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消費税について考えてみたい (7) 「社会保障の充実なき消費税増税に反対する緊急アピール」発表

2013.09.24 23:38|税制・消費税
極マイナーな問題、消費税について6回書いてきましたが、もう少しだけ続けます。
今回使われていた財務省や国税庁の資料もかなり更新されていました。
消費増税前夜というところですね。
今日の斎藤貴男氏のアピールは、これまでの記事を生で語ってもらっているということになります。

9/17「社会保障の充実なき消費税増税に反対する緊急アピール」発表の記者会見がおこなわれました。 
アピールしたのは、
植草一秀(政治経済学者)、斎藤貴男(ジャーナリスト)
醍醐 聰(東京大学名誉教授)、鶴田廣巳(関西大学教授/日本租税理論学会理事長)

この様子はIWJで配信され、その様子を

この日取材に訪れた報道関係者は、東京新聞、読売新聞など約10名のみ。(読売は中座とのこと by schnauzer)また、明けて9月18日現在、この緊急アピールに関する報道は一切行われていな い。NHKや民放テレビはもとより、大手新聞が一斉に「黙殺」した格好となり、この消費税増税の問題の根深さが改めて浮き彫りとなっている。

 と報じています。

この会見から、齋藤貴男氏の部分を書き起こしました。

********************
フリージャーナリストの齋藤貴男といいます。

私の場合は、他の先生方のように、税制でも経済の専門家でもないので、2010年、菅総理が消費税増税のことを口にした直後に、講談社から「消費税のカラクリ」という本を出した。 その時の取材を元に話させていただく。

植草さんがショッキングな新事実をおっしゃったが、私は、マクロはよくわからないので、極ミクロというか、個々の人間への影響ということを中心に話したいと思う。

私が、消費税に対して最も関心のあるのは、この税制の本質なのだが、本質云々する以前に、出来るだけ多くの人に仕組みそのものをまず知ってもらいたい

消費税とは多くの方が、最終消費材ついてのみ税金が掛かる、消費者が負担するという思い込みで議論がなされている気がしてならない。

しかし、実際には、消費税というのは、原則すべての商品或いはサービスの、すべての流通段階に掛かる、ということが一点。

それから、植草さんもおっしゃったが、納税義務者―誰が税務署に消費税を納税するのか―これは決まっている。 これは導入当初は、年間売上高3000万円以上の事業者だったが、2004年以降は、年間売上高1000万円以上の事業者ということになっている。 ということは、小さな零細自営業でも、だいたいすべてが納税義務者であるというのが現実。

しかし、納税義務者は決まっているが、実際に誰がこの金額を負担しなければならないかという、担税者の決まりはない。 法律上ない。

そういうことは、かつてのソビエト連邦のような、価格が国家統制でもされているのであればともかく、市場原理の下で、取引が行われている経済の下にあっては、結局誰が負担するかというのは、その取引々によってわからない。 つまり弱い方が余計負担を強いられるのが現実だと。 これが転嫁出来るとか出来ないとか、そういう話。
正確にいうと、どれほど実質的には転嫁出来ていなくても、帳簿の上では、転嫁出来ていることになっている。

つまり消費税分をお客さんから預かることが出来ないのではなく、その分値引きを強いられているというのが現実なので、ここを財務省の人は、転嫁出来ないという議論はあり得ないと言うが、それは帳簿の上の話しでなく、私は、商売の実態のことを話していることをご理解下さい。

(略)
つまり値上げは出来ない、税金は取られる。どうして利益を確保するかというと、今までコストだった部分を削ることによって、利益を出す。 これを企業努力といえば美しいわけだが、実際には多くの場合、従業員の賃金や、パートタイマーさんの時給を削る。或いは仕入業者を泣かせて、その分値引きを強いるということになる。
そうするとこの4番を達成できた事業者は生き延びることが出来るが、その取引先や従業員は浮かばれないことになる。 つまり弱い方へ、弱い方へ負担を押しつけていくしかなくなる税制が、消費税だということ。

自民党政権は100も承知であるからこそ、消費税還元セールの禁止などの法制化をした。
まあ、発想自体は悪くないとは思うが、結果的にどうなったのかというと、“消費税還元セール”といわなければよいということになった。 例えば“春の生活応援セール”という名前にさえしてしまえば、どれほど下請けいじめても構わない、ということになり兼ねないというのが現実。
現実的には、このように弱い方へ弱い方へと押しつけるやり方を、お上がお墨付きを与えた結果にしかなっていないのではないか。というのが私の考え。

2のグラフは、毎年新たに発生する国税の滞納額の推移。 国税庁HP
滞納-s

左は、平成元年は消費税が導入された年。 平成4年は最も滞納が多かった年。
このあたりから国税庁が取立てを非常に厳しくすることで、滞納が年々減ってきているが、最新の24年度の滞納はどうなったかというと、全体の額は減った。1兆8千億あった滞納額が昨年は、5935億円にまで減った。

ところが、細かな税目別の内訳を見て行くと、消費税というのは、この間もほとんど減っていない。ついに昨年は国税全体の新規発生滞納額は、53.58%を消費税が占めてしまった。 つまり新しく発生した滞納の中、半分以上が消費税であったということ。 このことはしばしば国会でも取り上げられているが、多くの場合、国税庁や財務省の担当が、悪質な納税義務者が多いからだということで済ませてきた

もちろん悪質な人がいないとは思わないが、ただそれだけで済む話であれば、法人税や所得税の滞納だって、同じ様な割合がなければいけない。なのに、消費税ばかりが何故こんなに多いかというと、消費税の仕組みに関わってくるからだ。

つまり、法人税や所得税であれば、利益に対して掛かる。 消費税は儲かろうが儲かるまいが、赤字であろうが売上があれば掛かってしまう。 赤字であっても負担させられる。だから力関係で弱いからこそ、余計負担を強いられる。 だから払えない事業者が沢山いるので、こういうグラフになってしまっている。

つまり、財務省が消費税の宣伝文句として口にする、広く薄く公平でシンプルで安定的な税制であるというのは、そもそも真っ赤なウソだと考えている。

広く薄くというのはある程度当たっているかもしれない。 しかし、公平では全くない、 弱い人が余計払う。 そしてシンプルでは全くない、この話もなかなか一般に伝わる機会はない。

安定的かどうかは、取る方から言えばそういえる。 つまり法人税や所得税は利益に掛かるということは、景気が悪い時には税収が減っていく、だから不安定。

消費税は、赤字だろうが黒字だろうが、景気がよかろうが、悪かろうがどこからかふんだくれるので安定している。 取る側の論理ではその通りだが、払う側にしてみれば赤字で損をしているのに、そこに手を突っ込んで取られるので、安定どころではない。

だから、沢山の自殺者が今までも出ている。しばしばいわれる年間の自殺者が3万人を超えて、昨年は少し3万人を割ったが、ずっと14年連続3万人を超えていた。 
その最初のきっかけの年1998年というのは、どういう年であったかというと、山一証券や北海道拓殖銀行が破綻した年でもあるが、その一方で、その前年1997年に、消費税率が3%から5%に増税された年であった。 そのことが引き金になった部分も否めない。 

正確なところはわからない。 自殺した人のすべての原因がはっきりしているわけでないので、わからないが、これは無関係だと考えることは到底できないと思う。
そうすれば、5が8になり、10になれば、どれほどの自殺者が出るのか私にはとてもではないけれど怖ろしくて、想像さえできないという状況だ。

消費税の仕組みを是非知ってほしというのが、今のが基本中の基本だが、もうひとつ仕入税額控除という仕組みがある。 

5%の消費税率の金額を、納税義務者である事業者がそのまま納めるわけではない。
そうではなく、仕入にかかった消費税を、お客さんから預かった消費税からマイナスして支払う。 これを仕入分を控除するということで仕入税額控除というが、そこからも様々な問題が出てくる。

例えば、事業者が人を使う場合、社員さんに給料を払う場合は、この仕入税額控除の対象にならないが、外部に仕事を委託して、例えば派遣会社に人手を委託して仕事をやらせた場合は、そこで支払った金額は外注費として仕入れ税額控除の対象になる。

そもそも給料より外注費の方が安いということが、大きな原因になるわけだが、それだけではなく、この外注を頼めば、消費税の納税義務が少し軽減される、つまり節税できるということで非正規が増えてきたということがある。

ですから、今5%でもこれほど非正規雇用が多いということは、これが増えればますます非正規の労働者が増えていき、雇用は不安的化を増すだろうがいえる。

もうひとつは、還付金だ。 消費税はあくまでも日本国内の税制なので、外国のお客さんからは取れない。ということで、海外に商品を輸出する場合、その輸出事業者に対してはゼロ税率が掛けられることになり、海外に輸出する商品や部品を仕入れる時に支払ったことになっている消費税が、ゼロからマイナスされるために還付されるという仕組み。

事実上の輸出奨励金ともいわれているが、これが図3の消費税還付金上位10社という表に表れている。 これは湖東京司さんという税理士さんが有価証券報告書に基づいて作ったものだが、2010年4月から2011年3月までの有価証券報告書に基づいて計算したところ、この年トヨタ自動車は、2246億円の消費税の還付金を受け取った。 2位はソニーで、1116億円。10社だけで8698億円の消費税が還付された。
還付金-s

これはあくまでも、仕入れには消費税を支払っているのに、売り上げでは消費税を預かれていないので、それでは輸出というのが旨みのないビジネスになってしまい、外貨獲得の手段としてよくなくなってしまうから、国としてそれを補助しましょうという主旨なわけだが、それにしては、この大手10社がきちんと仕入先に消費税を支払っているのであれば、この理屈は正しいかもしれないが、実際は先ほどの元請け、下請けの力関係の背景があり、消費税を下請けに泣かせている、或いは、消費税分の値引きを強いているのが商売の実態である。 そうすれば実質的には支払ってもいない消費税をこの大手輸出企業が還付されていることになってしまう。

つまり不労所得ではないのか。

小さい事業者が、いわれのない消費税を、自腹を切って納めているのに対して、大きな輸出産業が自腹を切るどころか、払うべき消費税も納めないでむしろ還付されて、不労所得で儲けしまう。こういう構造があるということ。

このことを指して、消費税とは、弱者のわずかな富をまとめて強者に移転する税制であると書かせてもらっている。

4番の表は、湖東さんが作った、今の状態を別の角度から見た表。 豊田税務署、海田税務署(広島県)、神奈川税務署など消費税の税収がマイナスになっている。つまり広く消費税を集めているが、それが地元にある大手企業に還付しているので、赤字になってしまっている。
こういうおかしな・・おかしいおかしくない以前に一般の人が知らない現実がある。

ほとんどの人が、先日の国のヒアリングにしても、そこに参加した消費税賛成の人も反対の人も、こういう実態を知らないのではないかと思われる。

ですから、賛成の人の中には、しばしば社会保障の充実を前提に賛成だとおっしゃる人がいたが、社会保障の充実をというのは、もはやない。

そうではなく、社会保障はむしろ、これからより厳しくなっていく。ですから、そもそも昨年の国会の審議の前提になった議論はもはや消し飛んでいる。

それでなければ、今やオリンピックで公共事業だ、そのために消費税を充てるんだというような言い方が当たり前になってきている今、それなら今ある消費税増税法を廃案にした上で、新しくオリンピックのために公共事業をやりたいので、消費税増税をやりたいという審議をやり直さないと筋が通らないと、私は思う。

資料5 「消費税常識のウソ」という大蔵省元関税局長であった森信茂樹さんの書いた本。この人はよく言えば率直で、大蔵官僚のホンネの部分をきちんと本にして下さっている。

これを見ると、例えば、「増税で商品やサービスの価格が上昇した場合、上昇分すべてを節約することも出来ます。」 要するに消費者は節約すればいいじゃないかと。
「お金持ちの人は節約しなくてもいいという風に考えるかもしれない」と。
つまり、お金持ちは困らないからいいじゃないかと言っている。

「更に好ましいことではありませんが、転嫁できない場合もあるでしょうから、家計の負担も最大額も少なくなるはずです。そうなれば、家計にとっては好ましい話しなのです。」
つまり、事業者が自腹を切って納めるから、消費税が増税されたからといって、直ちに生活物資の値上げには繋がらないだろう。 だから消費者は困らないだろうなどと書かれている。

これは一般向けの、主に消費者を想定して書いた本だから、消費者が損しないとなれば支持してくれるだろうという考えで、こう書いてあるわけだが、では本来負担すべき消費者が負担しないで、小さな事業者が負担するのは、それでいいじゃないかと。

要するに弱い者が我慢して、かぶるんだから、消費税は多くの人にとっては困らないからいいだろう。 そんないい加減な税制があっていいのだろうか、と私は考える。

まあこの人は率直といえば率直だという話。

いずれにしても、弱肉強食論もそうだが、この在り方は、市場原理によって弱いから努力が足りないから退場していくのでさえない。 市場原理プラス弱いところに余計多くの税金を課すことによって、より強い者がより多くの利益を享受する仕組みにしかなっていないのではないかと考えている。

こういう話をするとしばしば会う反論に、齋藤さんの転嫁の問題は、いわば元請け下請けの関係、つまり中小企業政策の問題ではないか? 下請けいじめというのは、公正取引委員会のマターだよ。それを税制の問題にもってくるのはおかしいという反発があるが、それこそおかしい。

何故なら、こういう因果関係がわかっている以上、そして消費税増税というのが、政治である以上、学問領域であるとか、省庁間の縦割りの線引きとは関係なく、政治は総合的に判断すべきだ。

消費税増税をすれば、必ず零細企業や自営業の多くが廃業や倒産に追い込まれ、そこの事業者や働いている従業員も失業するしかない。 その人たちの多くは、まあいわば人生の全否定に近いと私は理解しているが、多くの人が自殺していく。それが目に見えていながら、国を上げて増税するということにどういう意味があるのか、是非多くの方に考えてもらいたいと思う。

資料6 「税の種類と仕組み」は、大阪国税局が、国税庁の方針の下に作った、小学6年生の社会科向けに作った資料。
ここに国税の主な種類として、
所得税、法人税、消費税 
消費税⇒商品を買ったときに掛かる税金とだけ書かれている。 
ここには、買ったときに誰が払うとか、所得税や法人税とは全く違う仕組みであるにも拘らず、敢て誤解を促すような書き方をしている。

下の図は国税庁のHP 消費税の多段階課税の仕組み の図
ここで国税庁は必ずしもウソはついていない。
財務省-s

原材料製造業者から消費者へと製品が移るたびに消費税が課税されていく構図が書いてある。
この点は小学生向けの資料とはだいぶ違うが、ここでも最後に消費者が負担した消費税5000円は、各事業者が個別に納付した消費税の合計が5000円と、分かったような分からないような書き方をしている。 

これを素直に読めば、各流通段階で掛かった税金は、最終的にすべて消費者が負担しているのだとしか読めないが、これは全然実態を反映していない。 それぞれの所における力関係で、より多くを負担する所があるわけで、最終的に消費者が負担するというほど簡単なものではない。(財務省の資料が最近変っていましたby schnauzer)

そもそも消費税というネーミング自体が、消費者が消費財についてのみ負担するというような誤解を招く、積極的なミスリードをうながしたネーミングであると考えている。

最後に、しばしばある議論だが、子どもたちの世代或いはこれから生れてくる世代に、今の財政危機を回すなという言い方があるが、これだけはとにかく止めてほしい。
全くウソだ。 

何故なら、そもそも今の世代の中でも、これほどはっきり不公平がある。 輸出業者で働いている労働者と、エリートサラリーマンはまた違う。 経営者はまた違う。
逆に下請けで負担をさせられて上で、負担した金額が公に使われるわけでもない、自分たちをいじめた輸出企業に不労所得として差し上げてしまうような、このような不公平な税制。

だから、これを敢て、今の世代が負担して、後の世代を助けるとどうしても言いたかったら、今の世代「貧しい者」が負担して、後の世代の「豊かな者」を助ける税制ではないのかと思う。

そもそも今の世代の「貧しい者」が、これ以上廃業したり、倒産したり、失業したのでは、後の世代など生れてこない。ということを理解してほしい。

******************

以上

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