何故かと言うと、ISD条項というものがある。 ISD条項とは企業が、投資家が進出するときに、一定の期待値というものがある。この儲かると言うことが日本の法律により儲からない状況になったとき「我々の利益確保ができなかったのは、日本の法律のためである」ということで訴える。

玉川:(裁判で)仮に負けたとしても、賠償金を払うだけですよね。 それで何故主権の話にまでなる?

孫崎: まず、賠償金を払うだけだけれども、ここで非常に重要なのは、日本の法律よりも相手国の、相手企業の利益確保の方が重要だというこの理念。 日本の法律で色々決まっている。これより利益確保の方が大事だというところは、主権の侵害である以外何物でもない。

もう一つ起こってくることは、裁判で負けるとすると、当然日本は(その法律)を続けたら負けていくわけだから、法律自体も改正される。だから、法律の決定が、もはや日本国民の総意だけではなくて、外国企業の圧力を背景に修正していかざるを得なくなってくる。

*一方古賀氏は
玉川: 孫崎氏はTPPに参加すると、アメリカの都合のいいように、日本の制度、法律、システムが全部アメリカのいいように変えられる危険性が高いと主張しているが?
3

古賀: 基本的にTPPというのは、独立した主権国家が集まって議論する場。 そこで日本がアメリカの言いなりになるとは普通は考えにくい。よく色々言われるが、今まで日本はアメリカに従属してきたとか、アメリカに何か言われるといつも嫌々ながら言いなりになってきたとか、そういう議論が聞かれるが、少なくとも経済問題に関する交渉においては、実は日本は結構頑張ってアメリカと交渉していて、たまには頑張りすぎだと言うくらい頑張るところがあった。

私は実際に日米構造協議とか、GATT(関税及び貿易に関する一般協定)ウルグアイラウンドで補助金交渉とかをやったが、実際に交渉の現場で感じたのは、いつもやられているという認識ではない。 

アメリカが言うことは、もちろん自国の国益を考えて言うのだが、言っていることの中にはかなり良いことも沢山あって、例えば日米構造協議の議論で、アメリカと日本が向かい合って座って、アメリカが日本を攻める。日本の方は、各省から出てきた役人が「出来ない、出来ない」といろいろなことを言うわけ。横から思わず「いやおかしいんじゃない」と(日本側)に言ってしまったこともあるくらい、アメリカの言っている方が正しいということはかなり多かった。


玉川: ということで、テーマを分けていきたい。

*孫崎氏の問題提起: 主権が危うくなる
4

古賀: そもそもこれは皆で約束して、そのルールに従ってISD条項で訴えられたらそれに応じるということ。 もともと日本が約束してその義務に従っているだけ。条約でいろいろな約束をすれば当然義務がかかってくるわけで、約束を履行しているから主権を侵されるというにはならない。

ISD条項についての説明
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「投資家(Investor)と国家(State)の紛争解決(Dispute)

例えば: 日本に進出しているアメリカ企業が、日本の制度のせいで、他の国で得られた利益が得られなかった時に、世界銀行傘下の仲裁裁判所に訴えることが出来る。 アメリカ企業が勝ったとすると、日本に対して損害賠償請求が出来る。
企業が日本という国家を訴える。 国家が負けたら、日本の制度を変えることになり主権に及ぶというのが孫崎さんの主張。



孫崎: 日本の法律は、生命、健康、社会の安定というような、様々な要因で作られている。ところがこのISD条項による投資家の訴えというのは、企業が予定された利益を確保することが、法律で犯されたらおかしいよということ。

先ほど、古賀さんは、アメリカとの交渉の中でアメリカの言い分もちゃんとした時があったと。日本の言い分もおかしいことがあるよとおっしゃったが、これは国家対国家。アメリカという国家がスクリーニングしてくるからあまりむちゃくちゃなことは言わないかもしれないが、ところが、物に自分の利益を追求する投資家が、俺の利益がだめになるということを訴えること。

だから、これは新しいルール。 国家の主権ではなく、企業の利益を企業が自分の国を通さずに直接訴える。昔だったら、アメリカの自動車企業がおかしいと言ってもアメリカ政府の中でスクリーニングしてくるから、あまりめちゃくちゃなことはない。
ところが、これだと、露骨に企業の利益を訴えることになる。

赤江: 具体例は?

孫崎: イーライリリーという医薬品メーカーが、1億ドル賠償請求をしている。
玉川: それはアメリカの企業がカナダを訴えている。 何故カナダを訴えるかと言うとNAFTA(米、カナダ、メキシコ)のISD条項を使って訴えている。
孫崎: 〈アメリカ企業〉薬品の特許、これをカナダ側は臨床実験が少ないからこれを認められないとして、最高裁までいって判決はだめだということになった。そうしたら、企業利益を確保しないからといって1億ドルやった。

重要なことは、1990年頃カナダに勤務していた。ちょうどNAFTA条約のころ。 これを締結するときにISD条項の危険性について誰も話していない。予想されていなかった。

この条約に入ると。貿易が促進されていいことばかりと思っていたが、あの当事の交渉担当官は自分の政府の判断が最高裁までいって 1億ドルの賠償請求をされるなんて誰も思っていない。

赤江: それでは、日本の安全規制が負けると言うこともあるわけですね。

古賀: これは新しい制度であると勘違いされていると思うが、世界中で3000近い投資協定があるが、ほとんどにこれが入っている。日本も24カ国との条約にISD条項が入っている。

今の(カナダ)訴訟はまだ結論は出ていない。 カナダの特許制度というのは、日本からもアメリカからもEUからもとんでもない制度だと言われていて、たぶんカナダの製薬企業を守るためにかなりインチキしたのではと個人的には思っている。実際にカナダの政府がアメリカ企業に訴えられた例もあるが、NAFTAで実際にはアメリカ企業が負けている。負け越しです。
6
アメリカ企業   提訴     カナダ政府に対して  2勝5敗
                メキシコ政府に対して 5勝6敗

今の議論は日本が途上国であるという認識の議論。日本でインチキというか国内企業を保護する措置があるが、それが多いのでやられてしまうという議論ばかりしているが、実は日本はこれから外に出て行かなくてはならない。そこで、不公正な措置があって、思わぬ損をしてしまうことがあるが、その時にその国を訴えてもその国内では勝てないので、外の第三者にやってもらいましょうと措置。どちらかというとISD条項は途上国が嫌がって、日本やアメリカが押していくべきものだと思う。発想を変えないといけない。

孫崎: 投資保護協定を途上国とするときに、ISD条項は入っている。これの一般的理念は発展途上国だから法整備が十分にできていない。裁判制度も十分にできていないので、それを補完するために国際司法裁判所みたいなものを作りましょうということ。

ここで起こっていることは、日本の法律制度、裁判課程が十分でないという状況ことではない。このISD条項は深刻な影響がある。 これから、EUとアメリカで同じような自由貿易協定を結ぶときにも入ってくる。アメリカの中で出ている懸念は、自分たちの法律、環境・生命が企業利益にやられるのではないかと。

玉川: 要するに、先進国と途上国ではなく、先進国同士であればいらないのではないか。逆に言えばEUから訴えられるのをアメリカの中の人も言っているということか。

孫崎: 新しいルール。 法律が整ってない、3000の条約があるのはそうだと思う。そこにISD条項が入るのは意味が分かる。日本に法律があり、慎重に審議されてそれをちゃんとできる裁判制度があるにも関わらず、主権をオーバールールするかたちで国際的なものを作る必要はない。

玉川: 主権ということを視聴者は理解していないと思うので、用意しました。 
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主権とは: その国家自身の意思によるほか、他国の支配に服さない統治権力。 国家構成の要素で最高・独立・絶対の権力。

国家を超えて企業利潤も環境・安全も勘案して上で裁定する上部機関があるならいいが、そういうものがない段階でISD条項でやるのは・・・ということか。


古賀: 誤解がある。 ISD条項は、すべてに適用されるのではなく、21分野の基本的には投資部門の約束と、サービス部門の約束に適用される。環境、安全にも適用しろという議論がアメリカもやっていたことはあるが、基本的にはそれは対象にならない。個別品目を認める認めないTPPで議論することもないし、遺伝子組み換えのラベルについても、昨日石原さんが言っていてびっくりしたが、これははっきり議論しないとアメリカは言っている

何でそういうことが、どんどん出てくるかと言うと、結局、農協や医師会が既得権グループがどんどん宣伝するから。 既得権グループがデマを流すので、議論がおかしくなってすごく不安になってくる。

玉川: 古賀さんが日米構造協議に出ていると、日本の官僚の後ろに日本の既得権層がついていて、アメリカが正しくてもそれを止めてくる。ということなのでしょう。 日本の既得権益に阻まれた例があるか?
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古賀: それはいっぱいある。 例えば、カルテルが沢山あった。 国内の海運で言えば、船の数が増えれば競争が増えるので、増やさないようにしようというカルテルを、普通だったら独禁法違反だが、わざわざ特別に認める。そういう制度はおかしいとアメリカが言ってくれて、私もおかしいと国内で言っていた。交渉の場ではさすがに言えないが、各省の役人が理屈にならないようなことを言って守る。審議会の議論を昔は完全に閉鎖的に行なっていた。 結論だけ出てそれを隠れ蓑にして変なことをするというので、アメリカがこれは公開してくれと言ったが、いやだいやだと逃げ回って結局会議自体を公開することは出来なかった。
今でも規制改革会議など公開されていない。
あの時、アメリカに強く言ってもらって、審議会公開法でも作っておけばよかったと思う。

孫崎: 通産省に出向していたことがある。1974年。 通産官僚は非常に優秀だ。 しかし、通産官僚の見る目は、経済効率を追求することが一番大切。 社会の秩序のあり方、これは経済効率だけでなく、生命・健康、所得格差の是正もあるかもしれない。

TPPをやると農業がだめになってくる。そういう時にヒットされる人々は、65歳以上で片手間でしか出来ないような農業をやりながら、しかし、ある程度の所得を持って安定するというような・・・。
だから、社会秩序をどうするのかという問題もある。
経済で、効率で追求することが、一番正しいということになると、たぶん古賀さんのおっしゃっていることが当たる場合が多いと思う。だけど、日本の法律は経済効率だけでなく、社会の安定もあるから、そこに着目すると違った結論が出るかもしれない。

玉川: 結局ここでアメリカとどう付き合うというところが、TPP問題でも実は本質なのではないかと思う。

孫崎: 古賀さんがおっしゃっているのは、古き良き次代の通産官僚だと思う。今は米国に言われるとおり。最近の交渉みても、日本の主張は何も実現していない。古き良き時代の古賀さんと新しい時代の官僚はちょっと違う。 
安全保障を見ると、例えばオスプレイの問題でも、アメリカの好きな期間、好きなところ基地をおく。 アメリカに言われたことを日本政府として跳ね返す力がない。

玉川: 要するに、日本とアメリカで条約を結んでいても、主権の一部がもしかしたら、アメリカにとられたままなのではということか。

孫崎: 例えば、オスプレイにしても、野田首相が言ったのは、配備については我々は何も言えないことになっている。条約を結んだら日本の主張が十分に言えるという体質は日本にはなさそう。

古賀: 軍事とか安全保障についてはかなり同意するところがある。 この間の沖縄の基地の返還の話でも、何もとっていないのに、とったとったと宣伝しているみたいな。 これはアメリカとの付き合い方もこれから変えていかなくてはいけないし、経済の分野でも変わってきている、是是非非でいくと。

TPP交渉に出てみると分かると思うが、アメリカは好きなことを言う。だけど世界の常識があるので、出した提案を引っ込めることも出てきている。アメリカ日本の二国間でやると、アメリカの言いなりになりそうだなら、世界の議論の仕方を見ながら、いいものはいいしダメなものはダメという姿勢に変えていく必要がある。

そうなりきれていないと言うのが孫崎さんの懸念されているところで、安倍政権が今やっている交渉入口で入場払うみたいな感じで、自動車で譲歩したとか、(保険でも譲ちゃいましたよね・・・の玉川氏に対し、)保険は私はあれでいいと思っている。要するに、簡易保険が政府の保護の下に民業を圧迫しているので、アメリカの言っていることは正しいと思うが、それ以外のところでも、ちょっと譲っているのではないかそれを国内向けに取り繕って発表しているところがある。そうするとますます不安になるので、正々堂々と議論して言われていることを、こんなへんなこと言っていますが、はねつけますよと言えばいい。
国際的議論だから、おかしなことを一方的に押し付けられることはないです。

羽鳥: 孫崎さんの主権の話はよく分かったが、経済効果についてはどう思うのか?

孫崎: ほとんどない。 関税が低くなって利益があると言われているが、アメリカは2~3%の関税しかない。 重要なことは、日本の輸出マーケットはアメリカ(15.5%)ではなく、TPPに参加しない中国、韓国、香港という東アジアで38.5%。そこがTPPに入らない。経済効果も言われているほど大きくはない。

古賀: (アメリカ以外はどうなのか?に答えて)それは本当の交渉。 オーストラリアはもっと開放しろといってくると思うが、それは議論すればいい。 日本の最大の問題は、農業をどうするのか全然計画を作っていない。ウルグアイラウンドでやったときのまんま。あの時も寝転がって世界に恥を晒したようですが、778%なんて関税をとって、何もやらなくていいですよということになっている。農業はどんどん衰退する。農業を輸出産業するようにしますと言っているが、それは関税で守られる世界ではない。計画があれば、それに沿って譲れるところと譲れないところが出てきて交渉になる。 このままだと何でも反対することになると、オーストラリアやニュージーランドが心配している。

玉川: 時間がないので、もう一回やります。 以上でした。

==========
このラウンドは孫崎氏の勝ちに見えました。
古賀氏は、経産省は貿易交渉を頑張っていると言ってみたり、悪いのは既得権益層が後ろについていて交渉をおかしくすると言ってみたり、何だか経産省の味方をしているように聞こえました。
それなら、ご優秀な官僚が既得権益を打ち破るような施策を考えればいいだけの話。

あくまで外圧を利用して構造改革を推進しようという考えの古賀氏ですが、TPPを利用しないで、するべき改革はするべきでは。

また、孫崎氏が少し提起した大きな国家観というようなものが、今必要なのではないでしょうか。

玉川さんの次に期待します。



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